中央の4石だけで終わる最短の対局は何手か
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オセロは中央に置かれた4つの石から始まります。ここで「この4石だけで対局は終わるのか。終わらないなら、中央の4石から出発して最短で何手目に終わるのか」という問いを立ててみます。盤面を一手ずつ追うと、最短終局が起きるための条件が見えてきます。その条件は、普通の対局がなぜそこへ向かわないかの説明にもなります。 答えを先に言うと、4石のままでは対局は終わりません。最初の局面で黒には置ける場所があるからです。では何手目から終局がありえるのか。この記事は、その手前の3手目までを確実に追い、そこから先を自分の手で調べるための道具を渡す練習問題の形にしています。 最短の手数としては、後手が先手を全滅させる8手がよく紹介されます。ただしこの数字は、記事の最後に示す方法で自分で確かめてください。
練習問題1:4石のままで終局しますか
終局は、両者とも置ける場所がなくなったとき、または盤上から片方の石がなくなったときです。最初の局面でそうなっているかを確かめます。
この記事では、列を左から a〜h、行を上から 1〜8 と呼びます。標準の初期配置は次のとおりです。
- 白:d4 と e5
- 黒:d5 と e4
- 先手は黒
作品によって盤の向きや色の配置の見せ方が違うことがあります。「潮目のオセロ」で遊ぶときは、画面の配置が標準と同じかどうかを作品を開いて確かめてください。向きが違っても、回転や反転で重なる配置なら以下の議論は同じです。
黒の合法手は d3、c4、f5、e6 の4つです。たとえば f5 なら、f5・e5(白)・d5(黒)と並ぶので e5 を返せます。したがって4石の局面は終局ではなく、最短でも1手以上かかります。
もう一つ、手数と石数の関係があります。パスがあっても石は減らず、置くたびに盤上の石は1つ増えます。したがって n 手目を終えた時点の盤上の石は 4+n 個です。たとえば「8手で全滅」なら、盤上は12石がすべて同じ色になります。
練習問題2:3手目までに全滅は起きますか
最も早い全滅を考えます。全滅させるには、相手の石をすべて、1回の着手で返し切る必要があります。
初手は1通りとして数えてよい
初期配置は、盤の対称な回転や反転で自分自身に重なります。黒の4つの初手は d3、c4、f5、e6 ですが、どれも対称な位置にあるため、1つ調べれば足ります。ここでは f5 を調べます。
黒 f5 のあと
f5 で e5 が返ります。
- 黒:d5、e4、e5、f5(4石)
- 白:d4(1石)
2手目の白は、d4 を起点にして黒を挟める手しか打てません。d4 からの方向を順に見ると、次の3つです。
- 下方向(d5 が黒):d6 に置くと d5 が返る
- 右方向(e4 が黒):f4 に置くと e4 が返る
- 右下方向(e5 が黒):f6 に置くと e5 が返る
白が黒を全滅させる可能性は2手目にはありません。黒は4石あり、どの手でも返るのは1石だけだからです。
白の3つの応手のあと、黒は全滅させられるか
3手目に黒が、白の3石をまとめて返せるかを確かめます。
- d6、白の石:d4、d5、d6(縦に3つ)、黒の石:e4、e5、f5
- f4、白の石:d4、e4、f4(横に3つ)、黒の石:d5、e5、f5
- f6、白の石:d4、e5、f6(斜めに3つ)、黒の石:d5、e4、f5
どれも白の3石が一直線に並んでいます。一直線を返すには、列の両端の外側に黒を置き、もう一方の端にすでに黒がいる必要があります。
- d6 の場合は d3 と d7 が両端です。どちらにも黒がいないので返せません。
- f4 の場合は c4 と g4 が両端です。やはり黒がいません。
- f6 の場合は c3 と g7 が両端です。やはり黒がいません。
1つの着手で複数の方向を同時に返す手もあります。ただしその場合、3石すべてに隣接する空きマスが必要です。この3つの局面でそうしたマスを探しても、返す方向の先に黒がいないため、3石すべては返りません。たとえば d6 の局面では c5 が3石すべてに隣接しますが、斜め方向の先 e3 に黒がいません。
以上から、3手目までに全滅は起きません。これは、初期配置・黒の4通りの初手・白の応手を実際に並べて確かめた範囲で成り立つ結論です。自分でも紙や盤の上で再現してみてください。
練習問題3:4手目以降は自分で探します
ここから先は、枝が増えるため、記事の中で網羅しません。探し方と、確認する条件を示します。
探索の設計
- 問い:n 手目に片方の石がゼロになる手順はあるか。n を4、5、6…と増やして、最初に見つかる n を探します。
- 準備:紙に8×8の方眼を描くか、コインや碁石を使います。「潮目のオセロ」の返る石のプレビューと「一手戻す」を併用してもかまいません。ただし、ヒントと一手戻すはひとり対局専用で、CPUの手は自分で選べません。両側の手を自由に選びたいときは、友達と招待リンクでオンライン対局をして、お互いに協力して短く終わる手順を打つ方法があります。オンライン対局には、確認済みアカウントが必要です。
- 記録の単位:1手ごとに「手数・誰が・どこに置いたか・何個返ったか・黒の総数・白の総数」を1行で書きます。同じ局面が対称なら、片方だけ調べます。
結果の読み方
- 総数が 4+n と一致しているか、毎手確認します。ずれていたら、返し忘れか置き間違いです。
- 全滅の手の直前の局面を見ます。全滅された側の石が、1本の列や少数の列に集まっているはずです。集まっていないなら、その手順は途中で崩れています。
- 最短が見つかったとして、それより短い手順がないとは言い切れません。短い手数ごとに全ての枝を数え上げる必要があります。
起こりやすい誤り
- 挟む相手の端を確認しない。 返せるのは「置いた石」と「同じ色の既存の石」の間にある、連続した相手の石だけです。
- 斜めの返し忘れ。 縦横だけ見て、斜めに返る石を落としがちです。
- パスの見落とし。 置けない手番は飛ばされます。「潮目のオセロ」のオンライン対局では、置けない手番は自動でパスになります。
なぜ普通の対局ではこの手順が出ないのか
全滅は、勝つ側と負ける側が同時にその方向へ進んで初めて起きます。普通の対局では、片方が避ければ起きません。
石をたくさん返す手は、一見強そうに見えます。しかし序盤では、返しすぎて自分の石が増えるほど、相手に置ける場所を与えてしまいます。
練習問題2では、白の応手が3つに限られていました。序盤は合法手が少ないため、手が限定される場面がたびたび生じます。限定された手の先で、石が一直線に並ぶことがあります。全滅の手順は、その状況が連続して重なったときに初めて現れます。
実際の対局では、各自が「置ける場所が多く残る手」「相手に角や端を渡さない手」を選びます。多くの石を返すことより、相手の選択肢を減らすことが大事にされるからです。「潮目のオセロ」の3段階のCPUと対局し、プレビューで返る石を確認しながら打つと、返る石の数と戦況が一致しない感覚をつかめます。
また、全滅は勝敗の点では最大の勝ちですが、普通のルールでは「最終的に石の多い方が勝ち」です。全滅を狙う価値は、パズルとして短い手順を探す楽しさにあります。
次の行動
まず練習問題2の3つの局面を、盤の上で並べ直してみてください。そのうえで、4手目から先を1手ずつ調べ、全滅が起きる最短の n を探します。友達とオンライン対局をする場合は、先に「今日は短く終わらせる」と決めておくと、手順の検証がしやすくなります。


