マガジン

13作品の人気投票を開くなら:投票の設計と結果の読み方

遊びを見つける

執筆にClaudeを使用しています。

失敗の原因となった橋を直し、短い通路から再挑戦できる玉転がしの写真風イメージ。
記事のテーマをもとに制作したAI生成イラスト。

友人5人で、アソバースの公式作品13本を遊んだあとに「結局どれが一番よかったか」を決めたくなった場面を考えてみます。口頭で「やっぱり○○かな」と言い合うだけだと、声の大きい人の好みに寄りがちです。かといって紙に1作品だけ書いて集めると、割れた票の理由が見えません。 この記事が確かめるのは、人気投票はどう作れば結果が読めるものになるかという点です。13作品の順位そのものは載せていません。順位は、読者が自分の集まりで投票して初めて出るものです。ここでは投票用紙の作り方、集計の計算、そして出た順位をどこまで信じてよいかの判断基準を順に示します。最後に、アソバースの画面にある「いいね」「プレイ回数」「レビュー平均」と、自分たちの投票を並べて読む方法にも触れます。

この記事の目次
  1. 先に決める:何の「一番」を選ぶのか
  2. 投票用紙を作る手順
  3. 集計の計算:小さな例で確かめる
  4. 結果の読み方:どこまでを順位と呼ぶか
  5. アソバースの数字と並べて読む
  6. 起こりやすい誤り
  7. 次の行動

先に決める:何の「一番」を選ぶのか

「一番よかった」という言葉は、実は複数の問いを含んでいます。投票の前に、次のどれを選ぶのかを決めておきます。

  • 自分がもう一度遊びたい作品はどれか
  • 初めての人に最初に勧めたい作品はどれか
  • 家族や子どもと一緒に遊ぶなら、どれが向くか
  • 作ってみたい気持ちが湧いた作品はどれか

同じ13作品でも、問いが違えば順位は変わるはずです。たとえば「また遊びたい」では、短時間で何度も挑める作品が上に来るかもしれません。「初めての人に勧める」では、操作の説明がいらない作品が有利になるかもしれません。どちらも起こり得る話で、実際にどうなるかは投票してみないと分かりません。

問いは一つに絞ってください。複数を知りたいなら、投票を問いごとに分けます。一枚の用紙に混ぜると、結果の読み方があいまいになります。

投票用紙を作る手順

遊んだ作品だけを対象にする

13作品すべてを全員が遊ぶのは、現実には難しいことがあります。遊んでいない作品に票を入れられないように、用紙には「遊んだ作品に印をつける欄」を先に置きます。投票できるのは印をつけた作品だけです。

遊ぶ時間にも基準を設けます。「各作品を最低5分は触る」のように揃えると、短時間で終わる作品と、慣れるまで時間がかかる作品の差が少し縮まります。5分という数字は一例です。集まりの都合で決めてください。

オンライン対戦があるのは「潮目のオセロ」と「灯りのチェス」だけです。相手を1人招待するには、確認済みアカウントでの部屋作成が必要です。2人そろわない場合は、両作品ともひとり対局があるので、そちらで遊んだ印象を基準にします。この2作品だけ対戦で遊んだ人がいると、条件が揃わなくなります。全員が同じ遊び方で触れたかどうかも、用紙の備考欄に書いておくと後で役立ちます。

投票方式を選ぶ

方式によって、同じ気持ちから違う結果が出ます。主な4方式を比べます。

  • 単記、書き方:1位を1作品だけ書く、向く場面:人数が多く、手早く決めたい、弱点:好みが割れると同票だらけになる
  • 承認、書き方:「いい」と思う作品すべてに印、向く場面:作品数が多く、人数が少ない、弱点:強い好みと弱い好みが区別できない
  • 順位つき(点数)、書き方:上位3作品を選び3・2・1点、向く場面:少人数で順位まで知りたい、弱点:3位以降の差は見えない
  • 一対一、書き方:2作品ずつ比べて勝敗を数える、向く場面:上位の少数を決め直すとき、弱点:13作品全部では組み合わせが多すぎる

13作品を5人程度で順位づけするなら、「順位つき(点数)」が扱いやすい方式です。13作品全部に順位をつけるのは負担が大きいので、各自が遊んだ作品の中から上位3つだけを選び、3点・2点・1点を与えます。選ばれなかった作品は0点です。

集計の計算:小さな例で確かめる

実際の投票結果ではなく、計算の練習用に作った架空の例で手順を確かめます。作品は「ア」「イ」「ウ」の3つ、投票者は3人、点数は1位2点・2位1点・3位0点とします。

  • 1人目:ア → イ → ウ
  • 2人目:イ → ウ → ア
  • 3人目:ウ → イ → ア

合計点は次のとおりです。

  • ア:2+0+0=2点
  • イ:1+2+1=4点
  • ウ:0+1+2=3点

順位は、イ、ウ、アの順になります。ここで、1位だけを書く単記投票に直してみます。ア、イ、ウがそれぞれ1票ずつで、3作品が同票です。同じ3人の気持ちでも、方式を変えると「決まらない」状態になります。順位つきの方式では、全員が2位以内に置いたイが浮かび上がりました。幅広く支持された作品は、順位つきで強くなります。

13作品で実際に行うときも、集計表は同じ作りです。作品名を縦に、投票者を横に並べ、各セルに点数を書き、最後に行ごとに合計します。合計を「その作品を遊んだ人数」で割った平均点も、別の列に出しておきます。理由は次の節で説明します。

結果の読み方:どこまでを順位と呼ぶか

集計が終わると、1位から13位までの表ができます。そのまま順位として受け取る前に、次の4点を確かめます。

1. 点差は投票者何人分か。 満点が3点の方式なら、投票者1人の気持ちの変化だけで、合計点は最大で3点動きます。1位と2位の差が3点以内なら、1人の投票が違えば順位が入れ替わる差です。その場合は「1位」ではなく「同格の上位」と読むほうが正直です。

2. 遊んだ人数は揃っているか。 合計点が高くても、遊んだ人が多かっただけかもしれません。逆に、2人しか遊んでいない作品が、全員一致で選ばれている場合もあります。合計と平均の両方を見て、順位が大きく食い違う作品には、遊んだ人数を添えて報告します。

3. 遊びの種類が違う作品を、同じ物差しで並べていないか。 13作品には、対戦、音を扱うもの、パズル、操縦、庭づくりや観察のような「正解を競わない」ものが混ざっています。次のような見方が目安になります。

  • 対戦:潮目のオセロ、灯りのチェス
  • 音:雨音のピアノ、こだまの森、WAVE / WAVE
  • パズル:月夜の配達、プリズムの道、かたちのあいだ
  • 操縦・調整:紙ひこうき郵便、小さな軌道、時計じかけの台所
  • 配置・観察:潮だまり、余白の庭

これは公式の分類ではなく、この記事の中で比べやすくするための分け方です。全体順位に加えて、この種類ごとに上位を見ると、「パズルの中ではこれ」「音の中ではこれ」という読み方ができます。全体で下位でも、特定の種類の中では強い作品が見えてくる場合があります。

4. 投票者の偏りはないか。 5人全員がパズル好きなら、結果はその集まりの好みを映します。「この集まりでの順位」と言い切るのが安全で、「13作品の本当の順位」とは呼べません。

アソバースの数字と並べて読む

自分たちの投票ができたら、アソバースの画面にある数字と並べてみます。ランキングは、プレイ回数、いいね数、レビュー平均を切り替えて見られ、ジャンルで絞り込めます。評価順はレビューが3件以上ある作品から載り、掲載は上位50作品です。公式13作品がそれぞれどう表示されているかは、その時点の画面で確認してください。

それぞれの数字が示すものは違います。

  • プレイ回数:作品が起動された実測の回数です。同じ端末・同じ作品の30分以内の再起動は重複として除かれますが、人数ではありません。一人が何度も遊べば増えます。
  • いいね数:1アカウントにつき1件で、「好きな作品」と連動します。
  • レビュー平均:1〜5点の評価の平均です。1アカウント1作品1件で、本人が編集・削除できます。

プレイ回数は「入口の広さ」、いいねとレビューは「遊んだ後の気持ち」に近い数字です。自分たちの投票は、狭い範囲の人が、決めた問いについて選んだ結果です。ですから、画面の数字と食い違っても、どちらかが間違いとは限りません。問いと母数が違うだけです。食い違いが見つかったら、「何が違うのか」を話し合う材料にします。たとえば、起動されやすいが評価が割れる作品なのか、起動は少ないが遊んだ人の満足が高そうな作品なのか、といった具合です。

ここで注意が一つあります。アソバースには、ゲーム内スコアの共通ランキングはありません。13作品のうち10作品の記録は、画面を開いている間だけ残る仕組みです。「ハイスコアの高さ」で投票の代わりにしようとしても、比べる土台がありません。投票は感想で行うものとして設計してください。

起こりやすい誤り

人気投票でありがちな失敗を、設計の段階で防ぐ形にまとめます。

  • 先に遊んだ作品が有利になる。 遊ぶ順番は人ごとにずらします。最初に遊んだ作品は新鮮さで高く、最後は疲れで低くなる傾向があります。
  • 作品名のイメージで選ぶ。 表紙やタイトルの雰囲気で票が動くことがあります。カバー画像は生成したアートワークで、ゲーム画面そのものではないので、遊んだ印象と分けて考えます。
  • 理由を聞かない。 順位だけだと、次の行動に結びつきません。各自に「選んだ理由を一言」と「次に遊びたいもの」を書いてもらうと、結果が読み物になります。
  • 票の途中公開。 他の人の票が見えると、同調が起こります。全員が書き終えてから開票します。
  • 同点を無理に決める。 同点は同点のままで構いません。決める必要があるなら、同点の作品だけで一対一の再投票をします。

次の行動

まず、集まりで答えたい問いを一つ決め、13作品のうち遊んだものに印をつける用紙を作ってください。各自が上位3作品を選び、3・2・1点で集計し、合計と平均の両方を表にします。出た順位は、点差が投票者1人分以内なら「同格」と読み、最後にアソバースの画面の数字と並べて、違いの理由を話し合ってみてください。