一音だけ変えて別の曲にする:変化を聞き取る
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同じ8音のメロディを2回続けて聞き、2回目はどこか一音だけが違う場面を考えてみます。違いに気づける人もいれば、「なんとなく雰囲気が変わった」としか言えない人もいます。この差は耳の良し悪しだけでなく、「何を基準に聞いているか」で変わります。 一音を変えるだけで別の曲に聞こえるかどうかは、その音が高くなったか低くなったかよりも、前後の音との関係で決まります。たとえば、終わりの音を落ち着く音から外すと、曲が途中で止まったように聞こえます。一方、途中の音を半音ずらしても、速い流れの中では気づきにくいことがあります。ただし、あなたの耳でどの変化がどれだけ聞き分けられるかは、自分で確かめないとわかりません。 この記事では、短い基準メロディを決め、一音だけ変え、聞き分けて記録するところまでを手順にします。使うのは「雨音のピアノ」、小さなHTMLファイル、そして「WAVE / WAVE」です。結果は書きません。答えはあなたの記録から出ます。
この記事の目次
手順1:基準メロディを決めて、先に覚える
変化は、元の形を覚えていて初めて聞き取れます。まず基準を固めます。
- 「雨音のピアノ」を開き、自由演奏で鍵盤を押して音の並びを確かめます。キーボードは A W S E D F T G Y H U J の12キーで、Z/Xで音域を動かせます。この並びが左から半音ずつ上がる一般的な鍵盤配置と同じかどうかは、実際に押して確かめてください。
- 白鍵だけで、8音以内の短い旋律を作ります。迷ったら、次の相対表記が使えます。基準の音を0とし、半音いくつ上か下かで書く方法です。
0, 2, 4, 0, 4, 2, 0, -5
「ドレミド、ミレド、低いソ」の形です。2は全音上、4は全音2つ上、-5は5つ下の音を指します。
- 基準を5回続けて弾くか、聞きます。弾いたあとに口ずさめれば、覚えられています。
- 音色を一つに固定します。フェルトとガラスの切り替えがあるので、練習中は変えません。タッチと余韻の設定も同じにします。
音色や強さが変わると、音程以外の違いが混ざります。練習の目的は音程の変化だけを聞くことなので、他の条件は固定します。
手順2:一音の変え方を一つずつ決める
一度に複数を変えないのが原則です。最初は「どの位置を」「どちらへ」「どれだけ」の3点を決めます。
- 半音ずらす、例:3番目の音を半音上げる、聞きどころ:小さな差を拾えるか
- 全音ずらす、例:同じ位置を全音上げる、聞きどころ:半音との難しさの差
- 終わりの音を変える、例:最後を0にする、または別の音にする、聞きどころ:終わった感じが変わるか
- 大きく跳ばす、例:途中の音をオクターブ違いにする、聞きどころ:旋律の輪郭が変わるか
- 一音抜く、例:4番目の音を休符にする、聞きどころ:リズムの感じ方の変化
最初の1セットでは、上の表の最初の3行だけで十分です。位置は、冒頭付近、真ん中、最後の3か所に分けて試します。
位置による違いを確かめるのが、この練習の中心です。音が速く流れる途中の一音と、旋律が閉じる最後の一音では、同じ半音の差でも聞こえ方が違うことが多いと言われます。ただし、自分ではどうかは記録を取らないとわかりません。
手順3:小さなプログラムで出題を自動にする
自分で変えて自分で聞くと、答えを知っているぶん、先入観が入ります。ランダムに一音を変えて出題するだけの最小のHTMLを用意します。メモ帳などに貼り付けて listen.html として保存し、ブラウザで開いてください。外部のライブラリや通信は使いません。
<button id="bBase">基準を聞く</button>
<button id="bAsk">出題する</button>
<button id="bAgain">出題をもう一度</button>
<button id="bAns">答えを見る</button>
<p id="out"></p>
<script>
const base=[0,2,4,0,4,2,0,-5];
let ctx, quiz=null, pos=0, d=0;
function tone(n,t){
const o=ctx.createOscillator(), g=ctx.createGain();
o.type="triangle";
o.frequency.value=261.63*Math.pow(2,n/12);
g.gain.setValueAtTime(0.2,t);
g.gain.exponentialRampToValueAtTime(0.001,t+0.45);
o.connect(g); g.connect(ctx.destination);
o.start(t); o.stop(t+0.5);
}
function play(seq,t){ seq.forEach((n,i)=>tone(n,t+i*0.5)); }
function start(){ ctx=ctx||new AudioContext(); ctx.resume(); return ctx.currentTime+0.1; }
function playPair(){ const t=start(); play(base,t); play(quiz,t+5); }
bBase.onclick=()=>play(base,start());
bAsk.onclick=()=>{
pos=Math.floor(Math.random()*base.length);
d=[-2,-1,1,2][Math.floor(Math.random()*4)];
quiz=base.slice(); quiz[pos]+=d;
out.textContent="出題しました。違う位置と方向を書き留めてから答えを見てください。";
playPair();
};
bAgain.onclick=()=>{ if(quiz) playPair(); };
bAns.onclick=()=>{
if(!quiz) return;
out.textContent=`${pos+1}番目の音が${d>0?"高く":"低く"}${Math.abs(d)}半音変わっていました`;
};
</script>1回の出題では、基準の8音が先に流れ、1秒ほど空けて変更版の8音が流れます。基準は上の base の配列で、数字を書き換えれば別の旋律に変えられます。
手順4:聞き分けて記録する
答えを見る前に紙かメモに書くことが大切です。記録の単位は「1問1行」です。
- 出題ボタンを押して再生を聞きます。必要なら「もう一度」を2回まで使います。
- 答えを見る前に、次の3点を書きます。
- 何番目の音だと思ったか
- 高くなったか、低くなったか
- どのくらい自信があったか(高・中・低の3段階)
- 「答えを見る」を押し、正解の位置・方向・半音数を同じ行に書き足します。
- 20問で1セットとします。1セットが終わったら休み、別の日に同じ条件でもう1セットを行います。
集計は、位置別(冒頭・中ほど・最後)と変化量別(1半音・2半音)の2軸で表にします。
- 位置は当たっても方向を間違える場合は、「どこが違うか」は拾えて、「どちらへ動いたか」の把握が弱いと読めます。
- 最後の位置の正解が他より多ければ、終わりの音の印象を手がかりにしている可能性があります。
- 1半音と2半音で正解数に差があれば、細かい差を拾う練習が必要だと判断できます。
- 自信が高いのに外れた問題は、記憶している基準が実際とずれているサインです。基準を口ずさんで直します。
20問では偏りが出やすいので、1回の結果で結論を出さず、2セット以上を見比べてください。
手順5:「WAVE / WAVE」で一音を一ステップに置き換える
もう一つの練習は、ループの中で聞き分ける方法です。「WAVE / WAVE」は4つの音を16ステップに並べてループ再生するリズムスタジオで、3つのお手本、テンポ、スウィング、トラックごとのミュート、取り消しがあります。
- お手本を一つ選び、ループ再生させます。まず何周か、並びを覚えるつもりで聞きます。
- 目を閉じるか、画面から目をそらします。誰かに頼める場合は、1ステップだけ音を足す、消す、位置を一つ動かす、のいずれかを実行してもらいます。一人で行うなら、変更する前に何を変えるかをサイコロなどで決め、ステップ位置を伏せたまま操作します。
- 変化した後のループを聞き、どのトラックのどのあたりが違うかを言い当てます。
- 答え合わせのあとは取り消しで元に戻し、もう一度ループを聞いて基準の形を確かめ直します。
16ステップのうち一つだけの変化は、全体の1/16です。拍の頭に近いか、裏拍に近いかで気づきやすさが違うかもしれません。この点は記録して確かめてください。トラックごとのミュートを使うと、変更したトラックだけを単独で聞けます。聞き取れないときは、ミュートで1トラックずつ確認します。
また、「WAVE / WAVE」には保存があるので、基準のパターンを保存しておけば、後日同じ基準から再開できます。保存の仕組みの細部は、作品を開いて確かめてください。
起こりやすい誤りと、次の工夫
- 同じ基準を使い続ける:基準を暗記すると、聞き取りではなく記憶照合になります。数セットごとに基準を変えてください。
- 答えを見てから位置を書く:後付けの記録は、正解率を高く見せます。必ず答えの前に書きます。
- 手弾きで比較する:「雨音のピアノ」で基準と変更版を手で弾き分けると、押すタイミングのずれも混ざります。音程の聞き分けを練習するなら、自動出題のほうが条件を揃えられます。手弾きの録音は30秒・128音まで残せますが、画面を開いている間だけです。複数を並べて保存できるかは、作品を開いて確かめてください。
- 長時間続ける:集中が落ちると記録の質が下がります。20問ごとに休みます。
- 音量や環境を変える:スピーカーとイヤホンでは聞こえ方が変わります。同じ機器、同じ音量で比べます。
「雨音のピアノ」には、3音から8音へ育つフレーズの記憶ゲームがあります。お手本の速さを選べるので、遅い速さで始めて、間違える位置が偏るかを手順4の記録に加えると、聞き取りの練習として使えます。
次の行動
まず基準メロディを一つ決め、listen.html を保存して10問だけ出題してみてください。位置・方向・自信度を紙に書き、答え合わせの前後を分けて記録します。そのあと「WAVE / WAVE」のお手本から一つを選び、1ステップだけ変えたループを聞き比べれば、音程とリズムの両方で小さな違いを聞く練習になります。



