親子で1日でゲームを作るワークショップの進め方
遊びをつくる執筆にClaudeを使用しています。

「子どもと一緒にゲームを作ってみたい」と思っても、どこから手をつけるか分からず、先延ばしにしている方は少なくありません。プログラミング経験がなくても、AIツールを使えば1日でブラウザで動くゲームを完成させることは現実的な目標です。 この記事では、保護者と子ども(目安として小学校高学年以上)が土日の1日を使って、企画・制作・公開までを体験するワークショップの進め方を、時間配分・役割分担・失敗しやすいポイントとともに説明します。「完成品を1つ手に入れること」を最終ゴールに置き、そこから逆算して工程を組んでいます。
この記事の目次
1日のスケジュールをどう組むか
ワークショップを「朝から夜まで」と大まかに考えると、集中力が続かず途中で失速しがちです。4つのブロックに分けると管理しやすくなります。
午前前半(約1時間):企画とルール決め午前後半(約2時間):AIでコードを生成する午後前半(約2時間):動作確認と修正午後後半(約1時間):仕上げと公開
合計6時間前後が現実的な上限です。それ以上かけると疲弊して「完成」が遠のきます。昼食休憩を1時間はさむとして、朝9時に始めれば夕方5時には終わります。
企画フェーズ:「作れるもの」に絞り込む技術
最初の1時間が後工程の難易度を決めます。子どもが「大きな夢」を語りやすいのは自然なことですが、1日で完成できる規模に落とし込む判断を保護者が担います。
絞り込みの基準は「動詞ひとつ」です。
- クリックする → クリッカーゲーム
- 避ける → 障害物よけゲーム
- 並べる → パズルゲーム
- 当てる → クイズゲーム
プレイヤーが行う動作が1つに絞れているなら、1日で作れます。「敵を倒しながらアイテムを集めてボスを倒す」は動詞が複数あり、1日では完成しません。子どもが複雑なアイデアを出したときは「その中でいちばん面白い瞬間はどこ?」と問いかけて、その一点だけを残します。
テーマはキャラクターや世界観で飾れますが、ゲームの仕組みは1つに絞る。この原則を最初に共有しておくと、後で「もっと機能を追加したい」という要求が出たときに「今日の目標は完成させること、追加は次回」と返しやすくなります。
企画が決まったら、紙に「どんなゲームか(一文)」「プレイヤーは何をするか」「クリアまたは終了の条件」の3つを書き出します。これがAIへの指示文の原型になります。
AIでコードを生成するフェーズ:指示の出し方と役割分担
現在、ChatGPTやClaudeなどの対話型AIにゲームの仕様を伝えると、HTMLとJavaScriptを組み合わせたブラウザゲームのコードを生成できます。プログラミング知識がなくても動くコードを受け取ることが目標です。
指示文の構造は以下の順で書くとAIが理解しやすくなります。
- ゲームの一言説明(例:「マウスで動くバーでボールを跳ね返すゲームです」)
- 画面の構成(例:「上からボールが降ってきて、下にバーがある」)
- クリア・失敗の条件(例:「ボールを10回跳ね返したらクリア、落としたらゲームオーバー」)
- 見た目の希望(例:「背景は夜空、ボールは星の形」)
- 出力形式の指定(「HTMLとJavaScriptをひとつのHTMLファイルにまとめてください」)
この指示文を書く作業は、子どもに担当させるのがおすすめです。自分のアイデアを言葉に変える練習になり、AIが生成したコードへの当事者意識も生まれます。保護者は文章が曖昧な箇所を質問で整理するサポート役に回ります。
生成されたコードはブラウザで開いてすぐ確認できます。Windowsならメモ帳、Macならテキストエディットにコードを貼り付けて「game.html」などの名前で保存し、ダブルクリックするとブラウザでゲームが起動します。
動作確認と修正フェーズ:2時間で「完成」に近づける方法
最初に生成されたコードが完璧に動くことは多くありません。動かない、動いても意図と違う、という状態から修正していく作業が午後の中心です。ここが最も時間を読み誤りやすい工程です。
修正の優先順位を決めておくことが重要です。
優先度1:ゲームとして最低限成立するか(動く・止まる・終わる)優先度2:遊んで楽しいか(難易度・テンポ)優先度3:見た目(色・文字・演出)
優先度3から手をつけると時間を使い切ってしまいます。「まず動くものにする、それから楽しくする、見た目は最後」という順番を親子で合意しておきます。
バグや意図しない動作が起きたときは、AIに「このコードで〇〇という問題が起きています。修正してください」とそのまま伝えます。コードを貼り付けて症状を説明すれば、修正案を返してくれます。この「AIに相談する→コードを差し替える→ブラウザで確認する」のサイクルを繰り返すことが作業の実態です。
1回のサイクルが5〜10分かかることを見込んで、2時間で10〜15回まわせると考えておきます。完璧を目指さず、「遊べる状態」になった時点でフェーズを切り上げる判断も保護者の役割です。
仕上げと公開フェーズ:完成を「形」にする
動くゲームができたら、最後の1時間でタイトル画面・作者名・遊び方の説明を加えます。これらもAIへの追加指示で対応できます。「タイトル画面を追加して、スペースキーでゲームが始まるようにしてください」のように伝えます。
ゲームをアソバースに投稿する場合は、完成したHTMLファイルを直接アップロードする形式に対応しています。ZIPにまとめて投稿することもできます。投稿後はURLが発行されるので、祖父母や友人にそのURLを送れば、インストールなしにブラウザでプレイしてもらえます。
公開したあとに「次は敵キャラを追加したい」「スコアをランキングにしたい」というアイデアが出てくることがほとんどです。それは「次回のワークショップ」の課題として記録しておくと、学習の継続につながります。今日の目標は「1つ完成させること」であり、物足りなさを感じるくらいが次への動機になります。
次の行動
まず紙とペンを用意して、「動詞ひとつ」のルールに従いゲームのアイデアを1つ書き出してみてください。アイデアが決まったら、AIへの指示文5項目を書く練習をするだけで、ワークショップ当日の準備はほぼ整います。完成したゲームはアソバースに投稿すると、URLひとつで家族や友人に届けられます。

