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一画面の文字数を数える:読みやすい作品は少ないか

遊びを見つける

執筆にClaudeを使用しています。

折りたたみ紙が広がる枠で、言語による文字量に対応する画面設計を表したイラスト。
記事のテーマをもとに制作したAI生成イラスト。

ブラウザゲームを開いた直後の画面に、説明の文字がどれだけ並んでいるかを考えてみます。タイトル、ボタンの名前、遊び方の短い文、設定の項目などを合わせると、数十文字で済む作品もあれば、画面が文字で埋まる作品もあるはずです。では「読みやすい作品は少ないか」と聞かれたとき、何をどう数えれば答えられるでしょうか。 この記事は答えを先に示しません。数える単位、記録の取り方、結果の読み方を設計書として並べ、読者が手元の作品で答えを出せる形にします。文字数が少なければ分かりやすいとは限りません。文字が少なくてもアイコンの意味が分からず止まる作品はありますし、文字が多くても順を追って出てくるので迷わない作品もあります。文字数と分かりやすさの関係を見るには、両方を別々に測って並べる必要があります。

この記事の目次
  1. 「少ない」と言うために、何と比べるかを決める
  2. 数える対象を決める:一画面の定義と記録シート
  3. 分かりやすさをどう測るか
  4. 結果の読み方:四つの象限
  5. 起こりやすい誤り
  6. 次の行動

「少ない」と言うために、何と比べるかを決める

「読みやすい作品は少ないか」は、そのままでは測れません。少ないかどうかは、何かと比べて初めて言えるからです。次の二つを先に決めておきます。

  • 「読みやすい」の定義:初めて開いた人が、説明なしで最初の操作に進めること。文章が上手かどうかは別の話として扱います。
  • 比べる集まり:手元で遊んだ作品の集まりです。サイト全体の傾向を語る数字にはなりません。

作品の集まりは、まず3〜5本から始めるのが現実的です。操作の種類が違うものを混ぜると、差が見えやすくなります。たとえば次の組み合わせが考えられます。

  • 潮目のオセロ:盤面を中心に、返る石のプレビューや理由付きヒントがある作品です。
  • 紙ひこうき郵便:制限時間の中で操縦する作品です。
  • 時計じかけの台所:レシピ順に材料を入れ、針が緑の範囲に来たら止める作品です。

どの画面にどれだけ文字が出るかは、各作品を開いて確かめてください。この記事では文字数の値を示しません。

数える対象を決める:一画面の定義と記録シート

文字数を数える前に、「一画面」を固定します。ここが曖昧だと、数え直すたびに値が変わります。

一画面の定義

次のように決めておくと、あとで見直しやすくなります。

  1. 画面の大きさを固定します。ブラウザの窓の大きさと拡大率を記録し、全作品で同じにします。プレイ画面を拡大すると見える範囲が変わるので、拡大率は変えません。
  2. 表示言語を固定します。サイトの日本語/英語の設定で表示が切り替わる作品があります。日本語と英語では同じ内容でも文字数が違うため、混ぜて比べないでください。
  3. 状態を分けて数えます。起動直後、プレイ中、結果や終了の画面の3つです。同じ作品でも、起動直後は静かでプレイ中は文字が増える、ということがあります。
  4. スクロールしないと見えない部分は、数えるときに別枠にします。狭い画面で横スクロールが出る作品もあるため、「最初に見える範囲」と「スクロールで見える範囲」を分けます。

何を数えるか

数える文字の規則も先に決めます。

  • 数える:ひらがな、カタカナ、漢字、英字、数字(1桁を1文字)、記号。
  • 数えない:スペースと改行。
  • 数える場所:ボタンの文字、見出し、本文、ラベル、スコアなどの表示。
  • 別枠にする:画像に含まれる文字です。作品ごとにタイトルの文字組みが異なり、画像として描かれている場合もあるため、画面上の文字と区別して記録します。
  • アイコンだけのボタンは0文字とします。ただし後で「意味が分かったか」を別に評価します。

記録シート

次のような表を作ります。1作品につき状態ごとに1行です。

  • (作品名)、言語:日本語、状態:起動直後、文字数(1回目):、文字数(2回目):、内訳:操作の名前:、内訳:説明文:、内訳:数値や状況表示:
  • (作品名)、言語:日本語、状態:プレイ中、文字数(1回目):、文字数(2回目):、内訳:操作の名前:、内訳:説明文:、内訳:数値や状況表示:
  • (作品名)、言語:日本語、状態:結果、文字数(1回目):、文字数(2回目):、内訳:操作の名前:、内訳:説明文:、内訳:数値や状況表示:

数えるのは各状態につき2回です。1回目と2回目が一致しなければ、規則のどこかが曖昧です。一致するまで規則を直してから先へ進みます。スクリーンショットを自分用に撮っておくと、数え直しが楽です。

内訳を分ける理由は、同じ30文字でも「操作の名前」が多い画面と「説明文」が多い画面では、読む負担が違うからです。

分かりやすさをどう測るか

分かりやすさは、文字数のように直接数えられません。そこで「最初の操作までの時間」と「迷いの回数」という行動の記録に置き換えます。

手順

  1. 作品を一度も開いたことのない人を選びます。家族や友人など、協力してもらえる人で構いません。
  2. 説明は一切せず、「好きに遊び始めてください」とだけ伝えます。
  3. ストップウォッチで、起動から「最初の意味のある操作」までの秒数を測ります。たとえば石を置く、紙ひこうきを動かす、材料を入れる、といった操作です。
  4. 途中で手が止まった回数、同じ場所を押して反応がなかった回数を数えます。
  5. 終わったあとに「何をすればいいか分かったか」を3段階(すぐ分かった/少し迷った/分からなかった)で答えてもらいます。

守ること

  • 初見は一度しか成立しません。同じ人に同じ作品を2回測っても、2回目は初見の値になりません。作品ごとに初見の人を変えるか、作品の順番をずらして偏りを減らします。
  • 秒数は人によってばらつきます。1人の値で結論を出さず、できるだけ複数の人の値を並べます。人数が少ないうちは、傾向を見るだけにとどめます。
  • 測る人が横で表情や視線を見てしまうと、助言したくなります。声をかけない約束を先に決めます。

自分の作品を測りたい場合も、同じ手順で使えます。

結果の読み方:四つの象限

記録がそろったら、横軸を「起動直後の文字数」、縦軸を「最初の操作までの秒数」にして点を打ちます。基準線は、集めた作品の中央値(小さい順に並べたときの真ん中の値)に引きます。絶対的な「多い・少ない」の線はなく、自分の集まりの中で相対的に分けるためです。

  • A、文字数:少ない、最初の操作まで:短い、読み取り方:文字に頼らず伝わっています。何が伝達を担っているか(配置、色、形)を観察する価値があります。
  • B、文字数:多い、最初の操作まで:短い、読み取り方:文字が多くても迷わない作品です。内訳を見て、説明文の量が多いのか、操作名が多いのかを確かめます。段階的に表示されていないかも確認します。
  • C、文字数:少ない、最初の操作まで:長い、読み取り方:文字が足りないか、アイコンの意味が伝わっていない可能性があります。迷った場所を記録から探します。
  • D、文字数:多い、最初の操作まで:長い、読み取り方:読む量が負担になっている可能性があります。どの文が読まれず、どの文が必要だったかを聞き取ります。

この図で「読みやすい作品が少ないか」を読むには、象限AとBの点が全体のどれくらいを占めるかを見ます。ただし、基準線を中央値にしている以上、点はおおよそ半分ずつに分かれます。数の少なさを言いたいなら、中央値ではなく「最初の操作まで何秒以内を読みやすいとするか」を、測る前に自分で決めておく必要があります。測ったあとに基準を動かすと、結論が都合のよい形になるので避けてください。

制限時間のある作品の見方

時間が決まっている作品では、もう一つ見る価値のある指標があります。たとえば紙ひこうき郵便の海辺は36秒で5通、時計じかけの台所の本番は1皿28秒と決まっています。一方、時計じかけの台所には時間制限なしの見習いがあります。同じ作品でも、読める時間が違います。

そこで、プレイ中に読む必要のある文字数を、使える秒数で割った値を記録してみてください。「1秒あたり何文字を読むことになるか」という値です。見習いと本番、あるいは作品どうしを比べるときに使えます。どの文字を「読む必要がある」とするかは、遊びながら自分で判断し、判断の基準を記録に書いておきます。

起こりやすい誤り

数える作業は単純に見えますが、次の点で結果がずれやすくなります。

  • 言語を混ぜる:日本語と英語では文字数が変わります。数え始めてから切り替えると、比較できなくなります。
  • ヒントを開いた状態で数える:ヒントや図鑑、ノートなどを開くと文字が増える作品があります。ヒントは作品によって使える場面が異なります。たとえば潮目のオセロでは、ヒントと一手戻すはひとり対局のみです。ヒントを開く前と開いた後で分けて数えます。
  • 画像内の文字を混ぜる:画像の中の文字を数えると、画面上の文字数とは別のものが入ります。カバー画像はゲーム画面のスクリーンショットではないため、カバー画像の文字も数えません。
  • 動きの影響を忘れる:文字が少しずつ現れる、あるいは動く表示は、数えるタイミングで値が変わります。「動きを抑える」設定に対応した作品もあるので、設定を固定し、画面が落ち着いた時点で数えます。
  • 1回目だけの記録を信じる:同じ状態を2回数えても一致しないときは、規則の曖昧さを疑います。
  • 少数の結果を一般化する:3〜5本の集まりから「読みやすい作品は少ない」と言うことはできません。言えるのは、その集まりの中での傾向です。

次の行動

まず、操作の違う3本を選び、表示言語と画面の大きさを決めて、起動直後の画面の文字数を2回ずつ数えてみてください。次に、1本につき1人の初見の人に協力してもらい、最初の操作までの秒数を測ります。自分の作品を投稿する予定がある場合は、公開前に同じ手順で数えておくと、紹介文や遊び方の文章を減らすか残すかの判断材料になります。