Midjourneyでゲームのキャラクターを作る:統一感を出すプロンプト
遊びをつくる執筆にClaudeを使用しています。

Midjourneyで一人のキャラクターを作るのは比較的かんたんです。しかし、主人公・仲間・敵・NPCを並べたとき、まるで別々のゲームのキャラクターが混在しているように見えてしまう——これがゲーム制作でMidjourneyを使う人がぶつかる最初の壁です。 この記事では「複数キャラクターの統一感」という問いに絞って答えます。色調の合わせ方や構図の固定方法、プロンプトのどこを変えてどこを固定するかの判断基準を、具体的な記述レベルで示します。Midjourneyの基本操作は理解しているものの、シリーズとして一貫したキャラクターセットが作れていない人を想定しています。
この記事の目次
なぜキャラクターがバラバラに見えるのか
原因はほぼ一つです。プロンプトの「変えていい部分」と「固定すべき部分」が整理されていないことです。
キャラクターごとに職業や見た目の特徴を変えようとするとき、アートスタイルや光源、線の太さ、色の彩度といった「画面上のルール」まで毎回変わってしまいます。Midjourneyはプロンプトのわずかな差で生成傾向が変わるため、「ファンタジーRPGのキャラクター」とだけ書いて主人公と魔法使いを別々に生成すると、同じゲームの住人に見えないことがほとんどです。
統一感を出すために必要なのは「スタイルテンプレート」の概念です。変えてよいのはキャラクターの個性に関わる情報だけにして、その他のスタイル指定をすべてのプロンプトで共通化します。
固定すべき要素と変えてよい要素
プロンプトを次の二層に分けて考えると整理しやすくなります。
固定層(全キャラクターで同一にする)
- アートスタイルの指定(例:2D game sprite style、pixel art 16-bit、flat vector illustration)
- 線の処理(例:clean black outlines、no outlines)
- 光源の方向と種類(例:soft front lighting、flat lighting no shadows)
- 色の彩度・トーン(例:muted pastel palette、vibrant saturated colors)
- 背景の処理(例:white background、transparent background、simple gradient background)
- 視点・構図(例:full body、3/4 view、side view)
- 画面比率とサイズ指定(Midjourneyの --ar パラメーター)
可変層(キャラクターごとに変える)
- 年齢・体型・髪型・肌の色
- 職業や役割(戦士、魔法使い、商人など)
- 衣装の色と形状
- 武器・持ち物・アクセサリー
- 表情や姿勢
この分類を持っておくことで、「どこを変えてもスタイルが崩れないか」の判断が速くなります。
スタイルテンプレートの作り方
まず1枚だけ「理想の1枚」を作ることから始めます。ゲームの雰囲気に合う1キャラクターを丁寧に生成し、そのプロンプトの中から可変層の記述を除いた部分を抜き出します。それがスタイルテンプレートです。
たとえば次のような構造になります。
[スタイルテンプレート]
2D game character, flat vector illustration, clean black outlines,
soft front lighting, muted pastel color palette, full body,
white background, game art style --ar 1:2 --v 6[キャラクターA:主人公]
young female warrior, short red hair, silver armor, holding a sword,
determined expression +
[スタイルテンプレート][キャラクターB:魔法使い]
elderly male wizard, long white beard, blue robe, holding a staff,
calm expression +
[スタイルテンプレート]スタイルテンプレート部分をコピーして可変層だけ書き換えていくのが基本の流れです。
シード値(--seed)を使う場合の注意
Midjourneyには --seed パラメーターがあり、同じシード値を指定すると似た構図・タッチで生成されやすくなります。ただしシード値はスタイルを完全に固定する仕組みではなく、プロンプトの内容が変われば結果も変わります。スタイルテンプレートの代わりにはならないため、あくまで「傾向を寄せるための補助」として使うのが現実的です。
色を統一するための具体的な指定方法
色のばらつきはスタイルの不一致として目立ちやすい問題です。次の指定方法が有効です。
パレット名で指定するearth tones、cool blue palette、warm amber tones など、色の系統を言葉で固定します。具体的な色名を並べるよりも、色の雰囲気を表す言葉のほうがMidjourneyには伝わりやすいことがあります。
彩度・明度の方向を指定するdesaturated colors(彩度低め)、vibrant high saturation(鮮やか)、dark moody tones(暗め)のような指定で、ゲーム全体のトーンを揃えます。
ゲームのUI色と合わせるゲーム制作の文脈では、UIに使う主要色をプロンプトに含めることも一つの方法です。たとえばUIがネイビーとゴールドを基調にしているなら、navy and gold accent colors をスタイルテンプレートに加えると、キャラクターとUIの親和性が上がります。
失敗しやすいパターンと対処法
パターン1:スタイル指定が曖昧すぎるanime style だけでは範囲が広すぎます。同じ「アニメ」でも少女漫画風・少年漫画風・ゲーム向けのデフォルメなど、結果が大きく変わります。2D RPG game sprite, clean line art, anime-influenced のように複数の修飾で絞り込みます。
パターン2:1プロンプトに情報を詰めすぎる可変層と固定層が混ざって長くなりすぎると、Midjourneyが優先する要素を判断しにくくなります。プロンプトは合計で60〜80語程度に収めるのが扱いやすい目安です。
パターン3:Vary(バリエーション機能)でスタイルが崩れるMidjourneyの Vary (Subtle) や Vary (Strong) を使うと細部が変わるとともにスタイルが少し動くことがあります。バリエーションを出した結果をそのまま使うのではなく、スタイルテンプレートから再生成する選択肢を常に持っておくことが大切です。
パターン4:体型比率がキャラクターごとにずれるfull body character と書くだけでは人物の頭身がばらつきます。2-head tall chibi や realistic 7-head proportion のように頭身を明示することで揃いやすくなります。
生成後に統一感を補う考え方
プロンプトだけで完全に揃えるのは難しい場面もあります。そのときは生成後の工程も含めて考えます。
Midjourneyで出した素材を画像編集ツールで調整するとき、全キャラクターに同じ色補正(例:彩度を一律10%下げる)を掛けるだけで見た目のまとまりが出ることがあります。また、ゲームのUIやマップに乗せたときに「浮いて見えるか」を必ず確認するステップを習慣にすると、素材単体では気づきにくい不統一を早期に発見できます。
生成ツールはあくまで素材を作る手段です。最終的にゲーム画面として成立するかどうかは、実際のゲーム画面に配置してみることでしか確かめられません。
次の行動
今手元にあるキャラクタープロンプトを固定層と可変層に分けてみてください。固定層だけを取り出してスタイルテンプレートとして保存し、次のキャラクターはそこに可変層を加える形で生成してみると、統一感の差を実感できます。作れたキャラクターセットは、HTMLファイルやZIPにまとめてアソバースに投稿する際にそのまま使えます。
参考資料
- Midjourney 公式ドキュメント(パラメーター・プロンプト構造の解説)
- Midjourney 公式Discordサーバー(#prompt-craft チャンネルのサンプル集)
