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更新のたびに測る3つの数字

遊びを届ける

執筆にClaudeを使用しています。

試作の段ボールから入口やゴールを備えた完成形へつながるゲーム模型の写真風イメージ。
記事のテーマをもとに制作したAI生成イラスト。

ブラウザゲームを公開して、数日後に更新を出す場面を考えてみます。ステージを2つ足し、タイトル画面の説明文も書き直しました。翌週に作品ページを開くと、プレイ回数が前の週より増えています。「更新が効いた」と言いたくなりますが、本当にそうでしょうか。週末が挟まっただけかもしれませんし、説明文が変わって入口の印象が良くなっただけで、足したステージは関係ないかもしれません。 この記事で確かめるのは、プレイ回数・いいね・レビューの3つを、更新の前後でどう並べれば「何が効いたか」を読み分けられるか、という問いです。数字は多いほど良いわけではありません。3つが何を数えているかを先に押さえ、更新前に記録の枠を決めておけば、増減の意味はかなり絞れます。 なお、文中の数字はすべて計算を説明するための仮の数字で、実際の作品の結果ではありません。

この記事の目次
  1. 3つの数字が答えられる問いと答えられない問い
  2. 更新前に決めておく記録の枠
  3. プレイ回数は「人数」ではなく「起動の回数」
  4. いいねは「プレイ回数との比」で読む
  5. レビューは「件数が少ないうちは平均を読まない」
  6. 起こりやすい誤りと、順位の扱い
  7. 次の行動

3つの数字が答えられる問いと答えられない問い

3つの数字は、見ている場所がそれぞれ違います。

  • プレイ回数:作品が起動された回数です。作品を開く入口まで人が来たかどうかを映します。
  • いいね:遊んだ人が「好き」と判断して押した結果です。1アカウントにつき1件で、「好きな作品」と連動します。
  • レビュー:1〜5点の点数と、1〜2,000文字の本文です。点数は圧縮された評価で、本文は理由を含みます。

この3つで答えられるのは、「更新の前後で、入口に来る人・好きになる人・言葉を残す人の動きが変わったか」までです。逆に答えられないものもあります。

  • ゲームの途中で何人が離脱したか。
  • どのステージで詰まったか。
  • 更新内容のうち、どの変更が効いたか。

最後の点は特に重要です。ステージ追加と説明文の書き換えを同時に出すと、数字が動いても原因は分けられません。後半で扱いますが、更新1回につき変えるものを一つに絞るだけで、読み取れる情報量は大きく変わります。

また、アソバースにはゲーム内スコアの共通ランキングがありません。「スコアの伸び」は3つの数字に含まれないので、作品内の難しさの調整を見たいときは、別の手段(自分でゲーム内に記録する、レビュー本文を読む)が必要です。

更新前に決めておく記録の枠

数字は、更新を出した後に見始めても遅すぎます。更新前の数字が分からないと、比べる相手がいなくなるためです。更新の前日までに、次の枠を用意します。紙でも表計算でも構いません。

  • 日付、記録する内容:記録した日
  • 更新の内容、記録する内容:変えたものを一行で(複数なら分けて出す)
  • プレイ回数、記録する内容:作品ページに表示される数字
  • いいね数、記録する内容:同上
  • レビュー件数と平均、記録する内容:同上

記録の単位は「7日間の窓」にそろえるのがおすすめです。更新前の7日間と更新後の7日間を比べれば、曜日の偏り(週末に遊ぶ人が多いなど)が両方に同じだけ入ります。累計値は毎日同じ時刻に控えておき、7日ぶんの差し引きで「その窓の増分」を出します。

窓の長さは、数字が十分に動く長さにします。1日あたりの増加が少ない作品なら、14日に伸ばしても構いません。ただし更新前と更新後で必ず同じ長さにします。

作品ページのどこにどの数字が出るかは、画面の更新で変わる可能性があります。作者として見られる範囲は、現在の画面と案内で確認してください。

プレイ回数は「人数」ではなく「起動の回数」

プレイ回数は、作品起動の実測回数です。同じ端末・同じ作品の30分以内の再起動は、重複として数えません。人数ではない点に注意が必要です。

ここから、読み方の注意が三つ出てきます。

  1. 同じ人が日を改めて遊べば、回数は増えます。リピートの多い作品は、人数より回数が大きくなります。
  2. 30分以内の再起動は増えません。読み込みが失敗してやり直した場合などは、回数に出てきません。
  3. ゲーム内の「もう一度」ボタンは起動ではないので、回数に影響しません。

そのため、プレイ回数が主に映すのは作品名、カバー、紹介文といった入口まわりの効き目です。ゲーム内容を良くしても、入口の見え方が変わらなければ、初回の起動回数は動きにくいと考えられます。逆に、説明文を変えた直後にプレイ回数だけが動いたなら、入口が変化に反応したという読み方ができます。これは仮説であり、実際に自分の作品で確かめる必要があります。

いいねは「プレイ回数との比」で読む

いいねは1アカウント1件なので、数字は人数に近い単位です。プレイ回数は起動の回数で、いいねはアカウントの数です。単位が違うため、単純に並べても意味が取りにくくなります。そこで、窓ごとに「いいねの増分 ÷ プレイ回数の増分」を出します。

仮の数字で計算してみます。

  • 更新前の7日:プレイ回数の増分が40、いいねの増分が2 → 2÷40で5%
  • 更新後の7日:プレイ回数の増分が60、いいねの増分が3 → 3÷60で5%

この場合、プレイ回数は1.5倍になったのに比は変わっていません。入口に来る人は増えたものの、遊んだ後の気持ちは変わっていない、という読み方になります。中身ではなく入口が効いた可能性が高い、ということです。

比が動いたときの読み方は、次のように整理できます(いずれも仮説として扱ってください)。

  • 増える、いいねの比:変わらない、読み方:入口が広がった。中身の評価は同じ
  • 変わらない、いいねの比:上がる、読み方:遊んだ人の満足が上がった可能性
  • 増える、いいねの比:下がる、読み方:新しく来た層と作品が合っていない可能性
  • どちらも動かない、いいねの比:、読み方:窓が短いか件数が少なく、判断を保留

ここで、増分がごく小さいとき、比は大きく振れます。いいねが1件増えるだけで比が倍になることもあります。増分が一桁のうちは、比を結論にせず、窓を延ばして様子を見ます。

もう一つの注意として、いいねはアカウントに紐づくため、ログインしていない人の「好き」は数字に出ません。ログインなしで遊べる環境では、実際の満足より少なく出ている可能性があります。

レビューは「件数が少ないうちは平均を読まない」

レビューには、点数と本文があります。1アカウントにつき1作品1件で、本人が編集・削除できます。この「編集できる」点が、数字の読み方に影響します。

件数が変わらないのに平均が動いたなら、新しいレビューではなく、既存のレビューの書き換えかもしれません。たとえば、更新に満足した人が点数を直したのかもしれません。そのため、件数と平均は必ずセットで記録します。

件数が少ないうちは、1件の点数が平均を大きく動かします。仮に2件で平均4.0のところへ、1点のレビューが1件加わると、平均は3.0に下がります。計算上、3件目が1点なら (5+3+1)÷3=3.0 のような動きになります。これを「更新で評価が下がった」と読むのは早計です。ちなみにアソバースの評価順ランキングは、レビュー3件以上から掲載されます。3件前後は、平均が安定しない段階だと考えるのが妥当です。

点数より価値があるのは本文です。新しいレビューが付いたら、次の三つに仕分けします。

  • 更新前の版について書かれているように読めるもの
  • 更新後の版について書かれているように読めるもの
  • どちらとも判断できないもの

更新内容に触れているレビューは、一件でも手がかりになります。「ステージが増えて続けやすくなった」という言葉があれば、その更新は意図した方向に届いたと読めます。点数だけでは、この情報は得られません。

なお、自作の評価はできません。自分で点数を押し上げることはできない仕組みなので、友人に頼むなどの操作は、数字を読む意味そのものを薄くします。

起こりやすい誤りと、順位の扱い

数字を読むときに起こりやすい誤りを挙げます。

  • 複数の変更を同時に出す:説明文とステージ追加を同時に出すと、どちらが効いたか分けられません。1回の更新で変えるものは一つにします。
  • 窓の長さが更新前後で違う:増分の比較が成立しません。
  • 窓の中に連休や大型の話題が入る:作品と無関係の波が混ざります。記録欄に「窓内の出来事」の一行を足しておきます。
  • ランキング順位を指標にする:ランキングはプレイ回数・いいね数・レビュー平均の切り替えとジャンル絞り込みで見られ、上位50作品です。順位は他の作品の動きでも変わります。自作の変化を測るなら、順位ではなく自分の窓の増分を使います。
  • 1日単位で一喜一憂する:増分が小さい作品では、1日の差はほぼ揺らぎです。

次の行動

次の更新を出す前に、記録の枠(日付・更新内容・プレイ回数・いいね数・レビュー件数と平均)を用意し、直近7日間の増分を控えておきます。更新は変える点を一つに絞り、同じ長さの窓で増分を比べます。結果が出たら、プレイ回数・いいねの比・レビュー本文の順に、表の読み方に当てはめて仮説を一つだけ書き残してください。作者が確認できる数字の範囲は、現在の画面と案内であらかじめ確かめておきます。