チームで使うGemini利用ガイド1枚のひな形:Workspace組織向けの書き方
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Workspace組織でGeminiを使うチームの利用ガイドは、規程のように網羅せず、現場が迷う4点だけを書けば1枚に収まります。4点とは、(1)どの情報を渡してよいか、(2)人が何を確認してから使うか、(3)迷ったときの相談先、(4)使うアカウントと場所です。この記事では、そのまま貼って埋められるA4一枚のひな形と、記入例、Geminiに下書きを作らせる依頼文を示します。 先に前提を整理します。GoogleのWorkspace向け生成AIプライバシーハブ(2026年10月28日に閲覧)には、コンテンツを許可なくドメイン外の生成AIモデルの学習に使わないこと、Geminiは利用者本人がアクセスできるコンテンツだけを参照することが書かれています。管理者がGeminiの無効化や会話履歴の保持を設定できること、対応エディションでは生成された出力に既存のDLP(データ損失防止)が適用されることも説明されています。ただし、これは社内の誰に見せてよいか、個人情報を扱ってよいか、というルールの代わりにはなりません。ガイドはその隙間を埋めるために書きます。
1枚に入れる項目と、入れない項目
入れるのは「現場で毎回迷うこと」だけです。
- 渡してよい情報の区分、1枚に入れるか:入れる、理由:最も迷い、事故につながりやすい
- 人が確認する項目、1枚に入れるか:入れる、理由:出力をそのまま使う事故を防ぐ
- 使うアカウント・場所、1枚に入れるか:入れる、理由:会社アカウント以外の利用を避ける
- 相談先と報告のしかた、1枚に入れるか:入れる、理由:迷ったときの行き先が要る
- 機能の使い方、法令や契約の条文、管理者の設定詳細、1枚に入れるか:入れない、理由:長くなり読まれない。別資料にリンクだけ置く
アカウントを明記する理由は、上記のプライバシー面の説明が組織のWorkspace向けページに書かれたものだからです。個人アカウントや他社のAIサービスにも当てはまるとは読めないため、「会社のアカウントで使う」と書いてください。
A4一枚のひな形
コピーして【 】を埋めます。文字数が増えたら、足すのではなく削ります。
【チーム名】 Gemini利用ガイド(第【 】版・【年月日】更新)
担当:【氏名】 相談先:【チャンネル名またはメール】
1. 使う場所とアカウント
・使ってよい:【会社のWorkspaceアカウントでのGemini】
・使わない:【個人アカウント、承認していない外部AIサービス】
2. 渡してよい情報(3段階)
○ そのまま可:【公開資料、社外に出した文章、一般的な質問】
△ 条件つき:【社内資料(共有範囲を確認)、顧客名を伏せた事例】
× 入れない/要相談:【個人情報、未公開の契約条件、認証情報、未発表の財務情報】
3. 人が確認してから使う
・数字、日付、固有名詞、引用元は原典で確認する
・社外に出す文章は【担当者名/役割】が読んでから送る
・要約は元の資料の重要箇所と突き合わせる
4. 迷ったとき・困ったとき
・迷ったら送る前に【相談先】へ
・誤って入れてしまったら【時間内】に【報告先】へ
・責めずに共有し、ガイドを直す材料にする
5. 見直し:【3か月ごと】に【担当】が更新「渡してよい情報」の書き方
区分の名前は、情報システム部門が既に分類を持っていればそれに合わせます。無ければ次の3段階が扱いやすいです。
- ○ そのまま可:公開済みのプレスリリースなど。自由に使う。
- △ 条件つき:社内の会議メモなど。共有範囲を確認し、固有名詞は置き換える。
- × 入れない/要相談:顧客の氏名・連絡先、パスワード、未公開の契約条件など。入れる前に相談先へ。
個人情報を含む場合は、社内の個人情報の取扱いルールとの照合も必要です。個人情報保護委員会は2023年6月2日に生成AIサービスの利用に関する注意喚起等を公表しています。具体的な留意点は同ページの添付資料にあるため、個人情報を扱うチームは法務や担当者と一緒に読んでください。ガイドの1枚には条文を写さず、「個人情報は×。扱いたいときは相談先へ」と短く書けば十分です。
もう一点、Geminiは本人にアクセス権のあるコンテンツを参照するため、共有範囲が広すぎるファイルは、意図せず他の人の作業に出てくる可能性があります。Workspaceの生成AIのセキュリティとプライバシーのページにも、権限に従う動作と、アプリごとの有効・無効といった管理者の制御が説明されています。導入時に「フォルダの共有範囲を見直す」ことを、ガイドとは別に管理者へ依頼するとよいでしょう。ただし、使える制御や管理画面の項目名は、エディションや組織の設定で異なる場合があります。管理者が自社の契約と画面で確認してください。
記入例
次は架空の「営業企画チーム」の説明用の記入例です。実在の組織や運用ではありません。
営業企画チーム Gemini利用ガイド(第1版・2026年11月1日更新)
担当:山田(仮) 相談先:#ai-相談(仮)
1. 使う場所とアカウント
・使ってよい:会社のWorkspaceアカウントでのGemini
・使わない:個人アカウント、未承認の外部AIサービス
2. 渡してよい情報
○ 公開済みの資料、一般的な文章の言い換え
△ 社内会議メモ(顧客名は「A社」に置き換える)
× 顧客の氏名・連絡先、見積の原価、パスワード
3. 人が確認してから使う
・金額・日付・社名は原典と照合
・顧客に送る文面は、送信前にチームの先輩が読む
4. 迷ったとき・困ったとき
・迷ったら送る前に#ai-相談へ
・誤入力したら当日中に担当へ報告(責めません)
5. 見直し:3か月ごとに山田(仮)が更新「責めません」の一文は、報告が遅れる原因を減らすための編集上の工夫で、公式の要件ではありません。
Geminiに下書きを作らせる依頼文
白紙から埋めるより、状況を渡して下書きを作らせ、人が直す方が速い場合があります。実在の顧客名や社内の機密は入れず、情報の種類だけを書きます。
次のひな形を使い、当チーム向けのGemini利用ガイドの下書きをA4一枚に収まる分量で作ってください。
【チームの仕事】経理の月次処理と取引先への問い合わせ対応
【扱う情報の種類】請求書、取引先の担当者名と連絡先、社内の予算資料
【使うアカウント】会社のWorkspaceアカウントのみ
【迷いやすい場面】取引先からのメールを要約するとき
【相談先】#ai-相談(仮)
条件:
- 「渡してよい情報」は○△×の3段階にし、上の情報の種類を振り分けて理由を一言添える
- 条文や法令の引用はしない
- 分からない項目は【要確認】と書き、推測で埋めない(ここにひな形を貼り付けてから送ります。)出てきた下書きは、次の3点を人が確認します。
- ×の区分が、実際の社内規程や契約と矛盾していないか
- 相談先や更新担当に、実在する窓口が入っているか
- 読んで30秒で内容が分かる量か
振り分けの理由づけには誤りが混じる可能性があります。法令や契約に関わる部分は、担当部署の確認を通してから配布してください。
配布と更新のコツ
- 置き場所:チームの固定メッセージか共有ドライブのトップに、Googleドキュメントで置きます。更新版が常に1つになります。
- 初回の周知:5分で読み合わせ、「△に当たる最近の実例」を1つ出してもらい、区分を直します。
- 見直し:相談先に同じ質問が2回来たら、次の版に1行足します。足したら1行削り、A4一枚を保ちます。
このガイドは禁止の一覧ではなく、迷う場面の判断を短縮する道具です。まずは○△×の表と相談先の2か所だけでも埋めて配り、現場の質問から版を重ねてください。

