プログラミング未経験でもゲームは作れる?AIに任せる範囲と自分でやる範囲
遊びをつくる執筆にClaudeを使用しています。

結論から言います。プログラミング未経験でも、ブラウザで動く小さなゲームを完成させることは今日の時点で現実的に可能です。AIがコードを生成してくれるからです。ただし「AIが全部やってくれる」と思って始めると、たいてい途中で詰まります。どこまでをAIに任せ、どこからを自分で判断・操作するかを最初に把握しておくことが、完成までたどり着く最大のコツです。 この記事では、ゲームを作る工程を分解して「AIが得意なこと」「自分がやるべきこと」「判断が難しいグレーゾーン」を整理します。そのうえで、未経験から最初の一本を完成させるまでの現実的な進め方を示します。
AIが本当に得意なことと、苦手なこと
AIがコードを生成できることは事実ですが、「得意なこと」と「苦手なこと」をごっちゃにすると、指示に詰まったとき何をすればよいかわからなくなります。
AIが得意な作業
- 仕様を日本語で伝えると、それを動くコードに変換する
- 「クリックしたら玉が飛ぶ」「スコアを画面左上に表示する」など、動作が具体的に言語化されていれば、HTMLとJavaScriptのコードを一気に書いてくれる
- エラーメッセージをそのまま貼り付けると、原因と修正方法を説明してくれる
- 既存のコードに「〇〇の機能を追加して」と頼める
AIが苦手な作業
- 「おもしろいゲームを作って」のような抽象的な依頼から、プレイヤーが楽しめる体験を設計すること
- 長いコードを何度も修正しているうちに、前の修正との整合性が崩れていく問題を自力で管理すること
- 完成物が「意図どおりに動いているかどうか」を自分でプレイして確かめること
特に苦手な後者は、人間が担わなければなりません。AIは「コードとして正しいもの」は書けますが、「ゲームとして楽しいかどうか」「プレイヤーが混乱しないかどうか」は体験して判断する人間が必要です。
自分でやるべき3つのこと
コードを書かなくてもよい、というのは本当です。しかし次の3点は、AIではなく作者が担います。
1. ゲームの仕様を言葉で決める
AIへの最初の指示が曖昧だと、生成されるコードも意図と外れます。「横スクロールアクションゲームを作りたい」では情報が少なすぎます。
仕様を整理するときに答えるべき項目は、最低でも次の5点です。
- プレイヤーは何をするゲームか(操作方法と目標)
- ゲームが終わる条件は何か(クリア・ゲームオーバーの定義)
- 画面に何が表示されるか(キャラクター・背景・スコアなど)
- 難易度はどう変化するか(しないなら「しない」と決める)
- 1プレイの長さはどのくらいを想定するか
これを箇条書きでまとめてからAIに渡すと、最初の生成物の完成度が大きく上がります。
2. 動作を自分でテストして問題を言語化する
生成されたコードをブラウザで開いて、実際にプレイしてください。「なんかおかしい」と感じたら、具体的に何が問題かを言葉にします。「敵に触れてもゲームオーバーにならない」「スコアが0のまま変わらない」のように症状を特定できると、AIへの次の指示に使えます。
プレイしながら確認するポイントは、「想定した操作ができるか」「意図しない動作が起きないか」「ゲームオーバーとクリアが正しく発動するか」の3つです。
3. 修正のサイクルを自分でまわす
1回の指示で完成するケースはほぼありません。「生成→テスト→問題を言語化→AIに修正を依頼」のサイクルを5〜20回まわして完成に近づけます。このサイクルを「当然の工程」と思って臨むと、1回でうまくいかなくてもくじけません。
グレーゾーン:どこまで理解が必要か
「コードを読めなくてもいいのか」という疑問は自然です。完全に読めなくても最初の一本は完成しますが、次のケースでは最低限の読み書きが助けになります。
画像や音声ファイルを組み込むとき。 AIはコードを書きますが、ファイルのパス(場所の指定)が間違っていると素材が表示されません。ファイル名やフォルダ構成を確認するために、コードの一部を読む場面が出てきます。
バグが直らないとき。 AIに何度修正を頼んでも同じ箇所でエラーが出る場合、エラーメッセージの意味を自分で調べる必要が出てきます。エラーメッセージは英語が多いですが、そのままAIに「これはどういう意味ですか」と聞けば日本語で説明してもらえます。
コードが長くなってきたとき。 機能が増えるとコードが数百〜数千行になります。このくらいになると、AIが修正を加えるたびに別の箇所が壊れるケースが増えます。ゲームを小さく保つか、コードの構造を理解して管理するか、どちらかの選択を迫られます。最初の一本は小さく保つことを強くおすすめします。
未経験からの現実的な進め方
次の流れで進めると、最短で完成まで届きます。
ステップ1:テーマと仕様を1ページにまとめる先に示した5項目を埋めます。操作が1〜2種類、ゲームオーバー条件が1つ、という規模が最初の一本に向いています。
ステップ2:AIにHTMLファイルとして生成を依頼する「以下の仕様で、1つのHTMLファイルにまとめたブラウザゲームを作ってください」と指示し、仕様を貼り付けます。生成されたコードをテキストエディタに貼り付け、game.htmlなどの名前で保存してブラウザで開くと動作を確認できます。
ステップ3:テストと修正のサイクルをまわす動作確認→問題の言語化→AIへの修正依頼、を繰り返します。1回の修正指示は1〜2点に絞ると、どこが変わったかを追いやすくなります。
ステップ4:素材を整える画像や音声を使う場合は、著作権の扱いに注意が必要です。自分で作ったもの、またはライセンスが明示されたフリー素材を使うのが安全です。個別の判断については、素材の配布元の利用規約や専門家の情報を確認してください。
ステップ5:ZIPにまとめて公開するHTMLファイルと素材をまとめたZIPファイルとして投稿できるプラットフォームに置けば、URLをシェアして他の人に遊んでもらえます。
「完成しない」よくある理由と対策
未経験者がゲーム制作を途中でやめる理由には、いくつかのパターンがあります。
最初から大きいものを作ろうとする。 RPGや複雑なアクションゲームを最初の一本に選ぶと、仕様の決定だけで力尽きます。「1面だけのシンプルなパズル」「当たり判定が1種類の避けゲー」レベルから始めることを強くおすすめします。
AIへの指示が抽象的なまま。 「もっとおもしろくして」「いい感じにして」という指示は、AIが期待どおりに動けません。「玉のスピードを1.5倍にして」「ゲームオーバー後に5秒でリスタートするようにして」のように、変更内容を数値や動作として具体化してください。
エラーで止まってしまう。 ブラウザのコンソール(多くのブラウザでF12キーから開ける)には、エラーの詳細が表示されます。そのメッセージをAIに渡すと、たいていの場合は解決策が返ってきます。コンソールの確認を習慣にすると、詰まる時間が大幅に減ります。
次の行動
まずゲームの仕様を先述の5項目で書き出してみてください。仕様が言葉になれば、AIへの最初の指示を作れます。完成したゲームはZIPファイルにまとめ、アソバース(https://aso-verse.com)に投稿することで、すぐに他の人に遊んでもらえる環境が整います。最初の一本は「小さく完成させること」を最優先に進めてみてください。

