マガジン

ゲームのビジュアル参考の集め方

遊びをつくる

執筆にClaudeを使用しています。

一つのボールと短い足場だけで作られた小さなゲーム模型。
記事のテーマをもとに制作したAI生成イメージ。実際のゲーム画面ではありません。

ゲームを作り始めると、「どんな見た目にすればいいか」という問いが早い段階でぶつかります。頭の中にイメージはあっても、いざ絵や画面を作ろうとすると手が止まる、という経験をした人は少なくないはずです。 この記事で扱うのは、「参考を集める行為そのものをどう進めるか」です。どのサービスで画像を探すかという話よりも、何を目的に集め、どう整理し、制作にどう使うかという判断の流れを中心に説明します。参考集めは作業の下準備に見えますが、実際には「自分が何を作りたいか」を言語化するプロセスでもあります。

この記事の目次
  1. 参考を集める前に「何のために集めるか」を決める
  2. どこから集めるか:場所の選び方
  3. 集めた参考を整理する:使えるボードの作り方
  4. 著作権と参考の使い方について
  5. 参考を「使い終える」ために
  6. 次の行動
  7. 参考資料

参考を集める前に「何のために集めるか」を決める

参考画像を無目的に集めると、ファイルだけ増えて使い切れない状態になりがちです。集める前に、目的を大きく三つに分けて考えると整理しやすくなります。

方向性を決めるための参考は、ゲームの世界観やトーンを自分の中で固めるために使います。「こういう雰囲気にしたい」「このジャンルに近い」という感覚を他人や自分に説明できる状態にするのが目的です。この段階ではゲームに限らず、映画・絵本・写真・音楽のジャケットなど幅広いメディアから引いてかまいません。

制作の手本にする参考は、実際にスプライト・UI・背景などを描いたり組んだりするときに手元に置くものです。「このボタンのサイズ感」「この文字の太さ」という具体的な判断基準を得るために使います。ここではゲームやアプリのスクリーンショットが中心になります。

比較・差別化のための参考は、同ジャンルの作品を並べて「自分の作品はどこが違うか」を確認するために集めます。似すぎていないか、あるいは逆に孤立していないかを判断する材料になります。

この三種を混ぜたまま集めると、後で「この画像は何のために入れたのか」がわからなくなります。フォルダやボードを分けるか、タグをつけて区別しておくと、制作が進んでから見返したときに役立ちます。

どこから集めるか:場所の選び方

参考を集める場所は大きく「ゲームそのものをプレイ・観察する」「画像共有サービスを使う」「書籍・印刷物から引く」の三つに分かれます。それぞれ得られる情報の種類が異なります。

ゲームのプレイと録画は、静止画より多くの情報を含みます。UIがどのタイミングで出るか、画面遷移のアニメーション、色の変化といった「動き」の参考は、スクリーンショットだけでは拾えません。自分で動かしながら「ここが気持ちいい」と感じた瞬間を録画しておくと、後から分析できます。

Pinterest・Behance・ArtStationなどの画像共有サービスは、キーワード検索で大量の参考を効率よく集められます。ただし、これらのサービスで見つかる「ゲームUI」「pixel art」「game concept art」といった画像は、制作中の作品や架空のコンセプトが含まれることがあり、実際のゲームとは異なる場合があります。「これはどのゲームの画像か」を確認せずに手本にすると、実装上の制約を無視した参考になることがあるため、出典は確認しておくと安全です。

itch.io・ブラウザゲームの公開サイトは、自分と同じ環境(ブラウザ・HTML・限られた解像度)で作られた作品を直接プレイできる場所です。「実際に動く状態」で参考を集められるため、技術的な制約を共有した上での参考になります。アソバースのように作品が公開されているプラットフォームも同じ意味で参考になります。

書籍や雑誌は、アートブックやゲームデザインの解説書が該当します。制作意図が言語で説明されていることが多く、「なぜそのビジュアルになったか」という背景まで読める点が画像検索と大きく異なります。参考を「真似るもの」としてではなく「理解するもの」として扱いたいときに適しています。

集めた参考を整理する:使えるボードの作り方

集めた参考は「見られる状態」に保つことが重要です。フォルダに入れたまま開かなくなるのが一番もったいない状態です。

モードボード(ムードボード)と呼ばれる、参考をひとつの画面に並べたコラージュは、方向性の参考を整理するのに向いています。色のトーン・形の傾向・雰囲気が一覧できるため、「自分が作りたいもの」をチームメンバーや外部の人に見せるときにも使いやすいです。Figma・Milanote・Miroなど、画像を自由に並べられるツールで作ることができます。

制作の手本になる参考は、制作ツールの近くに置いておく方が実用的です。画面を分割してリファレンス画像を常時表示しながら作業する、あるいは印刷して壁に貼るなど、「参考を開く手間」をゼロにする工夫をすると実際に手本として使われやすくなります。

整理するときに一言メモを添える習慣も有効です。「この配色が落ち着く」「フォントの大きさが読みやすい」という言葉を残しておくと、後で見返したときに「なぜこれを集めたか」がわかります。画像だけ並んでいると時間が経つと意図が消えます。

著作権と参考の使い方について

参考画像を「自分の作品に直接使う」ことと「制作の参考にする」ことは意味が異なります。他者の画像やスクリーンショットをそのまま自分の作品に組み込む場合は、利用規約や著作権の観点から別途確認が必要です。

「参考にする」とは、色のトーン・レイアウトの比率・フォントの印象などを学び、自分の手で再現・応用することを指します。ゲームのスクリーンショットを私的な参考として手元に置くことと、それを公開作品に流用することは扱いが違います。判断に迷う場合は、権利者の規約や専門家の情報を確認するのが確実です。

また、AIを使って画像を生成する場合も、生成に使った参考画像の利用規約や、生成物の扱いについてサービスごとに条件が異なります。使うサービスの公式情報を確認してから制作に組み込むことをおすすめします。

参考を「使い終える」ために

参考を集めることは手段であり、目的ではありません。参考を集める時間が長くなりすぎると、実制作が後回しになります。「参考を集める時間はここまで」と期限を設け、ある程度集まったら作り始める判断が重要です。

作り始めてから「足りない」と気づいた参考は、その時点で追加で集める方が効率的です。最初から完璧に揃えようとすると、作業が進むにつれて不要だった参考が増えるだけになります。参考は「制作と並行しながら少しずつ更新するもの」と捉えると、集め方が変わってきます。

次の行動

手元にある参考画像を「方向性用」「制作手本用」「比較用」の三つに分けてみてください。分けるだけで、何が足りていて何が余っているかが見えやすくなります。方向性の参考がまだ少ない場合は、itch.ioやアソバースなど実際に動くゲームをいくつかプレイしながら気になった画面を記録することから始めると、具体的な手ごたえを得やすいです。

参考資料

  • Figma 公式ドキュメント(ムードボード・デザインファイルの使い方)
  • Milanote 公式サイト(ビジュアルボード機能の説明)
  • itch.io(ブラウザゲームのプレイと参考収集)
  • アソバース(https://aso-verse.com)