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ゲーム制作プロンプトの書き方:最初に決める7項目

遊びをつくる

執筆にClaudeを使用しています。

同じ形の三つの迷路試作品を、砂時計とノートを添えて比較する卓上写真風イメージ
記事のテーマをもとに制作したAI生成の写真風イメージ。

AIにゲームのコードを書かせるとき、「シューティングゲームを作って」と一言送っても、返ってくるのは動くには動くが自分の想像とまったく違うものだった、という経験をした方は多いはずです。プロンプトが短すぎると、AIは空白を自分で埋めます。AIが選んだデフォルトと自分の意図がずれているほど、修正の往復が増えます。 逆に「何でも書けばいい」と思って長文を送ると、今度は矛盾した指示が混在したり、重要な条件が後半に埋まって無視されたりします。プロンプトの量と質は別物で、密度のある短い指示が長い曖昧な指示に勝ることはよくあります。 この記事では、ゲーム制作のプロンプトを書く前に必ず固めておきたい7つの項目を、「何をどの粒度で書けば伝わるか」という観点から整理します。順番にも意味があるので、最初から読んで自分のプロジェクトに当てはめてみてください。

この記事の目次
  1. なぜ「最初に決める」ことが重要なのか
  2. 7項目の全体像と優先順序
  3. 構造層:ゲームの骨格を伝える
  4. 体験層:見た目と感触を伝える
  5. 技術層:実装方法を絞る
  6. 7項目をまとめてプロンプトに組み込む方法
  7. 次の行動

なぜ「最初に決める」ことが重要なのか

AIとのゲーム制作は、設計図なしに大工に「いい感じの家を」と頼むのに似ています。腕のある職人なら家らしいものは建ててくれますが、玄関の位置も部屋の数も材料もすべて職人の判断になります。後から「やっぱり階段はここに」と言い出すと、壁を壊す作業が発生します。

プロンプトの場合、この「壁を壊す作業」がコードの全面書き直しに相当します。AIは前のコードを参照しながら修正しますが、設計の根幹に関わる変更は積み上げではなく作り直しになることが多く、セッションが長くなるほどコードに矛盾が蓄積しやすくなります。

最初に7項目を決めることの効果は、AIへの伝達精度が上がることだけではありません。自分自身が「どんなゲームを作りたいのか」を言語化できていない部分に気づく、という副次的な効果があります。項目を埋めようとして手が止まった箇所が、そのゲームのまだ決まっていない部分です。

7項目の全体像と優先順序

7項目は「構造」「体験」「技術」の3層に分かれます。上の層が固まっていないと下の層を決めても意味がないので、この順番で埋めてください。

構造層(AIが設計の骨格に使う)

  1. ジャンルとコアループ
  2. 勝敗・終了の条件
  3. 操作インターフェース

体験層(見た目と感触を決める)

  1. 画面サイズと表示スタイル
  2. 難易度と想定プレイ時間

技術層(実装方法を絞る)

  1. 使用言語・フレームワーク・外部アセットの有無
  2. 出力形式と動作環境

以下で各項目を詳しく説明します。

構造層:ゲームの骨格を伝える

1. ジャンルとコアループ

ジャンルは「シューティング」「パズル」「ランゲーム」のようなラベルで伝えます。ただしラベルだけでは不十分で、コアループ(プレイヤーが1〜30秒の間に繰り返す行動のサイクル)を一文で添えると精度が上がります。

コアループの書き方の例です。

  • 「落ちてくるブロックを回転・移動させて横一列を揃えて消す(テトリス型)」
  • 「左右に動くプレイヤーが上から降ってくる敵に弾を当て、敵の弾を避ける(スペースインベーダー型)」
  • 「タップでキャラクターをジャンプさせ、障害物を避け続ける(エンドレスランナー型)」

参照ゲームのタイトルを(〜型)と書き添えると、AIが持つ既存の知識と接続しやすくなります。ただし「完全に同じものを作って」とは書かないように注意が必要です。著作権の観点からも、参照はあくまで仕様説明の補助として使うのが無難です。個別の判断は専門家や公式情報で確認してください。

2. 勝敗・終了の条件

「ゲームオーバーになる条件」と「ゲームクリアになる条件(またはスコアの集計タイミング)」の両方を明示してください。

この項目が抜けると、AIはジャンルの慣習から推測して実装します。エンドレスランナーなのに「面クリア型」で実装されることや、スコアアタック型なのに「3ミスでゲームオーバー」というライフ制が突然現れることがあります。

書き方の例です。

  • 「HPが0になったらゲームオーバー。HPの初期値は3で、被弾するたびに1減る」
  • 「時間切れになったらゲーム終了。制限時間は60秒で延長なし」
  • 「全30面をクリアしたら終了。各面はゴールラインに到達で突破」

3. 操作インターフェース

キーボード操作なのかマウス操作なのか、タッチ対応が必要かを最初に指定します。これはコードの構造に直結するため、後から変えるとイベント処理全体の書き直しになりやすい項目です。

  • 「キーボードの矢印キーで移動、スペースキーで攻撃」
  • 「マウスクリックのみ。クリックした方向にキャラクターが移動する」
  • 「スマートフォン縦持ち想定。タップとスワイプのみで操作できる」

PCブラウザ専用か、スマートフォンでも使えるようにするかはこの時点で決めてください。

体験層:見た目と感触を伝える

4. 画面サイズと表示スタイル

横幅・縦幅をピクセルで指定します。一般的なブラウザゲームでよく使われるサイズは480×640(縦持ちスマートフォン想定)、800×600(PCゲーム標準)、1280×720(ワイドスクリーン)などです。

表示スタイルは「ピクセルアート風」「シンプルな幾何学図形のみ」「グラデーションを使ったフラットデザイン」などを書くと、CSSやcanvasの描画方針が変わります。外部画像を使わずCSSとJavaScriptだけで表現する場合はその旨も書いてください。

5. 難易度と想定プレイ時間

「難易度は低め、初回プレイで1〜2分以内に一区切りつく」のように書くと、AIが敵の速度・障害物の密度・面の長さを調整する基準になります。

この項目を省略すると、AIは「ちょうどいい難易度」を自分で設定します。しかし「ちょうどいい」の基準は人によって大きく異なり、特にプレイヤーが子供か大人かでスコープがまったく変わります。

技術層:実装方法を絞る

6. 使用言語・フレームワーク・外部アセットの有無

「HTML/CSS/JavaScriptのみ、外部ライブラリなし」と書けば、CDNから読み込むコードが混入せずオフラインでも動きます。「Phaser 3を使ってよい」と書けば、物理エンジンやスプライト管理が使えます。

迷ったときの判断基準は「そのゲームに物理演算・衝突判定の複雑な処理が必要かどうか」です。当たり判定がシンプルな矩形同士の判定(バウンディングボックス)で済むなら、ライブラリなしのほうがコードが小さくなります。複数のオブジェクトが重力・跳ね返り・回転を伴って動くならPhaser 3などのゲームエンジンが有利です。

外部アセット(画像・音声)については「使わない、図形とCSSで表現する」か「指定の画像ファイルを使う(ファイル名を列記する)」かを明示してください。AIが勝手に外部URLから画像を読み込もうとすることがあり、404エラーで動かないコードが生成されることを防ぐためです。

7. 出力形式と動作環境

最後に、成果物をどの形式で受け取り、どこで動かすかを指定します。

  • 「単一のHTMLファイルにすべてのCSSとJSをインラインで書く」
  • 「index.htmlとscript.jsに分けて出力する(ZIPでまとめる前提)」
  • 「最新のChrome・Safariで動けばよい。IE対応は不要」

単一HTMLにまとめる形式はファイルを1つ受け取るだけでそのまま開ける利点があります。複数ファイルに分ける形式はコードが読みやすくなる反面、ローカルで開くときにパスの問題が起きやすいため、動作確認の手間が増えます。最終的にZIPにまとめてプラットフォームに投稿する予定があるなら、最初から複数ファイル構成で進めるほうがスムーズです。

7項目をまとめてプロンプトに組み込む方法

7項目が決まったら、箇条書きで「仕様セクション」としてプロンプトの冒頭に置きます。その後に「上記の仕様に基づいて、〜を実装してください」と続ける形が整理しやすいです。

仕様セクションの例を示します。

【仕様】
- ジャンル:エンドレスランナー。キャラクターが自動前進し、障害物をジャンプで避けるコアループ
- 終了条件:障害物に接触したらゲームオーバー。スコアは走った距離に比例して加算
- 操作:キーボードのスペースキーまたはマウスクリックでジャンプ
- 画面サイズ:800×300px。表示スタイルはシンプルな幾何学図形のみ
- 難易度:時間経過とともに速度が上がる。最初の10秒は障害物が少なめ
- 技術:HTML/CSS/JavaScriptのみ。外部ライブラリ・外部画像なし
- 出力:単一HTMLファイル。Chrome最新版で動作確認

この仕様セクションをそのままコピーして使う必要はありません。自分のゲームに合わせて各行を書き換えてください。項目が空欄のまま送るより、「まだ決めていないので標準的な値にしてほしい」と明示するほうが、AIが判断を誤りにくくなります。

次の行動

上の7項目を自分のゲームアイデアに当てはめて、仕様セクションを書いてみてください。すべての項目を埋めきれなかった箇所が、設計で最初に悩むべき部分です。仕様セクションが完成したら、それを冒頭に置いたプロンプトをAIに送り、出力されたコードをブラウザで開いて動作を確認するところから始めましょう。作ったゲームはHTMLファイル単体またはZIPにまとめてアソバース(https://aso-verse.com)に投稿できます。