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終わりを数字で見せない作品:言葉と絵で結果を伝える

遊びを見つける

執筆にClaudeを使用しています。

色鉛筆の線やゲームのスケッチが描かれたノートとカード。
記事のテーマをもとに制作したAI生成イメージ。実際のゲーム画面ではありません。

ゲームが終わった直後の画面を考えてみます。一方には「2,340点」とだけ出る画面、もう一方には、遊んだ内容を一文で言い表した言葉と、一枚の絵が出る画面があります。数字は一目で比べられます。ところが、その数字を見て「次は何を変えよう」と思えるかどうかは別の話です。 この記事の問いは、終わりを数字以外で伝える作品では、プレイヤーは何を受け取り、何を失うのかです。感想では答えが出ません。そこで、読者が自分で遊んだ記録を取り、数えて確かめる手順として組み立てます。数値の結果はここには載せません。載るのは、何を数え、どう読むかの設計です。

この記事の目次
  1. 結果表現を四つの型に分ける
  2. 公式作品を素材に、数字の役割を見る
  3. 記録シートの作り方と集計の単位
  4. 結果の読み方と、起こりやすい誤り
  5. 次の行動

結果表現を四つの型に分ける

分析の最初の仕事は、終わり画面にあるものを同じ基準で分類することです。次の四つの型で考えると、記録しやすくなります。一つの作品が複数の型を併用していることも珍しくありません。

  • 数の型:点数、順位、最高記録、手数、残り時間など。比較が一瞬でできます。
  • 言葉の型:評価の一文、称号、短い講評など。何がうまくいったかを文で示します。
  • 絵・物の型:図鑑、完成した風景、集めたものの一覧など。結果が目に見える形で残ります。
  • 振り返りの型:軌跡、録音の再生、棋譜など。過程そのものを見返せます。

分類のコツは、「その表現だけを見て、次の一回で何を変えるか言えるか」を基準にすることです。点数だけで言えることは「もっと高くしたい」までで、何を変えるかは自分で推測するしかありません。言葉や絵が先に答えを出してくれる作品があるかどうかが、この分析の焦点になります。

公式作品を素材に、数字の役割を見る

アソバースの公式作品は、素材として使えます。ここで書くのは、確認済みの仕様から読み取れる範囲だけです。終わり画面の文言や見た目の細部は、作品を開いて確かめてください。

数の型が明確なのは次の作品です。

  • 時計じかけの台所:料理ごとに100点評価があり、本番は1皿28秒・ミス3回までです。
  • こだまの森:聴き直しで15点減、間違いで30点減というルールで、最高記録はゲームを開いている間だけ残ります。
  • プリズムの道・月夜の配達:最少回転や最少区間数を記録します。

これらは「最良の状態」が数で定義されているため、数の型を中心にした作品だと読み取れます。

一方、数字以外の結果が中心に見えるのは、次のような作品です。

  • 潮だまり:海藻や小石を置いて潮を切り替えると、隣接条件に応じて8種の生きものが現れます。絵付き図鑑と観察ノートがあります。結果が点ではなく「何が現れたか」という絵と記録で残る作りです。図鑑の埋まり具合を数で表示するかどうかは、開いて確かめる部分です。
  • 余白の庭:時間制限のない庭づくりで、置けるのは最大80個、保存もあります。完成した庭そのものが結果になる設計と読めます。採点があるかどうかは作品を開いて確かめます。
  • 小さな軌道:前回の軌道が細い実線で残り、全軌道予測の点線とあわせて見られます。試行の結果が軌跡という絵で積み重なる、振り返りの型の例です。
  • 雨音のピアノ:30秒・128音までの録音をその場で再生できます。結果が音として返ります。録音は画面を開いている間だけ残ります。
  • 灯りのチェス:取った駒と全棋譜が表示されます。勝敗に加えて、過程を読み返す手がかりが用意されています。

注意したいのは、この分類が「数字がない」と断定するものではないことです。数の型と絵の型を併用している作品も多いはずで、どちらが前面に出るかは終わり画面を実際に見て判断します。

記録シートの作り方と集計の単位

ここからが、読者自身が行う分析の手順です。

集計の単位

単位は「1回のプレイの終了画面」を1行とします。作品単位ではありません。同じ作品でも、うまくいった回と途中で終わった回で、終わり画面が違う場合があるからです。目安として、1作品につき最低でも3回は終了まで遊び、3行分を記録してください。回数が少ないと、たまたまの表示を作品の特徴と取り違えます。

記録する列

  • 作品名、内容:遊んだ作品、記入のしかた:そのまま書く
  • 回、内容:何回目か、記入のしかた:1、2、3
  • 数の有無、内容:数字は出たか、記入のしかた:あり/なし
  • 言葉の有無、内容:結果を言い表す文はあったか、記入のしかた:あり/なし。文言を一部書き写す
  • 絵・物の有無、内容:結果として残る絵や一覧はあったか、記入のしかた:あり/なし。何だったかを一言
  • 次の一手、内容:画面だけを見て、次に変えることを言えたか、記入のしかた:言えた/言えない。言えたなら内容
  • 再挑戦、内容:続けて遊びたいと思ったか、記入のしかた:はい/いいえ。理由を一言

「再挑戦」は主観の記録です。ここは自己申告だと割り切り、あとで他の列と照らし合わせるための手がかりとして使います。

集計のしかた

作品ごとに、「数の有無」「言葉の有無」「絵・物の有無」の各列で「あり」が何回あったかを数えます。次に、「次の一手」で「言えた」が何回あったかを、結果表現の型ごとに分けて数えます。たとえば「数のみ」の回と「数と言葉」の回に分け、それぞれで「言えた」が何回かを見比べます。分母が小さいので、割合にせず回数のまま並べます。

結果の読み方と、起こりやすい誤り

数え終えたら、次の判断基準で読みます。

  • 数のみの回で「言えない」が多い場合:数が到達度は伝えても、改善の方向は伝えていない可能性があります。言葉や絵が併用された回で「言えた」が増えるなら、それが差を生んでいると考えられます。
  • 言葉や絵の回でも「言えない」が多い場合:数字を外しただけでは足りないことになります。言葉が抽象的だったり、絵が結果と結びついていなかったりする可能性があります。書き写した文言を見返してください。
  • 再挑戦が「はい」でも「次の一手」が「言えない」場合:続けたい気持ちは、結果表現以外の要素(操作の心地よさなど)から来ているかもしれません。結果表現の効果と決めつけないでください。

起こりやすい誤りも整理しておきます。

  1. 1回の記録で結論を出す:終わり方が条件によって変わる作品では、特に危険です。3回以上の記録が必要な理由です。
  2. 「比べられない」を欠点と決める:数字がなければ他人との比較はしにくくなります。ただしアソバースにはゲーム内スコアの共通ランキングがもともとありません。比較できないこと自体を評価の材料にするのではなく、その作品が比較を目的としているかを先に確かめてください。
  3. 記録の途中で基準を変える:「言葉あり」の定義を、回によってゆるめたり厳しくしたりしないでください。事前に「結果を言い表した文が一つでもあれば『あり』」のように決めておきます。
  4. 複数の要素の影響を一つに帰す:音楽や雰囲気、難易度の違いが再挑戦の気持ちに影響します。作品間の比較では、結果表現だけが原因とは言えません。

作る人は、自作で試すこともできる

作る側の読者は、同じ記録シートを自作に使えます。終わり画面を「数のみ」「数と言葉」「言葉と絵」の3パターンに作り分け、それぞれを他の人に遊んでもらい、「次の一手」を言えたかを聞く方法です。聞く相手は、自分で集めた少人数でかまいません。ただしその結果は、その人たちの範囲の話として扱ってください。

数字を外すなら、設計上の問いが一つ増えます。遊んだ内容を言葉にする規則(たとえばミスの種類ごとに文を変える)や、絵として残す対象(置いたもの、通った軌跡)を、作る側が決めなければなりません。アソバースの作品投稿では、HTMLまたはZIPをアップロードするか公開済みURLを使います。結果表示の中身は作品のコードの側で決めるものです。

保護者や学習者の読者には、別の使い方があります。子どもが遊んだ後に「どうだった」と聞く代わりに、終わり画面にあった言葉や絵を一緒に書き写してもらいます。点数に一喜一憂する会話から、何が起きたかを説明する会話へ移りやすくなります。ただし、これも家庭ごとに合うかどうかを見ながら試す範囲の提案です。

次の行動

まず、数の型が中心の作品(時計じかけの台所など)と、絵・物の型が中心の作品(潮だまりなど)を1本ずつ選び、それぞれ3回、終了まで遊んで記録シートを埋めてください。「次の一手」の列を型ごとに数えれば、自分にとって数字以外の結果表現が効くかどうかが見えてきます。終わり画面の文言や図鑑の見え方は、必ず作品を開いて確かめてください。