記録を更新した終わり方と、しなかった終わり方の違い
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「小さな軌道」でゲートに届いた場面を考えてみます。1回目は、これまでの最速記録を更新して終わりました。2回目は、記録に届かずに終わりました。どちらもゲートには届いているので、ゲームとしての成功は同じです。それでも結果画面が同じ見た目と同じ言葉で出てきたら、遊ぶ側は何を受け取るでしょうか。 この記事は、その違いを読者が自分で数えて確かめるための分析の手順です。結果の数値は載せません。問いは「最速記録の有無で、結果画面はどう変わるべきか」です。「べき」を決めるには、記録を更新した終わり方と更新しなかった終わり方を同じ物差しで並べ、画面が何を伝えて、遊んだ人が次に何をしたかを見る必要があります。
結果画面は何のためにあるのか
結果画面の役目は、おおまかに三つに分けられます。
- 何が起きたかを伝える:クリアしたのか、失敗したのか、中断したのか。
- 自分の位置を伝える:これまでの最良と比べてどうだったのか。
- 次の行動を促す:もう一度遊ぶのか、別のコースへ行くのか、やめるのか。
記録を更新した終わり方は、2番目の役目が分かりやすく働く場面です。更新しなかった終わり方では、画面が2番目の役目を果たさないと「ゲームは終わったが、自分の何が足りなかったか分からない」状態になりやすくなります。
そこで、この分析では次の二つに絞って見ます。
- 更新した終わり方と更新しなかった終わり方で、画面が伝える情報の量と種類が違うか。
- その違いのあとに、遊んだ人の再挑戦の動きが変わるか。
「祝福の演出が派手かどうか」は主題にしません。数えるのは、画面に出ている情報と、自分の次の行動です。
対象とする作品を選ぶ
記録の仕組みを持つ公式作品は複数あります。作品ごとに記録の種類が違うため、一つか二つに絞って始めるのが現実的です。
- 小さな軌道、確認済みの記録・関連機能:最速記録、前回の軌道(細い実線)、予測を消して挑む、記録が残る期間:プレイ中だけ
- 月夜の配達、確認済みの記録・関連機能:各夜の最少区間数、記録が残る期間:プレイ中だけ
- プリズムの道、確認済みの記録・関連機能:最少回転の記録、解放済みステージの選び直し、記録が残る期間:画面を開いている間だけ
- かたちのあいだ、確認済みの記録・関連機能:手数、同じ配置の再挑戦、記録が残る期間:保存あり
「プレイ中だけ」とは、画面を開いている間だけ記録が残るという意味です。再読み込みや閉じたあとの記録は残りません。そのため、この分析での「更新」は、同じ画面を開いている間の自己比較になります。かたちのあいだは保存がある作品ですが、結果画面にどんな記録や比較が出るかは確認済み事項に含まれません。作品を開いて確かめてください。
どの作品でも、結果画面に実際に何が表示されるかは、この記事では断定しません。表示される項目は、プレイして自分の目で一覧にすることから始めます。
記録シートを作る
集計の単位
単位は「1回のプレイの終わり」です。1回のプレイにつき1行を書きます。途中で一時停止した時間は含めず、結果画面が出た時点を1行の区切りにします。
列の設計
紙でも表計算でも使える列を挙げます。
- 作品・コース、内容:例:小さな軌道、星系の名前
- 終わり方の種別、内容:初記録/更新/同値/未更新/失敗・中断
- 結果画面で最初に目に入った要素、内容:自分の言葉で一言
- 最良との差が見えたか、内容:はい/いいえ
- 前回との比較が見えたか、内容:はい/いいえ
- 次の行動の選択肢、内容:画面上にあったボタンの名前
- 実際の次の行動、内容:再挑戦/別コース/やめる
- 再挑戦までの秒数、内容:ストップウォッチで測る
- 補助の使用、内容:ヒント、一手戻す、予測の有無
終わり方の種別は、あとで混ざらないよう最初に決めておきます。
- 初記録:そのコースで最初に出た記録です。比べる相手がないので、更新とは分けます。
- 更新:すでにある記録を上回った終わり方です。
- 同値:記録と同じ値で終わった場合です。画面がどう扱うかが分かれやすい部分なので、独立した行にします。
- 未更新:記録に届かなかった終わり方です。
- 失敗・中断:クリアに至らなかった終わり方です。ゲームによっては起きない場合があります。起きたときだけ別枠で書いてください。
回数の目安
「更新」と「未更新」を同じくらいの回数で集めます。たとえば、それぞれ5回以上を目標にします。ただし更新は、記録が伸びるほど出にくくなる性質があります。思うように集まらないときは、次のように調整します。
- 早い段階では、あえて雑なプレイをして記録を下げ、そのあとの更新を狙う。
- 難しい設定(予測を消すなど)と、やさしい設定を切り替えて、記録の更新幅を調整する。
こうした調整をしたときは、補助の使用の列に必ず書き残します。補助の有無が混ざると、あとで比べられなくなります。
結果を読み解く
まず、画面の情報を一覧にする
記録した行を「更新」と「未更新」に分けます。そのうえで、「最良との差が見えたか」「前回との比較が見えたか」の列を数えます。結果は次の四つの組み合わせに整理できます。
- **更新**、差・比較が見える:更新の大きさが分かる、差・比較が見えない:更新したことは分かるが、どれだけ伸びたか分からない
- **未更新**、差・比較が見える:次に何を縮めればよいか分かる、差・比較が見えない:終わったことしか分からず、次の指針がない
「未更新×見えない」の欄に行が多く集まるなら、更新しなかった終わり方の結果画面が、役目の2番目を果たしていない可能性があります。ここは、結果画面の設計を見直す手がかりになります。
再挑戦の動きを見る
次に、「実際の次の行動」と「再挑戦までの秒数」を、種別ごとに並べます。見るのは平均だけでなく、ばらつきも含めた分布です。
- 更新のあとのほうが再挑戦が早く、未更新のあとは遅いか、やめる行が増えるか。
- 未更新でも、差が見えた行では再挑戦に向かっているか。
後者に当てはまるなら、「祝福の有無」よりも「差が見えるかどうか」が次の行動に効いているという読みが成り立ちます。当てはまらなければ、別の要因を疑います。この記事は、どちらの結果になるかを示しません。自分の記録を見て判断してください。
同値の行の扱い
同値の行は件数が少なくなりやすいので、1〜2件でも一行ずつ文章で書き残します。そのとき画面が「更新」と表示したのか、「未更新」と表示したのか、何も言わなかったのかを確かめます。同じ値なのに画面の言葉が曖昧だと、遊ぶ側は「届いたのか、届かなかったのか」で迷うことになります。
自作のゲームに戻す場合の最小設計
自分のゲームに結果画面を作る場面で、確認することを並べます。
- 最良の値と、今回の値を並べて表示する。
- 更新のとき、前の記録からの差を示す。
- 未更新のとき、最良との差を示す。
- 同値のときの文言を決めておく。
- 初回は「更新」ではなく「初めての記録」と区別する。
- 「もう一度」のボタンを、最も押しやすい位置に置く。
最良記録を端末や次回に残したい場合は、アソバースの案内に沿って検討します。アップロードしたゲームにはSDKが自動で追加され、クラウドセーブ(作品ごとにJSONで128KiBまで)が使えます。ゲームにはFirebaseのUID・認証トークン・メールアドレスを渡さない点に注意してください。アップロード作品内のlocalStorageとsessionStorageは一時メモリーの互換処理なので、長く残す記録の置き場所として頼らないほうが安全です。詳しい使い方は、現在の案内で確認してください。
起こりやすい誤り
- 初記録を更新に数えてしまう:最初の1回は、必ず記録になります。更新の件数が実際より多く見えます。
- 順番の影響を無視する:続けて遊ぶと慣れが積み重なり、後半ほど更新しやすくなります。更新と未更新の差が、画面ではなく熟練度の差になってしまいます。
- コースの難しさが混ざる:星系や夜、ステージが違えば、記録の意味も変わります。コースごとに別シートにしてください。
- 補助の使用を書き漏らす:ヒントや一手戻すを使ったかどうかで、終わり方の質が変わります。かたちのあいだでは、一手戻しても手数が減らない点も踏まえて読みます。
- 再読み込みで記録が消える:プレイ中だけの記録しかない作品では、ページを開き直すと比較の基準が消えます。シートに最良の値も毎回書き写しておくと、基準を見失いません。
- 件数が少ないまま結論を出す:数回の記録では、偶然の影響が大きく残ります。「傾向が見えた」程度にとどめ、断定しないでください。
- 自分の気分を結果と混同する:悔しさや達成感は、画面の設計とは別に動きます。感情の列を作るなら、画面の情報の列とは分けて書いてください。
次の行動
まず1作品、1コースを選び、記録シートに初記録を書いてください。そのうえで更新と未更新を数回ずつ集め、四つの組み合わせの表に行を振り分けます。偏りが見えたら、自分のゲームの結果画面でどの項目を足すか、一つだけ決めてみてください。

