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「もう一回」が最初に目に入る終わり方:再開の設計

遊びを見つける

執筆にClaudeを使用しています。

雨の窓辺にあるアップライトピアノと小さなリズムマシン。
記事のテーマをもとに制作したAI生成イメージ。実際のゲーム画面ではありません。

ゲームが終わって結果画面が出た瞬間、視線はどこに落ちるでしょうか。大きな得点でしょうか。評価の文字でしょうか。それとも「もう一回」のボタンでしょうか。遊んだ直後は気持ちが動いているので、最初に目に入ったものがそのまま次の行動に影響しやすい場面です。 この記事では、結果画面で最初に見える要素の優先順位を、自分で数えて確かめる手順を作ります。必要なのは試作画面、数人の協力者、紙かメモアプリだけです。実際の数値や傾向はここでは示しません。数えた結果を読む基準と、読み間違えやすい点を示します。 遊ぶ人にとっては、自分が毎回どこを見て次に進んでいるかに気づくきっかけになります。作る人にとっては、結果画面の整理に使える小さな検証になります。

この記事の目次
  1. 結果画面に並ぶ要素を棚卸しする
  2. 「最初に目に入る」を測る手順
  3. 集計の単位と読み方
  4. 公式作品に見る「再開の入口」の違い
  5. 自分の作品で入れ替えて確かめる
  6. 起こりやすい誤り
  7. 次の行動

結果画面に並ぶ要素を棚卸しする

最初に、手元の作品(または気になる作品)の結果画面にある要素を書き出します。このとき、見た目の大きさではなく、役割で分類するのがコツです。

  • 成績:得点、評価、順位、手数、時間
  • 再開:もう一回、再挑戦、次のステージ
  • 離脱:メニューへ、やめる、閉じる
  • 記録:最高記録、前回との比較、履歴
  • 言葉:励まし、講評、ゲームの説明文
  • 設定の変更:難易度の切り替え、コースの選び直し

分類したら、1画面ずつ「要素の数」と「再開に当たるものがいくつあるか」を数えます。再開が複数ある場合(同じ条件でもう一回、難易度を変えて挑戦、など)は別々に数えてください。「もう一回」といっても、同じ条件の再挑戦と条件を変えた再挑戦では、遊ぶ人に与える意味が違うからです。

この段階で、すでに気づくことが多くあります。たとえば成績の要素だけが三つも四つもあって、再開が一つだけ小さく置かれている画面があります。逆に、再開が目立ちすぎて、結果を味わう余白が少ない画面もあります。良し悪しの判断は、次の節の観察を終えてからにします。

「最初に目に入る」を測る手順

視線を正確に測る機器は不要です。人に画面を短く見せて、見たものを答えてもらう方法で十分に傾向をつかめます。

準備するもの

  • 結果画面のスクリーンショット、または実際に結果画面まで進める作品
  • 協力者(家族、友人、同じ制作仲間など)
  • 記録用の紙か表計算ソフト
  • 時間を測るもの(スマートフォンのタイマーで構いません)

手順

  1. 結果画面を、協力者に事前の説明なしで見せます。見せる時間は3秒など、あらかじめ決めた固定の長さにします。時間は自分で設定する値で、正解はありません。ただし全員に同じ長さを使います。
  2. 見せ終えたら、「最初に目に入ったもの」と「次に目に入ったもの」を口頭で答えてもらいます。
  3. 続けて、「この画面で次に押すなら、どれですか」と聞き、指で示してもらいます。
  4. 答えを、要素の分類(成績・再開・離脱・記録・言葉・設定の変更)に当てはめて記録します。
  5. 画面を替えて繰り返します。比較したい画面が2案あるなら、見せる順番を協力者ごとに入れ替えます。最初に見た画面の印象が、次の画面に残るからです。

協力者に子どもを頼む場合は、保護者の同意を得てください。名前や顔写真は記録せず、「協力者A」のような符号にとどめます。

記録表の例

  • A、画面:案1、最初に見た要素:成績、2番目に見た要素:再開、押すと答えた要素:再開
  • A、画面:案2、最初に見た要素:再開、2番目に見た要素:成績、押すと答えた要素:再開

上の表は記録の書き方を示す見本です。実際の結果ではありません。1人が1画面を見たら1行を足す、という単位を守ってください。

「最初に見た」と「押すと答えた」を別の列にするのが重要です。この二つは一致しないことが珍しくありません。目に入りやすい要素と、押したくなる要素は別だからです。

集計の単位と読み方

記録が溜まったら、画面ごとに「最初に見た要素」を種別で数えます。単位は「1人×1画面=1観測」です。1人が複数回答えた場合も、1回の観測は1回として扱い、人数と観測数を混ぜないでください。

集計表は次の形で十分です。

  • 案1、最初:成績:(数える)、最初:再開:(数える)、最初:離脱:(数える)、最初:その他:(数える)
  • 案2、最初:成績:(数える)、最初:再開:(数える)、最初:離脱:(数える)、最初:その他:(数える)

同じ表を「2番目に見た要素」と「押すと答えた要素」についても作ります。三つの表を並べると、視線の流れが見えます。

読み方の基準

  • 最初が成績で、2番目が再開なら、成績を見てから次へ進む流れができています。多くの結果画面ではこれが自然な形です。
  • 最初も2番目も再開に入らない場合は、再開が成績や言葉に埋もれている可能性があります。
  • 最初が再開ばかりの場合は、遊んだ結果を見る前に次へ誘導している可能性があります。余韻や記録の確認が必要な作品では、別の問題になりえます。
  • 「最初に見た」は再開でも、「押す」が離脱になる場合は、再開の見た目が押しやすさにつながっていないかもしれません。大きさ、位置、ラベルの言葉のどれかを疑ってください。

協力者の数が少ないうちは、割合ではなく件数で眺め、傾向を見る程度にとどめます。数人の観察で、どちらの案が優れていると言い切ることはできません。同じ人数・同じ手順で案1と案2を比べ、差があるかどうかを見るところまでが、この方法の守備範囲です。

公式作品に見る「再開の入口」の違い

13本の公式作品は、終わり方がそれぞれ違います。ここでは確認済みの仕様から、再開の入口に関係する設計だけを取り上げます。結果画面での具体的な配置や文言はここでは書きません。作品を開いて、先ほどの棚卸しで確かめてください。

かたちのあいだには「同じ配置の再挑戦」があります。スライドパズルで、解き終えた配置をもう一度やり直す入口が用意されていると読み取れます。パズルでは「別の問題へ」と「同じ問題にもう一度」が別の再開です。結果画面でどちらが先に目に入るかは、観察の対象になります。

小さな軌道は、全軌道予測の点線に加えて、前回の軌道を細い実線で表示します。次の挑戦で前回を手がかりにできる設計です。この表示が再開の動機づけを支えていると読み取れます。一方で、最速記録はプレイ中だけ残ります。更新の目標が結果画面でどう見えるかは、作品を開いて確かめてください。

こだまの森は、聴き直しで15点減、間違いで30点減、3回で終了という作りです。最高記録はゲームを開いている間だけ残ります。記録更新が再開の理由になりやすい作りですが、その記録が結果画面のどこにあるかは作品を開いて確かめる部分です。

時計じかけの台所には、時間制限なしの見習いと、1皿28秒・配膳6秒・ミス3回までの本番があります。終わった後に「同じモードでもう一皿」と「モードを変える」のどちらが前に出るかは、遊ぶ人の次の一手に関わります。この点も作品側の画面で確認してください。

ここで挙げた設計は、いずれも「設計から読み取れること」です。作る側の意図そのものではありません。同じ観察手順を公式作品の結果画面に当てはめれば、作品ごとの優先順位を比べられます。

自分の作品で入れ替えて確かめる

自作のゲームがあるなら、再開ボタンの位置だけを入れ替えた2案を作って比べるのが、いちばん小さな実験です。変えるのは一つだけにします。位置と大きさと色を同時に変えると、どれが効いたのか分からなくなります。

次の試作は、URLの末尾に ?v=b を付けるとボタンの並びが変わります。ブラウザによってはファイルを直接開くとクエリが効かないことがあります。その場合は ||"a" の "a" を書き換えてください。

html
<!doctype html>
<meta charset="utf-8">
<title>結果画面の試作</title>
<style>
body{font-family:sans-serif;text-align:center;padding:2em}
#score{font-size:3em;margin:.3em}
button{font-size:1.1em;padding:.6em 1.2em;margin:.3em}
.main{background:#0a6;color:#fff;border:0;font-size:1.6em}
</style>
<h1>結果</h1>
<div id="score">72点</div>
<div id="box"></div>
<p id="log"></p>
<script>
const q=new URLSearchParams(location.search).get("v")||"a";
let n=0;
const box=document.getElementById("box");
function btn(label,cls){
  const b=document.createElement("button");
  b.textContent=label;
  if(cls)b.className=cls;
  b.onclick=()=>{
    if(label==="もう一回")n++;
    document.getElementById("log").textContent=
      "もう一回を押した回数:"+n;
  };
  return b;
}
const retry=btn("もう一回","main");
const menu=btn("メニューへ");
const rec=btn("記録を見る");
if(q==="a")box.append(retry,menu,rec);
else box.append(menu,rec,retry);
</script>

案a(既定)は再開が先頭、案bは末尾です。前の節の手順で、協力者に3秒見せて記録してください。押した回数は画面の下に出ますが、保存はされません。ページを開き直すと0に戻ります。長く記録したい場合は、紙に書き写してください。

アソバースのプレイ回数は作品の起動の実測回数で、同じ端末・作品の30分以内の再起動は重複が除かれます。人数でもなく、ゲーム内の「もう一回」を数えた値でもありません。再開の多さを知りたい場合は、上の例のようにゲーム側で回数を数える工夫が別に要ります。ゲーム内の再開がプレイ回数にどう反映されるかは、現在の案内で確認してください。

起こりやすい誤り

  • 見せる時間が人によって違う:3秒と決めたら全員3秒にします。
  • 案の順番を固定する:必ず案1が先だと、慣れや記憶が結果に混ざります。順番は入れ替えてください。
  • 誘導する質問をする:「再開ボタンは見えましたか」と聞くと、答えが歪みます。「何が目に入りましたか」とだけ聞きます。
  • 変更点を複数にする:位置・色・大きさを同時に変えると原因が分かりません。
  • 少人数の結果を一般化する:数人の観察から「この配置が正しい」と結論づけないでください。自作画面の改善の手がかり、という位置づけで読みます。
  • 再開だけを目立たせる:成績を味わう時間が必要な作品では、再開の強調が逆効果になることもあります。最初に成績、2番目に再開という流れが、その作品にとって望ましい場合があります。

次の行動

まず、好きな作品の結果画面を1つ選び、要素を「成績・再開・離脱・記録・言葉・設定の変更」に分けて書き出してください。次に、上の試作を使って2案を作り、数人に3秒ずつ見せて、最初に見た要素と押す要素を記録します。結果が出たら、「再開が1位か2位に入っているか」を基準に、変える点を一つだけ決めて、もう一度確かめてみてください。