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タイトル文字を縦組みにすると、作品の印象はどう変わるか

遊びをつくる

執筆にClaudeを使用しています。

色鉛筆の線やゲームのスケッチが描かれたノートとカード。
記事のテーマをもとに制作したAI生成イメージ。実際のゲーム画面ではありません。

ゲームの作品名を、横に並べるか、縦に置くか、少し傾けるか。カバー画像の上に文字を載せる場面を考えてみます。横組みは読みやすい一方で、どのゲームにも見える気がします。縦組みは雰囲気が出そうですが、読みにくくなるかもしれません。斜めは勢いが出ても、落ち着きのない印象になりそうです。こうした迷いは、頭の中だけで比べると好みの話で終わってしまいます。 この記事は、同じ作品名を横組み・縦組み・斜めの3通りで表示し、人の受け取り方がどう変わるかを自分で確かめるための実験の設計書です。結果は書いていません。「縦組みは上品に見える」といった結論は、作品名、フォント、背景、見る人によって変わるため、ここでは用意しません。用意するのは、問いの立て方、短い比較ページ、記録の取り方、結果の読み方です。 アソバースの公式作品13本は、作品ごとにタイトルの文字組みが異なります。縦組みの明朝、手描き文字、郵便ラベル、夜の標識、光の幾何学、メニュー風といった具合です。どの作品がどの組みなのかは、作品を開いて確かめてください。実験の前に、文字組みが作品の空気とどう結びついて見えるかを観察する材料になります。

この記事の目次
  1. 問いを一つに絞る
  2. 準備するもの
  3. 比較ページの作り方
  4. 手順と記録の取り方
  5. 結果の読み方と誤りやすい点
  6. 次の行動

問いを一つに絞る

最初に、何を確かめるのかを一文で決めます。広すぎる問いは、結果が出ても読み解けません。次のような形が扱いやすいです。

  • 同じ作品名を3通りの組みで見せたとき、「静かさ」「古風さ」「遊びやすそうな印象」の評価は変わるか。
  • 作品名を読み取れるまでの速さは、組みによって変わるか。
  • 縮小したカバー画像の中でも、その差は残るか。

最初の実験では、印象の評価と読みやすさの2点に絞ります。縮小表示は、2周目の問いとして残しておきます。

変えるのは文字の組みだけにします。フォント、文字サイズ、色、背景、作品名は固定します。組み以外が少しでも違うと、印象の差が何によるものか分からなくなります。

準備するもの

次のものを用意してください。

  • 自分の作品名、または仮の作品名を1つ。長さは4〜8文字程度が比べやすいです。
  • 見てもらう人。最低5人、できれば10人。一人で作っている場合は、作品を見たことのない知人に頼みます。
  • 紙かスプレッドシート。後で示す記録用紙を写します。
  • ストップウォッチ。スマートフォンのもので構いません。
  • 下の比較ページ。メモ帳などで保存し、ブラウザで開けば動きます。外部ライブラリもサーバーも不要です。

作品名に長音符「ー」、英数字、小さい「ゃ」「っ」が入っていると、縦組みで表示が崩れやすくなります。それは実際の制作で気をつける点でもあります。最初は含まないほうが、組みの差だけを見やすくなります。含めた場合の挙動は、フォントによって変わります。

比較ページの作り方

ボタンを押すたびに、3通りの組みがランダムな順で1つずつ表示されるページです。順番を毎回変えるのは、最初に見たものが基準になってしまう影響を、人ごとに散らすためです。

html
<!doctype html>
<meta charset="utf-8">
<meta name="viewport" content="width=device-width">
<style>
body{margin:0;background:#1d2433;color:#f3ead8;
 font-family:"Hiragino Mincho ProN","Yu Mincho",serif;
 display:grid;place-items:center;min-height:100vh}
#card{width:260px;height:340px;background:#2b3550;
 display:grid;place-items:center;overflow:hidden}
#t{margin:0;font-size:32px;letter-spacing:.1em;white-space:nowrap}
.tate{writing-mode:vertical-rl}
.naname{transform:rotate(-12deg)}
button{margin-top:12px;font-size:16px}
#log{font:12px monospace;white-space:pre}
</style>
<div>
<div id="card"><h1 id="t"></h1></div>
<button id="next">次へ</button>
<div id="log"></div>
</div>
<script>
const NAME="ひかりの灯台"; // 自分の作品名に置き換える
const modes=["yoko","tate","naname"];
for(let i=2;i>0;i--){const j=Math.floor(Math.random()*(i+1));
 [modes[i],modes[j]]=[modes[j],modes[i]];}
let n=-1;const log=[];
const t=document.getElementById("t");
document.getElementById("next").onclick=()=>{
 n++;
 if(n>=modes.length){t.textContent="終了";t.className="";
  document.getElementById("log").textContent="順番: "+log.join(" → ");return;}
 t.textContent=NAME;t.className=modes[n];log.push(modes[n]);
};
</script>

「横組み」は何もクラスを付けない状態です。縦組みは writing-mode: vertical-rl(文字を縦に並べ、行が右から左へ進む指定)、斜めは rotate(-12deg)(左に12度傾ける指定)です。傾きは自分の作品に合わせて変えて構いませんが、一度決めたら全員に同じ値を使ってください。

最後に表示される順番は、記録用紙に書き写します。見てもらう人ごとにページを再読み込みすれば、順番は新しく決まります。

手順と記録の取り方

1人あたり3回、組みを変えて見てもらいます。流れは次のとおりです。

  1. ページを開いて「次へ」を押し、1つ目の組みを表示します。
  2. 表示と同時にストップウォッチを始めます。作品名を声に出して読めたら止め、秒数を記録します。
  3. 5秒ほど見てもらってから、評価用紙に5段階で答えてもらいます。
  4. 「次へ」を押して、残り2つの組みで同じことを繰り返します。
  5. 最後に、ページが示した順番を記録します。

評価は、対になる言葉の間で1〜5を選んでもらう形が簡単です。

  • 雰囲気、1:静か、5:にぎやか
  • 時代感、1:古風、5:現代的
  • 距離感、1:近寄りがたい、5:親しみやすい
  • 遊びの想像、1:難しそう、5:気軽そう
  • 読みやすさ、1:読みにくい、5:読みやすい

記録の単位は「1人×1つの組み×1項目」で1つの数字です。10人なら、10人×3通り×5項目で150個の数字と、読み上げ秒数が30個になります。紙には、人ごとに行を、組みごとに列を作って並べると整理しやすくなります。

見てもらう人には、ゲームのジャンルや内容を先に伝えないでください。内容を知っていると、文字より内容のほうが印象を決めてしまうからです。また、「縦組みを見てください」のような言い方は避けます。「これから作品名を3回見せます」とだけ伝えます。

結果の読み方と誤りやすい点

数字が揃ったら、全体の平均を出す前に、人ごとの差を見ます。同じ人が横組みと縦組みで何点違ったかを並べると、人による元々の癖が取り除かれます。たとえば、いつも高めの点をつける人と低めの人が混ざっていても、各人の中での差なら比べられます。

判断の目安は次のように置くと、結果を読みやすくなります。

  • 多くの人で同じ向きに差が出た項目は、その組みの影響が見えている可能性があります。
  • 差の向きが人によってばらばらの項目は、組みよりも好みや先入観の影響が大きいと考えます。
  • 差がほとんどの人で1点以内なら、少なくともこの作品名・この条件では、組みは印象を大きく動かしていないと読めます。
  • 印象は動いているが読み上げ時間が極端に延びる組みは、雰囲気と引き換えに可読性を払っていると判断できます。

人数が5〜10人では、統計的に確かな結論は出せません。出るのは「この条件で傾向がありそうか」という手がかりまでです。結論を急がず、次の改良案を決める材料として使ってください。

誤りやすい点も挙げておきます。

  • 複数の要素を同時に変える。 縦組みにするついでに文字サイズや色も変えると、何が効いたのか分かりません。
  • フォントが環境で変わる。 指定したフォントが入っていない端末では、代わりのフォントで表示されます。見てもらう端末は全員同じにするか、同じ画面で見てもらってください。
  • 斜めの角度が強すぎる。 傾きが大きいと、読みやすさの低下が「斜めだから」ではなく「傾きが強いから」になります。角度を変えた比較は、別の実験として分けます。
  • 見せる順番の偏り。 毎回同じ順にすると、最初に見たものが基準になります。比較ページのランダム順を使い、結果の記録にも順番を残します。
  • 公開後の数字で代用する。 アソバースのプレイ回数は作品を起動した実測回数で、人数ではありません。レビューも、評価対象は作品全体です。タイトルの組みだけの効果を、公開後の数字から切り出すのは難しいと考えてください。

実際の表示で確かめたいときは、投稿画面で作品の表示を確認する段階があります。比較ページで選んだ組みを、カバー画像やサムネイルの縮小サイズで見直すと、小さくしても読めるかを確かめられます。なお、公式作品のカバー画像は生成したアートワークで、ゲーム画面のスクリーンショットではありません。自作では、画面の見た目とカバー画像の文字が食い違わないかも見ておくと安心です。

次の行動

まず比較ページの NAME を自分の作品名に変えて、自分の目で3通りを見比べてください。その後で、5人に評価用紙を渡し、人ごとの差を並べるところまで進めてみてください。差が小さければ、組みの選択は別の基準で決めて構いません。差が出たら、角度、文字サイズ、縮小表示を次の問いにして、1つずつ変えて確かめます。