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丸と四角だけでキャラクターを作る:形で性格を伝える

遊びをつくる

執筆にClaudeを使用しています。

同じ色と視点でそろえた木、宝箱、キツネの素材を、色鉛筆で描いたイラスト。
記事のテーマをもとに制作したAI生成イラスト。

ボス敵を描く場面を考えてみます。使える図形は丸と四角だけで、色は一色、線画の飾りもありません。それでも「これは手ごわそうだ」「これはすぐ倒せそうだ」と見た人に伝えたい。そのとき、頭を丸にするか四角にするか、胴体を広くするか細くするか、足を太くするか。どこから手を付ければよいのでしょうか。 この記事は、その答えを読者自身が手を動かして出すための実験の設計書です。結果は書きません。丸いと柔らかく見える、四角いと頑丈に見える、といった印象は一般によく語られますが、自分のキャラクターで、自分のゲームを遊ぶ人にそう伝わるかどうかは確かめてみないと分かりません。そこで、同じキャラクターの形を一か所ずつだけ変え、見た人の「強そう」「親しみやすい」の評価がどう動くかを記録します。 確かめる問いは次の三つです。

この記事の目次
  1. 準備するもの
  2. 手順:一度に一つだけ変える
  3. 記録の取り方
  4. 結果の読み方
  5. 誤りやすい点
  6. 次の行動

準備するもの

必要なのは、ブラウザ、テキストエディタ、そして見てもらう人です。見てもらう人は、キャラクターを作った本人以外で、できれば5人以上を目安に集めてください。人数が少ないと偶然の偏りが大きくなるため、後述の読み方の基準も「目安」にとどめています。

キャラクターは、丸と四角だけで描ける最小構成に固定します。構成は次の6パーツです。

  • 頭(丸または四角)
  • 胴体(四角)
  • 足(四角が2つ)
  • 目(丸が2つ)

色は胴体や頭を同じ灰色一色、目だけ白にします。色を足すと、形の効果なのか色の効果なのか分からなくなるためです。

下のコードをHTMLファイルとして保存し、ブラウザで開くと、頭の形、頭の大きさ、胴体の幅、足の幅をスライダーで変えられます。外部ライブラリは不要で、そのまま動く最小構成です。

html
<!doctype html>
<meta charset="utf-8">
<title>丸と四角のキャラ</title>
<svg id="c" width="240" height="300" viewBox="0 0 240 300"></svg>
<p>
<label>頭 <select id="head"><option value="circle">丸</option><option value="rect">四角</option></select></label>
<label>頭の大きさ <input id="hs" type="range" min="40" max="110" value="70"></label>
<label>胴体の幅 <input id="bw" type="range" min="50" max="160" value="90"></label>
<label>足の幅 <input id="lw" type="range" min="10" max="50" value="20"></label>
</p>
<script>
const $ = id => document.getElementById(id);
function draw() {
  const hs = +$("hs").value, bw = +$("bw").value, lw = +$("lw").value;
  const cx = 120, top = 130, g = "#666";
  const head = $("head").value === "circle"
    ? `<circle cx="${cx}" cy="${top - hs / 2}" r="${hs / 2}" fill="${g}"/>`
    : `<rect x="${cx - hs / 2}" y="${top - hs}" width="${hs}" height="${hs}" fill="${g}"/>`;
  const ey = top - hs / 2, ex = hs * 0.18;
  $("c").innerHTML = head +
    `<rect x="${cx - bw / 2}" y="${top}" width="${bw}" height="100" fill="${g}"/>` +
    `<rect x="${cx - bw / 2 + 10}" y="230" width="${lw}" height="60" fill="${g}"/>` +
    `<rect x="${cx + bw / 2 - 10 - lw}" y="230" width="${lw}" height="60" fill="${g}"/>` +
    `<circle cx="${cx - ex}" cy="${ey}" r="4" fill="#fff"/>` +
    `<circle cx="${cx + ex}" cy="${ey}" r="4" fill="#fff"/>`;
}
document.querySelectorAll("select,input").forEach(e => e.oninput = draw);
draw();
</script>

手順:一度に一つだけ変える

実験の要は、変える場所を一度に一つに絞ることです。まず基準になるキャラクターを決めます。コードの初期値(頭は丸、頭の大きさ70、胴体の幅90、足の幅20)をそのまま基準にしてください。

次の4つの比較を行います。それぞれ、変える項目以外はすべて基準のままにします。

  • 1、変える項目:頭の形、A:丸、B:四角
  • 2、変える項目:頭の大きさ、A:小(例:55)、B:大(例:95)
  • 3、変える項目:胴体の幅、A:狭い(例:60)、B:広い(例:140)
  • 4、変える項目:足の幅、A:細い(例:15)、B:太い(例:45)

数値は一例です。差が小さすぎると見分けがつかず、大きすぎると極端な絵になるため、自分で画面を見ながらAとBの差がはっきり分かる程度に調整してください。ただし、調整したら途中で変えず、全回答者に同じ値を見せます。

各パターンの画面は、スクリーンショットで1枚ずつ保存しておくと、見てもらうときの準備が楽になります。1枚の画像には1体だけを置き、名前やラベルは付けません。「ボス」と書いてあれば、形を見る前にその言葉で印象が決まってしまうからです。

見てもらう手順は次のとおりです。

  1. 回答者に、これから形だけのキャラクターを見せること、ゲームの説明は一切ないことを伝えます。
  2. 画像を1枚ずつ、約3秒だけ表示します。長く見せると形の分析になり、第一印象から離れてしまいます。
  3. 見終わるたびに、「強そう」と「親しみやすい」をそれぞれ1〜5点で答えてもらいます。1が最も弱そう・親しみにくい、5が最も強そう・親しみやすい、と最初に伝えます。
  4. 最後に、そのキャラクターから連想する役割(ボス、仲間、村人など)を一言で書いてもらいます。

表示の順番は回答者ごとに変えてください。たとえば実験1のAを先に見る人と、Bを先に見る人を半々にします。順番を固定すると、最初に見たものが基準になって、後の評価が引きずられる可能性があります。

記録の取り方

記録の単位は「1枚の画像を1人が評価した1回」を1行とします。表の列は次のとおりです。

回答者 / 実験 / パターン(A/B) / 見た順番 / 強さ(1〜5) / 親しみ(1〜5) / 一言

基準のキャラクターは、全員に最初と最後の2回見せると、見る順番による評価のずれも確認できます。基準を2回見せて点数が大きく違う回答者がいれば、その人の評価は揺れやすいと判断し、結果の読み方で扱いに注意します。

実験は4つ、各実験でAとBの2枚、回答者5人なら、評価は合計で40行です。紙でもスプレッドシートでも十分記録できます。回答の途中で表情や発言をメモしたくなりますが、数値の列とは別に、余白の欄に書き分けてください。

結果の読み方

実験ごとに、AとBそれぞれの「強さ」の平均を出し、差を見ます。「親しみ」も同じ手順で出します。判断の目安は次のとおりです。これは統計的な基準ではなく、少人数で傾向を見るための目安です。

  • 平均の差が1点以上で、5人中4人以上がBの方を高く付けている:その変更は強さの印象に効いている可能性が高いと読みます。
  • 平均の差が0.5点未満:この条件では、印象を動かす力は小さいと読みます。
  • その中間、または回答者の方向がばらばら:判断を保留し、人数を増やすか、AとBの差を広げて再度行います。

実験1から4を並べ、差が最も大きかった項目が、自分のキャラクターで強さの印象を最も左右する項目の候補です。次に、強さの差と親しみの差を実験ごとに並べてみてください。強さが上がると親しみが下がる実験があれば、敵キャラには向く変更でも、味方キャラには使いにくい変更だと分かります。反対に、強さを下げても親しみがあまり上がらない変更があれば、「弱そう」と「親しみやすい」は別の軸だと読み取れます。

「一言」の欄も見直してください。強さの点数が同じでも、「ボス」と書く人が多い形と「村人」と書く人が多い形があれば、点数だけでは分からない役割の印象の差が出ています。

誤りやすい点

  • 複数の項目を同時に変える:頭を四角にして同時に胴体も広げると、どちらが効いたのか分かりません。1回の比較で変えるのは一つだけにします。
  • 作者本人が評価に加わる:作った本人は意図を知っているため、見たまま評価できません。回答者から外し、記録係に回ってください。
  • 見せる前に説明する:「これは強いキャラです」などと言うと、形ではなく言葉が評価を決めます。
  • 画像を見せる順番が全員同じ:前に見た画像が基準になります。順番は必ず入れ替えます。
  • 回答者が身内ばかり:ゲームを遊ぶ人と似た層を選ぶのが理想ですが、難しければ、結果を「この人たちでの傾向」とだけ読んでください。
  • スライダーの値を途中で変える:後半の回答者が別の絵を見ていたことになり、前半と比較できなくなります。
  • 1つの結果を一般論にする:この実験で分かるのは、このキャラクターの構成、この数値、この回答者での傾向です。別の構成や絵柄では別の結果になる可能性があります。

次の行動

まず上のコードを保存し、実験1(頭の形)だけを3人に見てもらってください。記録表が埋まる感覚をつかんでから、残りの実験に進むと無理がありません。強さの印象を動かす項目が見つかったら、それを使い分けて敵と味方のキャラクターを描き、実際のゲームに入れて遊んでもらいます。HTMLファイル1つで完結していれば、アソバースには入力、表示の確認、公開の3段階で投稿でき、遊んでくれた人の反応からも、形の印象が伝わっているかを見直せます。