実験的なゲームの楽しみ方
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「実験的なゲーム」という言葉を聞いたとき、どんな印象を持ちますか。難解すぎて途中で投げ出した、ルールが分からないまま終わった、という経験がある人も多いかもしれません。しかし、実験的なゲームはそもそも「クリアすること」を主目的に作られていないものが多く、遊び方の前提を変えるだけで体験の質が大きく変わります。 この記事では、実験的なゲームを楽しむための視点の切り替え方と、つまずきやすいポイントを具体的に示します。ジャンルとしての「インディーゲーム」の話ではなく、「実験的」という性質そのものにどう向き合うか、という点に絞って書いています。
「実験的」とはどういう状態か
実験的なゲームとは、ゲームデザインの何かしらの前提に疑問を投げかけている作品です。たとえば「ゲームには勝ち負けがある」「操作には明確な目的がある」「プレイヤーは物語の外側にいる」といった通念を意図的に崩しにきます。
具体的には、次のような形をとることが多いです。
- 操作方法の説明が一切なく、試行錯誤そのものがゲームプレイになっている
- クリア条件が曖昧で、プレイヤーが「終わり」を自分で決める
- 失敗や停滞が演出の一部として設計されている
- ゲームが作者からプレイヤーへの問いかけになっている
こうした作品は、評価基準を「楽しかったかどうか」に置くと混乱します。むしろ「何かを感じたか」「何かを考えたか」という軸で向き合う方が、作品の意図に近づけます。
遊ぶ前に切り替えておく視点
実験的なゲームに入る前に、二つの前提を手放しておくと体験が変わります。
一つ目は「正しい遊び方がある」という前提です。通常のゲームには攻略ルートがありますが、実験的なゲームの多くはプレイヤーが何をするかを決める余地を意図的に広く取っています。「こうすれば正解」を探すより、「今自分が何をしたいか」を優先して動く方が、作品の設計と噛み合います。
二つ目は「分からなかったら失敗」という前提です。理解できない部分が残ったまま終わることは、実験的なゲームでは珍しくありません。むしろ「なぜ分からなかったのか」「どこで戸惑ったか」という感触が、作品を振り返るときの手がかりになります。プレイ直後に少しメモしておくだけで、後から意味が見えてくることがあります。
つまずきやすい三つの場面と対処
最初の数分で何も起きないとき
実験的なゲームの中には、インタラクションのきっかけが非常に小さいものがあります。「クリックしても何も起きない」と感じたら、画面の別の場所、別のキー、しばらく待つ、という三つを順番に試してみてください。また、意図的に「何も起きない」ことそのものを体験させている作品も存在します。その場合は、その静けさや不快感が演出の核心です。
ルールが突然変わると感じたとき
プレイ中にそれまでの操作が通用しなくなったり、画面の文脈が急変したりすることがあります。これはバグではなく、ゲーム内の「出来事」として設計されていることが多いです。当惑した瞬間の感情を観察するのが、そのまま正しい遊び方になっています。「騙された」と感じるなら、それも作者が意図した反応である可能性が高いです。
終わり方が分からないとき
エンドクレジットも明確な終了画面もない作品では、プレイヤー自身が区切りを決めます。「もう十分だ」と感じた時点で手を止めることが、作品への誠実な向き合い方の一つです。時間を決めて(15分など)遊び始めるのも、区切りとして機能します。
遊んだ後に深まるもの
実験的なゲームは、プレイ中より遊び終えた後に意味が広がることがあります。他のプレイヤーの感想を読むと、自分がまったく気づかなかった解釈が出てきて、同じゲームを別の角度から見直せます。作者のコメントやインタビューがあれば、設計の意図と自分の体験を照らし合わせてみることも、作品を味わう過程の一部です。
こうした「後で広がる」性質があるため、プレイ中に「これは面白いのか?」と判断を急がないことが重要です。実験的なゲームの評価は、遊んでいる最中よりも、席を離れてから固まることが多いです。
実験的なゲームを探す目安
どんな作品を選べばよいか迷うときは、次の点を手がかりにするとよいです。
- 作者が「作った理由」や「問いかけ」を言葉にしている作品
- ジャンルの説明が一言では収まらない作品
- プレイ時間が極端に短い、または意図的に開いている作品
短いプレイ時間のものから入るのが現実的です。5〜15分程度で完結する実験的な作品は、ブラウザゲームの形式と相性がよく、気軽に複数を試せます。アソバースのような投稿プラットフォームでは、こうした小さな実験作が見つかりやすいです。
次の行動
アソバース(https://aso-verse.com)で公開されているゲームを一本選んで、クリアを目指さずに「何を感じたか」だけを目的に15分遊んでみてください。遊び終えたら、印象に残った一場面だけを短くメモしておくと、次の作品を選ぶときの判断基準が少しずつ自分の中に育ちます。

