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ナイトだけで盤を一周する:駒の動きを体で覚える練習

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執筆にClaudeを使用しています。

森の小川の上で光る五枚の色とりどりの葉を、リスと小鳥が見つめる風景。
記事のテーマをもとに制作したAI生成イラスト。

チェスを始めたばかりの人が最初に戸惑う駒は、たいていナイトです。ルークやビショップは線で動くので目で追えますが、ナイトは「縦に2、横に1」と頭の中で数えてから動かすことになります。間に駒があっても飛び越えられるので、見えているのに数え間違える場面が起こりがちです。 この記事は、ナイト1個だけで盤を回る練習問題を5問並べたものです。ナイトが盤の全64マスを1回ずつ通る経路は「ナイトツアー」と呼ばれ、存在することが古くから知られています。ここでは完成した経路を暗記するのではなく、ツアーの一部を自分の手で組みながら、ナイトの動きの癖を体に入れることを目指します。紙と鉛筆があれば足り、ブラウザで開ける盤は最後に確認用として使います。 問いは一つです。「ナイトの行き先を、数えずに言い当てられるようになるには、何をどの順で練習すればよいか」。まず動きを三つの癖に分け、次に小さな盤から大きな盤へ進みます。

この記事の目次
  1. 動きを三つの癖に分ける
  2. 問題1・2:角と中央で行き先を数える
  3. 問題3:3×3の盤を一周する
  4. 問題4:8×8の一周を自分で組む
  5. 灯りのチェスで動きを確かめる
  6. 次の行動

動きを三つの癖に分ける

マスの位置は、ファイル(縦の列、左からa〜h)とランク(横の段、下から1〜8)で表します。a1は左下の角、h8は右上の角です。ナイトは今いるマスから、次の8通りのうち盤内に収まるものへ動けます。

  • 列を±1、段を±2動く(4通り)
  • 列を±2、段を±1動く(4通り)

この8通りから、練習で意識する三つの癖が出てきます。

  1. 端や角では行き先が減ります。 8通りのうち盤の外に出るものが増えるためです。
  2. 間の駒を飛び越えます。 途中のマスが空いているかどうかは関係なく、着地するマスだけが問題になります。着地先に自分の駒があれば動けず、相手の駒があれば取れます。
  3. 1手ごとにマスの色が必ず変わります。 列と段の移動量の合計が常に奇数(1+2か2+1)になるためです。明るいマスにいるナイトは次に暗いマスへ、暗いマスにいるナイトは次に明るいマスへ行きます。

3番目はあまり意識されませんが、ツアーを組むときに役立ちます。

問題1・2:角と中央で行き先を数える

最初は、盤にナイトが1個だけある状況で考えます。

問題1: 空の盤で、ナイトがa1にいます。次の1手で行けるマスをすべて挙げてください。

考え方は、a1を「列1、段1」と置き、8通りの移動を足してみることです。列を+1、段を+2にするとb3になります。列を+2、段を+1にするとc2になります。残りの6通りは列か段が0以下になり、盤の外です。答えはb3とc2の2マスです。

同じように考えると、反対側の角h8からはg6とf7の2マスです。角はどの角でも行き先が2マスになります。

問題2: 空の盤で、ナイトがd4にいます。次の1手で行けるマスをすべて挙げてください。

d4は「列4、段4」です。8通りを順に足すと、すべて盤内に収まります。

  • 列±1、段±2:c2、c6、e2、e6
  • 列±2、段±1:b3、b5、f3、f5

答えはc2、c6、e2、e6、b3、b5、f3、f5の8マスです。中央付近では8通りがすべて使えるので、行き先が最大の8マスになります。

紙で解く前に、答えを手で書き出す前の「予想」を一度頭の中で作ってください。たとえばe5、c3、g2、b7、h1などを自分で選び、行き先を声に出して数えてから、紙の上で8通りを足して答え合わせをします。

全マスの行き先数を画面に出す

「どのマスが何通りか」は、次の短いコードで全マス分を一度に表示できます。HTMLファイルとして保存してブラウザで開くと、盤と同じ向き(上がランク8)で行き先の数が並びます。

html
<pre id="out"></pre>
<script>
const moves = [[1,2],[2,1],[-1,2],[-2,1],
               [1,-2],[2,-1],[-1,-2],[-2,-1]];
let text = "";
for (let r = 8; r >= 1; r--) {
  let row = "";
  for (let f = 1; f <= 8; f++) {
    let n = 0;
    for (const [df, dr] of moves) {
      const nf = f + df, nr = r + dr;
      if (nf >= 1 && nf <= 8 && nr >= 1 && nr <= 8) n++;
    }
    row += n + " ";
  }
  text += row + "\n";
}
document.getElementById("out").textContent = text;
</script>

表示された数字を見て、四隅が2になっていること、中央付近に8が並んでいることを、問題1・2の答えと照らして確かめてください。外側に近い帯ほど数が小さいという形も見えるはずです。ツアーの考え方には、この「行き先の少ないマスは先に処理する」という発想が効いてきます。

問題3:3×3の盤を一周する

次は、盤を縮めて巡回の感覚をつかむ問題です。

問題3: 3×3の小さな盤を考えます。マスはa1〜c3の9つです。ナイトはa1から出発し、中央のb2以外の8マスを1回ずつ通って、最後にa1へ戻ってきます。この経路を作ってください。

ヒントを二つ出します。まず、b2からは盤内の行き先が一つもありません。8通りを足すと、列か段が必ず盤の外に出るためです。つまりb2は、ナイトにとって行くことも出ることもできないマスです。したがって巡回の対象は、b2を除く8マスになります。

次に、各マスから行ける先は、多くても2マスだけです。分かれ道がほとんどないので、a1から1手ずつ進めれば経路は自然に決まっていきます。

解答例:

a1 → b3 → c1 → a2 → c3 → b1 → a3 → c2 → a1

一手ずつ確かめます。

  1. a1→b3:列+1、段+2です。
  2. b3→c1:列+1、段−2です。
  3. c1→a2:列−2、段+1です。
  4. a2→c3:列+2、段+1です。
  5. c3→b1:列−1、段−2です。
  6. b1→a3:列−1、段+2です。
  7. a3→c2:列+2、段−1です。
  8. c2→a1:列−2、段−1です。

通ったマスはa1、b3、c1、a2、c3、b1、a3、c2の8つで、すべて異なり、b2は含まれません。最後にa1へ戻るので、この経路は閉じた輪になっています。

この問題の学びは、「ナイトの経路は、ふつうの駒の感覚で図にすると、輪のように外側を回る形になる」ことです。a1から逆向きにたどる経路も作れます。逆回りも自分で書き出してみてください。

問題4:8×8の一周を自分で組む

ここからが本題です。8×8の盤で、64マスを1回ずつ通る経路を紙の上で組みます。完成させなくても構いません。組みかけの途中で何が起きるかを見ることが、動きの癖をつかむ近道です。

問題4: 空の8×8の盤で、好きなマスから出発し、ナイトの動きだけで、できるだけ多くのマスに1回ずつ番号を付けてください。

準備するもの

  • 8×8のマスを書いた紙(ノートに定規で描いても、印刷しても構いません)
  • 鉛筆と消しゴム
  • 筆算用に、問題1・2の「行き先を数える」手順を思い出せる状態

手順

  1. 出発マスに「1」と書きます。
  2. 今いるマスから行ける、まだ番号のないマスを列挙します。
  3. 候補が複数あるときは、候補ごとに「そこから先へ行ける、まだ番号のないマスの数」を数えます。
  4. その数が最も少ない候補を選び、次の番号を書きます。数が同じ候補が複数あれば、自分で一つ選びます。
  5. 候補がなくなるか、64に届くまで、2〜4を繰り返します。

手順3〜4の考え方は、一般に「ヴァーンスドルフの規則」と呼ばれています。行き先が少ないマスほど後回しにすると取り残されやすいので、先に通ってしまうという発想です。この規則は多くの場合に役立ちますが、常に最後まで通せるとは限りません。途中で行き詰まることもあるので、その場合は後述の読み方で原因を探ります。

記録の取り方

  • 何を: マスごとの番号(何手目に通ったか)。
  • 単位: 1回の試行につき盤1枚。
  • 何回: 出発マスを変えて最低3回。たとえば角(a1)、端の中ほど(d1)、中央付近(d4)がおすすめです。
  • 行き詰まった場合は、止まったときの番号と、そのとき番号の付いていないマスの位置を、盤の端に書き残しておきます。

結果の読み方

  • 64まで書けた場合: 番号64のマスから番号1のマスへ、ナイトの1手で戻れるか確かめてください。戻れれば閉じた巡回、戻れなければ開いた経路です。
  • 途中で止まった場合: 番号の付いていないマスが、盤のどこに残っているかを見ます。残りが角や端のマスに集まっていれば、手順3の数え方が甘かった可能性があります。残りが盤の中ほどに散らばっていれば、同数の候補から選んだときの選び方が影響したのかもしれません。
  • 色の確認: 1番のマスの色と64番のマスの色が異なれば、動きの色交代のルールと合っています。同じなら、どこかで番号を飛ばしたか、L字の数え間違いがあります。

起こりやすい誤り

  • 縦2横1と横2縦1を取り違え、1マスずれた位置に番号を書いてしまいます。
  • すでに番号を書いたマスに、もう一度入ってしまいます。
  • 候補の行き先数を数えるとき、今いるマス自身を「未訪問」と数えてしまいます。
  • 盤の端で、盤外に出るはずの動きを内側に折り返して数えてしまいます。

途中で番号を消すのは自然なことです。誤りに気づいたら、どの番号から書き直すかを決め、そこから先の記録だけ消してやり直してください。

灯りのチェスで動きを確かめる

紙の練習で動きの癖を整理したら、実際の盤でナイトを動かして答え合わせをします。アソバースの公式作品「灯りのチェス」には、駒の動き方ガイドがあります。ひとり対局は3段階の相手から選べ、ヒントと一手戻すも使えます。

確認の手順を、次のように組んでみます。

  1. 灯りのチェスを開き、ひとり対局を始めます。
  2. ナイトを選ぶ前に、紙で行き先を予想します。
  3. 駒の動き方ガイドでナイトの行き先を確かめ、予想と照らします。ガイドの見え方や操作の細部は、作品を開いて確かめてください。
  4. ナイトを実際に動かし、動いた先のマスの色が変わったか見ます。

初期配置の白ナイトは、b1とg1にいます。b1のナイトの行き先は、a3とc3の2マスです。d2にはもう一つの行き先がありますが、そこには自分のポーンがいるため動けません。g1のナイトも、f3とh3の2マスです。e2は自分のポーンで塞がれています。

「間の駒は飛び越えるが、着地先が自分の駒なら動けない」という癖が、初期配置の2マスに現れています。動かしたあと、ナイトが盤上に出ると行き先が増えていくことも、実際の盤で確かめられます。ただし対局の中では相手の駒の位置も変わるので、行き先の数は局面ごとに自分で数えてください。

灯りのチェスでは、取った駒と全棋譜が表示されます。ナイトで駒を取ったり取られたりした手を、あとから棋譜で見直すと、「どこから来てどこへ行ったか」を言葉で復習できます。

次の行動

まず問題1・2を紙で解き、先ほどのコードで行き先数の盤を出して、答えと照らしてください。次に問題3の巡回を逆回りでも書き、問題4を出発マスを変えて3回試してみてください。最後に灯りのチェスを開き、ナイトを動かす前に行き先を予想して、動き方ガイドと見比べてみてください。