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文字数や形式の指定をChatGPTが守らないとき:指示の書き直しパターン

AIを使いこなす

執筆にClaudeを使用しています。

原稿用紙の上に赤ペンで文字数の範囲を示すかっこが引かれ、その横で色の違う3枚の付箋を分けて並べ直している机の上の様子
記事の内容をもとに制作したAI生成イメージです。実際の製品画面や検証結果の写真ではありません。

「300字で」と頼んだのに倍近く返ってきた。「表で」と頼んだのに文章が混ざった。こうしたときは、まず指示の側を見直してみてください。見直す入口は、①基準があいまい、②条件同士が矛盾している、③条件が読み取りにくい場所にある、の3つです。この記事では、この3つの見方で指示を書き直す方法を、対照5組の例と、最後に使える確認の一文で示します。 ただし、書き直せば毎回ぴったり守られると保証できるわけではありません。文字数のように数えて確かめる条件は、「範囲で指定する」「最後は自分で数える」前提で使うのが安全です。

この記事の目次
  1. 守られない原因を3つに分けて考える
  2. 対照5組:失敗しがちな指示と書き直し例
  3. 条件を確認させる一文
  4. 守られなかったときの直し方の手順

守られない原因を3つに分けて考える

OpenAIのヘルプセンターは、プロンプトを明確かつ具体的にし、十分な背景を渡すこと、返答を見て言い直しながら改善していくことを案内しています(Prompt engineering best practices for ChatGPT)。

OpenAIのクックブック(企業向けのChatGPT Enterprise向けガイド)では、出力の形(箇条書き、表、JSONなど)や長さ(「100〜200語」など)を指示に入れることが例示されています。あわせて、「Context」「Instructions」「Additional info / Constraints」のように見出しで区切って整理する書き方も紹介されています(ChatGPT Enterprise Prompting Guide)。個人利用にも応用できる考え方です。

以下の書き直し例は、これらをもとにした編集上の提案です。例の文面は説明用で、実際にChatGPTで試した結果ではありません。

  • あいまい、典型的な症状:「短く」「簡単に」の長さが毎回違う、直し方:数字の範囲と数え方を書く
  • 矛盾、典型的な症状:一部の条件だけ守られる、直し方:優先順位をつけるか、片方を削る
  • 置き場所、典型的な症状:長い資料の中で条件が埋もれやすい、直し方:依頼・条件・資料を区切って分ける

対照5組:失敗しがちな指示と書き直し例

1. 文字数が「くらい」「短め」になっている

失敗しがちな指示(説明用の例)

この文章を300字くらいで短くまとめてください。

書き直し例

次の文章を280〜320字で要約してください。
・字数は句読点と記号を含めて数えます。
・1段落にまとめ、箇条書きにはしません。
・上限の320字を超えそうなときは、重要度の低い情報から削ってください。

【文章】
(ここに本文)

「くらい」は許容幅が読み手に任されます。範囲を数字で示し、何を字数に含めるか、超えたときに何を削るかまで書くと、判断に迷う部分が減ります。仕上がりの字数は、文書ソフトの文字数カウントなどで自分で確かめてください。

2. 形式が「表で」だけになっている

失敗しがちな指示(説明用の例)

3つのプランを表で比較して。

書き直し例

次の3つのプランを比較する表をMarkdown形式で作ってください。
・列は「プラン名」「月額」「向いている人」「注意点」の4つ。
・行はプランごとに1行、合計3行。
・表の前後に説明文は付けず、表だけを出力してください。

【プラン情報(説明用のダミー)】
A:月額500円、軽く試したい人向け
B:月額1,200円、家族で使いたい人向け
C:月額2,000円、仕事で使いたい人向け

列名・行数・表以外を出さないことを書くと、完成形が具体的になります。例の金額は実在のサービスと無関係なダミーです。

3. 条件同士が矛盾している

失敗しがちな指示(説明用の例)

できるだけ簡潔に、でも背景も手順も注意点も全部詳しく、200字で書いて。

書き直し例

次の優先順位で、200字以内の文章を書いてください。
1位:手順(3ステップ)
2位:注意点(1つだけ)
背景の説明は、字数に余裕があるときだけ1文で入れてください。

「簡潔」と「全部詳しく」は同時に満たせません。クックブックにも、扱う項目を増やすと1項目あたりの深さが浅くなること、その場合はプロンプトを分けることが説明されています。入れたい項目が多いなら、優先順位をつけるか、依頼を2回に分けるほうが安定します。

4. 条件が長い資料の末尾に埋もれている

失敗しがちな指示(説明用の例)

(長い議事録を貼り付け)
……という内容です。これを要約してください。あ、箇条書きで、5項目以内で、敬語でお願いします。

書き直し例

# 依頼
下の議事録を要約してください。

# 条件
1. 箇条書きで、5項目以内
2. 文体は「です・ます」調
3. 決定事項と未決事項を分けて書く

# 議事録
(ここに議事録)

資料を先に貼って条件を最後に足すと、どこまでが指示でどこからが素材かが分かりにくくなります。依頼と条件を先に独立して書き、資料は最後に区切って置く形にすると、境目がはっきりします。見出しで区切るクックブックの構成と同じ発想です。

なお、条件を資料の前に置くか後ろに置くかで結果がどう変わるかは、本記事では検証していません。重要なのは、指示と素材を見出しや区切りで分けることです。

5. 以前の指示やカスタム指示と衝突している

失敗しがちな指示(説明用の例)

(カスタム指示に「いつも箇条書きで答える」と設定済みの状態で)
この内容を、自然な文章で3文にまとめて。

書き直し例

この依頼に限り、カスタム指示の「箇条書き」ルールは使わず、
箇条書きなしの自然な文章で、ちょうど3文にまとめてください。

【内容】
(ここに内容)

OpenAIのヘルプによると、カスタム指示は設定するとすぐにすべてのチャットに適用されます(ChatGPT Custom Instructions)。普段の設定と今回の依頼がぶつかる場合があるのはそのためです。今回だけ例外にしたいなら、例外であることを明記します。同じ会話の中で前の条件を変えるときも、「先ほどの形式指定は取り消して、今回は〜」のように、何を上書きするかを書くと混乱を減らせます。

カスタム指示は、設定画面の「Personalization(パーソナライズ)」などから確認できます。表示名や文字数の上限は、プランや画面の更新で変わることがあるため、ご自身の画面で確かめてください。

条件を確認させる一文

依頼文の最後に、次の一文を足します。

回答を書く前に、守る条件(字数・形式・優先順位)を番号つきで短く言い直し、矛盾や不明な点があれば先に質問してください。

ChatGPTが条件を言い直した時点で、意図とずれていないかを本文が出る前に確認できます。ずれていたら、その場で条件を直せます。

書き終わった後に確認したいときは、次の一文を使います。

出力が条件を満たしているか、条件ごとに「満たしている/満たしていない」で点検し、満たしていない箇所は直してください。

この自己点検の結果は、そのまま信じ込まないでください。字数や行数など数えられる条件は、自分でも確かめます。

守られなかったときの直し方の手順

  1. 返答のどの条件が守られなかったかを1つ特定する(字数、形式、順序など)。
  2. その条件が数字や形で書かれているかを見る。あいまいなら数字に直す。
  3. ほかの条件、前の会話、カスタム指示と矛盾していないかを見る。
  4. 条件が資料や長文に混ざっていれば、独立した欄に移す。
  5. 同じ依頼で書き直し、まだ守られなければ、依頼を小さく分ける。

一度に直すのは1か所にすると、何が効いたかが分かりやすくなります。表を頼むなら列名と行数を決め、条件が多いときは番号をつけて優先順位を書いておくと、見直しも楽です。

試すときは、機密情報や個人情報を入れず、ダミーの内容に置き換えてください。

出典・参考資料