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PDFやWordをChatGPTに読ませる前の準備:添付ファイルの下ごしらえと頼み方

AIを使いこなす

執筆にClaudeを使用しています。

机の上で、書類の束から必要なページだけを付箋で挟んで抜き出している手元と、チェック印を付けたメモ用紙
記事の内容をもとに制作したAI生成イメージです。実際の製品画面や検証結果の写真ではありません。

PDFやWordを読ませるだけなら、ファイルを添付して「要約して」と送れば足ります。ただ、答えの使いやすさは、ファイルの状態と依頼文で変わります。添付前に決めておくのは次の3点です。 1. 形式が対応していて、文字として読める状態か 2. 読ませる範囲を絞れているか(不要なページや、渡せない情報が混ざっていないか) 3. 依頼文に「範囲・目的・出力形式」が入っているか この記事では、添付前チェックリストと、そのまま使える依頼文の型を紹介します。依頼文や入力例は説明用に作ったもので、実際のChatGPTで試した出力ではありません。ご自分のファイルで一度試し、結果を原文と照らしてから使ってください。

この記事の目次
  1. 公式ヘルプで確認できる仕様
  2. 手順1:ファイルの状態を整える
  3. 手順2:添付前チェックリスト
  4. 手順3:依頼文は「範囲・目的・出力形式」で組み立てる
  5. 手順4:結果を原文と照らし、うまくいかなければ見直す

公式ヘルプで確認できる仕様

2026年10月27日にOpenAIのヘルプを開いて確認した範囲です。上限や回数はプランや時期で変わる可能性があるため、最新の数字は各ヘルプで見てください。

  • 文書はDOCX、PDF、TXT、表計算はXLSX、XLS、CSV、TSV、スライドはPPTXに対応しています。Googleドキュメントの.gdocは直接アップロードできず、PDFかDOCXに書き出してから添付します(対応ファイル形式のヘルプ)。
  • 文書・スライドは1ファイル512MBまで、テキスト系の文書は1ファイル200万トークンまで、画像は1枚20MBまでです。回数は、標準的な利用で3時間に最大80ファイル、無料プランは1日3ファイルまでと書かれています(ファイルとオーディオのアップロードのヘルプ)。
  • PDFは、文字だけでなくグラフや図も分析できるとされています。ただし、GPTの知識ファイルやプロジェクトファイルとして保存したPDFでは、埋め込み画像が自動では含まれないことがあります。その場合は、チャットに直接添付するか、画像を別にアップロードします(PDFの画像に関するヘルプ)。

上限に収まっていても、長い文書の全体を一度に頼むと、細部が抜けたり、根拠の場所を追いにくくなったりします。これは公式ヘルプの記載ではなく、結果を確認しやすくするための編集方針です。以降の手順は、範囲を絞る前提で書いています。

手順1:ファイルの状態を整える

文字を選択できるか見る

PDFを開き、本文をマウスで選択できるか試します。選べない場合は、紙をスキャンした画像だけのPDFかもしれません。画像だけのPDFをChatGPTがどこまで正確に読めるかは、今回確認したヘルプには書かれていませんでした。数字や固有名詞が多い文書では、特に慎重に扱ってください。

  • 元のWordや表計算ファイルがあれば、そちらを添付する
  • スキャン版しかない場合は、最初に「冒頭の3行を原文のまま書き出して」と頼み、読めているかを確かめる

渡し方を選ぶ

次の表は、公式の比較ではなく、確認しやすさを基準にした編集方針です。

  • 元のWordがある、おすすめの渡し方:DOCXのまま渡す。章の見出しは整えておく、理由:章名で範囲を指定しやすい
  • 配布用のPDFしかない、おすすめの渡し方:PDFのまま渡し、ページ番号で範囲を指定する、理由:手を加えず、根拠のページも確認しやすい
  • 数字の表が中心、おすすめの渡し方:元のXLSXやCSVがあればそちらを渡す、理由:PDF化で崩れた表を避けられる
  • Googleドキュメント、おすすめの渡し方:PDFかDOCXに書き出す、理由:.gdocは直接添付できない
  • 図やグラフが重要、おすすめの渡し方:チャットに直接添付する。必要なら画像も別に上げる、理由:知識・プロジェクトファイルでは画像が含まれないことがある

手順2:添付前チェックリスト

添付ボタンを押す前に、上から確認します。

  • [ ] 形式はPDF、DOCX、TXTなど、対応しているものか
  • [ ] 本文は文字として選択できるか(スキャン画像だけではないか)
  • [ ] 今回必要なのは全体か、一部の章・ページか
  • [ ] 不要な表紙、目次、付録、広告ページを外せるか
  • [ ] ファイル名を内容が分かる名前にしたか(例:2026年度_社内規程_改定案.pdf)
  • [ ] 氏名、住所、顧客情報、未公開の数字など、渡してはいけない情報が含まれていないか
  • [ ] 含まれる場合、架空の名前や伏せ字に置き換えたか
  • [ ] 契約や社内ルールで、外部のAIサービスへの送信が許されているか

最後の2項目は大切です。学習への利用に関する設定とは別に、取引先との契約や組織のルールに従う必要があります。迷ったら、機密部分を置き換えた版を作って渡すのが無難です。範囲を絞るには、PDF閲覧ソフトの「ページを抽出」などで必要なページだけの別ファイルを作ります。元ファイルは残しておきます。

手順3:依頼文は「範囲・目的・出力形式」で組み立てる

依頼文には、次の3つを順に書き、守ってほしいルールを足します。

  1. 範囲:どこを読むか(ページ、章、見出し名)
  2. 目的:読んだ結果を何に使うか(会議の準備、判断材料、メールの下書きなど)
  3. 出力形式:形、長さ、並べ方、根拠の示し方

依頼文の型

添付のファイルについて、次の条件で要約してください。

【範囲】第3章「費用」(p.8〜12)のみ。他の章は読まなくてかまいません。
【目的】来週の会議で、費用の変更点を3分で説明するため。
【出力形式】
・変更点を箇条書きで5項目以内
・各項目の末尾に、根拠のページ番号を(p.○)の形で付ける
・最後に「本文に書かれていない点・判断できない点」を別枠で挙げる
【ルール】
・本文にない内容を補わないこと
・数字と固有名詞は原文のまま書くこと

説明用の例:架空の社内規程の場合

次は架空の資料を想定した例です。

添付の『テスト株式会社 出張旅費規程(改定案)』について、
第5条〜第8条だけを読んでください。
目的は、現行規程から変わりそうな点を、社員向けのお知らせに書くための下調べです。
出力は、次の表にしてください。
| 条番号 | 内容(40字以内) | 根拠のページ |
表のあとに、解釈が分かれそうな表現があれば3つまで挙げてください。

「改定案」と書くのは、現行版との比較なのか、この文書だけの要約なのかを取り違えにくくするためです。比較したい場合は、2つのファイルを添付し、それぞれの名前を依頼文に書きます。

場面ごとに足す一言

  • 全体の様子だけ知りたい、依頼文に足す一言:「まず目次と各章の要点を1行ずつ。詳細は不要です」
  • 特定の疑問に答えてほしい、依頼文に足す一言:「次の質問に答えてください。該当箇所がなければ『記載なし』と書いて」
  • 数字を拾いたい、依頼文に足す一言:「金額・日付・割合を一覧にし、原文の表記のまま書いて」
  • 読めているか不安、依頼文に足す一言:「冒頭と末尾の3行を原文のまま引用して」
  • 長い文書を分けて読ませたい、依頼文に足す一言:「今回は第1〜2章のみ。続きは次に指示します」

手順4:結果を原文と照らし、うまくいかなければ見直す

出てきた要約は、そのまま使わず、次の順で確かめます。

  1. 数字・日付・固有名詞:原文と1つずつ照らします。原文どおりと指定した場合も、必ず見ます。
  2. ページ番号:示されたページを開き、その内容があるか確かめます。PDF上のページ番号と、紙面に印刷されたページ番号がずれることがあります。
  3. 「記載なし」の項目:本当に書かれていないのか、読み取れなかっただけなのかを、PDFの検索機能で原文を探して確認します。
  4. 図や表:文章での説明が、元の図表と合っているか目で見ます。

間違いが見つかったら、「第2項目の金額が原文と違います。p.10の表を見直して」のように、場所を指して頼み直します。

うまくいかないときは、症状別に見直します。

  • 内容がおかしい:範囲を狭め、文字として読めているか確認する
  • 答えが浅い:目的と出力形式を足す
  • 添付できない・止まる:形式、ファイルの大きさ、回数の上限を確認する。数字はプランや時期で変わることがあります

時間がないときの最小セットは、必要なページに絞ること、機密を置き換えること、依頼文に「範囲・目的・出力形式」と「根拠のページ番号」を書くことです。

出典・参考資料