庭づくりに「予算」を入れたら、置き方はどう変わるか
遊びを見つける執筆にClaudeを使用しています。

「余白の庭」は、木・石・草・花・池・灯りを時間制限なしで置いていく庭づくりです。置けるのは最大80個で、四季と昼夜を切り替えられ、戻す(Z)とやり直す(Y)も使えます。置く場所も数も種類も、ほとんど自分で決められる作品です。 では、この自由に「予算」という枠を足すと、置き方は変わるのでしょうか。たとえば木は5点、草は1点、合計20点までと決めて庭を作る場面を考えてみます。池を諦めて草を増やすのか、木を1本だけ大事に置くのか、置く前に何度も見積もるのか。変わる点があるとすれば、それは種類の割合なのか、空白の取り方なのか、戻す回数なのか、問いはそこに分かれます。 この記事は結果を報告するものではありません。どこを測れば「変わった」と言えるかを決め、読者が自分で6回の庭づくりを行って答えを出すための設計書です。なお、予算は「余白の庭」に備わった機能ではなく、読者が自分に課すルールです。作品の仕様ではなく、自分の庭づくりに加える実験条件として扱います。
比べる二つの条件を決める
条件は二つです。
- 条件A(自由):作品の標準どおり、上限80個の範囲で好きに置きます。
- 条件B(予算):自分で決めた価格表と合計予算を守って置きます。
価格表の例を挙げます。この数字は実験用の仮置きで、作品の設定ではありません。
- 木、1つあたりの点数:5
- 池、1つあたりの点数:6
- 灯り、1つあたりの点数:3
- 石、1つあたりの点数:2
- 花、1つあたりの点数:2
- 草、1つあたりの点数:1
合計予算は20点とします。この設定では、全部を草にしても置けるのは20個で、上限の80個には届きません。予算条件では個数が減るのは当たり前なので、個数の多少だけを比べても何も分かりません。見るべきなのは、置いた中身の割合、庭の中の空白の取り方、置くときの迷いと修正のしかたです。
あらかじめ、自分の予想を紙に書いておきます。「予算を入れると草が増えそうだ」「池は置かなくなりそうだ」など、一行ずつで十分です。結果を見たあとに予想を書き換えてしまうのを防ぐためです。
準備と手順
準備するもの
- 「余白の庭」を開ける環境
- ストップウォッチ(スマートフォンのタイマーで構いません)
- 記録用の紙か表計算
- お題の候補3つ(例:「夏の夕方」「雨上がりの朝」「冬の夜」)
- 庭を3×3の9区画に分けて数えるための目安(紙に9マスを描いておきます)
お題は、条件ごとの出来を比べやすくするために使います。「何も決めずに作る」だと、毎回の発想の違いが結果に混ざります。季節と昼夜の切り替えがあるので、お題に合わせて庭の設定も固定しておきます。
実施の順序
条件A・Bを3回ずつ、合計6回行います。組み合わせは次のようにします。
- お題1:A、お題2:B、お題3:A
- お題1:B、お題2:A、お題3:B
つまり各お題をA・B両方で一度ずつ作ります。順序の影響を減らすため、ABBAAB のように入れ替えて並べ、可能なら日を分けます。続けて6回作ると、後半は慣れや疲れの影響が出ます。
一回の流れ
- 庭を空の状態から始めます。「余白の庭」には保存があり、以前の庭を引き継げるので、前回の庭が残っていないか最初に確認します。新しい庭を始める操作は、作品を開いて確かめてください。
- お題と条件(AかB)を宣言して、ストップウォッチを押します。
- 条件Bでは、置くたびに自分で合計点を数えます。数え間違いを防ぐため、紙に「木 正」のように種類ごとの正の字を書いておきます。
- 「これで完成」と思った時点でストップウォッチを止めます。時間制限はないので、止める基準は自分の判断です。
- 完成した庭のスクリーンショットを撮り、次の節の項目を記録します。
道具が欲しい場合の最小試作
条件Bの点数計算を手作業にしたくない場合、次の最小コードを保存してHTMLとして開くと、簡易な予算付きの庭が使えます。これは「余白の庭」そのものではなく、予算の感覚を試すための別物です。種類のボタンを選んで8×8のマスをクリックすると置け、予算を超えると置けません。Zキーで直前の一つを戻します。
<!doctype html>
<meta charset="utf-8">
<title>予算つきの庭</title>
<style>
#g{display:grid;grid-template-columns:repeat(8,40px);gap:2px}
#g button{width:40px;height:40px;font-size:20px}
</style>
<p id="s"></p>
<p id="k"></p>
<div id="g"></div>
<script>
const COST={木:5,石:2,草:1,花:2,池:6,灯:3}, BUDGET=20;
let cur="木", log=[], undo=0;
const cells=Array(64).fill("");
const g=document.getElementById("g");
const s=document.getElementById("s");
const k=document.getElementById("k");
const used=()=>cells.reduce((a,c)=>a+(c?COST[c]:0),0);
function draw(msg){
cells.forEach((c,i)=>g.children[i].textContent=c);
s.textContent=`選択:${cur} 使用:${used()}/${BUDGET} 個数:${log.length} 戻した回数:${undo} ${msg||""}`;
}
for(const n in COST){
const b=document.createElement("button");
b.textContent=n+COST[n];
b.onclick=()=>{cur=n;draw()};
k.appendChild(b);
}
cells.forEach((_,i)=>{
const b=document.createElement("button");
b.onclick=()=>{
if(cells[i]) return;
if(used()+COST[cur]>BUDGET) return draw("予算が足りません");
cells[i]=cur; log.push(i); draw();
};
g.appendChild(b);
});
document.onkeydown=e=>{
if(e.key==="z"&&log.length){cells[log.pop()]="";undo++;draw()}
};
draw();
</script>この簡易版は移動も大きさ調整もできないので、「余白の庭」本体とは遊び心地が違います。本体の実験と混ぜず、予算の見積もりに慣れるための練習台として使うのが向いています。
記録の取り方
一回の庭づくりごとに、次の項目を同じ単位で記録します。
- 条件とお題、単位・方法:A/B、お題名
- 種類別の個数、単位・方法:木・石・草・花・池・灯りそれぞれ
- 総数、単位・方法:完成時の個数
- 空の区画数、単位・方法:3×3の9区画のうち何も置かれていない数
- 戻した回数、単位・方法:Zキーを押した回数(やり直しのYも別に数える)
- 所要時間、単位・方法:分と秒
- 迷いの自己評価、単位・方法:1〜5(置く前に迷った度合い)
- 満足度、単位・方法:1〜5(庭全体への満足)
客観的に数えられるもの(個数、区画数、戻した回数、時間)と、自分の感覚を数字にしたもの(迷い、満足度)は、別の列として扱います。感覚の数字は、条件を知っていることで引っ張られやすいからです。
種類別の割合を出すときは、各種類の個数を総数で割ります。たとえば総数が違う庭同士でも、「草が全体の何割か」なら比べられます。
結果の読み方
6回分がそろったら、まず条件内のばらつきを見ます。Aの3回の間で、草の割合や空の区画数がどれくらい動いたかを書き出します。Bの3回も同じようにします。
そのうえで、Aの平均とBの平均の差を見ます。判断の目安は次のとおりです。
- 条件間の差が、条件内のばらつきより明らかに大きい:予算の影響があった可能性が高いと読めます。
- 条件間の差が、条件内のばらつきと同じくらい:お題や気分の違いと区別できません。「この6回では言い切れない」が誠実な結論です。
- 差が出る項目と出ない項目が混ざった:どの項目が動いたかそのものが、この実験の発見です。
戻した回数の読み方には注意が必要です。Bで戻す回数が増えたとしても、「置く前の見積もりが甘かった」と読むこともできますし、「予算内で試して直す遊び方に変わった」と読むこともできます。数字だけでは決まらないので、庭づくり中の様子を一言メモしておくと判断の手がかりになります。
空の区画数は「余白」と関わる項目です。予算条件で置く数が減れば、空白が増えるのは機械的にそうなります。空白が増えたかどうかではなく、空白が一か所にまとまったのか、散らばったのかを、スクリーンショットで見比べてください。
最後に、冒頭に書いた予想と見比べます。外れた項目があれば、それが次の問いになります。
起こりやすい誤り
- 価格表が結果を決めてしまう:池を6点にすれば、池が減るのは当然です。価格表を変えても同じ傾向が出るか確かめたい場合は、価格を変えた条件Cを追加してください。ただし、一度に変えるのは価格表だけにします。
- 前回の庭が残っている:保存を引き継ぐと、個数が最初から入ってしまいます。開始時に必ず空かどうか確かめてください。
- お題・季節・昼夜が揃っていない:夜の庭で灯りが増えるのは、予算とは関係ないかもしれません。条件ごとに同じお題を回すのはそのためです。
- 完成の基準が毎回変わる:条件Bのほうが「予算を使い切ったから終わり」になりやすく、所要時間の比較が歪みます。「予算が余っても、納得したら終わり」と事前に決めておきます。
- 数え間違い:条件Bの点数を暗算していると、途中でずれます。正の字か、前記の簡易版で数えてください。
- 結論の広げすぎ:6回の記録は、自分の6回分でしかありません。「予算を入れると誰でもこうなる」とは言えません。
次の行動
まず条件Aの1回目を、お題と季節・昼夜を決めて作ってみてください。その場で種類別の個数を数えて記録しておくと、条件Bの価格表をどう決めるかが見えてきます。6回終わったら、予想と比べて、どの項目が一番意外だったかを一行だけ書き残してください。

