マガジン

2〜5人の発信チームで承認フローを決める:役割・確認順・AIの使い方

AIを使いこなす

Claudeで執筆し、GPTで自動校閲・修正しています。

投稿案とチェックリストを前に、3色の付箋で確認段階を分けている手元
記事の内容をもとに制作したAI生成イメージです。実際の製品画面や検証結果の写真ではありません。

結論から言うと、全投稿を全員で確認する必要はありません。投稿を「間違えたときの被害の大きさ」で3段階に分け、段階ごとに確認する人数とタイミングを変えるのが、小さなチームには現実的です。軽い投稿は書いた本人とAIの下読みで出し、中程度は1人が公開前に見て、広告・数字・権利が絡む投稿だけを2人以上で止めます。 この記事では、その3段階の判定表、人数別の担当割り当て例、AIに任せる範囲と依頼文を示します。以下の表や文面は編集上の提案で、説明用の例です。各SNSの画面で動作を確認したものではありません。

この記事の目次
  1. まず3段階の投稿リスク表を決める
  2. C段階で人が必ず見る項目
  3. 人数別の担当・確認者の割り当て例
  4. AIに任せること・渡す情報・人が確認すること
  5. 承認の記録と見直し

まず3段階の投稿リスク表を決める

判断基準は「内容の好みや文章の巧さ」ではなく、「間違えたら取り返しがつかないか」です。次の表をそのままチームの共有メモに貼って使えます。

  • A:低、例:定型のお知らせ、公開済み情報の再掲、日常のひとこと、主なリスク:誤字、表現のずれ、公開前の確認:作成者のチェックリスト+AI校正、公開後:翌営業日に別の人が見返す
  • B:中、例:日時・料金・仕様の初出、他社や他者への言及、画像や引用の使用、個別のコメント返信、主なリスク:事実誤り、権利、相手への失礼、公開前の確認:作成者以外の1人が確認、公開後:必要なら修正
  • C:高、例:広告・PR・提供品、効果や比較の主張、クレームや事故への声明、個人情報や顔写真、未発表情報、主なリスク:法令、信用、炎上、取り消し不能な情報漏えい、公開前の確認:確認者+最終承認者の2段階。承認前は予約も不可、公開後:反応を当日中に監視

迷ったときの判定ルール

次の質問に1つでも「はい」があれば、その段階に上げます。迷ったら一段上に回します。

  1. お金・日時・数字・効果など、読者が行動の根拠にする情報が入っているか(入っていればB以上)
  2. 自分たち以外の人・会社・作品・画像が写っているか、触れているか(B以上)
  3. 報酬、商品提供、紹介料などの対価が関わっているか(C)
  4. 削除しても拡散後は消せない種類の情報か。個人情報、未発表情報、事故やトラブルの説明など(C)

3番を最初にCへ固定するのは、法的な判定を一律に決めるためではなく、チーム内で慎重に確認するためです。消費者庁によると、景品表示法の規制対象は商品・サービスを供給する事業者(広告主)で、SNS投稿も対象になり得ます。(消費者庁:ステルスマーケティングは景品表示法違反となります)

C段階で人が必ず見る項目

AIは文章の下読みには使えますが、事実や権利の最終確認はできません。特にCでは、確認者が次を目で確かめます。

  • 広告表記:投稿が事業者の表示に当たるか、広告主との関係や表示内容の決定への関与を確認します。該当する場合は、投稿本文で事業者の表示であることが分かるかを確認します。消費者庁のQ&Aでは、リプライやツリーでの記載は見落とされやすく、動画は全体を通して分かる表示が望ましいとされています。「A社から商品の提供を受けて投稿している」といった説明も例示されています。(消費者庁:ステルスマーケティングに関するQ&A)
  • 社内メンバーの個人投稿:同Q&Aでは、販売促進に関わる役員・管理職・担当者が販売促進のために個人SNSで投稿する場合、「事業者の表示」に当たり得ます。「社員です」と書くだけでは、事業者の表示だと明瞭とは限りません。チーム内では、個人アカウントでの宣伝依頼もC扱いにします。
  • 数字と固有名詞:価格、日付、URL、人名、店名を元資料と1つずつ照合します。
  • 画像・引用・音楽:出所と利用許可を確認します。
  • 個人情報:顔、名前、位置情報、画面の端に映った情報がないか確認します。

個別の投稿が法令に適合するかの判断は、このフローでは保証できません。判断に迷うC案件は、公開を止めて専門家や所管の窓口に相談する、という出口を決めておいてください。

人数別の担当・確認者の割り当て例

役割は「作成者」「確認者」「最終承認者」の3つです。人数が少ないと兼任が出ますが、自分で書いた投稿を自分だけで承認しないのはBとCで守ります。

  • 2人(P・Q)、A:作成者のみ。翌日に相手が見返す、B:相手が確認、C:相手が確認。さらに公開は翌日以降にして、作成者が見直す
  • 3人(P・Q・R)、A:作成者のみ、B:作成者以外の当番1人、C:確認者=当番、承認者=責任者(R)
  • 4〜5人、A:作成者のみ、B:確認担当(固定1人)。不在時は副担当、C:確認担当→責任者の順。投稿実行は別の1人

2人チームのCは、承認者が足りません。そこで「時間を置く」を第2の確認の代わりにします。書いてから半日〜1日おいて作成者が読み直せば、見落としは減ります。これは編集上の提案で、効果を測った数字はありません。

確認の期限を決める

待たされると、チームは確認を飛ばし始めます。目安として、Aは待たない、Bは半日以内、Cは公開予定の前日までに依頼する、と決めます。期限内に返事がなければ、Bは別の人が代わり、Cは公開を延期します。「返事がなければ承認」にはしないでください。

AIに任せること・渡す情報・人が確認すること

  • 投稿案のリスク段階の下見、渡す情報:投稿案の本文、元資料の要点、人が確認すること:段階の最終決定
  • 誤字・敬語・言い回しの確認、渡す情報:投稿案の本文、人が確認すること:意味が変わっていないか
  • 数字・日付の「確認すべき箇所」の洗い出し、渡す情報:投稿案と元資料、人が確認すること:元資料との照合
  • 炎上しそうな読み取られ方の列挙、渡す情報:投稿案、想定読者、人が確認すること:列挙された懸念の採否

渡す情報は、必要な範囲に絞ります。顧客名、未発表の取引先、個人情報は、架空の名前や伏せ字に置き換えます。利用サービスの「学習に使わない」設定は、情報を外部に出さないことの保証とは別の話です。そのため、設定の有無にかかわらず機密は渡さない運用が安全です。

リスク段階の下見を頼む依頼文

あなたはSNS運用チームの校閲補助です。
次の投稿案を、A(低)・B(中)・C(高)のどれに当たるか判定してください。
基準:
- C: 対価・商品提供・紹介料が絡む/効果や比較の主張/個人情報/未発表情報/クレーム対応
- B: 日時・料金・仕様の初出/他者や他社への言及/画像・引用の使用
- A: 上記以外
出力: 段階、理由を2行、人が確認すべき箇所を箇条書き。
事実の正否は判断せず、「要確認」と書くだけにしてください。

【投稿案】
(ここに本文)
【背景メモ】
(元資料の要点。個人名や機密は伏せ字にする)

入力例と、返ってきた出力の見方

次は説明用の架空の例です。実際にAIへ入力して得た結果ではありません。

【投稿案】
ひなた焼き菓子店の新作レモンケーキ、11/3発売です!
この味は他のどこより爽やかです。モニターのAさんからも「感動した」と好評でした。
【背景メモ】
Aさんには試食品を無償で渡した。価格は未定。

この場合、人が見るべき点は次のとおりです。

  • 試食品の提供先とのやり取りや提供の目的などを確認します。無償提供だけで一律に広告表示が必要とは決まりませんが、この例はチーム内の慎重運用としてC扱いにし、事業者の表示に当たるか、必要な表示が何かを確認します。
  • 「他のどこより」は比較の主張なので、根拠を確認します。
  • 価格が未定なら、発売日だけが確定情報かを確認します。

AIの出力がAやBだったとしても、上の3点に当てはまるなら、人がCに引き上げます。AIの判定は参考で、決めるのは人です。

確認者が使う依頼文

次の投稿案と元資料を比べ、食い違いを一覧にしてください。
対象: 日付、金額、固有名詞、数量、URL、効果の表現
出力: 「投稿案の記述/元資料の記述/一致・不一致・資料にない」の表
元資料にないことを補って「正しい」と判断しないでください。

「資料にない」の行が出たら、AIに聞き返さず、人が元の情報源に当たります。

承認の記録と見直し

承認フローは、記録が残らないと形骸化します。チャットやスプレッドシートに、次の1行を残せば十分です。

日付|段階|作成者|確認者|承認者|修正点|公開予定

月に1回、5分だけ見直します。見る点は2つです。Bで毎回同じ指摘が出るなら、チェックリストに項目を足します。Aで事故が出たなら、その種類の投稿をBに上げます。逆に、Cの確認で一度も指摘が出ないのに時間がかかっているなら、判定基準を見直します。

まず今日やることは、上の3段階表をチームの共有場所に貼り、現在の担当者を人数別の表に当てはめることです。次に、直近の投稿を3本選び、A・B・Cに仕分けてみてください。意見が割れた投稿が、基準を書き足すべき場所です。

出典・参考資料