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お客さんの情報を入れずにAIへ相談する書き換え方:予約や問い合わせ文の匿名化の例

AIを使いこなす

Claudeで執筆し、GPTで自動校閲・修正しています。

予約メモの個人を特定する部分を伏せ、必要な要点だけを書き写す手元
記事の内容をもとに制作したAI生成イメージです。実際の製品画面や検証結果の写真ではありません。

お客さんからの問い合わせ文をAIに見せずに返信の相談をするには、名前と電話番号を消すだけでは足りません。「いつ・どこで・どんな人が・何を言ったか」の組み合わせでも、本人や周りの人には誰か分かることがあります。やることは次の3つです。 1. 特定につながる情報を種類ごとに洗い出す 2. 相談に必要ない情報は削り、必要な情報は「お客様A」のような役割の言葉に置き換える 3. 元の文と置き換えの対応表は、AIに渡さず手元にだけ残す この記事の例文はすべて説明用に作った架空のものです。実際にAIへ入力して試した結果ではありません。

この記事の目次
  1. なぜ名前を消すだけでは足りないのか
  2. 入れてはいけない情報の洗い出しリスト
  3. 書き換えの手順
  4. 書き換え前後の例(説明用の架空)
  5. AIへの依頼文の例
  6. 設定との関係:学習オフは秘密保持ではない
  7. 送信前の最終チェック

なぜ名前を消すだけでは足りないのか

個人情報保護委員会のQ&Aでは、「特定の個人を識別できる」とは、社会通念上、一般の人の判断力や理解力で、生きている具体的な人物と情報が同じ人だと分かることだと説明されています(個人情報保護委員会「特定の個人を識別することができる」とは)。名前がなくても、「先週土曜14時に来た近所の薬局の店長さん」のように、周囲の人が誰か分かる書き方は該当しうるということです。

もう一つ注意したいのが、置き換えた後の「対応表」です。同じ委員会のQ&Aは、顧客IDなどの共通の識別子があり、事業者の内部で特定の個人が分かる情報と一緒に参照できる場合は、他の情報と容易に照合できると解されうる、としています(個人情報保護委員会 ガイドラインQ&A)。「お客様A=山田さん」の表や、予約システムの予約番号は、その手がかりになります。ですから、置き換えた文に予約番号や会員IDを残さないでください。対応表もAIには渡さないでください。

なお同委員会は2023年6月2日に、生成AIサービスの利用に関する注意喚起を公表しています(個人情報保護委員会 報道発表ページ)。お客さんの情報を入れるかどうかは、このような公的機関の注意喚起を見たうえで、自店で決めるべき事柄です。個別の適法性までは、この記事では判断できません。

入れてはいけない情報の洗い出しリスト

問い合わせ文を読みながら、次の表の種類に当たる箇所に印をつけます。右端の列は、置き換え方の目安です。

  • 名前、よくある例:氏名、ニックネーム、SNSのアカウント名、サイン、置き換え・扱い:「お客様A」
  • 連絡先、よくある例:電話、メール、LINE ID、住所、最寄りの目印(「○○小学校の向かい」)、置き換え・扱い:削除
  • 管理番号、よくある例:予約番号、会員番号、注文番号、ポイントカード番号、車のナンバー、置き換え・扱い:削除(相談に不要なため)
  • 日時・場所、よくある例:来店日の日付と時刻、座った席、担当した日、置き換え・扱い:「先日」「ある日の夜」など幅を持たせる
  • 属性の組み合わせ、よくある例:年代、性別、職業、勤務先、学校名、「常連の」「近所の」、置き換え・扱い:返信に必要な最小限だけ残す
  • 同伴者・家族、よくある例:子どもの年齢や学校、家族構成、紹介者の名前、置き換え・扱い:「同伴者」
  • 健康・信条などの機微な事情、よくある例:アレルギー、通院、持病、妊娠、宗教上の理由、トラブルの経緯、置き換え・扱い:返信に必要なら「配慮が必要な事情」と一般化。不要なら削除
  • 支払い、よくある例:カード番号、口座、請求内容の細目、置き換え・扱い:削除
  • スタッフ、よくある例:スタッフの実名、シフトの時間帯、置き換え・扱い:「スタッフ」
  • 添付・画像、よくある例:スクリーンショット、写真、予約画面、置き換え・扱い:渡さない(文字に起こして書き換える)

迷ったときの考え方は、「その情報がなくても、返信の言い回しの相談はできるか」です。できるなら置き換えではなく、削除します。

書き換えの手順

手順1:元の文を手元で開く

AIに匿名化を任せないでください。「個人情報を消してください」と頼むために元の文を貼り付けると、その時点で入力済みになってしまいます。書き換えはメモ帳などの手元の画面で、人が行います。

手順2:上の表で印をつける

名前、連絡先、番号類から探し、次に日時・場所・属性の組み合わせを見ます。組み合わせは見落としやすいので、「この1文だけで、常連さんや同僚が誰か分かるか」と考えながら読んでください。

手順3:削除か置き換えかを決める

相談の目的(例:丁寧な断り文にしたい)に関係しない情報は削除します。関係する情報だけを、役割の言葉にします。

手順4:対応表を別に控える

置き換えが必要だった場合だけ、「お客様A=○○様」の対応表を、AIとは別の場所に作ります。1回の相談ごとにラベルは付け直し、前回の「お客様A」と同じ人にならないようにします。同じ会話で複数の件を相談すると、AIの回答の中で情報が混ざり、取り違えの元になります。

手順5:送る前に読み直す

元の文を閉じ、書き換えた文だけを他人の目で読みます。声に出してみると、固有名詞や日付の残りに気づきやすくなります。

書き換え前後の例(説明用の架空)

以下は、架空の飲食店への問い合わせです。連絡先はダミーです。

例1:予約変更の依頼

書き換え前

昨日19時に予約した山田花子です(090-0000-0000、hanako@example.com)。予約番号はA-1234です。4歳の娘が卵アレルギーなので、メニューを事前に確認したいです。明後日の土曜に日程を変えたいのですが、前回対応してくれた佐藤さんにお願いできますか。

書き換え後

お客様Aから予約の変更依頼がありました。同伴の子どもに食物アレルギーがあり、事前にメニューを確認したいとのことです。日程を数日後の週末に変更したい、前回の担当スタッフを希望、という内容です。

名前、電話、メール、予約番号、スタッフ名は削除しました。日時は幅を持たせ、アレルギーの品目と子どもの年齢は、返信文の相談には要らないため落としています。品目の確認は、返信を実際に送る段階で人が行います。

例2:クレームへの返信

書き換え前

先週土曜の14時ごろ、窓際の席にいた者です。近所の○○薬局で店長をしています。提供が40分遅れたのに、謝罪もありませんでした。

書き換え後

ある来店客から、提供が長く遅れたのに謝罪がなかったという指摘がありました。

来店日時、席、職業、勤務先を削ると、返信の相談に必要な事実(遅れた、謝罪がなかった)だけが残ります。「40分」のような経過時間は相談に必要なら残せます。

AIへの依頼文の例

書き換えた文は、次のような依頼文と一緒に渡します。

あなたは小さな飲食店の接客文面を整える相談役です。
下の【問い合わせの要約】は、個人が特定されないよう書き換えてあります。
お客様の名前や日付は私が後から入れるので、
[お客様名] [日付] [スタッフ名] のように空欄で残してください。
返信文の案を、丁寧・簡潔・やわらかめの3パターンで出してください。
実際に確認が必要な事項(席の空き、アレルギー対応の可否など)は、
文中で断定せず、私が確認する項目として最後に箇条書きにしてください。

【問い合わせの要約】
(ここに書き換えた文を貼る)

返ってきた案は、空欄を埋める前に事実を確認します。AIは店の空き状況やアレルギー対応の可否を知りません。ここは人が必ず確かめてください。

設定との関係:学習オフは秘密保持ではない

「学習に使われない設定にすれば、そのまま入れてよい」とは言い切れません。学習への利用と、情報の保管や閲覧の範囲は、別の話だからです。

  • OpenAIの説明では、ChatGPTのFree・Plus・Proでは既定で会話が学習に使われ、設定画面の「Improve the model for everyone」をオフにできます。一時チャットは、一時の間は学習に使われません。Business・Enterprise・Edu・APIは既定で学習に使われません。契約などで例外がありえることも書かれています(OpenAI Help「How your data is used to improve model performance」)。
  • Anthropicの説明では、Claudeの個人向けプラン(Free・Pro・Max)でモデル改善への利用を設定でき、シークレットチャットはモデル改善に使われません。ただし、安全性の分類器に検知された会話は、安全性の研究などに使われる場合があると書かれています。Team・Enterpriseは別の規定です(Claude Help「I would like to input sensitive data into my chats with Claude. Who can view my conversations?」)。

どちらも2026年10月29日に確認した公式ヘルプの記述です。画面の名称や設定は変わることがあるため、使う前に自分の契約プランの画面で確認してください。設定をオフにしても、保管や運営側の確認がなくなるわけではありません。だから、まず入れないことを基本にして、この記事の書き換えを使います。

送信前の最終チェック

次の5つに「はい」と答えられれば送れます。

  1. 名前、連絡先、予約番号などの番号がない
  2. 日付や時刻が「先日」のように幅を持っている
  3. 職業、勤務先、家族、健康の事情など、組み合わせると誰か分かる記述がない
  4. 画像やスクリーンショットを添付していない
  5. 対応表は、このAIの画面から離れた場所にある

1つでも「いいえ」なら、その箇所を削るか書き換えてから送ります。

出典・参考資料