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AI生成であることを表示する?しない? 場面ごとの判断軸

AIを使いこなす

Claudeで執筆し、GPTで自動校閲・修正しています。

風景のプリントに説明用の無地のカードを添える手元
記事の内容をもとに制作したAI生成イメージです。実際の製品画面や検証結果の写真ではありません。

結論から言うと、「AIを使ったら必ず表示」という一律のルールを、日本の一般の発信者に課す制度は、今回確認した公的資料の範囲では見つかりませんでした。一方で、「見た人が本物と誤認しそうか」「広告や商品説明に使うか」「EU向けに業として発信するか」で、表示が必要になる場面は変わります。 そこで判断を二層に分けます。 • 第1層:表示しないと問題になりうる場面(広告、誤認を招く商品表示、EUでの一定の発信など) • 第2層:法的義務はなくても、誤認を防ぐために表示したほうがよい場面(実在の人物や出来事に見える素材など) この記事では、画像・文章・音声・動画の判断表と、使える表示文の例を示します。なお、個別の案件が適法かどうかを保証するものではありません。

この記事の目次
  1. まず押さえる3つの区別
  2. 場面別の判断表
  3. 自分の投稿に当てはめる4つの質問
  4. 表示文の例(説明用の例)
  5. AIに判断の下書きを手伝わせる依頼文
  6. 迷ったときの運用ルール

まず押さえる3つの区別

「AI生成の表示」と「広告の表示」は別物

日本で表示が強く問題になるのは、AI生成かどうかよりも「広告であること」を隠す場合です。消費者庁によると、広告であるのに広告と分からない状態にすることがステルスマーケティングで、2023年10月1日から景品表示法違反となっています。規制の対象は広告主である事業者です。詳しくは消費者庁のステルスマーケティング解説をご覧ください。

つまり、AIで作った口コミ風の投稿を、事業者が内容に関与して出すなら、問われるのは「AIか」より「広告と分かるか」です。「広告」「PR」などの表示が必要になります。

商品の実物と違う画像は、AIかどうかに関係なく問題になる

景品表示法は、品質などを実際より著しく優良に見せる表示(優良誤認表示)を禁じています。消費者庁の表示規制の概要では、素材の混用率を偽る例が挙げられています。AIが作った商品画像を「実物」として載せ、実物と違えば同じ問題になりえます。必要なのは「AI生成」という一言より、「イメージです。実際の商品と異なります」のような実態に即した説明です。

EUには、発信者に表示を求める規定がある

EUのAI法第50条は、生成AIの利用者(deployer)に次の義務を課しています。欧州委員会のQ&Aで確認できた内容は以下のとおりです。

  • 実在の人物・物・場所・出来事に似ていて、本物と誤認されうる画像・音声・動画(ディープフェイク)は、遅くとも最初に接する時点で、明確に分かる形で開示する。
  • 公共の関心事を知らせる目的で公開するAI生成・加工のテキストは、明確にラベル付けする。ただし、人による実質的な確認または編集上の管理を経て、公開について編集責任を負う人または組織がある場合は対象外。誤字脱字の修正程度では足りない。
  • ディープフェイクが明らかに芸術的・創作的・風刺的・フィクションの作品の一部である場合は、作品の鑑賞を妨げない適切な形の開示でよい。
  • 個人的で非職業的な利用はAI法の適用範囲外。業として、または経済的利益を継続的に得る活動は対象。
  • 適用開始は2026年8月2日。猶予があるのは、それ以前に市場に出た生成AIシステムの提供者によるマーキング義務で、2026年12月2日まで。

EU向けに仕事として発信する場合は、この規定が関係しうるので、個別に確認してください。日本の個人が趣味で発信する場合にどこまで及ぶかは、本稿では判断しません。なお、Q&Aの要約を読んだもので、法文そのものの確認ではありません。

場面別の判断表

下の表は、上の公的資料を踏まえた編集上の目安です。「根拠」欄は、確認した資料との対応を示します。

  • 画像、場面:実在の人物・出来事に見える写真風、表示の要否の目安:表示する(画像上または直近に)、根拠・考え方:EUのディープフェイク規定の想定に近い。誤認リスクが高い
  • 画像、場面:ファンタジー・イラストなど明らかな創作、表示の要否の目安:任意。作品説明で触れる程度、根拠・考え方:誤認の余地が小さい
  • 画像、場面:商品・サービスの広告で、実物のように使う、表示の要否の目安:「イメージです」等を表示、根拠・考え方:景表法の優良誤認。AIかどうかより実態との差
  • 画像、場面:ブログのアイキャッチ、挿絵、表示の要否の目安:任意、根拠・考え方:誤認の余地が小さい。ただし写真風で実在の場所に見せるなら表示
  • 文章、場面:公共の関心事を伝えるAI生成・加工の記事(EU向け)、表示の要否の目安:原則ラベル。人による実質的な確認または編集上の管理を経て、編集責任を負う人・組織があれば対象外、根拠・考え方:EU AI法50条。責任者の存在だけでは足りない
  • 文章、場面:体験談・レビュー・口コミ、表示の要否の目安:AIの表示より事実の裏付け。広告なら広告表示、根拠・考え方:事業者の表示ならステマ規制の対象
  • 文章、場面:趣味のブログ、下書き支援程度、表示の要否の目安:任意、根拠・考え方:人が内容を確認・加筆している場合
  • 音声、場面:実在の人物の声に似せたもの、表示の要否の目安:表示する(冒頭と説明欄)、根拠・考え方:誤認リスクが高い。本人の同意は別の問題
  • 音声、場面:汎用の合成音声によるナレーション、表示の要否の目安:任意。聞き手が気にしそうなら概要欄に、根拠・考え方:実在人物の誤認を生まない
  • 動画、場面:実在の人物・出来事に見える映像、表示の要否の目安:表示する。冒頭だけでなく常時が望ましい、根拠・考え方:途中から見る人がいるため
  • 動画、場面:アニメ・CGと分かる創作、表示の要否の目安:任意、根拠・考え方:誤認の余地が小さい
  • 動画、場面:広告動画、表示の要否の目安:広告表示は画面上に常時が望ましい、根拠・考え方:消費者庁Q&Aの考え方

動画の常時表示については、消費者庁のQ&Aが、広告の表示を冒頭だけにすると途中から見る人が見落とすおそれがあるとしています。これは広告表示の話ですが、AI生成の表示にも同じ発想が使えます。

自分の投稿に当てはめる4つの質問

表で迷ったら、順に答えてください。

  1. 見た人が、実在の人物・場所・出来事の記録だと受け取りますか? はい → 表示します。
  2. お金や商品の提供を受けている、または自社の商品・サービスの宣伝ですか? はい → 「広告」「PR」の表示を先に確認します。AI表示はその次です。
  3. 商品や成果の実物として見せていますか? はい → 実物との差を説明する文言を付けます。
  4. EUの人々に向けて、仕事として発信していますか? はい → 上記のEU規定とコード(次節)を確認します。

表示文の例(説明用の例)

以下は私が考えた文例で、公的機関が定めた書式ではありません。

  • 画像:この画像は生成AIで作成したもので、実在の風景ではありません。
  • 商品広告の画像:イメージ画像です(AI生成)。実際の商品とは異なります。
  • 音声:この音声はAIで合成したもので、本人の発言ではありません。
  • 動画(画面隅に常時):AI生成映像
  • 文章(人が編集した場合):下書きにAIを使い、〇〇(担当者名)が事実確認と編集を行いました。

EUは、ラベルに使える共通のアイコンも用意しています。2026年6月10日に最終版が公表された透明性に関する行動規範の第2節が、利用者によるディープフェイクとテキストのラベル付けを扱っています。遵守は任意ですが、委員会らは義務を果たすための適切な手段と確認している、とされています。

AIに判断の下書きを手伝わせる依頼文

迷う投稿は、AIに論点を整理させることもできます。ただし最終判断は人が行います。機密情報や未公開の取引先名は入れず、置き換えてください。

次の投稿について、AI生成の表示が必要か検討する論点を整理してください。
法的な結論は出さず、確認すべき点を挙げてください。

- 媒体:(画像/文章/音声/動画)
- 内容:(例:商品Aを使っている風の写真風画像)
- 実在の人物・場所・出来事に見えるか:(はい/いいえ)
- 広告・PR・報酬を伴うか:(はい/いいえ)
- 公開先と想定読者:(例:日本のSNS、EUの購読者)
- 人が確認・編集した範囲:(例:事実確認と修正は担当者が実施)

出力:①誤認が起きうる点 ②表示文の案を3つ ③自分で確認すべき規約や法令の一覧

AIの回答に含まれる法律の記述は、そのまま信用せず、原典か専門家で確かめてください。

迷ったときの運用ルール

  • 誤認の余地があるなら、表示のコストより誤認のコストのほうが大きいと考えて表示します。
  • 表示の位置は、画像なら画像上か直近、動画なら画面内、音声なら冒頭と説明欄に置きます。
  • 「AIを使った」という事実と、「人が何を確認したか」を分けて書くと、読者に伝わりやすくなります。
  • プラットフォームごとの投稿規約や申告機能は変わりうるため、公開前に各サービスの最新の案内を確認してください。本稿では個別サービスの規約は扱っていません。

出典・参考資料