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文化庁「AIと著作権に関する考え方」を発信者が読むときの要点整理

AIを使いこなす

Claudeで執筆し、GPTで自動校閲・修正しています。

机に並べた猫のイラスト二枚を、公開前に手元で見比べる様子。
記事の内容をもとに制作したAI生成イメージです。実際の製品画面や検証結果の写真ではありません。

AIで作った画像や文章、動画を発信する人は、文化庁の「AIと著作権に関する考え方について」を、まず学習段階と生成・利用段階に分け、自分の投稿に関わる箇所から読むと整理しやすくなります。投稿前は、次の3つを入口にします。 1. 生成・利用段階: 生成物が既存の作品に似ていないか。AIを使って公開する側に直接関わります。 2. 生成物の著作物性: 自分の生成物を「自分の作品」として守れるのか。 3. 開発・学習段階: 自分で追加学習をする場合や、使うツールの学習に関する説明を確認する場合に読みます。 この記事の中心は、そのまま使える早見表(第3節)と、AIに確認項目を洗い出させる依頼文(第4節)です。

この記事の目次
  1. 1. この記事が扱う範囲と、確認できたこと
  2. 2. 学習段階と生成・利用段階を分けると何が楽になるか
  3. 3. 早見表: 資料の論点区分と、公開前に確認する場面
  4. 4. AIに任せる確認と、人が見る確認
  5. 5. 公開前の判断表
  6. 6. 原文を開くときの順番

1. この記事が扱う範囲と、確認できたこと

扱うのは日本の著作権法を前提にした考え方です。米国やEUで公開する場合は制度が違うので、この記事の結論をそのまま当てはめないでください。

文化庁の「AIと著作権について」のページには、2026年10月29日の自動校閲で、次の資料の掲載を確認しました。

  • 「AIと著作権に関する考え方について」(令和6年3月15日)。概要版と英語版もあります。
  • 「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」(令和6年7月31日)
  • 令和6年度の著作権セミナー資料「AIと著作権Ⅱ」(令和6年8月9日)

この記事では、考え方の本文を一字ずつ解説することはしません。条文の細かい言い回しは、読者が原文で確かめる前提にして、「どの場面でどの論点区分を開くか」の対応づけを提供します。最初に手元で開くのは、全文より概要版が楽です。なお、「考え方」自体に法的拘束力はなく、個別の事案の法的判断を確定するものではありません。

2. 学習段階と生成・利用段階を分けると何が楽になるか

AIと著作権の話が混乱しやすいのは、次の2つの別々の行為を一緒に論じるからです。

  • 学習段階: AIの学習用に著作物を集めて読み込ませる行為。著作権法30条の4が関わります。条文の構造は、「著作物に表現された思想や感情の享受を目的としない利用」は原則として許諾なしにできるが、「必要と認められる限度」を超える場合や、著作権者の利益を不当に害する場合は別、というものです。
  • 生成・利用段階: AIで作った物を生成し、公開・配布・販売する行為。著作権侵害かどうかは、一般に既存の著作物との「類似性」と「依拠性」で考えます。

発信者にとって重要なのは、この2つが別の判断になることです。使っているツールの学習が適法だったとしても、あなたが公開する生成物が特定の既存作品に似ていれば、公開した本人が問題にされる可能性は残ります。「学習が適法だったか」と「その生成物を公開してよいか」は別に判断します。ただし、その作品が学習データに含まれるかどうかは、生成・利用段階の依拠性にも関わります。

類似性と依拠性のうち、依拠性は自分では証明しにくい要素です。AIの内部で何が起きたかは見えないので、「その作品を知らなかった」だけを頼りにしない運用が安全です。ここは公式の記述ではなく、この記事の編集上の提案です。

3. 早見表: 資料の論点区分と、公開前に確認する場面

下の表は、考え方の本文の論点を、発信者の公開前の場面に対応させたものです。参照先は第5章(1)「開発・学習段階」(本文17頁〜)、(2)「生成・利用段階」(32頁〜)、(3)「生成物の著作物性について」(39頁〜)です。声や顔の行は第1章(3)と第6章に対応します。右端の「自分で残す記録」は、後から経緯を説明するための編集上の提案です。

  • 開発・学習段階、公開前に確認する場面:他人の作品を集めて追加学習(LoRAなど)をする。学習済みモデルを配布・販売する、確認すること:学習の目的は何か。既存作品の創作的表現を出力させる目的があれば、30条の4が適用されない場合がある。特定の作家や作品だけを集める場合も、目的と表現を確認。学習用データの出どころと利用条件。線引きの詳細は原文で確認、自分で残す記録:データの出どころ一覧、学習の目的メモ
  • 開発・学習段階、公開前に確認する場面:他社のAIツールを選ぶ、確認すること:提供元が学習データや利用条件をどう説明しているか、自分で残す記録:利用規約の確認日
  • 生成・利用段階、公開前に確認する場面:既存のキャラクター名、作品名、作家名をプロンプトに入れる、確認すること:生成物に既存作品の創作的な表現が出ていないか。人物、デザイン、構図、文章の言い回しを元作品と見比べる、自分で残す記録:プロンプト、生成日時、見比べた元作品
  • 生成・利用段階、公開前に確認する場面:既存の画像や文章を参考として入力する(画像から画像への生成、文章のリライトなど)、確認すること:入力した元作品の表現が生成物に残っていないか。入力に使ってよい素材か、自分で残す記録:入力素材の出どころ
  • 生成・利用段階、公開前に確認する場面:「〇〇風」と指示する、確認すること:作風や画風そのものと、具体的な表現の類似は別問題。生成物が特定の作品に似ていないかを見る、自分で残す記録:指示文と比較メモ
  • 生成・利用段階、公開前に確認する場面:生成物を販売・広告・商品に使う、確認すること:公開と同じ確認に加え、商用利用が許されるツールの条件か、自分で残す記録:契約・規約の確認日
  • 生成物の著作物性、公開前に確認する場面:生成物に「無断転載禁止」と書く、他者による無断利用に抗議する、確認すること:どれだけ人が創作に関わったか。プロンプトだけで足りるか、選択・修正・加筆はどの程度か、自分で残す記録:試行の履歴、修正前後の画像・文章
  • 第1章(3)・第6章、公開前に確認する場面:声優や俳優の声、実在の人物に似せる、確認すること:考え方は主に著作権(財産権)を扱っており、著作者人格権や実演の権利などは別の検討事項とされている。肖像や声の扱いは別の確認が要る、自分で残す記録:元データの出どころ、本人の了承の有無

個人情報は、文化庁の資料とは別の公的資料で確認します。個人情報保護委員会の生成AIサービスの利用に関する注意喚起(令和5年6月2日)は、事業者・行政機関等・一般利用者に分けて注意点を示しています。一般利用者には、入力した個人情報の学習利用や出力のリスク、応答結果に不正確な個人情報が含まれる可能性、利用規約等の確認を挙げています。他人の名前や顔写真、依頼者の情報をプロンプトに入れるときは、このページを先に確認してください。編集上の提案として、学習利用の有無だけで判断せず、サービスの規約で保存や提供元による閲覧の扱いも確認します。

4. AIに任せる確認と、人が見る確認

公開前のチェックでは、AIに任せる部分と人が決める部分を分けておくと、迷いが減ります。

AIに任せてよいこと: 自分の投稿内容に対して、確認すべき項目の洗い出しと、元作品と見比べる観点のリスト化。

AIに任せてはいけないこと: 「既存作品に似ているか」「侵害にならないか」の判定。AIは公開前の画像や既存作品の全体を確実に照合できません。法的な適否を決めることもできません。比較は人が元作品を開いて行います。

依頼文の例

次の依頼文は説明用の例で、まだ誰かの実運用で検証したものではありません。【 】の部分を自分の投稿に置き換えて使ってください。

あなたは、AI生成物を公開する前の確認項目を整理するアシスタントです。
法的な適否の判断はしません。次の投稿について、公開前に人が確認すべき項目を表にしてください。

【投稿の概要】
- 種類: 【例: SNS用のイラスト1枚】
- 使ったAI: 【ツール名と、使ったプラン】
- プロンプトの要旨: 【固有名詞を含めて書く。ただし依頼者の個人情報は伏せ字にする】
- 入力した参考素材: 【あり/なし。ありなら種類と出どころ】
- 公開先と用途: 【例: 個人のSNS、無料公開。商用か】
- 人が手を加えた点: 【例: 構図を3回やり直し、背景を手描きで修正】

出力形式:
1. 既存作品と見比べるべき点(具体的な観点を5つまで)
2. 入力素材や固有名詞について、出どころを確認すべき点
3. 公開後に説明できるよう、残すべき記録
4. AIでは判断できず、人または専門家に確認すべき点

入力例(説明用の例)

架空の投稿を想定した入力例です。

種類: ブログのアイキャッチ画像1枚/使ったAI: 【画像生成ツールA、無料プラン】/プロンプトの要旨: 「雨の夜の商店街、猫のキャラクター、有名な絵本の主人公風」/参考素材: なし/公開先: 個人ブログ、広告あり/人が手を加えた点: 色味の調整のみ

この例では、「有名な絵本の主人公風」という指示が最大の論点です。AIには確認項目の洗い出しを依頼し、出てきた観点を元に、人が絵本の主人公と生成された猫を見比べます。広告つきのブログは、用途が商用に当たるかどうかも、ツールの規約で確かめます。色味の調整だけで著作物性が決まるわけではありません。指示の内容や加筆・修正などに創作的な寄与があるかを、個別に確認します。

5. 公開前の判断表

早見表で確認した結果を、次の3つの状況に分けて判断します。この区分も編集上の提案です。複数の行に当てはまる場合は、それぞれの確認を行います。

  • 固有名詞を入れておらず、参考素材もなく、文章検索・画像検索などでも似ていると思う既存作品が見当たらない、判断:規約や他の権利にも問題がないか確認し、記録を残して公開を検討。侵害がないことを保証する条件ではない
  • 既存の作品名・キャラクター名・作家名を入れた。または参考素材を入力した、判断:元作品と見比べ、似ているなら作り直す。迷うなら公開しない
  • 商用利用、他人の声や顔、販売、他者の作品を集めた追加学習が絡む、判断:原文の該当箇所と各ツールの規約を確認し、判断がつかなければ専門家に相談する

「迷うなら公開しない」は、見比べても似ているかどうか判断できないときの保守的な運用です。法的に侵害かどうかを断定するものではありません。

6. 原文を開くときの順番

  1. 概要版で、学習・開発段階、生成・利用段階、生成物の著作物性の区分を見つける。
  2. 自分の投稿が当てはまる場面を、早見表で1つ選ぶ。
  3. その区分だけを、考え方の本文で読む。
  4. 実務の項目はチェックリスト&ガイダンスで確認する。業務利用者は17〜22頁、一般利用者は23〜27頁を開き、入力素材・生成物の類似性・生成過程の記録を確認する。
  5. 迷った論点は、個別の事情を踏まえて専門家に聞く。

考え方は令和6年3月の時点の整理です。今回の自動校閲では、2026年10月29日に文化庁の掲載ページと上記資料の本文を確認しましたが、その後の判例や制度変更を網羅して調べたものではありません。公開前には、文化庁のページで新しい資料が出ていないかも一度見ておくと安心です。

出典・参考資料