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AIと3日間でゲームを完成させる:工程設計と判断基準

遊びをつくる

執筆にClaudeを使用しています。

増えすぎた部品を脇へよけ、一周できる小さなゲームのコースを完成させる手元。
記事のテーマをもとに制作したAI生成の写真風イメージ。

「3日でゲームを作る」という目標を立てたとき、最初の壁は技術ではなく工程の設計です。AIツールを使えばコードは出てくる——それは多くの人が知っています。問題は、どの順番で何を決め、どこでAIに任せ、どこで自分が判断するかが曖昧なまま作業を始めてしまうことです。 この記事では、72時間という制約を前提に、AIを活用してブラウザゲームを完成させるための工程設計と、各フェーズで判断を迷いにくくするための基準を示します。ゲームジャムへの参加や個人プロジェクトの週末スプリントに応用できます。

この記事の目次
  1. なぜ「3日」は失敗しやすいのか
  2. 1日目:設計に全力を使う
  3. 2日目:コアの実装と動作確認を繰り返す
  4. 3日目:削ぎ落として仕上げる
  5. 途中でつまずく三つのポイント
  6. 次の行動

なぜ「3日」は失敗しやすいのか

3日間プロジェクトが頓挫する原因はほぼ共通しています。「作りながら決める」という進め方です。

ゲームのコアとなるルールが固まっていない段階でAIにコードを生成させると、仕様変更のたびにコード全体を書き直すことになります。3日目に「やっぱりジャンプアクションにしよう」と方針転換すると、1日目と2日目の作業がほぼ無駄になります。時間の短いプロジェクトほど、序盤の設計に時間を割く必要があります。

もう一つの失敗パターンは「AIが生成したコードを理解しないまま積み上げる」ことです。最初は動いていたものが、機能を追加するたびに壊れていきます。原因の特定に数時間かかり、それが3日目に集中します。理解できていないコードを積み重ねることのリスクは、どれだけAIが優秀でも変わりません。

1日目:設計に全力を使う

3日構成の場合、1日目を設計だけで終える覚悟が必要です。作業内容は次の三つに絞ります。

コアループを1文で書く

「プレイヤーが〇〇して、△△が起き、□□を目指す」という形で、ゲームの繰り返し構造を一文にします。この一文が曖昧なうちは次に進みません。「ブロックを落として消す」「敵を避けながらゴールに向かう」など、シンプルであるほど後の実装がぶれません。

AIとの会話で仕様書を作る

コアループが決まったら、AIに「このゲームをHTMLとJavaScriptで実装する場合の構成要素を洗い出してほしい」と依頼します。ここではコードを書かせるのではなく、必要な機能のリストと優先順位の整理を目的にします。出てきたリストを自分で見直し、「3日で実装できないもの」を削除します。削除する判断が設計フェーズの核心です。

スコープラインを引く

機能を「必須」「あれば良い」「次回」の三段階に分類します。必須の機能だけで遊べるかどうかを確認します。「スコアが表示される」「ゲームオーバーがある」「もう一度遊べる」この三つが揃えば、ゲームとして成立します。エフェクト、BGM、タイトル画面などは「あれば良い」以下に置きます。

2日目:コアの実装と動作確認を繰り返す

2日目はコアループだけを動く状態にします。見た目の完成度は無視します。

AIにコードを生成させるとき、一度に全機能を依頼しないことが重要です。「プレイヤーが左右に動けるだけのHTMLを書いて」「次に画面外に出たらゲームオーバーになる処理を加えて」という小単位の依頼にします。一つの変更ごとにブラウザで動作を確認し、期待通りでない部分をその場で修正します。

生成されたコードは、全部を読まなくていいですが「何をしているか」だけは把握します。変数の名前と、主な関数が何をするかを理解しておくと、後で問題が起きたときにAIへの質問が的確になります。「スコアが増えない」ではなく「addScore関数が呼ばれているかをどう確認すればいいか」と聞けるようになります。

2日目の終わりに「コアループだけを通して遊べるか」を確認します。遊べない状態で3日目を迎えると、完成はほぼ不可能になります。

3日目:削ぎ落として仕上げる

3日目の最初にすることは、追加したい機能を改めてリストアップし、そのほとんどを削除することです。

2日目までで動くコアがあれば、3日目は「遊んでわかった不満点だけを直す」に集中します。操作が重い、ゲームオーバーの判定がわかりにくいといった体験上の問題は修正する価値があります。一方、見た目の装飾や追加モードは、この段階では判断コストが高いわりに完成度への貢献が低いです。

公開を3日目の目標に含めるなら、バグよりもクラッシュを先に潰します。「特定の操作をすると処理が止まる」状態のまま公開しないことが、最低限の基準です。スコアが表示されない、ハイスコアが保存されないといったバグは、公開後に直すことができます。

アソバースへの投稿を前提にする場合、HTMLファイル単体またはZIPファイルとして投稿できます。3日目の終わりに、ローカルで動いているものを一度HTMLファイルとして書き出し、ブラウザで単体動作するかを確認してから投稿します。

途中でつまずく三つのポイント

AIが生成したコードが動かない

まず、ブラウザの開発者ツール(F12キー)でエラーメッセージを確認します。そのメッセージをそのままAIに貼り付けて「このエラーの原因と修正方法を教えて」と聞くと、多くの場合は解決します。エラーを読まずに「動きません」と伝えるだけでは修正が遠回りになります。

コードが増えるほど壊れやすくなる

機能を追加するたびに既存の動作を確認する習慣が必要です。「新しい処理を追加したら古い機能が壊れた」という状況は、追加のたびに全体を確認することで早期に発見できます。1時間に一度、コアループを最初からプレイして確認するというリズムが有効です。

時間が足りなくなる

3日目の昼の時点で「今から何時間かかるか」を正直に見積もります。残り時間で完成しないと判断したら、スコープを削ります。削ることへの心理的な抵抗が、未完成のまま時間切れになる最大の原因です。小さく完成したものの方が、大きく未完成のものより価値があります。

次の行動

コアループを1文で書き、それだけで遊べるかどうかを確認することが最初のステップです。AIを使う前に、この一文を固めてください。作業を始める前に「3日後に削除するものを今決める」という習慣が、完成率を大きく変えます。完成したゲームはアソバースにHTMLまたはZIPファイルとして投稿・公開できるので、完成の定義を「公開できる状態」に置いておくと、スコープの絞り込みが判断しやすくなります。