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同じ資料から発表用と配布用をAIで作り分ける:省く情報・残す根拠の決め方

AIを使いこなす

執筆にClaudeを使用しています。

一枚の元資料から、文字の少ない発表用カードと、段落と表が詰まった配布資料へ、手が色付きタグを振り分けている机の上の場面。
記事の内容をもとに制作したAI生成イメージです。実際の製品画面や検証結果の写真ではありません。

結論から言うと、AIに「配布用と発表用を作って」と頼む前に、元資料を「主張・数字・根拠・補足」に分けた整理表を作り、項目ごとに「発表で口頭に回すか、配布に文字で残すか」を決めておくと、作り分けが安定します。基準は一つで、その場に説明する人がいるかです。 • 発表用:説明する人がいる。スライドは視線を集める道具で、文字は少なく、詳細は話す内容(スピーカーノート)に回します。 • 配布用:説明する人がいない。読む人が単独で理解し、後から見返せるよう、前提・根拠・出典・注意点を文字で残します。 この記事では、整理表、省略の判断表、発表用と配布用それぞれの依頼文を示します。AIの出力は下書きで、数字と出典の照合は人が行います。

この記事の目次
  1. 先に決める:二つの資料の役割
  2. 共通の元資料の整理表をつくる
  3. 省く情報・残す根拠の決め方
  4. 発表用と配布用の生成依頼文
  5. 仕上げの照合と実例
  6. 使うときの注意

先に決める:二つの資料の役割

PowerPointには、この役割分担に沿った印刷の仕組みがあります。Microsoftの印刷ガイドでは、スライドのほかに、1枚のスライドとノートを載せる「ノート ページ」と、複数のスライドを1ページに並べる「配布資料」の印刷レイアウトが説明されています。ノート ページは1ページに1スライドとノートを載せる形式で、同じページには、ノートを含めた配布資料をWordに書き出して整える手順(ファイル > エクスポート > 配布資料の作成)も載っています。

これらは英語版ページを確認した内容で、対象はPowerPoint for Microsoft 365と2016〜2024です。日本語表示のメニュー名は版によって違う場合があります。

ただし、スライドを小さく並べただけの配布資料は、話を聞いていない人には情報が足りません。そこで配布用は、スライドを縮小印刷するのではなく、文章で読める別構成として作ります。

  • 読む状況、発表用:説明を聞きながら数秒で見る、配布用:手元で時間をかけて読む
  • 1ページの主役、発表用:1つの主張と1つの図表、配布用:見出しと短い段落、表
  • 根拠、発表用:数字は1〜2個、出典は小さく、配布用:数字の定義、出典、取得日まで
  • 補足・例外、発表用:口頭かノートに回す、配布用:本文か注に残す
  • 想定する失敗、発表用:文字が多く読めない、配布用:文脈が抜けて誤解される

共通の元資料の整理表をつくる

元資料(議事メモ、報告書、既存スライドなど)をAIに渡し、まず整理表だけを作らせます。作り分けはこの表を土台にします。

整理表の列

  • ID、内容:A1, A2…(後で突き合わせる番号)
  • 種類、内容:主張/数字/根拠/補足/注意
  • 内容、内容:1文で
  • 出所、内容:元資料の該当箇所、または外部の出典名・取得日
  • 発表、内容:載せる/ノート/省く
  • 配布、内容:本文/注/省く
  • 確認、内容:人が照合したか(済/未)

整理表を作る依頼文(コピーして使えます)

次の元資料を、発表用と配布用の両方に使える整理表にしてください。
列:ID、種類(主張/数字/根拠/補足/注意)、内容(1文)、出所、発表、配布、確認
ルール:
- 元資料にない情報を足さない。推測は「推測」と明記する
- 数字には単位・対象期間・母数を付ける。不明なら「不明」と書く
- 出所が元資料内で特定できない項目は、出所欄に「要確認」と書く
- 発表・配布の列は、下の判断基準に従って案を入れる
判断基準:結論に直結する主張と数字1〜2個は発表で載せる。定義、例外、出典、手順は配布に残す
対象読者:〇〇/目的:〇〇/発表時間:〇分

【元資料】
(ここに貼り付ける)

省く情報・残す根拠の決め方

整理表の「発表」「配布」欄は、次の表を目安に判断します。

  • 結論・主張、発表用:載せる(1枚1主張)、配布用:冒頭に載せる
  • 結論を支える数字、発表用:最も効く1〜2個、配布用:全件を表で。定義と期間つき
  • 数字の算出方法・母数、発表用:ノート(聞かれたら答える)、配布用:必ず残す
  • 出典、発表用:小さく出典名のみ、配布用:名称・発行元・取得日まで
  • 例外・前提条件、発表用:重要なものだけ口頭、配布用:注意欄に残す
  • 経緯・背景、発表用:省く(質問が出たらノート)、配布用:短く残す
  • 手順・操作、発表用:全体像の図のみ、配布用:番号付きで全部
  • 機密・個人情報、発表用:載せない、配布用:載せない(配布先を確認)

迷ったら、根拠は消さずに置き場所を変えると考えます。発表では見せない根拠も、ノートや配布用に残しておけば、質問や後日の確認に答えられます。逆に、出所不明の数字は、どちらにも載せず、先に人が確認します。

発表用と配布用の生成依頼文

整理表を作り、人が「確認」欄を埋めたら、同じ表を渡して二つの資料を別々に作らせます。

発表用の依頼文

下の整理表の「発表」列が「載せる」「ノート」の項目だけを使い、発表用スライドの構成案を作ってください。
条件:
- 発表時間〇分、スライドは〇枚以内
- 1枚につき主張は1つ。スライドタイトルは結論を述べる文にする
- 本文は1枚あたり3行以内、1行は全角25字程度まで
- 「ノート」の項目と、各枚の話す内容(約〇字)はスピーカーノートに入れる
- 各スライドの末尾に、使ったIDを [A1, A3] の形で付ける
- 整理表にない数字・事実は書かない。足りない図は「図の指示」として別に書く
出力形式:スライド番号/タイトル/本文/図の指示/ノート/使用ID

【整理表】
(ここに貼り付ける)

使用IDを付けさせると、スライド上の数字をあとから整理表と照合できます。

配布用の依頼文

配布用は「話を聞いていない人が読める」ことが条件です。

下の整理表の「配布」列が「本文」「注」の項目を使い、配布用資料を作ってください。
条件:
- 読者は発表を聞いていない〇〇。専門用語は初出で説明する
- 構成:①要旨(3行)②背景と目的③結果(表)④根拠と出典⑤注意点・例外⑥次にやること
- 数字は単位・対象期間・母数を併記し、出典名と取得日は④にまとめる
- 発表用スライドの文言をそのままコピーしない。文章として読める形にする
- 段落ごとに使ったIDを [A2] の形で付ける
- 整理表にない情報は書かず、不足は末尾に「未確認事項」として列挙する

【整理表】
(ここに貼り付ける)

仕上げの照合と実例

最後に、二つの出力を整理表と突き合わせます。AIに頼む場合は次の依頼が使えます。

発表用と配布用の二つを整理表と比較し、次を一覧にしてください。
①二つで数字・表現が食い違う箇所 ②整理表にない記述 ③IDの付いていない記述

一覧が出た後は、人が元資料に戻って、数字、出典、固有名詞、公開してよい情報かどうかを確認します。

説明用の例(実際の結果ではありません)

架空の「社内勉強会で、問い合わせ対応の改善案を説明する」場面で、整理表の一部を示します。

  • A1、種類:主張、内容:返信テンプレートを整理すると初回返信が早くなる見込み、発表:載せる、配布:本文
  • A2、種類:数字、内容:初回返信の平均が〇時間から△時間に(試行〇週間、対象〇件)、発表:載せる、配布:本文(表)
  • A3、種類:補足、内容:試行期間中は繁忙期を含まない、発表:ノート、配布:注
  • A4、種類:注意、内容:個別の顧客名を含む事例は共有不可、発表:省く、配布:省く

発表用ではA1とA2を1枚に載せ、A3は「繁忙期は含まれません」とノートに書きます。配布用ではA2を試行期間・件数つきの表にし、A3を注意点の欄に置きます。A4はどちらにも載せず、必要なら匿名化した事例に差し替えます。

使うときの注意

  • 機密情報は貼る前に置き換えます。 顧客名、個人名、未公開の数字は「顧客A」「〇件」のようなダミーにします。入力した情報の扱いはサービスごとに異なるため、社内ルールと利用サービスの規約で、入力してよい情報かを確認してください。
  • 引用や図表の権利は人が確認します。 他者の資料から借りた図や文章を配布する場合は、出典の明記と利用条件を確認します。
  • 依頼文の数値(枚数、字数、時間)は自分の場面に合わせて変えます。 上の依頼文は説明用の雛形で、特定のAIツールでの出力結果を検証したものではありません。

出典・参考資料