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e-Statなど公的統計で企画の前提を確かめる:AIに数字を作らせない使い方

AIを使いこなす

Claudeで執筆し、GPTで自動校閲・修正しています。

机に並べた集計用紙とメモカードを指で照合する手元。
記事の内容をもとに制作したAI生成イメージです。実際の製品画面や検証結果の写真ではありません。

企画の前提を公的統計で確かめるときは、AIに「数字を教えて」と頼まず、「どの統計を見ればよいか」「この用語は何を指すか」といった探し方の相談に使います。数字そのものは、e-Stat(政府統計の総合窓口)の統計表を自分で開き、調査名・調査年・定義を確認して、出典メモに写してから企画書に引きます。 AIは、存在しない調査名や、もっともらしい割合をそれらしく返すことがあります。企画書に載った数字は読み手に「確認済みの事実」として受け取られます。確認の工程だけは人が持つ、と先に決めておくと迷いません。 この記事では、AIに任せる範囲と人が見る範囲、依頼文の例、出典メモの書式、企画書に数字を引く前の確認項目を順に示します。

この記事の目次
  1. 1. AIに任せること、人がやること
  2. 2. 手順:問いから出典メモまで
  3. 3. 出典メモの書式
  4. 4. 企画書に数字を引く前の確認項目
  5. 5. AIの返答をどう扱うか
  6. 6. 数字を使わない選択肢も持つ

1. AIに任せること、人がやること

e-Statは、各府省が公表する統計を探せるポータルサイトです。キーワード、分野(人口・世帯、労働・賃金、商業など)、作成した府省、データの種類から絞り込めます。探す入口は公式サイトにあるので、AIの役割は「検索語を増やす」「用語を平易にする」「メモの抜けを指摘する」に限れば足ります。

  • 企画の問いを統計で確かめられる形に言い換える、AI:任せてよい、人:案を採否する
  • 検索語・統計名の候補を出す、AI:任せてよい(候補は未確認扱い)、人:e-Statで実在と内容を確認
  • 統計表の数字を読む、AI:渡した表の範囲で整理させるのは可、人:元の表と突き合わせる
  • 割合・増減の計算、AI:計算式の案まで、人:表計算ソフトで自分で計算
  • 調査年・定義・注記の確認、AI:確認項目の抜け探し、人:統計表の画面で確認
  • 数字の「出典」を書く、AI:書式の整形のみ、人:内容は自分で転記

「AIが出した数字を後でe-Statで探して合わせる」やり方は避けてください。数字に合う統計を探す作業になり、都合のよい表を選びやすくなります。

2. 手順:問いから出典メモまで

手順1:企画の問いを書き出す

「この商品は需要がありそうだ」という感覚ではなく、「何を、誰について、どの地域・時点で知りたいか」を一文にします。例(説明用の例):「共働き世帯が平日の夕食準備にかけている時間について、全国の傾向を知りたい」。

手順2:AIに探し方だけを相談する

次の依頼文は、数字を出させない指示を入れたものです。自分の企画に合わせて[ ]を書き換えてください。未実行の例文なので、返答は必ず手順3で確認します。

あなたは統計の探し方を手伝う役割です。
次の問いを、日本の公的統計で確かめたいです。

問い:[共働き世帯が平日の夕食準備にかけている時間の傾向(全国)]

条件:
- 統計の数値、割合、件数は一切書かないでください。
- 見るべき可能性のある統計調査名を最大5つ、
  「調査名/作成する府省と思われるもの/なぜ関係しそうか」で挙げてください。
- 自信のない調査名には「要確認」と付けてください。
- e-Statで使えそうな検索キーワードを10個挙げてください。
- この問いで混同しやすい用語(例:世帯と個人、就業者と雇用者)を挙げてください。

返ってきた調査名は「候補」です。実在するか、自分が知りたい項目があるかは次で確かめます。

手順3:e-Statで調査と統計表を特定する

候補の調査名やキーワードでe-Statを検索し、分野や作成機関で絞り込みます。統計表には、ファイルで提供されるものと、データベース上で項目を選んで表示するものがあります。e-Statの利用ガイドでは、分野・組織による絞り込みや、ファイル・データベースでの提供方法が説明されています。利用するデータの定義・調査年・注記は、自分で確認します。

その調査自体の目的と対象(誰を、いつ、何で調べたか)を、調査の概要ページで読みます。AIが候補にした理由と食い違うなら、その調査は外します。

手順4:統計表の画面で四つを確認する

  1. 表のタイトルと表番号(または統計表ID)
  2. 調査時点・調査年(調査期間、公表日と混同しない)
  3. 集計の単位と対象(世帯か個人か、全国か一部地域か、年齢の区切り)
  4. 注記・脚注(定義、除外、単位、推計値の別)

手順5:出典メモに転記する

数字は目で見て転記し、あとで元の表と照合します。次の節の書式を使ってください。

手順6:AIにメモの穴を探させる(任意)

数字を含めず、メモの項目だけを貼る方法もあります。

次の出典メモの書式に、抜けや曖昧な点がないか指摘してください。
数字の正否は判断せず、項目の記入漏れ・単位の不明・
定義の書き忘れ・調査年と公表年の混同だけを確認してください。

[出典メモの項目を貼る。数値欄は「(略)」に置き換える]

3. 出典メモの書式

企画書の1つの数字につき、1枚のメモを作ります。表計算ソフトの1行でも構いません。

■ 出典メモ
メモID:
企画書での使用箇所:(スライド番号・段落など)
使う主張(一文):

【数字】
数値:          単位:
(原文表記のまま転記。四捨五入などをした場合は下欄に)
加工の有無:なし/あり(計算式:          )

【出典】
調査名:
作成した府省・機関:
統計表のタイトルと表番号・統計表ID:
調査年・調査時点:
公表日:
入手先URL:(e-Statの該当ページ)
確認日:

【定義・範囲】
調査対象(誰・どこ):
集計の単位(世帯/個人/事業所など):
区分・項目の定義(注記から):
注記・脚注で気づいたこと:

【使い方の判断】
この数字で言えること:
言えないこと:
古さ・対象のずれの懸念:
確認者:          確認日:

説明用の記入例(数値や調査名は入れず、書き方だけを示します):

調査名:[統計局などの調査名をそのまま]
統計表のタイトル:[画面のタイトルを転記]
調査年:[調査時点を転記。公表年とは別欄]
集計の単位:[世帯/個人]
この数字で言えること:[全国の傾向。自社ターゲット層そのものではない]
言えないこと:[自社商品の購入意向]

「言えないこと」欄は特に効きます。全国の集計から特定の商圏やターゲット層の傾向は断定できません。書くことで、企画書の表現をどこまで強めてよいか判断できます。

4. 企画書に数字を引く前の確認項目

  • [ ] e-Statなどの公式ページで、調査名と統計表を自分の目で確認した
  • [ ] 数値を統計表から転記し、メモと元の表を見比べた
  • [ ] 調査年(調査時点)を明記した。公表年や取得した年で代用していない
  • [ ] 単位(人・世帯・円・%など)と集計対象を確認した
  • [ ] 注記や定義を読み、企画書の言い回しと矛盾しない
  • [ ] 自分の企画の対象(地域・年齢層・業態)と統計の対象が合うか確認した
  • [ ] 割合や増減は自分で計算し、計算式をメモに残した
  • [ ] 古い調査年のままで問題ないか判断した
  • [ ] 出典表示を企画書に載せた(下記)
  • [ ] 加工した場合は、その旨も書いた

出典表示について、e-Statの利用規約は、適用対象のコンテンツに出典記載を求め、「出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)」や「出典:『○○調査結果』(A省)」などの記載例を示しています。ただし、数値データや簡単な表・グラフ等は著作権の対象ではなく、この利用ルールの適用外とされています。この記事では、数字の確認先を読み手がたどれるよう、数値にも出典を添えます。編集・加工した場合は、出典とは別に加工したことを明記する必要があります。たとえば「『○○調査結果』(A省)を加工して作成」といった書き方が例示されています。また、加工した情報を国が作成したかのように公表してはいけません。商用利用は可能と明記されていますが、第三者の権利が含まれるコンテンツは、権利処理済みと明示されている場合や、著作権法上の引用など許諾なしで利用できる場合を除き、利用者の責任で許諾を得るとされています。条文は変わり得るので、公開前に最新のページを確認してください。

5. AIの返答をどう扱うか

  • 調査名・統計表名、扱い:候補。e-Statに存在し、内容が合うまで企画書に使わない
  • 「約○割」などの数字、扱い:採用しない。出典が示されても、元の表で確認できなければ捨てる
  • 用語の説明、扱い:理解の補助。定義は統計表の注記・調査概要が正
  • 検索キーワード、扱い:そのまま使ってよい
  • 計算式の案、扱い:式は検討材料。計算は自分で行い、結果を表と照合する

統計表の一部をAIに貼って「読み取りを整理して」と頼むこともできます。その場合も、貼った範囲の外の数字を補わせない指示を入れ、返ってきた数字は元の表に戻って確かめます。社内の売上や顧客データなど公開されていない情報は、公的統計との比較を頼むときでも、ダミー値や区分に置き換えて渡します。

6. 数字を使わない選択肢も持つ

確認の結果、自分の企画に合う統計が見つからないことはよくあります。その場合は「公的統計では確認できなかった」と企画書に書き、顧客へのヒアリングや自社データなど別の根拠を示します。合わない統計で埋めるより、確かめられていないことを明示するほうが、企画の議論は進みます。

出典・参考資料