広告・商品ページのAI文案を公開前に見直す:景品表示法とステマ規制の確認点
AIを使いこなすClaudeで執筆し、GPTで自動校閲・修正しています。

AIが書いた広告文や商品ページは、公開前に「根拠のある表現か」「広告だと分かるか」の2点で見直します。この2点は、そのまま景品表示法の二つの論点に当たります。一つは実際より良く、または得に見せる表示(優良誤認・有利誤認)で、もう一つは2023年10月1日に始まったステルスマーケティング規制です。 AIは流暢で言い切りの強い文章を作るのが得意です。そのため、根拠のない「効果が実証された」「業界No.1」のような断定や、第三者の感想に見える宣伝文が混ざりやすくなります。この記事では、表現タイプ別のチェック表、AIに点検させる依頼文、消費者庁の一次情報で確認する手順を順に示します。 なお、これは日本の景品表示法を前提にした実務の整理で、個別の表現が適法かどうかを保証するものではありません。最終判断は自社の根拠資料、消費者庁の資料、必要に応じて法務担当や専門家で行ってください。
先に押さえる二つの論点
消費者庁の表示規制の概要では、景品表示法の主な不当表示として次のものが説明されています。
- 優良誤認表示:品質・規格などの内容を、実際より著しく優良に見せる表示。
- 有利誤認表示:価格などの取引条件を、実際より著しく有利に見せる表示。
- その他誤認されるおそれのある表示:内閣総理大臣が指定する表示。ステルスマーケティングもここに含まれます。
効果や性能をうたう表示では、不実証広告規制も関わります。消費者庁が根拠資料の提出を求められる仕組みで、合理的な根拠を示せないと不当表示とみなされることがあります。AI文案で言えば、「それを裏づける資料が手元にあるか」を、書かせた後に必ず問うことになります。
ステマ規制は、消費者庁の解説ページによると、事業者の広告であるのに、一般消費者が広告だと判別しにくい表示を対象にします。規制の対象は広告主である事業者で、インターネット上の表示だけでなく、テレビや雑誌なども含まれます。
表現タイプ別チェック表
次の表は、AI文案で出やすい表現を、編集上の整理としてまとめたものです。例文は説明用の例で、実在の商品や調査とは関係ありません。
- 効果・性能の断定、AI文案に出やすい例(説明用):「飲むだけで集中力が上がる」、主な論点:優良誤認、不実証広告規制、公開前の確認:効果を裏づける資料はあるか。資料の内容と表現の強さが合っているか
- 最上級・比較、AI文案に出やすい例(説明用):「業界No.1」「他社より2倍長持ち」、主な論点:優良誤認・有利誤認、公開前の確認:調査の時期・範囲・出典を明記できるか。比較相手と条件が公平か
- 数字・実績、AI文案に出やすい例(説明用):「利用者満足度98%」、主な論点:優良誤認、公開前の確認:元データの調査方法と対象。AIが数字を作っていないか
- 価格・特典・期間、AI文案に出やすい例(説明用):「今だけ半額」「先着100名」、主な論点:有利誤認、公開前の確認:通常価格の実績、期間、数量が実態と一致するか
- 体験談・口コミ風、AI文案に出やすい例(説明用):「使ってみて人生が変わりました」、主な論点:事実との相違、ステマ、公開前の確認:実在の本人の声か。AIが架空の声を作っていないか。選別や抜粋をしていないか
- 第三者による紹介、AI文案に出やすい例(説明用):インフルエンサーやメディア記事での紹介、主な論点:ステマ、公開前の確認:自社が表示内容の決定に関与し、「事業者の表示」に当たる場合、広告だと明瞭に分かるか
- 小さく書く注意書き、AI文案に出やすい例(説明用):条件を文末に小さく記載、主な論点:全体の印象、公開前の確認:訴求の主張と条件が離れていないか。重要な条件が見落とされないか
口コミ・レビューの扱い
消費者庁のステルスマーケティングに関するQ&Aでは、口コミの扱いについて次の整理が示されています。自社ウェブサイトで顧客の回答を引用する場合、無作為に抽出し、内容を変えずに引用した部分は「事業者の表示」に当たらないとされる一方、好意的な評価だけを選んだり、良い点・悪い点のうち良い点だけを抜粋したりした部分は「事業者の表示」に当たるとされています。その場合は、事業者の表示であることを明瞭にする必要があります。
AIに「口コミを要約して」「レビュー風にまとめて」と頼む場合は、好意的な部分だけが残っていないか確認してください。編集上のルールとして、AIが生成した架空の感想を、実在の顧客の声のように載せないでください。
広告であることの示し方
同じQ&Aには、適切な例として「広告」「宣伝」「プロモーション」「PR」といった文言や、「A社から商品提供を受けて投稿」といった文章が挙げられています。不適切な例としては、次のものがあります。
- 投稿本文ではなく、返信欄だけに「広告」と書く
- 動画の冒頭にしか表示せず、途中から見る人が気づけない
- 所属を書くだけで広告と分からない(「○○社の社員」など)
AIにSNS投稿文や紹介記事の原案を作らせる場合は、原案の本文の見えやすい位置に表示を入れる前提で依頼します。外部のライターやインフルエンサーに依頼する場合、規制の対象は広告主側にあるため、依頼書にも表示のルールを入れておくと安全です。
AIに点検させる依頼文
AIには法的な可否の判断ではなく、「疑わしい箇所の洗い出し」を任せます。人が確認しやすいよう、出力を表形式にします。以下は編集上の依頼文の例で、実行結果を検証したものではありません。
あなたは広告表現の点検担当です。法的な適否は判断せず、
確認が必要な箇所を洗い出してください。
【前提】日本国内向けの広告・商品ページ。
【媒体】商品ページ / SNS投稿 / メール(いずれか)
【手元の根拠資料】※ここに「試験結果の要約」「価格の履歴」などを書く。なければ「なし」
【広告かどうかの扱い】自社の広告 / 外部への依頼投稿(いずれか)
次の文案を文ごとに分け、下の表で出力してください。
列:原文 / 表現タイプ(効果・最上級・数字・価格特典・体験談・第三者紹介・注意書き)/
なぜ確認が必要か / 必要な根拠や確認先 / 根拠のない主張を削った修正案(要確認)
ルール:
- 私が渡した根拠資料に書かれていない数字・事実・調査は補わない。
- 体験談や口コミを新しく作らない。
- 広告であることが読者に分かる表示が本文に必要かも、最後に指摘する。
【文案】
(ここに貼る。社外秘の情報、個人情報、未公開の価格は伏せ字にする)使うときのポイントは三つです。
- 根拠資料の欄を空にしない。資料がなければ「なし」と書き、効果表現の確認が必要だとAIに伝えます。ただし、指摘漏れがないかは人が確認します。
- 言い換え案は、そのまま採用せず、根拠と照らして人が決めます。言い換えても、印象が同じなら問題は残ります。
- 未公開の情報を貼るときは、利用中のAIサービスの設定や社内ルールを確認し、必要なら伏せ字にします。学習に使われない設定と、情報を外部に出してよいかは別の問題です。
消費者庁の一次情報で確認する手順
AIや他のサイトの要約だけで判断せず、次の順で原典に当たります。
- 表示規制の概要を読む:表示規制の概要で、優良誤認・有利誤認・不実証広告規制の定義を確認します。
- ステマ規制の解説ページから告示と運用基準へ進む:解説ページから、告示(令和5年内閣府告示第19号)と運用基準(令和5年3月28日消費者庁長官決定)の本文を開きます。「事業者が表示内容の決定に関与しているか」の基準は、ここで自社の依頼形態に当てはめます。
- Q&Aで具体例を照合する:Q&Aで、表示の位置や口コミの扱いが自社の事例に近いか見ます。
- 自社の根拠を整理する:チェック表の「公開前の確認」欄ごとに、資料名・日付・担当者を一覧にします。
- 確認日を記録する:参照したURLと確認した日付を、文案の承認記録に残します。制度や運用は更新されることがあるためです。
商品によっては、景品表示法以外に業種別の法令や業界のルールが関わることがあります。該当しそうな場合は、所管官庁の資料を別途確認してください。
公開前の最終確認
- [ ] 効果・性能・数字の表現ごとに、根拠資料が手元にある
- [ ] 「No.1」「最安」などの比較に、調査の時期・範囲・出典を書ける
- [ ] 価格・期間・数量の表示が実態と合っている
- [ ] 体験談・口コミは実在し、元の内容と掲載内容を照合した。好意的な評価の選別や抜粋などで「事業者の表示」に当たる場合は、そのことが明瞭に分かる
- [ ] 外部に依頼した投稿・記事が「事業者の表示」に当たる場合は、表示内容全体から広告であることが明瞭に分かる
- [ ] AIが補った数字や事実が残っていない
- [ ] 参照した一次情報のURLと確認日を記録した
この確認表を通ったからといって、適法であることが保証されるわけではありません。迷う表現は、強い断定を外すか、根拠が揃うまで載せないほうが安全です。

