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「答えを教えないで」とAIに頼む:ヒントを段階で出させる指示文の作り方

AIを使いこなす

執筆にClaudeを使用しています。

段階的なヒントを示す三段の紙の階段と、白紙のノートで考える手
記事の内容をもとに制作したAI生成イメージです。実際の製品画面や検証結果の写真ではありません。

結論から言うと、「答えを教えないで」の一言だけでは足りません。次の4点をセットで頼むと、答えを避けつつ、詰まりも解けやすくなります。 1. ヒントを3段階に分ける(方向づけ、次の一手、部分的な例) 2. 次の段階へ進むのは自分が合図したときだけにする 3. 自分がやったことと詰まった場所を先に渡す 4. 答えを見たくなったときの手順を決めておく 理由は単純です。「答えを教えないで」とだけ頼むと、ヒントの強さが決まらないため、遠回しな質問ばかりが返ったり、逆に答えがほぼ分かるヒントが出たりすることがあります。強さを自分で段階として指定しておけば、そのぶれを抑えやすくなります。この記事では、そのまま貼れるテンプレートと、まだ分からないときの追加依頼文を示します。

この記事の目次
  1. 先に決める:どこで詰まっているか
  2. コピーして使う指示文テンプレート(3段階版)
  3. 入力例(説明用の例)
  4. まだ分からないときの追加依頼例
  5. 学習用の機能を使う場合
  6. 使う前後に人が確認すること

先に決める:どこで詰まっているか

ヒントの種類は、詰まった地点で変わります。依頼文を書く前に、次の表で自分の状態を選んでください。

  • 問題文の意味が分からない、欲しいヒント:条件の整理、言い換え、依頼文に足す一言:「まず問題文で分かっていることと求めるものを、質問の形で整理させてください」
  • 何を使えばいいか分からない、欲しいヒント:単元名や考え方の名前だけ、依頼文に足す一言:「公式や結論は書かず、使う分野の名前だけ教えてください」
  • 最初の一歩が出ない、欲しいヒント:最初の1手だけ、依頼文に足す一言:「最初の1手だけ。その先は書かないでください」
  • 途中で合わなくなる、欲しいヒント:ずれた箇所の指摘、依頼文に足す一言:「私の途中式の中で、最初にずれた行だけ教えてください。直さないでください」
  • 答えが合っているか不安、欲しいヒント:正誤判定と理由、依頼文に足す一言:「私の答えを書くので、正誤と考え方の確認だけしてください」

選べないときは「最初の一歩が出ない」を選び、次の3段階テンプレートをそのまま使ってください。

コピーして使う指示文テンプレート(3段階版)

【 】の部分を自分の内容に置き換えて、最初のメッセージとして送ります。

あなたは私の学習コーチです。次の問題について、答えは出さず、ヒントを3段階で出してください。

【私のレベル】例:中学3年、数学
【問題】(問題文をそのまま貼る)
【自分がやったこと】(式、考え、調べたことを書く。なければ「何も思いつかない」)
【詰まった場所】(どこで止まったかを一文で)

ルール:
- 最初の返信は「段階1」だけ。
- 段階1(方向づけ):使う分野や考え方の名前と、私に考えさせる質問を1つ。式や数値の計算は書かない。
- 段階2(次の一手):次にやることを1つだけ。その先の手順や結果は書かない。
- 段階3(部分的な例):この問題と数値を変えた似た例で、解き方の流れを見せる。この問題の答えは書かない。
- 次の段階に進むのは、私が「次」と書いたときだけ。
- 私が自分の答えや途中式を書いたら、正誤と、最初にずれた箇所だけ伝える。直した版は出さない。
- 私が「答え合わせ」と書くまで、この問題の答えは書かない。
- 前提や公式に自信がない部分は、そう書く。

ポイントは3つです。

  • 「自分がやったこと」を必ず入れる:ここが空だと、AIは最初から説明を始めやすくなります。何も思いつかないなら、その旨を書けば十分です。
  • 段階2は「1つだけ」と縛る:書かないと、手順が丸ごと出てくることがあります。
  • 「次」という合図を決める:自分のペースでヒントの強さを上げられます。

入力例(説明用の例)

以下は仕組みを示すための架空の例です。実際にAIへ送って得た出力ではありません。

【私のレベル】中学2年、数学
【問題】りんご3個とみかん2個で550円、りんご1個とみかん4個で450円。りんご1個の値段は?
【自分がやったこと】りんごをx、みかんをyとして式を2本作った
【詰まった場所】式は作れたが、その後どうすればいいか分からない

この場合、段階1では「2つの式のうち、文字を1種類減らすには何を揃えればよいか」といった問いかけが返るのが理想です。段階2では「どちらかの文字の係数を揃える」ことだけが示されます。段階3で初めて、別の数値の似た問題で流れが示されます。

もし段階1で「xを消すと考えるとよい」とまで書かれたら、ヒントとして強すぎます。次の追加依頼で調整してください。

まだ分からないときの追加依頼例

3段階でも解けない場合は、同じ会話の中で次のように頼みます。

ヒントが強すぎた、または弱すぎた

  • 「今のヒントは答えに近すぎます。同じ段階を、もう一段弱くして出し直してください」
  • 「今のヒントでは何をすればいいか分かりません。段階2の内容を、やることが1行で分かる形に書き直してください」

言葉が分からない

  • 「ヒントに出てきた『係数』という言葉を、中学生向けに一文で説明してください。この問題には使わないでください」

段階3の例が理解できない

  • 「段階3の例を、1行ずつ『なぜそうするか』を添えて見せてください。この問題の数値は使わないでください」
  • 「同じ形の類題を1問出してください。私が解くので、答えは出さないでください」

途中のどこが違うか分からない

  • 「私の途中式を書きます。1行目から順に確認して、最初にずれた行だけ教えてください。直さないでください」

時間をかけたので答えを見たい

  • 「【15分考えたので、答え合わせに進みます】答えと解説を出してください。そのあと、数値を変えた類題を1問出してください」

最後の依頼は、答えを見たあとに同じ型の問題をもう一度解く流れを作るためのものです。答えを見ること自体は悪くありません。見たあとに自力で再現できるかを確かめる方が、学習としては大切です。

学習用の機能を使う場合

ChatGPTには「学習モード(Study mode)」があります。OpenAIヘルプの「Study Mode in ChatGPT」(英語版)によると、質問で考えを導き、段階的に説明し、理解度を確認する機能です。ウェブ版は入力欄に @study と打つか、モバイルは「+」メニューから選びます。2026年10月28日に確認した時点の記述では、全プランで、ウェブ・iOS・Androidのいずれでも使えるとされています。提供範囲は変わることがあるため、最新の案内を確認してください。授業資料(ノート、プリント、スライド、問題の写真など)を渡せるとも書かれています。

同じ記事は、より良い支援のために、学年、科目、目的、今の理解、期限、資料を伝えるよう勧めています。この記事のテンプレートの【私のレベル】【自分がやったこと】と同じ考え方です。

学習モードを使う場合も、上のテンプレートは併用できます。モードは質問で導く方向を整えてくれますが、ヒントを何段階にするか、いつ次へ進むかは、こちらで指定しておくと意図に近づけやすくなります。ただし、この記事のテンプレートを学習モードや各サービスで実際に試して確かめたわけではありません。ほかのAIでは、通常のチャットに貼って使い、思ったとおりに動かなければ「追加依頼例」で調整してください。

使う前後に人が確認すること

  • ヒントと答えの正しさ:学習モードの案内でも、AIは間違えることがあり、重要な内容は確認するよう注意されています。また、教師や教材の代わりにはならないとも書かれています。教科書、授業ノート、先生の解説と食い違ったら、教材側を優先してください。最終的な答えは、教科書の解答や先生の採点で確かめ、AIの「合っています」を最終判断にしないでください。
  • 提出物でのAIの扱い:宿題やレポートでAIを使ってよいかは、学校や講座ごとのルールで決まります。迷うなら先に先生に聞いてください。

教える人は、課題を出すときに「ヒントは3段階まで」「使った依頼文と、AIに頼んだ段階を一行メモする」などの運用を決めておくと、AIにどこまで頼ったかを一緒に振り返りやすくなります。

学校現場での扱いは、文部科学省の「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(Ver.2.0)」(令和6年12月26日公表)が参考になります。このガイドラインは、利活用する場面や主体に応じた留意点を示す資料です。生徒に使わせる場合は、学校や自治体の方針も確認してください。

出典・参考資料