英語が聞き取れない原因を切り分ける:音のつながり・語彙・速さをAIで確かめる
AIを使いこなす執筆にClaudeを使用しています。

結論から言うと、原因は「台本を見たときの反応」と「速度を落としたときの反応」で切り分けられます。AIの役目は、聞き取れなかった箇所の洗い出しと仮の分類です。最終判定は、あなた自身が耳で試して下します。 • 台本を見ても意味が分からない → 語彙が原因です。 • 台本を見れば意味は分かるが、音だと聞こえない。0.75倍速でも聞こえない → 音の変化(連結・弱形・脱落)が原因です。 • 0.75倍速なら聞き取れるが、等速だと追いつかない → 速さ(処理が間に合わない)が原因です。 この記事では、AIに渡す依頼文、1箇所ずつ判定するチェック表、原因別の練習メニューを順に示します。
AIに任せる範囲と、台本の用意
AIは音を聞き分けられるとは限らず、聞き取れなかった理由を知っているのはあなたの耳だけです。そこで役割を分けます。
- 台本と聞き取りメモの照合、差分の一覧化、担当:AI
- 差分ごとの原因の仮判定と、確認テストの提案、担当:AI
- 実際に聞き直して判定を確定する、担当:あなた
音声ファイルをそのままAIに渡す方法はおすすめしません。OpenAIのFile Uploads FAQには、ChatGPTの音声アップロードは有料プランやワークスペースで使え、無料プランでは使えないと書かれています(確認日:2026年10月28日)。同じページには、文字起こしに誤りが含まれうるので重要な点は元の録音で確認するよう書かれています。文字起こしが間違っていれば、その間違いが「正解の台本」になってしまいます。台本は、教材付属のものか、公式の字幕・スクリプトを使ってください。
台本はテキストで貼り付けるのが確実です。Claudeのファイルアップロードのヘルプで確認した範囲では、対応形式は文書(PDF、DOCX、TXTなど)と画像で、音声形式は載っていませんでした。貼るのは、聞き取りに使う30秒〜1分分だけで足ります。
手順1:台本を見ずに聞いて、書き取る
材料は、台本があり、止めたり戻したりできる30秒〜1分の英語音声です。
- 台本を見ずに、1文ずつ止めながら聞きます。繰り返しは各文3回までです。
- 聞こえた英語をメモに書きます。聞き取れなかった部分は「___」にします。つづりが怪しくても、聞こえた形のまま書いて構いません。
- 次に台本を開き、意味が分からない語句に印を付けます。文脈で推測せず、「訳を言えるか」で判断します。
この印が、語彙を判定する材料になります。
手順2:AIに差分と仮判定を頼む
次の依頼文の( )を埋めて送ってください。
あなたは英語リスニングの指導者です。音声は聞こえないので、
下の3つのテキストだけで判断してください。
[台本]
(ここに台本を貼る)
[私の聞き取りメモ]
(聞き取れなかった所は ___ としています)
[台本を見ても意味が分からなかった語句]
(例: wrap up / なければ「なし」)
やること:
1. 台本とメモを比べ、聞き取れなかった箇所と聞き間違えた箇所を
表にしてください(列:台本の語句/私のメモ/欠落か聞き間違いか)。
2. 各箇所に、原因の「仮判定」を付けてください。
- 語彙:私が「意味が分からない」と書いた語句
- 音の変化:意味は分かるはずの語で、連結・弱形・脱落が
起きやすい箇所(例:should've、want to→wanna)
- 速さ:単語1つではなく、複数語が連続して欠落している箇所
3. 判定は確定ではないと明記し、私が自分で試す確認テストを
各箇所に1つ付けてください。
4. 根拠を1行で書き、分からない箇所は「判定不能」としてください。台本の著作権が気になるなら、自作の短い英文や、自分で読み上げた録音でも試せます。仕事の録音を使う場合は、会社名・人名・数字を「Company A」「Mr. B」などに置き換えてから貼ってください。
説明用の例(実際に実行した結果ではありません)
台本:We should've pushed the deadline back, but the client wanted it wrapped up by Friday.
聞き取りメモ:We ___ the deadline back, but the client wanted it ___ up by Friday.
意味が分からない語句:wrapped up
この場合、AIの返答は次のような形になるはずです(想定した形です)。
- should've pushed、私のメモ:___、仮判定:音の変化、確認テスト:0.75倍速で聞き直す
- wrapped、私のメモ:___、仮判定:語彙、確認テスト:「wrap up」の意味を自分の言葉で言う
手順3:1箇所ずつ、自分の耳で判定する
AIの仮判定は、次のチェックで確定させます。上から順に進め、結論が出たところで止めてください。
- 1、テスト:台本を見て、その語句の意味を言う、結果:言えない、判定:語彙(意味を覚えてから2以降をやり直す)
- 2、テスト:0.75倍速で、台本なしで聞き直す、結果:聞き取れる、判定:速さ
- 3、テスト:台本を見ながら、等速で聞く、結果:「そう言っていたのか」と気づく、判定:音の変化
- 4、テスト:台本を見ても、その箇所の音を追えない、結果:追えない、判定:判定不能(別の素材で再確認)
テスト2と3の違いがポイントです。ゆっくり聞いて分かるなら、音は知っていて処理が間に合っていないだけと考えられます。ゆっくりでも別の語に聞こえるなら、その語の「音の姿」を知らない可能性が高くなります。0.75倍という設定は一つの目安なので、聞き取りやすさに合わせて変えて構いません。
注意点が3つあります。
- 原因が重なることがあります。 例えば wrapped it は、語彙(wrap up)と音の連結(wrapped it がひと続きの音に聞こえやすい)の両方が考えられます。
- 1箇所の結果で弱点を決めないでください。 同じ原因が3箇所以上そろったものを今週の課題にする、という目安で進めます。この数は編集上の目安で、研究で確かめた基準ではありません。
- 語彙は声に出して確かめてください。 「分かるつもり」の語が、実際に訳してみると穴だった、ということは起こります。また、話者の声の小ささや録音の質が原因のこともあるので、別の素材でも同じ箇所で止まるかを見てから原因を決めます。
原因別の練習メニュー
練習には手順1と同じ素材を使います。
語彙が原因の場合(1日10〜15分)
- 印を付けた語句を、AIに「意味・使われる場面・短い例文2つ」に整理してもらいます。
- 自分のカードやノートに写します。例文のうち1つは自分で作り直してください。
- 覚えたら、元の音声を台本なしで聞き直し、その語句が聞こえるか確かめます。
依頼文の例:次の語句について、意味、使われる場面、短い例文を2つ、初級者向けの英語で示してください。語句:wrap up, push back
音の変化が原因の場合(1日10分)
- 聞き取れなかった箇所を、前後の語を含めて5〜10語のまとまりで切り出します。
- 台本を見ながら、そのまとまりだけを5回聞きます。
- 同じ音をまねて声に出します(シャドーイング)。録音して聞き比べられると理想的です。
- AIには、どこがつながり、どこが弱くなるかを文字で説明させ、必ず実際の音で確かめます。文字による説明は推定なので、音と食い違うことがあります。
依頼文の例:次の英文を自然な話し言葉で読むとき、語と語がつながる箇所、弱く短くなる語、聞こえにくくなる音を、箇所ごとに箇条書きで示してください。断定せず「起こりやすい」と書いてください。文:We should've pushed the deadline back.
速さが原因の場合(週3〜4回、1回10分)
- 0.75倍速、台本なしで通して聞き、書き取れる量を確認します。
- 次に0.9倍速、最後に等速で、同じ素材を聞き直します。
- 各段階で、書き取れなかった箇所の数を記録します。速くなるほど増えるのは自然なので、練習を重ねるうちに等速での欠落が減っているかを見ます。
- 等速で聞き取れるようになったら新しい素材に替え、再び0.75倍速から始めます。
速度を変える機能は、動画プレーヤーや音声アプリの設定にあります。お使いのアプリで確認してください。
1週間のまわし方(例)
- 月、内容:手順1〜3で原因を判定する(約30分)
- 火〜木、内容:判定した原因のメニューを実施(毎日10〜15分)
- 金、内容:同じ教材の別の30秒を、台本なしで書き取り、月曜と欠落数を比べる
- 土、内容:新しい素材で、手順1〜3をやり直す
金曜に月曜と同じ素材を使うと、覚えた内容で答えてしまい、力を測れません。話者や難しさの近い別の箇所を使ってください。金曜の結果が月曜より悪い場合は、素材が難しすぎる可能性があります。もっと短い素材に替えてください。
AIの仮判定は、テキストだけを見た推測です。迷ったら、AIの結論よりも自分の耳での確認を優先してください。

