ゲームのカバー画像・サムネイルをAIで作る:クリック率を意識した構図
遊びをつくる執筆にClaudeを使用しています。

ゲームを完成させてもプレイされなければ意味がありません。プレイヤーが最初に目にするのはタイトルではなくサムネイル画像であり、その一枚がクリックするかどうかを決めます。「とりあえずAIで生成した」だけの画像と、クリックされることを意識して作った画像では、見た目の質が同じでも結果が変わります。 この記事では、AI画像生成ツールでゲームのカバー画像・サムネイルを作るときに、クリック率を高めるための構図の考え方と、実際の手順を具体的に説明します。デザインの専門知識がなくても、構図のルールを知ってプロンプトに落とし込めば、一定の水準の画像を作ることができます。
この記事の目次
なぜ構図がクリック率に直結するのか
サムネイルは縮小表示されることがほとんどです。ゲームの一覧ページやSNSで並んだとき、画像は横100〜200ピクセル前後に縮小されて表示されます。細部の描き込みや色の豊かさは伝わりにくくなり、残るのは「シルエット」と「色の対比」と「視線を引く焦点」だけです。
構図の目的は、縮小された状態でも「何のゲームか」「どんな雰囲気か」「自分が遊べそうか」の三点を瞬時に伝えることです。情報が多すぎると何も伝わらず、情報が少なすぎると印象に残りません。構図はその情報量を制御する設計図です。
クリックされるサムネイルに共通する構図の原則
焦点を一つに絞る
主役になる要素(キャラクター・オブジェクト・文字など)を一つだけ決め、それが画面の中心か三分割法の交点に来るように構成します。三分割法とは、画面を縦横それぞれ三等分した線の交点(四隅近くの計四点)にメインの被写体を置く考え方で、中央に置くよりも自然な緊張感が生まれます。
AIで生成する場合、プロンプトに「one character in the center」「subject placed at the rule-of-thirds intersection」のように明示すると、構図が意図に近づきます。
背景とのコントラストを確保する
主役が背景に溶け込むと縮小時に見えなくなります。明るいキャラクターには暗い背景、暗いキャラクターには明るい背景を組み合わせるのが基本です。色相の対比(補色)も有効で、オレンジの主役に青の背景、紫の主役に黄緑の背景といった組み合わせは視覚的に強く残ります。
プロンプトでは「dark background, high contrast」「complementary color scheme」などの語を加えます。背景が複雑になりがちな場合は「simple background, gradient background, no clutter」と明示して情報量を削ります。
ゲームジャンルを視覚的に示す
サムネイルは「このゲームを遊びたい人に届く」ためにも重要です。パズルゲームなら幾何学的な図形や整列した要素、アクションゲームなら動きの表現(斜めの構図・ブラー・衝撃波)、脱出ゲームなら薄暗い閉鎖空間や鍵のモチーフが機能します。
ジャンルのシグナルを含めることで、遊んだ後にがっかりするユーザーを減らし、本当に興味を持つ人を集められます。これはクリック率と同時にプレイ継続率にも影響します。
AIツールへの落とし込み方:プロンプトの構造
構図の意図をAIに伝えるには、プロンプトを「被写体 → 構図・カメラ → 背景・雰囲気 → スタイル → 除外要素」の順に組み立てると整理しやすいです。
被写体:何を主役にするかを最初に置きます。「a small robot holding a lantern」「a glowing puzzle cube」のように、主役の形と特徴を具体的に書きます。
構図・カメラ:「centered composition」「rule of thirds」「close-up shot」「low angle view」など構図の指示を続けます。
背景・雰囲気:「dark misty forest background」「simple dark gradient」など、背景の複雑さをコントロールします。
スタイル:「pixel art」「flat vector illustration」「2D game art style」など、ゲームのビジュアルスタイルと一致させます。
除外要素(ネガティブプロンプト対応のツールの場合):「no text, no watermark, no multiple characters, no busy background」のように余分な要素を排除します。
例として、シンプルなパズルゲームのサムネイルなら次のように組み立てられます。
A glowing tetromino-like block floating in the center, rule of thirds composition, dark blue gradient background, flat vector game art style, high contrast, clean and minimal生成後の確認と調整:縮小テストと文字入れ
AIで生成した画像はそのままでは使えないことが多いです。必ず縮小テストをしてください。生成した画像をブラウザや画像ビューアで100〜150ピクセル幅に縮小表示し、主役が認識できるか、背景と分離されているかを確認します。このステップを省くと、一覧ページでほぼ何も見えない画像になります。
文字(ゲーム名)を重ねる場合は、画像の下部か上部に意図的に余白を作っておくことが重要です。プロンプトに「leave empty space at the bottom for text overlay」のように加えておくと、後から文字を入れやすくなります。文字色は画像の背景色と補色または高コントラストの色を選び、フォントサイズは縮小後に読める最小サイズ(一般的な目安として高さ14ピクセル前後)を下回らないようにします。
文字入れ自体はCanvaやFigmaの無料プランで行うのが手軽です。画像をインポートして文字レイヤーを重ねるだけで完成します。
失敗しやすいパターンと対処
情報を詰め込みすぎる:「キャラクター+背景+ロゴ+エフェクト」をすべて同等の大きさで入れると、縮小時に何も見えなくなります。主役一つに絞り、それ以外は小さくするか省きます。
スタイルとゲームが一致しない:フォトリアルな画像に対してゲームがドット絵の場合、プレイヤーが期待とのギャップを感じます。ゲーム内のビジュアルスタイルをサムネイルにも反映させることで、ページの訪問者が「このゲームを遊んだらこういうビジュアルが楽しめる」と正確に期待できます。
生成結果が毎回バラバラで管理できない:使ったプロンプト・モデル名・シード値(設定できるツールの場合)をメモしておくと、差し替えや差異が出たときに再現できます。
著作権への意識が薄い:既存のゲームタイトルや実在のキャラクターを想起させる要素をプロンプトに含めることは、著作権・商標上の問題が生じる可能性があります。固有名詞や既存キャラクターを参照するプロンプトは避けるのが無難で、個別の判断は専門家や各ツールの利用規約で確認してください。また、生成AIツールの出力物の商用利用可否はツールごとに異なるため、公式サイトで最新の条件を確認してください。
次の行動
今作っているゲームのジャンルとビジュアルスタイルを一文で書き出し、それを元にこの記事の「被写体→構図→背景→スタイル→除外」の構造でプロンプトを一本作ってみてください。生成した画像は必ず150ピクセル幅に縮小して確認し、主役が見えるかどうかを判定します。画像が完成したら、アソバースのゲーム投稿画面からカバー画像として設定できます。
参考資料
- DALL·E、Stable Diffusion、Midjourney 各公式ドキュメント(プロンプト構文・利用規約)
- Canva 公式ヘルプ(テキストオーバーレイの作成)
- Figma 公式ドキュメント(フレームと書き出し設定)
