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Claudeのプロジェクト機能で、引き継ぎ資料を後任の質問窓口にする

AIを使いこなす

執筆にClaudeを使用しています。

後任の担当者が、付箋つきの引き継ぎ資料の該当箇所を指で押さえ、手元の別の紙と照らし合わせて確認している机の上の様子。
記事の内容をもとに制作したAI生成イメージです。実際の製品画面や検証結果の写真ではありません。

引き継ぎ資料をClaudeのプロジェクトのナレッジ(知識ベース)に置き、プロジェクト指示で「資料の範囲だけで答え、資料名と該当箇所を必ず添える」と決めておけば、後任が前任者を呼ばなくても調べられる質問窓口になります。ただし、前任者の確認が不要になるわけではありません。Claudeが示した根拠を後任が元資料で照合し、資料に書いていない点は前任者に回す運用までを一組にしてください。 この記事では、仕様の前提、設定手順、置く資料の一覧、根拠提示を求める指示文、後任の質問例、引き継ぎ前の動作テストを順に示します。

この記事の目次
  1. 先に押さえる仕様と前提
  2. 設定の手順
  3. 置く資料の一覧
  4. 根拠提示を求める指示文
  5. 後任が聞く質問の例
  6. 引き継ぎ前の動作テストと人の確認

先に押さえる仕様と前提

Anthropicのプロジェクトの説明ページによると、プロジェクトは独自のチャット履歴とナレッジを持つ作業スペースです。作成・管理の手順ページには、次の点が書かれています。

  • 「Set project instructions」で、そのプロジェクトの全チャットに使う指示を設定できる
  • プロジェクト内のチャット同士の文脈は、ナレッジに追加しない限り共有されない
  • 共有はTeamとEnterpriseのプランで、個別招待または組織全体から選ぶ(組織全体は管理者が有効にしている場合)
  • 権限は「Can view」(内容を見てチャットできるが編集不可)と「Can edit」(指示とナレッジの変更などが可能)の2種類

つまり、後任に使わせるにはTeamまたはEnterpriseでの共有が前提です。個人プランでは共有機能がないため、この運用は組めません。権限は、まず「Can view」を渡すのが安全というのが編集上の提案です。ただし閲覧者にもナレッジと指示の中身は見えるため、後任に見せてよい資料だけを置いてください。

資料が増えてコンテキストの上限に近づくと、有料プラン(Pro、Max、Team、Enterprise)ではRAGモードが自動で有効になります。全文を読み込む代わりに、プロジェクトのナレッジ検索ツールで必要な箇所を探して回答する仕組みで、容量は最大10倍とされています。ただし、同ページには出典の表示機能の説明がありません。根拠の提示は指示文で依頼し、後任が目視で確かめる前提にします。

以上は2026年10月28日に上記3ページで確認した内容です。プロジェクトの新しい形式が段階的に展開中とも案内されているため、画面や挙動が手元と違う場合は最新のヘルプを優先してください。社外秘や個人情報を含む資料を載せてよいかは、自社の情報管理ルールで先に確認します。

設定の手順

画面名はヘルプの記載に基づくもので、手元の表示と異なる場合があります。

  1. claude.ai/projectsを開き、「New Project」で名前と説明を入れる。名前と説明はClaudeには渡されないので、業務名は指示文に書く
  2. プロジェクトページ右側のナレッジに、次章の資料を追加する
  3. 「Set project instructions」に、後述の指示文を貼って保存する
  4. 前任者本人が新しいチャットで動作テストをする(後述)
  5. Team/Enterpriseなら、後任を招待して「Can view」で共有する

置く資料の一覧

「全部入れる」より、後任が最初の3か月で迷う場面に対応する資料を選びます。次の表は編集上の提案で、ファイル名は説明用の例です。

  • 1、資料:業務一覧、入れる内容:担当業務、頻度、関係者、重要度、ファイル名の例:01_業務一覧_20261028
  • 2、資料:年間・月次カレンダー、入れる内容:締切、報告日、承認の流れ、ファイル名の例:02_業務カレンダー_20261028
  • 3、資料:手順書、入れる内容:業務ごとの手順と使うシステム、ファイル名の例:03_手順書_月次報告
  • 4、資料:判断基準・例外メモ、入れる内容:「こういう時はこうした」とその理由、ファイル名の例:04_判断基準と例外
  • 5、資料:過去の成果物、入れる内容:直近の報告書・企画書の完成版、ファイル名の例:05_成果物_2026年9月報告
  • 6、資料:関係者一覧、入れる内容:部署・役割・頼みごとの種類、ファイル名の例:06_関係者一覧(伏せ字)
  • 7、資料:未完了案件・課題、入れる内容:状況、次の一手、期限、保留の理由、ファイル名の例:07_未完了案件
  • 8、資料:経緯メモ・用語集、入れる内容:方針が決まった経緯、社内用語、ファイル名の例:08_経緯と用語

ファイル名に番号と内容を入れておくと、Claudeが根拠の資料名を示したとき、後任がすぐ元資料を開けます。日付を入れれば版の古さも見分けられます。

置く前に、顧客名、個人名、連絡先、金額は社内ルールに沿って伏せ字にするか削除します。パスワードや認証情報は置きません。

根拠提示を求める指示文

プロジェクト指示に貼る文面の例です。業務名は置き換えてください。この文面は実際に動かして検証したものではなく、出発点の案です。

あなたは「月次売上報告」業務の引き継ぎ質問窓口です。
質問者は、この業務を引き継いだ後任の担当者です。

【回答のルール】
1. このプロジェクトの資料に書かれている内容だけを根拠に答える。
2. 回答の主張ごとに、次の形式で根拠を添える。
   [資料名/見出しまたはページ/該当部分の短い抜粋(30字程度)]
3. 資料に書かれていないことは「資料に記載なし」と答える。
   推測を述べる場合は「推測」と明記し、根拠のある部分と分けて書く。
4. 日付、金額、締切、担当部署は、資料の記載をそのまま写す。
5. 資料同士の内容が食い違うときは、両方の根拠を示し、
   どちらが正しいかは断定しない。
6. 回答の最後に「前任者に確認すべき点」を最大3つ挙げる。
   なければ「なし」とする。
7. 手順を答える時は、番号つきの手順にして、各手順に根拠を付ける。

要となるのは3と5です。資料にないことを補おうとする動きを抑え、古い資料と新しい資料が食い違ったときに、Claudeが勝手に片方を採らないようにします。ただし指示文で完全に防げるわけではないため、抜粋が実在するかは後任が確認します。

後任が聞く質問の例

質問を「事実」「手順」「判断」「穴の洗い出し」に分けると、資料の不足にも気づけます。以下は説明用の例です。

初日に聞く

  • 「この業務の担当業務を、頻度の高い順に一覧にしてください。根拠も付けてください」
  • 「今月中に締切が来る作業と、承認者を教えてください」

作業の途中で聞く

  • 「月次報告の作成手順を、使うシステム名も含めて番号つきで示してください」
  • 「前回の報告書(05番)と同じ構成で、今月作るときに変える箇所はどこですか」

判断に迷ったときに聞く

  • 「取引先から締切の延長を頼まれた場合、過去にどう対応しましたか。資料にある例外を挙げてください」
  • 「この判断基準が決まった経緯を、経緯メモから説明してください」

穴を洗い出す

  • 「この業務で、資料に記載のない手順や連絡先を挙げてください」
  • 「未完了案件のうち、次の一手が書かれていないものはどれですか」

最後の2問は、引き継ぎ会の直後に流しておくと、前任者がいる間に資料の欠落へ気づける可能性が高まります。

引き継ぎ前の動作テストと人の確認

後任に渡す前に、前任者が次の手順でテストします。

  1. 答えを自分が知っている質問を5〜10個用意する。締切、手順、例外対応を混ぜる
  2. 新しいチャットで質問し、答えと根拠が正しいかを確認する
  3. 「資料にない質問」を2問混ぜ、「資料に記載なし」と返るかを見る
  4. 外れた回答があれば、資料の書き方(表現の曖昧さ、版の重複)か指示文を直す

運用中に人が確認する点は次のとおりです。

  • 回答に根拠が付いたとき、人が確認すること:示された資料と箇所を開き、抜粋が実在し、回答の内容と合っているか
  • 日付・金額・締切、人が確認すること:元資料と一字一句合っているか
  • 「資料に記載なし」、人が確認すること:前任者または関係者に確認し、答えが出たら資料に追記する
  • 対外的な連絡・提出物、人が確認すること:Claudeの案をそのまま使わず、承認者が内容を確認する

資料を更新したら、古い版はプロジェクトから外して新しい版を入れます。後任が業務に慣れてきたら、窓口で出た質問と「記載なし」の回答を資料に反映しておくと、次の引き継ぎにも使えます。

出典・参考資料