職業情報サイトとAIで職種を理解する:仕事内容・必要な力を自分の経験に重ねる
AIを使いこなす執筆にClaudeを使用しています。

職種を理解するには、先に公的な職業情報で「その仕事は何をして、何が求められるか」の全体像を押さえます。そのうえでAIに、自分の経験との重なりと不足を整理させるのが使い分けの基本です。順番を逆にして職種の説明そのものをAIに任せると、求人や現場の実態とずれた説明が混ざっても気づきにくくなります。 この記事では、職業情報提供サイト「job tag」で集めた情報をメモ表にまとめ、AIへの質問で自分の経験と照らし合わせるところまでを示します。記事中の表や出力例は、書き方を見せるための仮の例です。実際に調べた結果や、AIで試した結果ではありません。
この記事の目次
役割分担:job tagで「仕事の姿」、AIで「自分との重なり」
job tagは、厚生労働省が運営する職業情報提供サイト(日本版O-NET)の愛称です。職業を「ジョブ」「タスク(仕事の内容を細かく分けたもの)」「スキル」の観点で見えるようにしています。まだ就業経験のない人や再就職先を探している人が、いろいろな切り口で職業を探せるサイトです(愛知労働局のjob tag紹介ページ。サイトのURLもここに載っています)。ある職業で一般的に行われる仕事内容や作業、働く人が持つスキル・知識も調べられます(沖縄労働局のjobtag紹介ページ)。
ここで大事なのは「一般的に」という点です。job tagが示すのは職業の標準的な姿で、個別の会社の業務範囲や必須条件ではありません。
作業ごとの担当は次のとおりです。
- 職種の仕事内容・必要なスキルの把握、任せる先:job tag(公的な情報)、人が確認すること:求人票の内容と食い違わないか
- 自分の経験の棚卸し、任せる先:自分(AIに質問させてもよい)、人が確認すること:事実か、数字や役割は正確か
- 経験と職種の重なり・不足の整理、任せる先:AI、人が確認すること:根拠が、貼った情報の範囲内か
- 応募する・しないの判断、任せる先:自分、人が確認すること:働き方、条件、価値観との相性
AIには「自分で用意した2つの文章を突き合わせる」作業を頼みます。職種の事実は、AIの記憶ではなく、自分が開いた資料に置きます。
手順1:job tagで職種を調べ、メモ表に写す
気になる職種を2〜3つ選び、仕事内容、必要なスキル、必要な知識にあたる部分を読みます。画面の項目名や並びは更新で変わることがあるため、名称にこだわらず、その3種類の情報を探してください。
読みながら、次のメモ表に自分の言葉で書き写します。ページ本文を長く貼り写すより、要点を短く言い直すほうが、あとでAIに読ませやすくなります。サイトの掲載情報を転載・公開したい場合は、サイトの利用規約を先に確認してください。
職種調べのメモ表(空欄の形)
- 職種名、記入内容:job tagでの名称
- 仕事の全体像(1〜2文)、記入内容:誰のために、何を成果として出す仕事か
- 主な仕事内容(3〜5個)、記入内容:動詞で書く(例:確認する、調整する、報告する)
- 必要なスキル、記入内容:目立つものを3つ程度
- 必要な知識、記入内容:目立つものを3つ程度
- 自分が惹かれる点、記入内容:率直に
- 気になる点・わからない点、記入内容:求人票や面談で確かめる材料
- 参照した日、記入内容:情報を見た日付
記入例(説明用の仮の例)
- 職種名、記入内容:一般事務(仮)
- 仕事の全体像、記入内容:部署の書類やデータを整え、業務が滞らないよう支える
- 主な仕事内容、記入内容:入力する/書類を作成する/問い合わせに対応する/日程を調整する
- 必要なスキル、記入内容:正確に処理する力/関係者と連絡を取る力/優先順位をつける力
- 必要な知識、記入内容:表計算ソフトの基本/社内ルールの理解/ビジネス文書の書き方
- 自分が惹かれる点、記入内容:人を支える仕事に関わりたい
- 気になる点、記入内容:残業の程度、配属先ごとの違い
手順2:自分の経験を、仕事内容と同じ粒度で書く
重なりを見つけるには、経験を職種と同じ粒度で書く必要があります。「接客をしていました」では粗すぎます。「来店客の問い合わせに答え、在庫がなければ取り寄せの日程を調整して伝えた」のように、動詞と相手を含めてください。
経験は、1つにつき次の4点を目安に書きます。
- 何をしたか(動詞で)
- 誰に対してか
- どう工夫したか
- 結果(数字があれば。なければ書かなくてよい)
棚卸しが難しいときは、AIに質問してもらう方法があります。次の依頼文は書き方の例です。
私の経験を整理したいので、質問をしてください。
経験:飲食店のホール担当、2年(説明のため架空の情報に置き換えています)
質問は一度に3つまで。私の回答を待ってから次に進んでください。
目的は「何をしたか」「誰に対してか」「どう工夫したか」を具体にすることです。
私が答えていないことを、あなたが補って書かないでください。最後の一文が大切です。AIが気を利かせて経験を盛ると、面接で説明できない内容が履歴書に入ってしまいます。
手順3:AIに、重なりと不足を表で出させる
メモ表と経験メモが揃ったら、次の依頼文を使います。
以下の「職種メモ」と「私の経験」を突き合わせてください。
条件:
- 判断の根拠は、このメッセージに書いた内容だけにする。
職種について、書かれていないことは補わない。
- 「重なる」「一部重なる」「不足」の3つに分類し、表にする。
- 各行に、根拠となる私の経験の該当部分を引用して示す。
根拠がない場合は「根拠なし」と書く。
- 不足の行には、確認方法の案を1つずつ付ける
(例:求人票のこの点を見る、面談で聞く)。
- 最後に、職種メモだけでは判断できない点を列挙する。
【職種メモ】
(手順1の表を貼る)
【私の経験】
(手順2のメモを貼る)出力の形のイメージ(説明用の仮の例)は次のとおりです。
- 日程を調整する、判定:重なる、根拠(私の経験):取り寄せの日程を調整して客に伝えた、確認方法の案:調整する相手が社内か社外かを求人票で確認
- 表計算ソフトの基本、判定:不足、根拠(私の経験):根拠なし、確認方法の案:求人票の必須条件を確認し、基本操作を学ぶ
- 問い合わせに対応する、判定:一部重なる、根拠(私の経験):来店客への対応のみ、確認方法の案:電話・メール対応の割合を面談で聞く
「根拠なし」と書かせるのがポイントです。空欄を推測で埋めさせず、不足を不足のまま見られます。ただしAIが指示どおりに書くとは限らないので、出力は次の手順で必ず見直してください。
手順4:人が確認する点と、AIに渡す情報の扱い
AIの表をそのまま信じず、次の4点は自分で確かめます。
- 根拠の引用が、実際の経験メモと合っているか。 言い換えで意味が変わっていないか見ます。
- 職種メモがjob tagの内容と合っているか。 写し間違いがあると、AIの分析も全部ずれます。
- 求人票との差。 個別の会社の業務範囲や必須条件は、求人票と面談で確認します。
- 不足が致命的かどうか。 必須条件か、入社後に身につく内容かは、AIの表では決まりません。
経験メモには、勤務先名、取引先、同僚の名前、数字の実績が混ざりがちです。AIに渡す前に「A社」「小売業」「約10人のチーム」のように置き換えてください。
学習への利用についても確認しておきましょう。ChatGPTの個人ワークスペースのFree、Plus、Proでは、設定の「Data controls」で「Improve the model for everyone」をオフにすると、新しい会話はモデルの学習に使われなくなります。会話はチャット履歴には残ります。ただし、回答に高評価・低評価などのフィードバックを送ると、その会話全体が学習に使われる場合があります(OpenAIヘルプ「Data controls in ChatGPT」で確認した範囲。2026年10月28日に閲覧)。法人向けなど他のプランや他社のAIは扱いが違う可能性があるため、使うサービスのヘルプで確認してください。設定をオフにしても、渡す情報の置き換えは省略しないでください。
迷ったときの最小の進め方
時間がないときは、職種を1つに絞って次の3ステップだけ行ってください。
- job tagで1職種を読み、メモ表の「主な仕事内容」と「必要なスキル」だけ埋める
- 経験を3つ、動詞を使って書く
- 手順3の依頼文でAIに突き合わせさせ、「不足」の行だけ求人票で確かめる
この結果から、応募書類の「活かせる経験」と、面談で聞くべき質問の両方を作れます。

