AIで面接練習を始める前に決めておくこと:役割設定・質問の流れ・振り返りの型
AIを使いこなす執筆にClaudeを使用しています。

一人でAIと面接練習をするなら、始める前に4つを決めておきます。①場面と渡す情報、②AIの進め方と厳しさ、③評価軸、④フィードバックを出すタイミングです。 「面接官になってください」だけで始めると、質問が一般的になったり、曖昧な答えでも褒めて終わったりしやすくなります。これは設定が粗いときに起こりがちな傾向としての話で、実測した結果ではありません。 この記事では、そのまま貼れる面接官役の指示文、練習後の評価指示文、振り返りシートを示します。いずれも説明用の例で、特定のAIで動作を検証したものではありません。一度試して、出力が意図とずれたら条件を足してください。
先に決める4つの条件
指示文を書く前に、下の表を自分用に埋めます。空欄のままAIに渡すと、AIが推測で補います。
- 場面と渡す情報、例(説明用):事務職・中途採用・一次面接・30分/求人票の要点と職務経歴の要約、決めないと起きがちなこと:新卒向けの質問や、経歴と無関係な質問が混ざる
- 進め方と厳しさ、例(説明用):質問は1回に1つ。曖昧なら1話題につき最大2回まで深掘り、決めないと起きがちなこと:一度答えれば次へ進み、深掘りの練習ができない
- 評価軸、例(説明用):結論の早さ・具体性・一貫性・志望動機の根拠、決めないと起きがちなこと:「良かったです」程度の感想で終わる
- フィードバックの時期、例(説明用):面接中は出さず、終了後にまとめて、決めないと起きがちなこと:答えのたびに添削が入り、本番に近い流れで練習できない
渡す情報は、求人票の要点と職務経歴の要約までに絞ります。社名、個人名、取引先名、住所などは伏せるか、架空のものに置き換えてください。
評価軸の決め方
評価軸は、本番で見られやすい点に合わせると決めやすくなります。厚生労働省のハローワークによる面接ワンポイントアドバイス(香川)には、次のような内容があります。
- 会社の事業内容を調べておく
- 履歴書・職務経歴書の内容と面接での受け答えが異ならないようにする
- 前職の仕事内容と退職理由、志望動機、自己PR、長所・短所に答えられるようにする
- 丸暗記の棒読みや、だらだら話すことを避け、自分の言葉で端的に答える
ここから、次の4軸を作ります。軸の形は編集上の提案です。
- 結論から端的に話しているか
- 事実・数字・自分の役割が入っているか(具体性)
- 履歴書・職務経歴書の内容と食い違っていないか(一貫性)
- 志望動機が、その会社を選ぶ根拠まで届いているか
質問の流れ
順番も決めておくと、毎回同じ土台で比べられます。例として5段階にします。
- 自己紹介(1分)
- 経歴:前職の内容と、一番力を入れたこと
- 退職・転職理由
- 志望動機:なぜこの会社・この職種か
- 逆質問
深掘りは、具体性が足りないときだけにします。すべての答えを追及させると、練習の本題から外れやすくなります。
面接官役の指示文テンプレート
【 】の部分を自分の情報に置き換え、最初のメッセージとして貼ってください。
あなたは採用面接の面接官役です。以下の条件で、模擬面接を行ってください。
# 場面
- 応募職種:【例:一般事務】
- 区分:【例:中途採用・一次面接・約30分】
- 求人票の要点:【3〜5行で貼る。社名は伏せてよい】
- 私の経歴の要約:【5〜8行で貼る。個人名・取引先名は架空に置き換える】
# 進め方
- 質問は必ず1回に1つだけ。私が答えてから次に進む。
- 流れは「自己紹介 → 経歴 → 転職理由 → 志望動機 → 逆質問」の順。
- 私の答えが抽象的で、事実・数字・自分の役割が不明なときだけ、
同じ話題で追加質問をする。追加質問は1つの話題につき最大2回まで。
- 質問は仕事の適性・能力に関わることに限る。
家族、本籍・出身地、住宅状況、宗教、支持政党などは聞かない。
# 態度
- 丁寧だが、答えに納得していないときは「具体的には?」と確認する。
- 面接の途中では、良し悪しの評価やアドバイスを一切出さない。
- 私が「終了」と入力するまで、面接官役を続ける。
# 開始
まず、上の条件で不明点があれば最大3つまで質問してください。
不明点がなければ「準備ができました」とだけ返し、私の合図で
最初の質問を始めてください。最後の「開始」が要点です。条件の確認を先に挟むと、AIの推測で場面が決まってしまうことを減らせます。
質問の範囲を限定した一文は、公的な考え方に沿っています。厚生労働省の公正採用選考特設サイトは、適性・能力に関係のない事項を採用選考で把握しないことを基本にしています。配慮すべき事項として、本籍・出生地、家族、住宅状況、宗教、支持政党などを挙げています。練習でこうした質問に慣れる必要はありません。本番で不適切だと感じる質問をされたときは、求職者向けの案内にあるとおり、最寄りのハローワークか都道府県労働局に問い合わせられます。
練習後の評価指示文と振り返りシート
面接が終わったら「終了」と入力し、続けて次を貼ります。
面接を終了します。次の4つの評価軸で振り返ってください。
軸:①結論の早さ ②具体性(事実・数字・自分の役割) ③一貫性(経歴要約との整合) ④志望動機の根拠
- 各軸を5段階で採点し、必ず私の発言から短く引用した根拠を添える。
- 私が言っていないことを、言ったことにして評価しない。
- 良かった点は1つ、改善点は優先順位の高い順に最大3つ。
- 改善点ごとに、言い直しの例文を1つ示す。
- 最後に、次回の練習で試す「直す点」を1つだけ提案する。発言の引用を必須にすると、評価の根拠を自分で見直せます。「言っていないことを評価しない」の一文は、AIが答えを補って褒めるのを避けるための保険です。
AIの採点はそのまま信じず、自分でも書き込みます。次の表をメモやスプレッドシートに作り、練習のたびに1行ずつ増やしてください。
- 日付・場面(職種/何次面接)、記入欄:
- 結論の早さ(AI採点/自己採点)、記入欄:/
- 具体性(AI採点/自己採点)、記入欄:/
- 一貫性(AI採点/自己採点)、記入欄:/
- 志望動機の根拠(AI採点/自己採点)、記入欄:/
- 一番答えに詰まった質問、記入欄:
- 言い直した答え(要点だけ)、記入欄:
- 次回直す点(1つだけ)、記入欄:
見るポイントは3つです。
- AI採点と自己採点が2点以上離れた軸は、AIの引用部分を読み直して、どちらが妥当か確かめる(2点は目安です)。
- 事実と食い違う指摘(職歴の誤読など)は、AIの誤りとして切り分ける。
- 「次回直す点」は1つに絞り、次の練習で同じ軸をもう一度評価する。
AIの評価は、本番の採否を予測するものではありません。表現の癖や抜けを見つける材料と考えてください。
貼る前に確認:データの扱い
経歴を貼る前に、使うサービスのデータ設定を確認してください。以下は、OpenAIの公式ヘルプを2026年10月28日に確認した内容です。対象は、個人のワークスペースでChatGPTの無料版・Plus・Proを使う場合です。設定画面の名称や仕様は変わることがあります。
- ChatGPTのデータコントロールによると、「Improve the model for everyone」(モデルを改善する設定)は初期状態で有効です。オフにすると新しい会話は学習に使われませんが、チャット履歴には残ります。
- 一時チャットFAQによると、一時チャットは保存しない限り履歴に表示されず、その間はメモリの作成・更新も、モデル改善への利用もありません。ただし、安全上の目的でコピーが最長30日間保持される場合があります。
つまり、学習利用をオフにしても、データがまったく残らないわけではありません。会社の内部情報や、個人を特定できる情報は、最初から入れないようにしましょう。他のAIサービスや法人向けプランは扱いが別なので、使う前に各公式ヘルプで確認してください。
練習の進め方
- 「4つの条件」の表を埋める
- 面接官役の指示文を貼り、AIの不明点の質問に答える
- 30分程度、声に出すか文字で答える
- 「終了」と入力して評価の指示文を貼る
- 振り返りシートに記入し、直す点を1つだけ決める
- 翌日、直す点だけを意識してもう一度行う
回数を重ねることより、毎回「直す点」を1つに絞ることを勧めます。何が変わったかを見比べやすくなるためで、効果を保証するものではありません。

