ゲームBGMをAIで作る:SunoとUdioの使い分けと権利
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ゲームのBGMをどう用意するか、個人開発者にとって長年の悩みどころです。作曲の知識がなければ外注するしかなく、費用も時間もかかります。SunoやUdioといったAI音楽生成ツールは、テキストを入力するだけで数十秒の楽曲を生成できるため、個人開発のBGM制作コストを大幅に下げる選択肢になっています。 ただし「どちらを使えばいいか」「商用利用は本当にできるのか」という二点は、使い始める前に整理しておく必要があります。ツールの特性を知らずに使い続けると、完成したゲームに合わない楽曲ばかりが溜まったり、規約の確認不足でトラブルになったりすることがあります。この記事ではSunoとUdioそれぞれの特性・使い分けの判断基準・権利まわりの考え方を順に説明します。
SunoとUdioはどこが違うのか
どちらも「プロンプト(テキスト)から楽曲を生成する」ツールですが、出力の傾向と操作の粒度が異なります。
Sunoは、短いプロンプトからでも完成度の高い楽曲を一気に生成する点が強みです。歌詞付きの楽曲も自動で生成され、ボーカルのクオリティが高いという評価を得ています。操作は比較的シンプルで、ジャンル名や雰囲気のキーワードを英語で入力するだけで使い始められます。一方、細かい構成の指定(イントロを何小節にするか、特定の楽器を前に出すかなど)は苦手で、「大まかにこういう雰囲気」という用途に向いています。
Udioは、プロンプトの解釈がより細かく、楽器の指定やBPM感・調性の雰囲気を反映しやすい印象があります。インストゥルメンタル(歌なし)の生成も扱いやすく、ゲームBGMとして使う場合にボーカルが不要なシーンでは操作しやすい選択肢です。また、生成した楽曲の一部を「続き」として延長生成する機能があり、ループや展開を手動で調整しやすいという特徴があります。
どちらのツールも仕様は随時更新されています。料金プランや生成できる楽曲の長さ・クレジット数は、公式サイトで最新の条件を確認してください。
ゲームBGMとしての使い分け判断基準
どちらを選ぶかは、作っているゲームのシーンや用途で決めるのが合理的です。
「雰囲気が伝わればよい」場面はSuno
タイトル画面・エンディング・ワールドマップなど、長尺でも流れていればよいBGMは、Sunoで一発生成した楽曲をそのまま使えることが多いです。プロンプトに lofi hip hop, relaxing, game menu BGM のような記述を英語で入れると、それらしい楽曲が出やすくなります。ボーカル入りになってしまった場合は instrumental only をプロンプトに加えるか、Sunoのモード設定でインストゥルメンタルを指定します。
「展開をコントロールしたい」場面はUdio
ボス戦・イベントシーン・テンションが変化するステージなど、曲の構成や強弱を意図的に作りたい場合はUdioが向いています。「静かなAメロ→緊張感のあるサビ」という流れを狙うとき、Udoは生成した前半を起点に後半を続けて生成する操作ができるため、手作業でつなぐより自然な展開を得やすいです。
判断に使う簡単なチェック
- ループ再生が主な使い方か → どちらでも可、まずSunoで試す
- ボーカルが不要か → Udoで instrumental 指定が扱いやすい
- 曲の展開を自分で決めたいか → Udoの延長生成を使う
- とにかく早く大量に生成したいか → Sunoでプロンプトを変えながら回す
権利と商用利用の考え方
AI生成楽曲の権利は、現時点では各ツールの利用規約が主な根拠になります。法的な整理は国や状況によって異なりますので、ここでは一般的に確認すべき点を示します。
無料プランと有料プランで扱いが変わる
SunoもUdioも、無料プランで生成した楽曲は商用利用を制限しているか、クリエイティブ・コモンズ(CC)ライセンスの条件下に置いている場合があります。有料プランに切り替えると商用利用が認められる範囲が広がる設計になっています。ゲームを販売・広告表示付きで公開する場合は、必ず有料プランの規約を確認してから使ってください。
「AIが作ったから著作権がない」は単純ではない
日本では、AI生成物の著作権については現時点でも解釈が定まっていない部分があります。一般的には「人間の創作的寄与があるか」が判断基準の一つとされていますが、プロンプトを入力しただけの生成物にどの程度の創作性が認められるかは状況によります。生成楽曲を商業的なプロジェクトに使う場合は、著作権の扱いについて個別に専門家や公式情報で確認することが安全です。
学習データと「似た楽曲」問題
AI音楽生成ツールは既存楽曲を学習しているため、有名楽曲に似たフレーズが出力されることがあります。特定のアーティストやゲームサウンドに似ていると感じた楽曲は使用を避けるのが無難です。生成した楽曲を使う前に通して聴き、「どこかで聞いた」と感じる部分がないかを確認する習慣をつけてください。
生成から組み込みまでの手順
実際のワークフローを具体的に示します。
- プロンプトを英語で書く ジャンル・BPM感・楽器・シーン説明の4要素を入れると絞り込みやすくなります。例:chiptune, upbeat, 8-bit, puzzle game stage clear jingle
- 複数バリエーションを生成する 1回のプロンプトで4〜8曲生成し、使えそうなものを残す。プロンプトを少し変えて再生成を繰り返すのが効率的です。
- WAV/MP3でダウンロードする ゲームエンジンに合わせてフォーマットを選びます。Webゲームの場合はMP3またはOGGが一般的です。
- ループ処理を確認する AI生成楽曲は末尾がフェードアウトで終わることが多く、シームレスなループに向かない場合があります。Audacityなどの無料音声編集ソフトでループポイントを調整してください。
- 規約を記録しておく 生成日・使用プラン・ツール名をスプレッドシートに残しておくと、後から利用条件を確認しやすくなります。
失敗しやすい点
日本語プロンプトは精度が落ちることが多く、英語で書くほうが意図に近い楽曲が出やすいです。ただし完全に英語が苦手な場合は、DeepLなどで翻訳したうえで入力する方法で十分対応できます。
同じプロンプトを繰り返すと似た楽曲が出やすいため、飽きないBGMセットを作るには「テンポ感」「主役楽器」「雰囲気形容詞」のいずれかを変えながらバリエーションを作ることが有効です。
長尺の楽曲をそのまま使わないのも基本です。2分以上の楽曲をループBGMとして使う場合、後半になるにつれて展開が変わりすぎてゲームの邪魔になることがあります。60〜90秒程度の素材をループさせる設計のほうが制御しやすいです。
次の行動
まずSunoかUdioどちらか一方で無料アカウントを作り、作っているゲームの1シーン分のBGMを10〜20曲生成してみてください。商用利用を想定しているなら、その時点で有料プランの規約を読み、利用条件を記録しておくことが先決です。生成した楽曲をゲームに組み込む準備ができたら、アソバースへのZIP投稿でブラウザ上での動作確認まで一気に完結させられます。
参考資料
- Suno 公式ドキュメント(利用規約・商用利用条件)
- Udio 公式ドキュメント(利用規約・商用利用条件)
- 文化庁「AIと著作権に関する考え方について」
- Audacity 公式ドキュメント(ループ編集手順)

