既存曲の名前を出さずにAI作曲へ雰囲気を伝える、言い換えのコツ
AIを使いこなすClaudeで執筆し、GPTで自動校閲・修正しています。

結論から言うと、名前の代わりに「テンポ・ジャンルとリズム・楽器・感情と場面」の4点を言葉にして渡せば、雰囲気はかなり具体的に伝えられます。コツは、好きな曲を「誰の曲か」ではなく「聴こえている部品」に分解してから指示文に組み直すことです。 この記事では、その分解に使う記入シートと、よく使う言い換え語の一覧を載せます。後半の例は、仕組みを説明するために私が作った「説明用の例」で、実際にAIで生成して確かめた結果ではありません。
なぜ名前を使わない書き方が必要なのか
Suno は公式ブログ(2026年8月6日付)で、学習用のメタデータにアーティスト名を使っていないこと、特定のアーティストや著作物の曲を指定するプロンプトは認めていないことを説明しています。アーティストに言及した指示は、名前を取り除いて音の特徴の記述へ置き換える扱いだとも書かれています(Suno: Building the future of music responsibly)。
ElevenLabs の音楽生成の利用規約ページでは、アーティスト名や作詞作曲者の名前、曲名・アルバム名、レーベル名、特定の曲を想起させるほどの歌詞を入力に含めることを禁止しています(ElevenLabs Music Terms)。同じページには、公開・配布の前に著作権侵害の可能性を利用者が確認する責任があることも書かれています。
つまりサービス側の規則としても、名前を並べる書き方は通りにくく、効きにくい前提で考えたほうが安全です。なお、名前を出さなければ似た曲ができても問題ない、という意味ではありません。この記事は音の特徴を言葉にする手順の説明で、著作権上の適否は判断しません。公開や販売を考える場合は、各サービスの規約と、日本国内なら文化庁など公的機関の資料を確認してください。
好きな曲を分解する記入シート
好きな曲を1曲かけながら、下の表を埋めます。曲名やアーティスト名は、メモ用の欄にだけ書いて、指示文には持ち込みません。
- ① テンポ、記入欄:( )BPM くらい/遅い・中くらい・速い、聴き方のヒント:10秒間に拍を数えて6倍すると目安のBPMになります
- ② ジャンルとリズム、記入欄:( )、聴き方のヒント:4つ打ち、跳ねるリズム、ゆったりした8ビートなど
- ③ 中心の楽器(2〜4個)、記入欄:( )、聴き方のヒント:最初に耳に入る音から順に書きます
- ④ 音の質感、記入欄:( )、聴き方のヒント:温かい、乾いている、広がりがある、ざらついている
- ⑤ 感情、記入欄:( )、聴き方のヒント:「悲しい」で止めず、「悲しいが重くない」まで書きます
- ⑥ 場面、記入欄:( )、聴き方のヒント:誰が・どこで・いつ聴いている音楽か
- ⑦ 声、記入欄:( )、聴き方のヒント:性別の印象、声量、歌わないならインスト
- ⑧ 入れたくない要素、記入欄:( )、聴き方のヒント:逆に「これはいらない」と感じる音
- ⑨ 用途、記入欄:( )、聴き方のヒント:BGM、ポッドキャストのオープニング、動画の背景など
⑧は、Suno の場合、カスタムモードの詳細オプションにある Exclude 欄に入れる使い方があります。インストゥルメントやスタイルなど、入れたくないものを指定できます。公式ヘルプの最終編集日は2025年12月19日と表示されています(Suno: How do I exclude elements of a song?)。画面の名称は変わることがあるため、実際の画面で確認してください。
言い換え語の一覧
「あの人っぽい」と言いたくなったとき、次の表から近い語を探します。日本語と英語を併記しましたが、どちらの言語で入力したほうが意図が通りやすいかは、使うサービスで試して決めてください。
- 夜のドライブ感、言い換え(日本語):ミドルテンポ、シンセのパッド、低めのベース、都会的で少し寂しい、英語の例:mid-tempo, synth pads, deep bass, urban, wistful
- 朝の爽やかさ、言い換え(日本語):アコースティックギター、軽いパーカッション、明るく開放的、英語の例:acoustic guitar, light percussion, bright, airy
- 懐かしい80年代風、言い換え(日本語):アナログシンセ、ドラムマシン、少しこもった質感、英語の例:analog synths, drum machine, slightly muffled
- 静かな感動、言い換え(日本語):ピアノ中心、ゆっくり、弦が後半から加わる、英語の例:piano-led, slow, strings enter late
- 勢いのある高揚、言い換え(日本語):速いテンポ、力強いドラム、サビで音が厚くなる、英語の例:fast tempo, driving drums, big chorus
- 不穏な緊張感、言い換え(日本語):低音のドローン、間のあるリズム、不協和すぎない和音、英語の例:low drone, sparse rhythm, tense
- 日常のゆるさ、言い換え(日本語):ローファイ、柔らかいエレピ、ゆったりした跳ねるリズム、英語の例:lo-fi, soft electric piano, relaxed swing
- 和の雰囲気、言い換え(日本語):琴や尺八風の音色、ゆっくりした間、英語の例:koto, shakuhachi-like tone, spacious
使い分けの目安は次のとおりです。
- 「ジャンル名」は全体の方向を決めるときに使い、1〜2個までにします
- 「楽器名」は音色を固定するために使い、具体的に書きます。「ドラム」より「軽いブラシのドラム」のほうが狙いが絞れます
- 「感情語」は1つの形容詞で終えず、「明るいが少し切ない」のように対比で書きます
- 「場面」は雰囲気を一気に伝える近道で、「雨の日の帰り道、イヤホンで聴く」のような一文が効きます
記入シートから指示文を組み立てる
シートが埋まったら、次の順で1つの文にまとめます。
- テンポ → ジャンル・リズム → 楽器 → 質感 → 感情 → 場面 → 声 の順に並べる
- 全体は短い文を数個にとどめる
- 入れたくない要素は、Exclude 欄があるサービスではそちらへ分ける
Suno の公式ヘルプでは、曲の説明にジャンル、具体的な楽器、声のスタイルなどを含められると紹介されています(Suno: How do I exclude elements of a song?)。上の並びは、これらにテンポや感情、場面などを加えた編集上の提案です。
説明用の例(未生成)
次は、「雨の夜に聴く、少し切ない都会的なポップス」を好きな曲から分解した、という想定の例です。
- ① テンポ、記入例:約90BPM、ゆったり
- ② ジャンルとリズム、記入例:シンセポップ、控えめな8ビート
- ③ 楽器、記入例:エレピ、シンセパッド、柔らかいドラム、太めのベース
- ④ 質感、記入例:少し湿った空気感、広がりのある残響
- ⑤ 感情、記入例:切ないが重くない
- ⑥ 場面、記入例:雨の夜、帰り道に一人で聴く
- ⑦ 声、記入例:囁くような女性ボーカル(または歌なし)
- ⑧ 除外、記入例:激しいギター、派手なシンバル
これを1つにまとめると、次のようになります。
約90BPMのゆったりしたシンセポップ。控えめな8ビートのドラム、柔らかいエレピ、広がるシンセパッド、太めのベース。雨の夜に一人で帰る場面。切ないが重くない雰囲気。囁くような女性ボーカル。
除外欄には「激しいギター、派手なシンバル」を入れます。
出てきた曲を確かめて言葉を直す
1回で理想の曲になることは少ないので、結果を聴いて、ずれた項目だけ言葉を変えます。
- 想像より重い・暗い、直す項目:⑤感情、④質感、変え方の例:「切ないが重くない」に「軽やか」「余白がある」を足す
- 楽器が多すぎてうるさい、直す項目:③楽器、変え方の例:楽器を2〜3個に絞る、「ミニマル」と書く
- 場面に合わない、直す項目:⑥場面、変え方の例:時間帯、天気、聴く人の状況をもう1文加える
- リズムがのっぺりしている、直す項目:②リズム、変え方の例:「跳ねる」「間のある」などリズムの質を足す
- 余計な音が入る、直す項目:⑧除外、変え方の例:具体的な楽器名を除外欄に入れる
一度に変えるのは1〜2項目までにしておくと、どの変更が効いたのかがわかります。
公開や配布を考えている場合は、最後に人が次の点を確認してください。聴いた感じで、特定の既存曲のメロディやコード進行にそっくりでないか。使うサービスの規約で、そのプランの商用利用や配信ができるか(ElevenLabs の場合、プランによって配信可否が分かれると同ページに記載があります)。自分で書いた歌詞や固有名詞に、既存曲の一節が混ざっていないか。

