マガジン

はさみ将棋と山崩し:子供と遊ぶ将棋の入口

遊びを見つける

執筆にClaudeを使用しています。

光の差す窓辺に置かれたオセロ盤とチェス駒。対局のあとを思わせる静かな机。
記事のテーマをもとに制作したAI生成イメージ。実際のゲーム画面ではありません。

将棋を子供に教えようとして「駒の動きを全部覚えさせるのが先か、まず遊ばせるのが先か」と迷った経験はないでしょうか。9種類の駒の動き方を座学で詰め込んでも、子供が退屈してしまうことはよくあります。その前段として使えるのが、はさみ将棋と山崩しという二つの遊び方です。 この二つは、正式な将棋のルールをすべて知らなくても盤と駒があればすぐに始められます。子供が「勝ち負けが分かる」「次の手が自分で考えられる」という感覚をつかむのに適しており、将棋の入口として長く使われてきました。この記事では、それぞれの遊び方のルールと進め方、子供の年齢や興味に合わせた選び方を具体的に説明します。

この記事の目次
  1. はさみ将棋とはどういう遊びか
  2. 山崩しとはどういう遊びか
  3. 二つの遊びをどう使い分けるか
  4. はさみ将棋をスムーズに始める手順
  5. 本将棋へつなげるタイミングの見極め方
  6. 次の行動

はさみ将棋とはどういう遊びか

はさみ将棋は、相手の駒を自分の駒で両側から挟んで取る、というただ一つのルールで動く将棋遊びです。使う駒は歩(ふ)だけで、9×9の将棋盤に双方18枚ずつ並べてスタートします。初期配置は盤の端の横一列に並べるのが一般的ですが、地域や家庭によって多少の差があります。

駒の動き方は「縦・横に何マスでも進める」という形が広く使われています。将棋の飛車に近い動きですが、駒の種類の区別がないため、子供はすぐに「どこへ動かせるか」を把握できます。相手の駒を縦か横に挟んだとき、挟まれた駒を取ります。斜めは挟み判定に使いません。先に相手の駒をすべて取るか、相手が動けなくなったほうが勝ちです。

このゲームの特長は、局面が視覚的に分かりやすい点にあります。「この駒を動かすと挟まれてしまう」「あと一手で取れる」という判断が盤面を一目見て分かるため、5〜6歳程度の子供でも自力で考える楽しさを感じられます。将棋の本質的な読みの訓練には向きませんが、「先を一手読む習慣」を遊びながら育てるには十分な深さがあります。

山崩しとはどういう遊びか

山崩しは、将棋盤を使わずに駒だけを使う遊びです。テーブルの上に将棋の駒を積み上げて「山」を作り、一人ずつ交互に駒を崩さないように一枚ずつ抜き取っていきます。山が崩れたとき(駒が動いてしまったとき)に抜こうとした人が負け、あるいは崩したときに動いた駒をすべて引き取る、というルールが一般的です。

厳密には「山崩し」に統一されたルールはなく、家庭や地域で細部が異なります。「駒を引き取った枚数が一番少ない人が勝ち」「最後まで崩さなかった人が勝ち」など、人数や年齢に合わせて決めてかまいません。大切なのはルールの厳密さより、子供が駒に触れながら楽しい時間を過ごすことにあります。

山崩しは将棋の思考とは直接つながりませんが、駒の感触や重さ、駒を並べる・積む行為そのものが子供にとって将棋盤への親しみを育てます。就学前の子供にとって「将棋盤で遊んだ記憶」をつくる手段として機能します。

二つの遊びをどう使い分けるか

どちらから始めるかは、子供の年齢と「勝ち負けへの関心」で判断するのが実際的です。

  • 4歳以下、勝ち負けより触れること優先、向いている遊び:山崩し
  • 5〜7歳、簡単なルールで対戦したい、向いている遊び:はさみ将棋
  • 8歳以上、少し複雑な戦略を試したい、向いている遊び:はさみ将棋(陣取りルール追加)
  • 複数人(3人以上)で遊びたい、向いている遊び:山崩し
  • 大人が本将棋に誘いたい、向いている遊び:はさみ将棋を経由する

はさみ将棋は二人専用で、明確な勝ち負けがあります。子供が「自分で勝てた」という体験を積みやすい点で、本将棋への橋渡しに向いています。山崩しは人数を選ばず、親・祖父母・きょうだいが混在する場でも成立します。

年齢が近いきょうだい二人に将棋を覚えさせたい場合は、最初の数回を山崩しで盤駒への抵抗をなくし、その後にはさみ将棋へ移行する流れが一つの目安です。

はさみ将棋をスムーズに始める手順

初めてはさみ将棋をやる子供に説明するとき、ルールの伝え方を誤るとすぐ混乱します。次の順で伝えると理解が早まります。

  1. 初期配置を見せる:双方の歩を盤の端に横一列に並べ、「これがスタートの形」と確認させます。
  2. 動き方だけ先に練習する:「縦か横に、好きなだけ進められる」という一点だけを伝え、子供に一人で駒を動かさせます。この段階では取ることを説明しません。
  3. 挟む場面を作って見せる:大人が意図的に挟まれる形を作り、「こうなると取られる」を目で確かめさせます。
  4. 一局目は取られても怒らない:最初から戦略的に動くのは難しいため、まず「全部取られるまで動かしてみる」という気持ちで遊ばせます。
  5. 二局目以降で作戦を聞く:「次はどこから動かす?」と問いかけることで、自分で考える癖を引き出します。

失敗しやすいのは、ステップ2と3を同時に説明しようとする場面です。「動けて、かつ挟まれると取られる」を一度に聞いた子供は「挟まれないためにどこへ動くか」まで処理しきれず、動くことをやめてしまいます。動き方の習得と戦術の理解は別のステップとして扱ってください。

本将棋へつなげるタイミングの見極め方

はさみ将棋を何度か遊んで「相手の駒を取りに行く意識」が自然に出てきたら、本将棋の導入を検討できます。具体的には次のような様子が目安になります。

  • 一手先だけでなく「相手がこう来たら自分はこう動く」という二手先の読みを口に出すようになった
  • 挟まれそうな自分の駒を事前に逃がす動きを自然にするようになった
  • 「もっと複雑なルールでやってみたい」と自分から言い出した

逆に、まだ一手先だけを見て動かしている段階では、9種類の動き方を覚えることへの負荷が大きくなります。焦らず、はさみ将棋をもう数回重ねるほうが長い目で見て近道です。

本将棋へ移行するときは、まず王将と金将だけを使う「王様ゲーム」を挟む方法もあります。動き方の種類を絞ることで、はさみ将棋から本将棋への段差を緩やかにできます。

次の行動

手元に将棋盤と駒があれば、今日から山崩しとはさみ将棋を試せます。盤がない場合でも、山崩しは駒だけあれば始められるため、将棋セットの入手と同時に遊び始められます。はさみ将棋のルールをブラウザで確認・練習したい方は、アソバースで公開されている将棋系ゲームも合わせて参考にしてみてください。