パスが2回続く局面は作れるか:盤面で試す
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オセロの終盤で、置ける場所がなく手番を飛ばすことがあります。ここで、相手も置ける場所がなかったらどうなるのかを考えてみます。盤にまだ空きマスがあるのに、お互いが手詰まりになる局面です。この記事では、そうした局面が本当に成り立つのかを、小さな盤面の練習問題で確かめます。 先に言葉を整理します。この記事で「パスが2回続く」とは、一方がパスし、続く相手の手番でも相手が打てない状態を指します。通常のルールでは、このときゲームは終わります。「黒がパス、白が打つ、黒がまたパス」という流れは、同じ人が2回パスしただけです。白が打っているので、ゲームは続きます。 問題は3問あり、最後の1問は、実際の対局で連続パスを探す観察の設計書です。盤面は言葉だけで示しますが、判定には一本の物差しを使うので、自分で一つずつ確かめられます。
この記事の目次
先に決める座標と、判定の物差し
座標は、列を左から a〜h、行を上から 1〜8 とします。左上の角が a1、右下の角が h8 です。
打てるかどうかの判定には、次の物差しを使います。
- 打てる手とは、空きマスに石を置き、縦・横・斜めのいずれかの方向で、相手の石が連続して並び、その先に自分の石がある手です。
- したがって、自分の石と相手の石が同じ縦・横・斜めの線上にまったくなければ、どちらも打てません。
- 線上にあっても、相手の石の先が盤の外や空きマスなら、はさめません。
この物差しは「打てない」ことの確認に便利です。打てることを示すには具体的な一手を挙げれば足ります。打てないことを示すには、すべての空きマスを調べる代わりに、この物差しで線の関係だけを見れば済みます。
問題1:石が4つだけの盤で、両者が打てないか
局面は次のとおりです。ほかのマスはすべて空きです。
- 黒の石:a1、b3
- 白の石:c5、e2
問いは、黒番のとき打てる場所はあるか、白番のときはどうか、です。
解答。 どちらも打てません。黒と白の組み合わせをすべて調べます。座標の差は「列の差、行の差」の順に数えます。
- a1 と c5、差:2、4、同じ線上か:いいえ
- a1 と e2、差:4、1、同じ線上か:いいえ
- b3 と c5、差:1、2、同じ線上か:いいえ
- b3 と e2、差:3、−1、同じ線上か:いいえ
同じ線上に並ぶのは、列の差が0、行の差が0、または列の差と行の差の絶対値が等しいときだけです。4組とも当てはまらないので、はさめる線がありません。黒番でも白番でも打てず、連続パスが成立します。空きマスは60あり、盤が埋まることはゲーム終了の条件ではないとわかります。
ただし、この局面は開始局面の中央4石から実際に作れるとは限りません。ここで確かめたのは、判定が盤の埋まり具合ではなく石の位置関係で決まるという点です。
問題2:パス、着手、パス、そしてもう一度
次の局面で、黒番です。
- 白の石:a1
- 黒の石:a2
問いは、この局面から終局までの手番がどう進むかです。
解答。 手順を一つずつ追います。
- 黒番です。黒の石は a2 だけで、同じ線上にある白は a1 だけです。a1 の先は盤の外なので、はさめません。黒は打てず、パスです。
- 白番です。a3 に置くと、a2 の黒が a1 の白と a3 の白にはさまれ、白になります。白はこの手を打てます。
- 黒番です。黒の石は盤上に1つもなく、はさむ手もありません。黒はまたパスします。
- 白番です。盤上に黒の石がないので、白も打てません。黒のパスに続いて白もパスとなり、ここで終局です。
この流れには、前の節で区別した二つの状況が出てきます。手順1と3は、白が間に打ったので「同じ人のパス」です。手順3と4が「連続パス」です。盤上は白3個、黒0個、空き61マスで終わります。空きマスの扱いは規則によって異なるので、勝敗の数え方は、遊ぶ作品で確かめるのが確実です。
問題3:両方の色が盤上にいて、空きが56ある行き止まり
次の局面です。
- 1行目(a1〜h1)の8マスがすべて埋まっています。
- a1、b1、c1、d1 が黒、e1、f1、g1、h1 が白です。
- ほかのマスはすべて空きです。
問いは、この局面が連続パスになるかどうか、そしてなるならその理由です。
解答。 連続パスになります。8マスが埋まっているので、空きは 64−8=56 マスです。
1行目の中では、空きマスがないので、新しい石を置いて線の上で何かをはさむことができません。置ける場所は2行目以下に限られます。2行目のマスから1行目の石を見ると、1行目の石の先は盤の外です。相手の石の先に自分の石がなければ、はさめません。ほかの行には石がないので、はさめる線がありません。
黒番でも白番でも打てません。問題1と違い、ここでは黒と白が隣り合って並んでいます。それでも打てないのは、並んだ石がすべて盤の端の行にあり、はさめる向きが残っていないからです。
「色が接していれば、どちらかは打てるはず」という思い込みは、この局面で崩れます。
問題4:実際の対局で連続パスを探す
ここまでの3局面は、判定の仕組みを確かめる人工的な盤面です。実際の対局でも連続パスが起こるかどうかを確かめる観察を、設計書として示します。結果はこの記事では書きません。
準備するもの
「潮目のオセロ」のひとり対局を使います。返る石のプレビューと一手戻す機能が使えるので、候補を比べながら試せます。この二つは、友達とのオンライン対局では使えません。
手順
- 相手の段階を一つ選び、対局を始めます。
- 毎手の後に、黒と白の石数を紙に書きます。
- 相手の石が少なくなったら、相手の石が自分の次の一手で全部返らないか、プレビューで確かめます。少ない目安は、盤の端や角に寄った数個程度です。
- 一手戻すで別の手を比べ、相手の石をさらに減らせる手があるか見ます。
- 終局したら、記録用紙に最終の石数、空きマスの数、画面に出た表示を書き残します。
- 相手の段階を変えて、同じことを3局以上繰り返します。
記録の取り方
1局ごとに、次の項目を書きます。
- 相手の段階
- 終局時の黒と白の石数
- 空きマスの数
- パスが起きた手番と、その直後の表示
- 一手戻すを使った回数
一手戻すを使った局と使っていない局は、別々に集計します。
結果の読み方
- 空きマスが残ったまま終わった局があれば、盤の満杯が終局の条件ではないことを、自分の対局で確認できたことになります。
- 全部の局で盤が埋まって終わった場合、3局の範囲では起きなかったというだけです。連続パスが起きないとは言えません。
- パスの表示や終局の知らせがどう出るかは、実際に作品を開いて確かめます。この記事では書きません。
起こりやすい誤り
- 相手の石を減らしすぎて、自分の打てる場所が先になくなることがあります。石が少ない側は選べる手も少なくなります。
- 一手戻すを使った局と使っていない局を混ぜて、記録を読んでしまうことがあります。
- 一部の石だけを見て、全部返るかどうかをプレビューで確かめずに打ってしまうことがあります。
オンライン対局では、置けない手番は自動パスになります。手番・合法手・勝敗はサーバーで確認されます。連続パスの場面で画面がどう表示されるかは、確認済みの案内にはないので、対局を開いて確かめてください。
次の行動
まず問題1の局面を、紙の方眼に書き出して、4組の差を自分で数えてみてください。次に、ひとり対局で相手の段階を変えて3局遊び、終局時の空きマスと表示を記録してください。パスが起きたら、同じ人が連続したのか、連続パスなのかを、手番の流れから見分けてみてください。


