読者の最速記録を、どう集めてどう確かめるか:小さな軌道の記録会の開き方
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「小さな軌道」で最速記録を出した人が、その数字を誰かに見せたくなる場面を考えてみます。ところが、この作品の最速記録はプレイ中だけの記録です。画面を閉じたり開き直したりすれば、その数字は残りません。アソバースにはゲーム内スコアの共通ランキングもなく、フレンドやチャットの機能もありません。記録を持ち寄って比べるには、遊ぶ人たちの側で集める仕組みを用意する必要があります。 この記事が確かめるのは、記録会を開くとき、記録をどう集めればよいか、そして集まった数字をどう信用できる形にするかです。必要なのは、ルールを紙一枚に書けるくらいに決めること、消える記録を即座に書き留める流れを作ること、確認を三段階に分けることの三つです。いずれも家族、教室、友人同士のどれでも使えます。結果はこの記事には載せません。実際に開いて、自分たちで答えを出す形で進めます。
この記事の目次
まず決めること:何を「最速」と呼ぶか
記録会の最初の作業は、「最速」の中身をそろえることです。作品には最速記録が用意されていますが、それが何を測った数字で、どんな単位や形式で表示されるかは、作品を開いて確かめる部分です。全員が同じ数字を見ているつもりでも、人によって読み方が違うと記録表が成り立ちません。
開催側が自分で一度遊び、次の点を紙に書き出してみてください。
- 最速記録は、画面のどこにどんな形で表示されますか。
- どの時点から数え始め、どの時点で止まりますか。
- 一時停止している間は、数え方に含まれますか。この作品は、一時停止から同じ位置で再開できます。
- 3つの星系で、記録は別々に表示されますか。
特に気をつけたいのは一時停止の扱いです。一時停止で考える時間を取れるなら、その使い方次第で結果が変わるおそれがあります。含まれるかどうかが分かったら、「一時停止は自由」か「一回の挑戦につき使わない」かを、ルールとして先に決めておきます。
部門分けも先に決めます。この作品は、軌道の全体を予測する点線を出したまま挑むことも、消して挑むこともできます。予測ありと予測なしでは難しさが違うため、同じ表に混ぜると比較の意味が薄れます。「予測あり部門」「予測なし部門」に分けて、参加者が自分の部門を宣言してから始めるのが無難です。前回の軌道が細い実線で残る点も同様です。前回の軌道を見ながら調整してよいのか、記録会ではどう扱うのかを一文で書いておきます。
記録が消える前提で、書き留める仕組みを作る
次に、記録をどう残すかです。画面を開いている間しか残らないので、書き留める作業を遊ぶ流れの中に組み込む必要があります。
たとえば、教室の昼休みに5人が集まって記録会を開く場面を仮定します。各自が自分の端末で遊びますが、誰かがうっかりタブを閉じれば、そこまでの最速記録は戻りません。そこで、次のような運用が考えられます。
- 開始前に、全員が同じ星系と部門を選び、記録用紙(紙でも共有の表でも構いません)を手元に置きます。
- 最速記録が更新されたら、その場で用紙に書きます。終わってからまとめて書くやり方は避けます。
- 制限時間を決めます。たとえば「15分間、画面は閉じない」のように区切り、終了の合図と同時に最終の数字を確定させます。
- 確定した数字は、画面を閉じる前に、確認の担当者が見て記入します。
この運用が実際に効くかどうかは、開催側が事前に確かめられます。記録を出したあとで画面を開き直して、最速記録がどうなるかを見てください。言語の切り替えやプレイ画面の拡大は進行を保つ設計になっていますが、記録まで同じように保たれるかは、作品を開いて確かめる部分です。その結果によって、「途中で言語を切り替えない」といった注意書きを加えるかどうかが決まります。
なお、アップロード作品の localStorage や sessionStorage は一時メモリーの互換処理として扱われます。そのため「画面を開いている間だけ」という前提で運用しておけば、取り違えが起きません。
記録表の設計:何を、どの単位で残すか
記録表は、列を増やしすぎないことが大切です。ただし、後から確認するために最低限必要な列があります。
- 呼び名、書く内容:本名ではなくニックネーム、理由:個人情報を避けるため
- 星系、書く内容:3つのうちどれか、理由:星系が違う記録は比べられません
- 部門、書く内容:予測あり/予測なし、理由:難しさが違います
- 最速記録、書く内容:画面の表示どおりに転記、理由:単位や桁を勝手に直さないためです
- 確認方法、書く内容:撮影/立会い/再現、理由:後述の三段構えのどれで確認したかを残します
- 記録した時刻、書く内容:何時何分か、理由:訂正や重複の確認に使います
- 備考、書く内容:一時停止の使用、前回軌道の利用など、理由:ルールの解釈の違いを拾います
「最速記録」の列は、画面の表示をそのまま写すのが原則です。秒に直す、小数を丸めるといった加工をすると、転記ミスの原因になります。単位が分かったら、表の見出しに一度だけ書いておけば足ります。
プレイ回数に関する注意もあります。アソバースのプレイ回数は作品の起動の実測回数で、同じ端末・同じ作品の30分以内の再起動は重複として除かれます。人数ではありません。そのため、記録会の参加者数や盛り上がりの指標にはなりません。参加者の数は、自分たちの記録表の行数で数えてください。
確認の三段構え:撮影、立会い、再現
記録は、書いただけでは確認になりません。確認方法を三つに分け、記録表に「どれで確認したか」を残すと、数字の重みが読み取れるようになります。
撮影による確認
最速記録が表示された画面を、スクリーンショットや写真で残す方法です。後から見返せるのが強みですが、画面の写し方次第で、星系や部門が分からなくなることがあります。撮るときは、記録の数字と、星系が分かる部分、予測の点線の有無が一緒に写るようにしてください。保護者や教室の運営者は、顔やメールアドレス、通知の内容が写り込まないことも確かめておきます。
立会いによる確認
同じ部屋、または画面共有を使って、誰かが更新の瞬間を見る方法です。撮影より手間はかかりますが、「一時停止を使ったか」「前回の軌道を見ながら調整したか」といった、画像に残りにくい点を確認できます。小規模な会では、全員が互いの立会人になれば足ります。
再現による確認
この作品は発射角度と初速を決めて軌道を作るので、同じ入力で同じ軌道になるなら、他の人が記録を再現できる可能性があります。ただし、角度や初速が数値として見えるのか、同じ入力で毎回同じ結果になるのかは、作品を開いて確かめる部分です。
開催側が事前に、次の手順で確認しておくとよいでしょう。
- 一度挑戦し、使った入力を書き留められるかを確かめます。
- 同じ入力でもう一度挑戦し、軌道と結果が同じになるかを見ます。
- 同じにならなければ、再現による確認は使わず、撮影と立会いを主にします。
- 同じになるなら、記録の上位だけでも「入力を申告し、別の人が再現する」確認を加えます。
再現できると、最も強い確認になります。自分の記録が他の人の画面でも成り立つからです。ただし、端末や画面サイズで入力のしかたが変わる可能性もあります。再現を試す人には、プレイ画面を拡大して遊ぶなど、操作環境が違う場合があると伝えておいてください。
起こりやすい誤りと、同点・訂正の扱い
記録会で実際に起こりそうな誤りは、数字そのものよりも、条件の取り違えです。
- 星系の取り違え。 別の星系の記録を同じ表に書いてしまうことです。表の列で防ぎます。
- 部門の混同。 予測の点線を消したと思っていたのに、実は出ていた、という場合です。撮影の際に点線の有無が写っていれば確認できます。
- 記録の消失。 画面を開き直して数字が消え、記憶で書き直すと誤りが入ります。消えたら「記録なし」として扱うと決めておけば、揉めません。
- 転記ミス。 桁や小数点の写し間違いです。撮影があれば照合できます。
- 端末の違いによる不公平感。 画面の大きさや操作方法の違いです。完全には消せないので、「同じ端末種別の部門を分ける」のか「気にしない」のかを、先に話し合っておきます。
同点の扱いも決めておくと安心です。「先に出した人を上位にする」「同順位として並べる」のどちらでも構いませんが、記録した時刻の列があれば前者が選べます。訂正は、開催日の翌日までなど期限を決め、修正前の数字も消さずに残します。誰が・いつ・何を直したかを備考に書けば、後で疑いが出たときに経緯をたどれます。
投稿作品のレビュー欄を記録の掲示板として使うのは、おすすめしません。レビューは1アカウント1作品1件で、1〜5点の評価と文章を書く場です。記録会の更新のたびに書き足す用途には向いていません。記録の共有には、自分たちで選んだ連絡手段と、共有の表を使うほうが整理しやすくなります。参加者のアバターやプロフィールをそのまま見せ合う場合も、公開プロフィールは本人が公開を選んだときだけ表示されるものです。公開していない人の情報を、他の人が勝手に載せないようにしてください。
次の行動
まず自分で「小さな軌道」を開き、最速記録の表示の形、一時停止の扱い、画面を開き直したときの記録の残り方、同じ入力で同じ結果になるかの四点を確かめてください。その結果を、星系と部門の決め方とあわせて、紙一枚のルールにします。次に、呼び名・星系・部門・最速記録・確認方法・時刻の列を持つ記録表を用意し、まず二人か三人の小さな会で試してください。うまく回るかどうかは、最初の一回で見えてきます。

