ナインメンズモリス:中世のボードゲームを遊ぶ
遊びを見つける執筆にClaudeを使用しています。

ナインメンズモリスは、チェスや将棋と同じくらい長い歴史を持つ二人用ボードゲームです。正方形の盤面に三重の枠が描かれ、プレイヤーは交互に石を置いて「ミル(3つ並び)」を作ることを目指します。ルールの説明を1分読めば大枠を理解でき、しかし対局を重ねるほどに読み合いの深さが顔を出す——そういう種類のゲームです。 「ナインメンズモリスとは何か」「どこで遊べるのか」「どう戦えばよいのか」。この記事ではその三つに順番に答えます。将棋やオセロとは異なる独特の構造が、このゲームの魅力と難しさの両方を生み出しているので、まずその骨格から確認していきましょう。
ゲームの基本構造:なぜ「三段階」に分かれるのか
ナインメンズモリスの一局は、配置・移動・終盤の三段階に自然に分かれます。この構造がほかのボードゲームとの最大の違いです。
配置フェーズでは、各プレイヤーが9個の石を手持ちから盤面に置いていきます。盤面は三重の正方形(外・中・内)とそれらをつなぐ線で構成された24のポイントで成り立ちます。石を置く順番は交互で、ここでの配置が中盤の形勢を大きく左右します。
3つの石が一直線に並ぶと「ミル」が完成し、相手の石を1個取り除く権利が得られます。ただし、相手がすでにミルを作っている石は原則として取れません(全石がミルの場合は例外)。この「取り除き」の権利こそがゲームの核心です。
移動フェーズは、全員が9個すべてを置き終えた後に始まります。各手番に石を隣接するポイントへ1マス動かすだけですが、ミルを崩して再び作り直すことでくり返し相手石を取れます。「ミルの開閉」と呼ばれるこの操作が、中盤戦の主要な戦術になります。
終盤(フライングフェーズ)は、一方の石が3個に減ったときに発動します。3個になったプレイヤーはどのポイントへでも飛べるようになり、一気に逆転が生まれやすくなります。相手の石を3個以下に削るか、相手が身動き取れなくなれば勝利です。
ブラウザで遊ぶときに確認すること
ナインメンズモリスはパブリックドメインのルールなので、ブラウザ実装が各所に存在します。遊ぶ前に以下の点を確認しておくと、ルールの食い違いで混乱せずに済みます。
- フライングフェーズの有無:実装によっては3個になっても飛べない設定のものがあります。標準ルールではフライングを認める版が多数派です。
- ダブルミルの扱い:1手でミルを2本同時に完成させた場合、取り除きが1個か2個かは実装により異なります。
- ミルの再利用:一度崩したミルを次の手番で再構成してもよいか、これも実装が分かれます。標準では再利用を認めます。
- AIの難易度:一人でも遊べるか、対人のみかを事前に確認しておくと用途に合った選択ができます。
アソバースにも有志が投稿したボードゲーム作品が並んでいます。投稿作品のゲーム説明欄にルールの仕様が書かれているものを選ぶと、はじめての対局で余計な混乱を避けられます。
序盤の考え方:配置フェーズで差がつく理由
ナインメンズモリスの初心者がまず戸惑うのは、「何を目標に石を置けばよいかわからない」という感覚です。将棋や囲碁では盤面に既存の地形がないため、経験がないと序盤の方針を立てにくいのです。
配置フェーズで意識したいポイントは二つです。
交差点を優先する:盤面には、複数の直線が交わる「交差点」が複数あります。こうしたポイントに石を置くと、縦方向と横方向の両方でミルを狙える状態になります。相手はその石を気にしながら自分の手を進めなければならず、配置の自由度が下がります。
ミルを作り急がない:配置フェーズ中にミルを作ると相手石を取れますが、取り除かれた相手は次の配置に9個全部使えるままです。むしろ「もう1石置けばミルになる」という形を複数作り、相手が全部を防ぎきれない状態に持ち込むほうが長期的に有利になりやすいです。
中盤の戦術:ミルの開閉と石の効率
移動フェーズに入ると、盤面の石は固定されているため取れる選択肢が限られてきます。ここで核となる技術が「ミルの開閉」です。
ミルを構成している石の一つを隣の空きポイントへ動かすとミルが崩れますが、次の手番で元のポイントに戻すとまたミルが完成し、再び相手石を取れます。これを毎手番くり返すと、相手は石を取られ続け、じわじわと数を減らしていきます。
この戦術への対応は「ミルの経路を塞ぐ」ことです。開閉に使われている空きポイントに先に石を差し込めば、一時的に開閉を止められます。ただしその石を動かすと今度は自分の他の形が崩れるという形になれば、ジレンマが生まれて優位に立てます。
もう一つ有効なのは「二面ミル(ダブルミル準備)」です。2本のミルが1個の石を共有する形を作ると、その石を動かすだけで片方のミルが常に閉じている状態を維持できます。この形に持ち込めると、相手は毎手番1個ずつ石を取られる「ジャブ」を浴び続けます。
終盤の逆転と詰め筋
残り3個のフライングフェーズは、劣勢だったプレイヤーにとっての最後の反撃機会です。どこへでも飛べるため、盤面の制圧という概念がいったん消え、純粋に「ミルを作れる位置を素早く探す」ゲームに変わります。
優勢側は「相手が次の手でミルを作れるポイントをすべて塞ぐ」ことを目指します。石が多い分だけ広範囲をカバーできますが、動かせる石が多いということは注意を向けなければならない箇所も多いということです。逆転が起きるとすれば、優勢側が不要な石の動きで重要なポイントを空けてしまったときです。
劣勢側が狙うのは、相手の石4個が一つのポイントを守るために固まってしまう形です。4個が密集すると、他の部分が手薄になり、3個でも十分なミルを作れる空間が生まれます。終盤まで粘り続ける価値は、この逆転の可能性にあります。
次の行動
ナインメンズモリスのルールを確認したら、まず1局だけAI相手に遊んでみるのが最短の習得方法です。配置フェーズを意識しながら「交差点への優先配置」を試し、そのまま中盤のミル開閉の感触をつかんでください。アソバースで公開されているボードゲーム作品の中にルール説明付きのものがあれば、対局前に仕様を確認しておくと最初の混乱を避けられます。
参考資料
- World Nine Men's Morris ルールドキュメント(BoardGameGeek 公式ルール掲載ページ)
- Encyclopaedia of Chess Variants(Pritchard 著、掲載項目:Morris games)


