英語のゲーム用語で日本語と意味がずれるもの
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「レベル3」と書かれたゲームがあったとき、それは「3番目の面」でしょうか、「難しさが3段階目」でしょうか、「キャラクターの強さが3」でしょうか。日本語ではどれも「レベル」で通じてしまいます。英語の level、stage、round は、この3つの意味を別々の語で受け持つことが多く、ずれはここで生まれます。 この記事は、3語の使い分けを「何が変わるのか」という一点で判定できるようにする手順書です。遊ぶ人は海外のゲームの表記を読み解くため、作る人は自作ゲームの英語表示を決めるために使えます。公式作品の日本語の単位を材料にして、手を動かしながら確かめていきます。 使い分けにはゲームごとの揺れがあり、唯一の正解はありません。ここで示すのは辞書の訳語ではなく、迷ったときに自分で決めるための判断基準です。
3語はそれぞれ何を指しているのか
まず、一般的に使われやすい意味を整理します。以下はあくまで傾向で、作品によって違います。
- level、日本語で混ざりやすい意味:難しさ、強さ、面、英語で中心になりやすい意味:面(マップ)や、キャラクターの成長段階
- stage、日本語で混ざりやすい意味:面、舞台、英語で中心になりやすい意味:進行上の区切り。章や段階に近い
- round、日本語で混ざりやすい意味:面、回戦、英語で中心になりやすい意味:同じ手順を繰り返すときの1回分。勝敗や採点で区切られる
日本語の「レベル」には「難しさ」の意味が強く入り込んでいます。英語で難しさを指すなら difficulty が基本で、easy・normal・hard のような選択肢は difficulty の値です。「レベル」を丸ごと level と訳すと、読み手には「面」や「キャラクターの成長」の意味に見えてしまうことがあります。
round は対戦や採点と相性のよい語です。ボクシングや格闘ゲームのように、同じ形式を繰り返して勝敗を積み上げる場面で使われます。一方 stage は、舞台という原義から、進行の区切りとして広く使われます。
判定の3つの質問
次の手順で、手元のゲームの単位を振り分けます。ゲームのどの数字や区切りを見ても、同じ質問を使えます。
- 紙かメモアプリを開き、調べたい「区切り」を1つ書きます。たとえば「3番目の面」「2回目の挑戦」などです。
- 質問A:中身が入れ替わりますか。 地形、課題、敵、レシピなど遊ぶ内容が変わるなら、level か stage の候補です。同じ課題が繰り返されるなら round の候補です。
- 質問B:区切りごとに結果が出ますか。 得点、勝敗、評価などが区切りごとに確定するなら round の可能性が高まります。
- 質問C:数字が大きいほど難しいのか、順番が進んだだけなのか。 難しさを表す数字なら difficulty の領域です。順番が進んだだけなら stage か level、同じ形式の繰り返しなら round です。
- 3つの答えを並べ、どの語が最も自然かを仮決めします。迷う場合は、そのゲームの世界観に合う語を優先します。
質問Aで「中身が入れ替わる」場合、level と stage のどちらにするかは好みの範囲です。決めたら、そのゲーム内で統一します。
公式作品で練習する
アソバースの公式作品には、区切りの呼び方が作品ごとに違うものがそろっています。確認済みの範囲で並べます。
- こだまの森、日本語の単位:ラウンド、確認できていること:6・8・10ラウンドの3コース
- プリズムの道、日本語の単位:ステージ、確認できていること:8ステージ
- 月夜の配達、日本語の単位:夜、確認できていること:3つの夜
- 小さな軌道、日本語の単位:星系、確認できていること:3つの星系
- 時計じかけの台所、日本語の単位:レシピ、確認できていること:6つのレシピ。見習いと本番
- 紙ひこうき郵便、日本語の単位:ルート、確認できていること:海辺・丘・山の3ルート
- かたちのあいだ、日本語の単位:入門・段階、確認できていること:3×3の入門と、4×4の2段階
この表の各行に、先ほどの3つの質問を当てはめてみます。たとえばプリズムの道なら、ステージごとに配置される鏡や色ガラスが変わるはずなので、質問Aは「入れ替わる」になります。月夜の配達の「夜」は、経路パズルの1問を物語の言葉で呼んだものです。英語にするなら、night をそのまま使うか、stage や level に寄せるかを自分で選ぶことになります。
こだまの森の「ラウンド」は、質問Aと質問Bの確かめどころです。ラウンドごとに内容が入れ替わるのか、同じ手順の繰り返しなのか、点数がラウンドごとに確定するのかは、確認済みの情報にはありません。この部分は作品を開いて確かめてください。確認できたら、この作品の区切りは round で自然かを自分で判断します。
英語表示に切り替えて語を確かめる
アソバースは日本語と英語の表示切り替えに対応しています。同じ作品を両方の言語で開いて、単位の語がどう対応しているかを見比べます。
- ログインは不要です。プレイしたい作品を日本語表示で開き、区切りが出てくる画面まで進めて、画面に出ている語をメモします。
- サイトの表示言語を英語に切り替え、同じ作品を開きます。同じ画面で、対応する語をメモします。
- 前の表の7作品のうち、気になる2〜3作品で同じ確認を繰り返します。
- メモが集まったら、日本語1語に対して英語が1語で対応しているか、同じ日本語に複数の英語が当たっていないかを見ます。
- 3つの質問で自分が仮決めした語と、画面に出ている語を比べます。一致しなければ、ゲームの内容に合わせて、どちらの語が読み手に伝わりやすいかを考えます。
英語表示でどの語が使われているかは、ここでは書きません。作品を開いて確かめる部分です。なお、作者が入力した作品名や紹介文は表示言語を切り替えても書き換わらない仕様です。ゲーム内の表示が切り替わるかどうかは、作品ごとに確認してください。
記録の取り方は、1作品につき「日本語の語」「英語の語」「画面の場所」の3項目を1行にまとめます。最低でも3作品分あれば、傾向が見えやすくなります。
自作ゲームのラベルを一か所にまとめる
自分でゲームを作る人は、画面に出る単位の語を1つの表にまとめておくと、あとで英語対応をするときに楽になります。次は、stage の中に round が入る構造を例にした最小のコードです。HTMLファイルとして保存し、ブラウザで開くと動きます。
<!doctype html>
<meta charset="utf-8">
<p id="out"></p>
<button id="btnNext">次へ</button>
<button id="btnLang">EN / JA</button>
<script>
const WORDS = {
ja: { stage: "ステージ", round: "ラウンド", difficulty: "むずかしさ" },
en: { stage: "Stage", round: "Round", difficulty: "Difficulty" }
};
const ROUNDS_PER_STAGE = 3;
let lang = "ja", stage = 1, round = 1;
function draw() {
const w = WORDS[lang];
out.textContent =
`${w.stage} ${stage} - ${w.round} ${round}/${ROUNDS_PER_STAGE}`;
}
btnNext.onclick = () => {
round++;
if (round > ROUNDS_PER_STAGE) { round = 1; stage++; }
draw();
};
btnLang.onclick = () => {
lang = lang === "ja" ? "en" : "ja";
draw();
};
draw();
</script>ポイントは3つあります。
- 画面に出す語を WORDS に集めているので、あとで「stage を level に変えたい」となっても、直す場所は1か所です。
- 難しさを表す difficulty を、stage や round とは別のキーにしています。「レベル」を難しさと面の両方に使い回さないための工夫です。
- 数字の増え方で構造を示しています。round が一巡したら stage が進むので、質問Aの「同じ手順の繰り返し」と「中身の入れ替わり」を、コードの上でも分けられます。
コードの語を直したら、WORDS の stage を level に置き換えて表示を確かめてみてください。その語で質問A〜Cに答えられるかも、あわせて見直します。
次の行動
まず、遊んだことのあるゲームから区切りを1つ選び、3つの質問に答えて level・stage・round のどれが自然かを書き出してください。そのあと、公式作品を日本語表示と英語表示の両方で開き、画面の語と自分の判定を見比べます。自作ゲームがある場合は、画面に出る単位の語を1か所の表にまとめるところから始めると、英語対応が進めやすくなります。

