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英語の不具合報告を書く:再現手順の英語

遊びを見つける

執筆にClaudeを使用しています。

活版のような抽象的な字形とローラーを並べ、太さや間隔を検討する写真風イメージ。
記事のテーマをもとに制作したAI生成イラスト。

ブラウザゲームを遊んでいて、ボタンを押しても何も起きない場面を考えてみます。作者の紹介文は英語で、問い合わせ先も英語のページだけです。そこで「The game doesn't work.(ゲームが動きません)」と送ると、作者に伝わるのは「何かが壊れている」ことだけです。どの画面で、何をして、何が起きたのかが分からないので、作者は同じ現象を自分の環境で起こせません。 不具合報告で大切なのは、英語の巧さより「相手が同じ現象を再現できるか」です。再現手順には、実は英語の型があります。命令形で一動作ずつ書き、「期待した結果」と「実際の結果」を分けます。この型を覚えれば、短くて平易な英語でも、作者に十分伝わる報告になります。 この記事では、報告に必要な情報の集め方、再現手順の書き方、避けたい表現、送る前の確認を順に扱います。例に出すゲームと不具合はすべて架空です。

この記事の目次
  1. 書き始める前に手元に揃える情報
  2. 再現手順を英語で書く型
  3. 避ける表現と言い換え
  4. 完成例と送る前の確認
  5. 次の行動

書き始める前に手元に揃える情報

英語を考える前に、日本語のメモで次の項目を埋めます。ここが埋まっていれば、英語は後から機械的に組み立てられます。

  1. ゲーム名を、画面表示のとおりに写します。作者が入力した作品名は、サイトの日本語/英語の表示切り替えでは書き換わりません。見えている文字をそのまま使います。
  2. 環境を控えます。端末の種類(パソコン、スマートフォン、タブレット)、OS、ブラウザ名、分かればバージョンも書きます。ログインしていたかどうかも書きます。ログイン不要で遊べますが、保存の扱いが変わる場合があるためです。
  3. 操作を一動作ずつ書き出します。「設定を変えて遊んだ」ではなく、「設定を開く」「音量を下げる」「閉じる」「スタートを押す」のように分けます。
  4. 期待した結果を一文にします。「スタートを押すと、ゲームが始まるはずでした」のような形です。
  5. 実際の結果を一文にします。「画面が止まり、ボタンが反応しませんでした」のように、見えたことだけを書きます。
  6. 頻度を数えます。同じ手順で同じことが起きるかを、自分で何回か試して記録します。「5回中何回起きたか」を書く欄を作り、回数は試した事実のとおりに埋めます。

画面表示の文言は、翻訳せず引用符で囲んで書きます。たとえば "Start" と書いてあれば、そのまま "Start" と書きます。作者が検索や確認をするとき、画面上の文字列と一致していることが一番の手がかりになります。

再現手順を英語で書く型

再現手順は「Steps to reproduce」という見出しの下に、番号付きで書きます。文は命令形(動詞の原形から始める形)にします。主語は要りません。

動詞の型

  • ページを開く、使う動詞:Open、例:Open the game page.
  • ボタンを押す(マウス)、使う動詞:Click、例:Click "Start".
  • 画面に触れる、使う動詞:Tap、例:Tap the left arrow button.
  • キーを押す、使う動詞:Press、例:Press the Enter key.
  • 項目を選ぶ、使う動詞:Select、例:Select "Hard" in the menu.
  • 文字を入れる、使う動詞:Enter / Type、例:Type "test" in the name field.
  • 待つ、使う動詞:Wait、例:Wait for 10 seconds.
  • 再読み込みする、使う動詞:Reload、例:Reload the page.

書き方の決まり

  • 1行に動作を一つだけ入れます。「Click Start and then press Enter」は二つの動作なので、2行に分けます。
  • 数値は具体的に書きます。「for a while」ではなく「for 10 seconds」と書きます。
  • 画面の場所は、見える名前で示します。「the top right corner」「the pause menu」のようにします。
  • 最後の行を、不具合が起きる直前の動作にします。結果は手順に混ぜず、別の見出しに書きます。

結果は二つの見出しに分けます。

  • Expected result:本来こうなるはずだと考えた動作です。
  • Actual result:実際に見えたことです。

この二つを分ける理由は、期待が作者の仕様と食い違っている場合があるからです。たとえば「戻す操作で手数が減るはず」と期待しても、作品によっては減らない仕様かもしれません。分けて書いておけば、作者は「不具合」と「仕様の行き違い」を切り分けられます。

避ける表現と言い換え

曖昧な言葉は、作者が追加で質問しなければならない原因になります。次の言い換えを使います。

  • It doesn't work.、問題:何が起きないのか不明です。、言い換え:Nothing happens when I click "Start".
  • It's broken.、問題:状態が分かりません。、言い換え:The screen freezes after the countdown.
  • Sometimes it crashes.、問題:条件が分かりません。、言い換え:It froze in 2 out of 5 attempts.(回数は自分で試した数に置き換えます)
  • Fix this bug!、問題:命令的で、要望も不明です。、言い換え:Could you take a look at this issue?
  • Your game is bad.、問題:不具合報告ではなく感想です。、言い換え:The timer keeps running when the game is paused.
  • Obviously a bug.、問題:決めつけです。、言い換え:I expected the timer to stop, but it didn't.

ポイントは三つあります。

  • 感情語を減らします。 「terrible」「useless」のような語は情報になりません。見えた事実だけを書きます。
  • 原因を断定しません。 「The save function is broken」と書くより、「My progress was gone after I reloaded」と症状を書きます。原因を調べるのは作者の役割です。
  • 依頼は丁寧にします。 「Could you...?」「Would it be possible to...?」を使えば、短くても失礼になりません。

完成例と送る前の確認

架空のゲーム「Sample Maze」で、報告の全体像を示します。このゲームも不具合も実在しません。

text
Title: Timer keeps running while paused (Sample Maze)

Environment:
- Device: Laptop, Windows
- Browser: Chrome
- Logged in: No

Steps to reproduce:
1. Open the game page.
2. Click "Start".
3. Wait for 5 seconds.
4. Click the pause button.
5. Wait for 10 seconds.

Expected result:
The timer stops while the game is paused.

Actual result:
The timer keeps counting during the pause.

Frequency:
[number] out of [number] attempts (fill in your own count)

Additional notes:
Thank you for the game. I can send a screenshot if it helps.

[number] は、自分で試した回数に置き換えるための空欄です。数字を埋めるのは、実際に試した後にしてください。

送る前の確認

  • 自分の手順を別の日に、上から順に実行します。同じ現象が起きなければ、手順が足りないか、条件が隠れています。
  • 画面表示の文言が、引用符つきで写されているか確かめます。
  • ログイン用のメールアドレスやパスワードなど、個人情報が文面やスクリーンショットに入っていないか確かめます。
  • 機械翻訳で下書きを作った場合は、動詞が命令形になっているか、Expected と Actual が混ざっていないか読み直します。長い文は短く切ると誤訳が減ります。
  • 送り先を確認します。作者が公開プロフィールで問い合わせページを公開していれば、そこに送れます。公開は作者が選んだ場合だけです。不具合報告の専用窓口があるかどうかは、現在の案内で確認してください。

レビュー欄は1〜2,000文字の評価の場です。不具合の詳細な手順を書くより、作者の問い合わせ先がある場合はそちらに送る方が、手順を伝えやすくなります。

次の行動

次に不具合に出会ったら、まず日本語で「手順・期待・実際」を3行ずつメモしてください。そのうえで、この記事の動詞表を見ながら、命令形の英語に置き換えます。書き終えたら、自分でその手順をもう一度なぞり、同じ現象が起きるか確かめてから送ってください。