昔のゲームの容量はどれくらい?今の画像1枚との比較
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スマートフォンで撮った写真1枚のファイルサイズは、機種にもよりますが数MBから十数MBになることが珍しくありません。一方、1980年代に発売されたファミリーコンピュータ(以下、ファミコン)のカセットに入っていたゲームは、多くが数十KB(キロバイト)から数百KBの範囲に収まっていました。つまり、今あなたのスマホの写真フォルダに入っている1枚の画像が、あの時代のゲーム1本を丸ごと上回る容量を持っている場合がほとんどです。 この事実は単なる「昔は少なかった」という話ではありません。容量の制約が、ゲームのグラフィック・音楽・ゲームデザインそのものをどう形作ったかを知ると、今のゲーム開発を見る目も変わってきます。ここでは時代ごとの代表的な容量の目安を整理し、現代のデータサイズとどう比べられるかを具体的に説明します。
時代別・ゲームの容量の目安
デジタルデータの単位を簡単に整理しておきます。1KB(キロバイト)は約1,000バイト、1MB(メガバイト)は約1,000KB、1GB(ギガバイト)は約1,000MBです。
ファミコン(1983年〜)ファミコンのROMカートリッジは、初期タイトルで8KB〜32KBという非常に小さな容量でした。後期には特殊なチップを使って容量を増やす工夫がなされ、数百KBに達するタイトルも登場しましたが、それでも今日の感覚では信じられないほど小さい数字です。
スーパーファミコン(1990年〜)スーパーファミコン時代になると、512KBから数MBのカートリッジが主流になりました。容量が増えた分、BGMに音色の多いサウンドチップを使ったり、グラフィックを精細にしたりする余裕が生まれました。それでも、現在のスマホの写真1枚(4〜8MB程度)と同等か、それ以下の容量で1本のゲームが成り立っていました。
プレイステーション(1994年〜)光ディスク(CD-ROM)を採用したことで、容量は一気に最大約650MBへと拡大しました。音楽をCDの音源そのままで収録できるようになり、ムービーシーンやボイスを入れられるようになったのもこの世代からです。ただし当時のゲームは650MBを全部使い切るケースばかりではなく、数十〜数百MBのタイトルも多く存在しました。
プレイステーション2〜現代DVD・Blu-rayへの移行とともに、ゲーム1本あたりの容量は数GB〜数十GBへと伸びていきます。現在のコンソールゲームやPCゲームでは、100GBを超えるタイトルも珍しくありません。
今の「画像1枚」と並べてみると
比較の基準として、現代のよくあるデジタル画像のサイズを押さえておきます。
- スマートフォンの写真(JPEG):撮影設定によって異なりますが、おおむね3MB〜15MBが一般的です。
- デジタル一眼カメラのRAWデータ:1枚で20MB〜50MB程度になることがあります。
- 高解像度の壁紙素材(PNG):内容によっては5MB〜20MB程度です。
これをファミコン時代のゲームと重ねると、スマホで何気なく撮った食事の写真1枚(仮に5MBとする)は、ファミコンの初期タイトル(仮に32KB)の約160本分に相当します。ゲーム1本より写真1枚のほうがはるかに大きい、という逆転現象が日常的に起きているわけです。
スーパーファミコン時代の代表的な容量(1MB前後)と比べても、スマホの写真数枚でゲーム1本分を超えます。プレイステーション初期まで含めると差は縮まりますが、それでも現代のRAW画像1枚がプレイステーション初期の小さめのタイトルと同等かそれ以上、というケースは十分にあります。
なぜ少ない容量であれだけの体験を作れたのか
容量が極端に少ない中でゲームを成立させるには、エンジニアとデザイナーが徹底したデータ圧縮と再利用の工夫を重ねていました。
タイルとパターンの使い回しファミコンのグラフィックは「タイル」と呼ばれる小さなパターン(8×8ピクセルのブロック)を組み合わせて画面を作っていました。同じタイルを何度も並べることで、実際に保存するデータは少なくて済みます。草原の地面、石畳の床、空の背景——どれも数十種類のタイルを並び替えているだけです。この仕組みはメモリ効率のために生まれたものですが、結果としてレトロゲーム独特の「繰り返しパターンの美しさ」という様式美にもなりました。
限られた色数の活用ファミコンが同時に画面に表示できる色数には厳しい制限がありました。そのためキャラクターのデザインは、少ない色でシルエットと個性を伝える工夫を迫られました。今日のピクセルアートが高い評価を受けているのは、こうした制約の中で洗練されたデザイン言語が育ったからとも言えます。
音楽のデータ構造ファミコンのBGMは、現代のようにオーディオファイルを再生しているわけではありませんでした。「どの音程を、どの長さで、どの順番で鳴らすか」という楽譜に近い命令データを、ゲーム機内蔵の音源チップが演奏していました。これにより音楽データは数KBという驚くべき小ささに収まります。容量を使わず豊かな音楽を届けるための知恵でした。
容量の増加がゲーム体験をどう変えたか
容量が増えるたびに「できること」の種類が変わりました。単純に画面がきれいになっただけではありません。
容量が数十KB〜数百KBの時代は、テキスト量も限られるためストーリーは短く断片的になりがちでした。数MBの時代になるとテキスト量が増え、長編RPGのシナリオを収録できるようになりました。数百MBのCD-ROM時代にはフルボイスやオープニングムービーが加わり、ゲームが映画的な体験に近づきました。数GBになるとオープンワールドが現実的になり、広大な地形データをあらかじめ収録できるようになっています。
容量はただの「ファイルの大きさ」ではなく、そのゲームにどんな体験が詰め込めるかを規定する器でした。制約の厳しい時代は、少ないデータで深い体験を生むための発想力が試されていた、とも言い換えられます。
容量制約の知識がゲーム制作に役立つ場面
現代のブラウザゲームやインディーゲームを自分で作るときも、容量の感覚は意外と重要です。
Webブラウザでゲームを動かす場合、ファイルサイズが大きいほど読み込みに時間がかかります。スマートフォンの通信環境では、数十MBのゲームでも読み込みが重いと感じてもらえないことがあります。ファミコン時代のエンジニアが使った「タイルの再利用」「効率的なデータ構造」という発想は、今のブラウザゲームでアセット(画像・音声などの素材)を軽量化するときに通じる考え方です。
画像をPNG・JPEG・WebPのどの形式で書き出すか、音楽をどのビットレートで圧縮するか——こうした選択のたびに、昔のゲーム開発者が容量と向き合っていたのと本質的に同じ問いが現れます。制約を敵ではなくデザインの出発点として扱う姿勢は、時代を問わず有効です。
次の行動
手元のスマートフォンで写真を1枚撮り、そのファイルサイズをファイル情報から確認してみてください。その数字をKBに換算すると、ファミコン時代のゲーム何本分に相当するかが実感できます。ゲームを自分で作ってみたいと思ったら、アソバース(https://aso-verse.com)でHTMLファイルやZIPファイルを投稿・公開できますので、容量を意識した軽量なブラウザゲーム作りの場として活用してみてください。



