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作者の一言で終わる作品:最後の画面の言葉

遊びを見つける

執筆にClaudeを使用しています。

折りたたみ紙が広がる枠で、言語による文字量に対応する画面設計を表したイラスト。
記事のテーマをもとに制作したAI生成イラスト。

ゲームを終えると、点数の下に短い一文が出る場面を考えてみます。「また明日」のような一言かもしれませんし、「ミスが3回に達しました」という状況の説明かもしれません。その一文を消しても、作品は遊べます。それでも多くの作品が結果画面に言葉を置くのは、そこに点数や進行表示では運べない役割があるからだと考えられます。 この記事で確かめる問いは「結果画面の短い文は、何のために置かれているのか」です。答えは作品によって違うはずなので、特定の作品の文面を引いて断定することはしません。代わりに、読者が自分で作品を遊び、終わり方ごとに最後の言葉を記録し、役割別に数えるための分析手順を示します。数値の結果はこの記事には書きません。数えた結果が出るのは、読者の手元の記録表です。

この記事の目次
  1. 分析の単位を決める:1行は「1つの終わり方」
  2. 記録する項目と、先に固定する定義
  3. 2つのテストで「作者の一言」かどうかを見分ける
  4. 作品を選び、集計して読む
  5. 起こりやすい誤り
  6. 次の行動

分析の単位を決める:1行は「1つの終わり方」

最初に決めるのは、記録表の1行が何を表すかです。作品1本を1行にすると、同じ作品の中でクリアと失敗で文が違う場合に潰れてしまいます。おすすめは「1作品の1つの終わり方」を1行にすることです。

終わり方は、次の4種類で整理できます。

  • 到達:目標を達成して終わる(全ラウンドの完走、最後まで配達する、など)
  • 失敗:ミスの上限や時間切れで終わる
  • 中断:自分でやめる、一時停止から戻らない
  • 終わりなし:結果画面そのものがない、または時間制限なしで続けられる

アソバースの公式作品には、この分類で複数の行を作れる作品があります。たとえば「こだまの森」は、6・8・10ラウンドのコースを最後まで進める終わり方と、間違いが3回に達して終わる終わり方があります。「紙ひこうき郵便」は、制限時間の中で手紙を集めて郵便受けへ向かう終わり方と、風船にぶつかって紙が3回傷んで終わる終わり方があります。「時計じかけの台所」は、料理ごとに100点評価が付く作品で、本番にはミス3回までという上限があります。

一方、「余白の庭」は時間制限なしで庭を作り続ける作品です。「終わりなし」の行の例として、対照に使えます。結果画面があるのか、あるなら何が表示されるのかは、作品を開いて確かめてください。

ここでの重要な約束は、「文が出なかった」場合も1行として記録することです。文がない終わり方は、文がある終わり方と比べるための基準になります。

記録する項目と、先に固定する定義

1行に記録する項目は、次の6つで足ります。

  1. 作品名と、表示言語(日本語か英語か)
  2. 終わり方(到達・失敗・中断・終わりなし)
  3. 最後の画面の文の全文(なければ「なし」)
  4. 文字数(記号と空白を除く。数え方は最初に決めて変えない)
  5. 主語(誰の声に読めるか)
  6. 機能(その文が何をしているか)

主語は3つに固定します。作者が直接語りかけているように読めるものを「作者」、ゲームの世界の中の出来事として語られるものを「世界」、プレイヤーの行動や結果を述べるものを「プレイヤー」とします。

機能は4つに固定します。

  • 評価:出来や点数の良し悪しを述べる
  • 説明:何が起きて終わったかを述べる(上限に達した、時間が尽きた、など)
  • 余韻:結果と直接関係せず、気分や情景を残す
  • 誘導:次に何をするかを示す(もう一度、別のコースへ、など)

1つの文が複数の機能を兼ねる場合は、いちばん強いものを1つだけ選び、迷った行には印を付けます。印の付いた行の割合そのものが、分類の難しさを示す手がかりになります。

表示言語は固定してください。アソバースの公式作品は、サイトの日本語・英語の設定に合わせて表示が切り替わります。言語が変わると文の長さも言い回しも変わるため、記録中に設定を変えると同じ作品の比較ができなくなります。作者が入力した作品名や紹介文は表示言語を切り替えても書き換わらない点も、覚えておくと混乱しません。

2つのテストで「作者の一言」かどうかを見分ける

主語と機能の分類は、読み手の印象に左右されます。そこで、判断を安定させる2つのテストを使います。

差し替えテスト

その文を、まったく別の作品の結果画面に置いてみます。違和感なく通じるなら「汎用の文」です。通じないなら「その作品固有の文」です。固有の文は、その作品の素材(葉、紙ひこうき、潮、鍋の火加減など)や、その作品で起きた出来事に触れている場合が多いと考えられます。

消去テスト

その文を消して、点数や表示だけが残った画面を想像します。何かが失われるでしょうか。失われるのが「状況の理解」なら説明の機能、失われるのが「気分」なら余韻の機能です。何も失われないと感じたなら、その文は点数の言い換えになっている可能性があります。

2つのテストの組み合わせで、文は次のように整理できます。

  • 作品固有、消すと情報が減る:固有の説明、消すと気分が減る:固有の余韻、何も減らない:固有だが装飾
  • 汎用、消すと情報が減る:汎用の説明、消すと気分が減る:汎用の余韻、何も減らない:定型句

「作者の一言」と呼べるのは、主に「作品固有」の行です。固有の文は、その作品の世界を終わりの瞬間まで持ち込む働きをしていると読めます。ただし、これは分類の結果から立てる仮説であり、作者の意図を直接示すものではありません。意図を知りたい場合は、作者が公開している説明を確認してください。

作品を選び、集計して読む

対象は10〜15本程度が扱いやすい数です。選び方は2通りあります。

  • 公式作品から選ぶ:13本はすべて独立したHTMLで動き、終わり方の違う作品が揃っています。ただし、結果画面の文面は作品を開いて確かめる必要があります。
  • 投稿作品から選ぶ:ランキングを「プレイ回数」「いいね数」「レビュー平均」で切り替え、ジャンルで絞って候補を出せます。評価順にはレビュー3件以上という条件があります。

投稿作品を選ぶとき、プレイ回数は作品の起動の実測回数であり、人数ではありません。上位に偏ると、似た作りの作品ばかりを集める恐れがあります。ジャンルを分けて同数ずつ選ぶと偏りを抑えられます。

各作品につき、終わり方ごとに最低2回ずつ遊んで文が変わるかを記録します。文が毎回同じなら固定文、回ごとに変わるなら条件で分岐している文かもしれません。分岐の条件までは、見えた範囲で書き留めるだけで十分です。ゲストのまま遊ぶ場合、履歴や進行は端末内にしか残らないので、記録は必ず自分のシートに書いてください。

記録が貯まったら、次の短いスクリプトで集計できます。ブラウザの開発者ツールのコンソールに貼って使います。下のrowsの中身は書式を示すためのダミーであり、実在の作品の結果ではありません。

javascript
// [作品, 終わり方, 文字数, 主語, 機能]  ※ダミーデータ
const rows = [
  ["作品A", "到達", 18, "世界", "余韻"],
  ["作品A", "失敗", 12, "プレイヤー", "説明"],
  ["作品B", "到達", 9, "作者", "評価"],
  ["作品B", "失敗", 0, "なし", "なし"],
];

const group = (keyIdx) =>
  rows.reduce((m, r) => {
    (m[r[keyIdx]] ||= []).push(r);
    return m;
  }, {});

const report = (title, keyIdx) => {
  console.log("■ " + title);
  for (const [k, list] of Object.entries(group(keyIdx))) {
    const withText = list.filter((r) => r[2] > 0);
    const avg = withText.length
      ? (withText.reduce((s, r) => s + r[2], 0) / withText.length).toFixed(1)
      : "-";
    console.log(`${k}: ${list.length}行 / 文あり${withText.length}行 / 平均${avg}字`);
  }
};

report("機能別", 4);
report("終わり方別", 1);
report("主語別", 3);

出力から読み取る際の判断基準は、次のとおりです。

  • 「終わり方別」で失敗の行だけ文なしが多いなら、失敗時の画面は数字や表示だけで伝える設計が多いと読めます。
  • 「機能別」で評価が大半を占めるなら、点数との重複を疑い、消去テストの結果と照らします。
  • 「主語別」で世界の割合が高い作品群では、文が作品の世界観を保つ役割を担っていると考えられます。
  • 平均文字数が機能ごとに大きく違うなら、余韻は短く、説明は長くなりやすいといった傾向を、自分のデータの範囲だけで述べられます。

行数が少ない段階では、割合の差が偶然の範囲かもしれません。差を見つけたら「この記録の範囲では」と限定して書き、一般論にしないようにします。

起こりやすい誤り

分類の途中でぶれる原因は、ほぼ次の4つに絞られます。

  • 定義を途中で変える:機能の4分類は最初に固定し、迷った行は印を付けて残します。後から定義を足すなら、全行を見直します。
  • 1回しか遊ばない:同じ終わり方でも、文が変わる作品があります。最低2回は同じ条件で終えてください。
  • 言語設定を混ぜる:日本語と英語の行を同じ集計に入れると、文字数の比較が成り立ちません。
  • 作者の意図を断定する:分類できるのは文の働きまでです。「こういう意図で置かれた」は、作者が説明していない限り仮説にとどまります。

可能なら、2人が別々に同じ行を分類し、一致した割合も記録します。一致が低い機能の定義は曖昧なので、言葉を直してもう一度分類します。

次の行動

まず、公式作品の中から終わり方が複数ある作品を2〜3本選び、到達と失敗の画面を1回ずつ記録してみてください。そのとき、文の全文と「消去テスト」の答えを1行ずつ書き留めます。そこから対象を10本程度まで広げ、上のスクリプトで集計すれば、最後の画面の言葉の役割が自分のデータで見えてきます。自作の作品がある場合は、結果画面の文を自分で分類し直すと、点数の言い換えになっていないかを点検できます。