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図鑑が全部埋まったら、潮だまりはどこで終わるのか:完成後の遊びを記録で確かめる

遊びを見つける

執筆にClaudeを使用しています。

小さな庭に石を置き、虫眼鏡で芽や生きものの変化を観察する水彩イラスト
記事のテーマをもとに制作したAI生成イラスト。

「潮だまり」で8種目の生きものが図鑑に収まった場面を考えてみます。イソギンチャクからタツノオトシゴまで、絵付きの図鑑には空き枠がなくなりました。ここでブラウザを閉じれば、ひとつの終わり方です。しかし、もう一度海藻を置き直し、潮を切り替えてみたくなる人もいるはずです。その差はどこから生まれるのでしょうか。 この記事が確かめるのは、題名の問いを次の形にしたものです。「図鑑の完成」は、ゲームの何が終わった地点なのか。図鑑は「何が現れるか」を集める道具です。完成した後に残るのは「なぜ現れるのか」「どこまで少ない置き方で現れるのか」という別の問いだと考えられます。この仮説を、読者が自分で数えて記録する分析の手順に落とし込みます。結果の数値はこの記事には書きません。数えるのは読者自身です。

この記事の目次
  1. 「終わり」を三つに分けて問いを立てる
  2. 配置の広さを先に数える
  3. 記録の設計:1行が1試行
  4. 完成後に行う三つの分析
  5. 結果の読み方と、起こりやすい誤り
  6. 次の行動

「終わり」を三つに分けて問いを立てる

図鑑の完成を「終わり」と呼ぶとき、実は三つの意味が混ざっています。分析を始める前に、どの終わりを調べるのかを分けておきます。

  • 収集の終わり:8種すべてを一度は見た状態です。図鑑の枠が埋まれば達成できます。
  • 理解の終わり:どの配置でどの生きものが現れるかを、自分の言葉で説明できる状態です。図鑑の枠では測れません。
  • 探索の終わり:配置の組み合わせのうち、試す価値のあるものを試し尽くした状態です。

図鑑の完成が保証するのは、このうち収集の終わりだけです。理解と探索がどこまで進んでいるかは、自分で記録を取らなければ判断できません。

ここで、分析の出発点として確かめることが二つあります。ひとつは、図鑑が埋まったあとの画面で何が変わるか、あるいは変わらないかです。画面の細部は作品を開いて確かめてください。もうひとつは、図鑑の進み具合が画面を再読み込みしたあとも残るかどうかです。潮だまりを含む10作品の記録は、画面を開いている間だけ残る仕様です。図鑑や観察ノートがどう扱われるかも作品側で確かめ、残らないなら「完成」はその場限りの状態だと分かっておきます。

配置の広さを先に数える

「全部試し尽くす」が現実的かどうかは、配置の総数で決まります。潮だまりでは、引き潮の浅瀬に海藻を3つ、砂地に小石を2つ置きます。浅瀬に置けるマスの数をA、砂地に置けるマスの数をBとすると、海藻の置き方はAマスから3つを選ぶ組み合わせです。小石の置き方はBマスから2つを選ぶ組み合わせです。

次の条件がそろえば、置き方の総数は「Aから3つを選ぶ数」×「Bから2つを選ぶ数」になります。

  • 海藻は浅瀬だけ、小石は砂地だけに置ける。
  • 3つ・2つは「ちょうどその数を置く」決まりである。
  • 同じマスに二つは置けない。

三つの条件は、どれも作品を開いて確かめてください。たとえば、3つと2つが「上限」で、それより少なくても観察できるなら、置き数ごとの場合が増えて総数も大きくなります。AとBは、盤を見て数えます。

計算は、次の小さなHTMLを使うと確実です。保存してブラウザで開けば単独で動きます。

html
<!doctype html>
<meta charset="utf-8">
<title>配置の数</title>
<p>
  <label>海藻を置ける場所の数 <input id="a" type="number" min="0"></label><br>
  <label>小石を置ける場所の数 <input id="b" type="number" min="0"></label>
</p>
<button id="go">数える</button>
<p id="out"></p>
<script>
function comb(n, k) {
  if (k > n) return 0n;
  let r = 1n;
  for (let i = 1n; i <= BigInt(k); i++) {
    r = r * (BigInt(n) - BigInt(k) + i) / i;
  }
  return r;
}
document.getElementById("go").onclick = () => {
  const a = Number(document.getElementById("a").value);
  const b = Number(document.getElementById("b").value);
  const all = comb(a, 3) * comb(b, 2);
  document.getElementById("out").textContent =
    "海藻3つと小石2つの置き方:" + all + " 通り";
};
</script>

出た数を見て、読み方を決めます。総数が少なければ、全配置を試す「探索の終わり」は現実的です。総数が多ければ、全部は試せません。その場合は、種ごとに仮説を立てて反例を探す方針に切り替えるのが妥当です。盤が左右反転や回転で同じ形になるかどうかも、盤の浅瀬と砂地の位置を見て判断します。対称でなければ、見た目が似た配置も別の配置として数えます。

記録の設計:1行が1試行

数える単位は「1回の配置と観察」を1行とします。海藻と小石を置き、潮を切り替えて結果を見るまでを1試行と決めておけば、後から集計できます。紙でも表計算でも構いません。画面を閉じると消える可能性があるので、記録は画面の外に残します。

  • 試行番号、何を書くか:1から順に、書き方の注意:欠番を作らない
  • 海藻の位置、何を書くか:3つ分のマスの位置、書き方の注意:「上から何行目、左から何列目」の形で統一する
  • 小石の位置、何を書くか:2つ分のマスの位置、書き方の注意:同上
  • 潮の状態、何を書くか:観察した時点の潮、書き方の注意:毎回同じ順で切り替える
  • 現れた生きもの、何を書くか:種類ごとの数、書き方の注意:図鑑の名前で書く
  • 気づき、何を書くか:自分の言葉の一言、書き方の注意:作品側のノートの文面とは分けて書く

観察ノートは作品内の機能です。そのノートが自動で書くことと、自分の「気づき」列は別物です。後で仮説を検証するとき、自分が見たものとノートの文面を混ぜると、何を根拠にしたのか分からなくなります。

位置の書き方は、最初に決めて途中で変えないことが大切です。表記が揺れると、同じ配置を別の配置として数えてしまいます。

完成後に行う三つの分析

図鑑の完成後に、記録表を使って次の三つを調べます。どれも「結果」は自分の記録から出てきます。

分析1:種ごとの「現れた配置」を集める

8種それぞれについて、その種が現れた配置を記録表から抜き出します。目安として、各種で異なる配置を3つ以上集めてください。3つという数に根拠があるわけではありません。1つでは偶然と区別できず、複数あれば共通点を探せる、という実用上の目安です。

集めたら、配置を並べて共通点を探します。隣接条件は上下左右の隣り合うマスで決まるので、見るべきは次の点です。

  • 海藻や小石が、何のマスと上下左右で隣り合っているか。
  • 隣り合う相手が、海藻なのか、小石なのか、何もないマスなのか。
  • 生きものが現れた位置と、置いた物の位置の関係。

共通点が見つかったら、「〇〇は、△△の上下左右の隣に□□があるときに現れる」という形の仮説に書きます。具体的な条件は、作品で確かめて穴を埋めてください。

分析2:仮説を壊す配置を探す

仮説を立てたら、あえてそれに反する配置を作ります。仮説が正しければ現れるはずの配置で現れなければ、仮説は修正が必要です。現れないはずの配置で現れた場合も同じです。反例を意図的に探すのは、「完成後の遊び」のいちばん面白い部分です。図鑑の収集では出会えなかった、条件の境目が見えてきます。

分析3:置き数を減らせるか確かめる

最初に確かめた「3つ・2つは必須か上限か」の答えが「上限」だった場合に限り、置き数を減らせるかを調べます。各種について、置く物を一つずつ減らしても同じ生きものが現れるかを見ます。現れ続ければ、減らした物はその種に必要ありません。現れなくなったら、その物が条件に含まれています。この方法は仮説の裏付けにも使えます。

必須だった場合は、この分析は行いません。代わりに、1配置で同時に現れた種の数を数え、同時出現が多い配置の共通点を探す分析に替えます。

結果の読み方と、起こりやすい誤り

記録がたまったら、終わり方を判断します。事前に基準を書いておくと、気分で決めずに済みます。

  • 8種すべてに、説明できる仮説が1つずつある、読み方:理解の終わりに近い状態です
  • 仮説が反例で何度も崩れる、読み方:完成後の遊びはまだ続きます。条件の見落としがあります
  • 新しい配置を試しても、仮説が通り続ける、読み方:探索を打ち切ってよい目安です
  • 配置の総数が少なく、全部試した、読み方:探索の終わりに到達しています
  • 試行が増えても新しい気づきがない、読み方:飽きて終わるのも、ひとつの正しい終わり方です

起こりやすい誤りも挙げておきます。

  • 1回の結果で結論を出す:同じ配置を作り直したとき、同じ結果になるかは作品を開いて確かめてください。結果が毎回同じかどうかで、再現性の扱いが変わります。
  • 位置を書かずに「だいたい」で記録する:後から配置を再現できなくなります。
  • 潮の状態をそろえない:潮を切り替えて観察する作品なので、どの状態で見たかが結果に影響する可能性があります。
  • 自分の記録とノートを混ぜる:根拠が曖昧になります。
  • 画面を閉じて記録を失う:記録は画面を開いている間だけ残る仕様です。紙や別のメモに残してください。
  • 出現しやすさを「確率」と呼ぶ:自分の試行の中での割合は、作品の仕様上の確率とは別物です。「自分の試行の中で何回現れたか」と書きます。

次の行動

図鑑が埋まったら、まず盤の浅瀬と砂地のマス数を数え、上のコードで配置の総数を出してみてください。そのうえで、好きな一種を選び、異なる配置を3つ集めて「〇〇は…のときに現れる」と一文にまとめます。その一文を壊す配置を探せたとき、図鑑の完成は終わりではなく、次の遊びの入口になっています。