13作品のうち保存があるのは3作品だけ:線引きの理由
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アソバースの公式作品13本のうち、遊んだ内容が残る「保存」があるのは、余白の庭、WAVE / WAVE、かたちのあいだの3作品です。残る10作品の記録や録音は、画面を開いている間だけ残ります。閉じれば消えるため、こだまの森の最高記録も、雨音のピアノで録った演奏も、その場限りです。 この差は、不足ではなく線引きに見えます。ただし、なぜこの3作品なのかを説明した開発者の発言は、確認できる範囲にありません。そこでこの記事では、理由を断定せず、各作品の仕様から「設計から読み取れること」を整理します。最後には、自分の環境で線引きを確かめる手順も示します。
この記事の目次
確認できる事実を先に整理する
根拠にするのは、次の確認済みの事項だけです。
- 保存があるのは余白の庭・WAVE / WAVE・かたちのあいだの3作品です。
- 他の10作品の記録・録音は、画面を開いている間だけ残ります。
- 13作品はすべて独立したHTMLで、外部通信なしに動きます。
- 言語の変更とプレイ画面の拡大では、進行が保たれます。
- 古い保存(version1)は、新しい形式(version2)へ移行します。
保存がある3作品の中身は、次のとおりです。
- 余白の庭、遊びの中身:木・石・草・花・池・灯りを最大80個まで置く。時間制限なし。以前の庭を引き継げる
- WAVE / WAVE、遊びの中身:4つの音を16ステップに並べてループ再生する。パッド演奏の録音、テンポ、スウィング、ミュートがある
- かたちのあいだ、遊びの中身:数字をそろえるスライドパズル。3×3の入門と4×4の2段階。時計の一時停止がある
保存がない側で、画面を開いている間しか残らないと明記されているものを挙げます。
- 雨音のピアノの録音(30秒・128音まで)
- こだまの森の最高記録
- 月夜の配達の、各夜の最少区間数
- 小さな軌道の最速記録
読み取れること①:残したいのは「作ったもの」か「点数」か
余白の庭とWAVE / WAVEには共通点があります。どちらも、遊ぶ人が手を加えるほど作品が育つ道具に近いことです。庭は最大80個まで少しずつ置けます。WAVE / WAVEは16ステップに音を並べ、テンポやスウィングを調整できます。こうした成果物は、一度作ると「続きをやりたい」「もう一度聴きたい」と思われやすい種類のものです。
一方、保存のない側の記録は、多くが「その回の結果」です。こだまの森の最高記録も、小さな軌道の最速記録も、月夜の配達の最少区間数も、挑戦の成績にあたります。成績は、次に遊ぶときに再び更新できます。
ここで、雨音のピアノが気になります。録音もあるのに保存はありません。ただ、録音は30秒・128音までと上限が小さく、その場で再生する機能として説明されています。ここから読み取れるのは、録音を「保管する作品」ではなく、「弾いた直後に聴き返す手段」として位置づけている可能性です。この見方は推測の域を出ません。実際の使い心地は、作品を開いて確かめてください。
読み取れること②:一回の遊びが短いか、中断しやすいか
遊びの長さも手がかりになります。
- 紙ひこうき郵便は、ルートごとに36秒、40秒、44秒です。
- 時計じかけの台所の本番は、1皿28秒です。
- こだまの森は、6・8・10ラウンドの3コースです。
これらは、一度始めれば短い時間で結果が出る設計です。途中で閉じても失うものが小さく、保存がなくても遊びが成り立ちます。
かたちのあいだは事情が違います。4×4のスライドパズルは、考え込めば長くなりえます。時計の一時停止があるのも、中断を前提にした作りに見えます。ここに保存が加わると、「続きは後で」という遊び方が自然に成立します。保存の対象が盤面なのか手数なのか、何が引き継がれるのかは、確認済み事項に書かれていません。作品を開いて確かめる部分です。
線引きがきれいに割り切れない部分
「作ったものは残し、短い遊びは残さない」で全部を説明できるわけではありません。割り切れない点を挙げておきます。
- プリズムの道は8ステージあり、解放済みステージの選び直しができます。それでも保存はなく、最少回転の記録は画面を開いている間だけです。
- 月夜の配達は3つの夜の経路パズルですが、保存はありません。
- 潮だまりには絵付き図鑑と観察ノートがあります。コレクション的な要素ですが、保存のある3作品には入っていません。
つまり、「複数ステージがあるから保存」「図鑑があるから保存」とは言えません。どの作品に保存を付けるかは、遊びの性質をいくつか組み合わせて決められていると考えるほうが自然です。個々の判断の中身までは、確認済み事項からは読み取れません。理由を一つに決めつけず、傾向として捉えるのが安全です。
保存がなくても成り立たせる工夫
保存のない10作品は、進行が途切れても困りにくいよう、周辺の仕組みで支えられているように見えます。
- ヒントと「一手戻す」があります(潮目のオセロ、灯りのチェス、月夜の配達、プリズムの道、かたちのあいだなど)。
- こだまの森と小さな軌道には、一時停止があります。
- 言語の変更とプレイ画面の拡大では、進行が失われません。
- オンライン対戦(潮目のオセロ、灯りのチェス)は、再読み込みで同じ部屋へ復帰できます。
最後の点は区別が必要です。対戦の復帰は、部屋の状態をサーバー側で確認する仕組みによるものです。端末への保存とは別の話です。サーバー側の部屋は24時間、部屋と対戦履歴は作成から7日後に削除対象になります。
自分で確かめる手順
線引きは、自分の環境で試せば確認できます。次の手順で記録を取ってみてください。
- 紙かメモアプリに、作品名・操作・再読み込み後の状態を書く表を作ります。
- 13作品それぞれで、少し遊びます。庭に数個置く、ビートに音を並べる、パズルを数手動かす、スコアを残すなどです。
- ページを再読み込みするか、閉じて開き直します。
- 何が残り、何が消えたかを、盤面・記録・録音・設定の単位で表に書きます。各作品1回で足ります。
- 保存のある3作品は、さらに「以前の庭を引き継げる」といった表示が出るかも確認します。
結果の読み方は次のとおりです。
- 3作品でだけ何かが残り、残りの10作品で消えれば、この記事の整理と一致します。
- 3作品以外で残るものがあれば、表示や仕様が更新された可能性があります。現在の案内で確認してください。
- 3作品でも消えるものがあれば、保存の対象が限られているということです。何が対象かを作品内の表示で確かめてください。
起こりやすい誤りもあります。
- 言語の変更や画面の拡大は、再読み込みとは別の操作です。進行が保たれるのは仕様どおりなので、「残った」に数えないでください。
- オンライン対戦の復帰は、サーバー側の仕組みです。端末の保存として数えないでください。
- ログインの有無で結果が変わるかは、確認済み事項にありません。ゲストとログイン後の両方で試し、表に分けて書いてください。
作る人が持ち帰れる判断基準
自作ゲームを投稿する人にとって、この線引きは「保存を付けるか」を考える材料になります。次の問いを自分の作品に当ててみてください。
- 遊ぶ人が作ったものが、作品の中心になっていますか。
- 一回の遊びは数分以内で終わりますか。それとも中断が起きやすい長さですか。
- 記録を更新する楽しみは、毎回ゼロから始めても成り立ちますか。
アップロードしたゲームにはSDKが自動で追加されます。URL投稿のゲームは、作者がSDKを読み込むと、作品専用のプレイヤーIDとクラウドセーブ(作品ごとにJSONで128KiBまで)が使えます。アップロード作品内のlocalStorageとsessionStorageは、一時メモリーの互換処理です。永続的な保存とは考えないでください。ゲームにFirebaseのUID、認証トークン、メールアドレスを渡してはいけません。
次の行動
まず、余白の庭、WAVE / WAVE、かたちのあいだのどれかを開いて少し遊び、再読み込みして何が残るかを確かめてみてください。次に、保存のない作品を一つ選んで同じ操作をすると、違いがはっきりします。表に書いた結果は、自作ゲームの保存方針を考えるときの下書きにもなります。

