「いいね」を押す基準を自分で決める
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遊び終えた作品のハートの前で、指が止まる場面を考えてみます。最後まで遊びました。悪くなかったのは確かです。ところが「押すか押さないか」と聞かれると、理由がすぐに出てきません。気分で押した作品と、押さなかった作品を並べても、何が違ったのか説明できません。 この記事が確かめるのは、「押す基準を事前に言葉にしておくと、作品の見え方がどう変わるか」です。結論を先に言うと、基準は多いほど良いわけではありません。短くても自分の言葉になっていれば、遊んでいる最中の注意の向け方が変わります。後半では、その変化を自分で確かめる5本分の記録の取り方も示します。
この記事の目次
いいねは何と結びついているのか
基準を決める前に、アソバースのいいねが何に使われるかを整理します。確認済みの範囲は次のとおりです。
- いいねは1アカウントにつき1作品に1件です。
- いいねは「好きな作品」と連動しています。
- ランキングでは、プレイ回数・いいね数・レビュー平均を切り替えて並べられます。
- 評価順は、レビューが3件以上ある作品から掲載されます。
- レビューは1〜5点と1〜2,000文字で書けます。1アカウント1作品1件で、本人が編集・削除でき、自作の評価はできません。
ここから読み取れるのは、いいねが「自分の棚」と「他の人が作品を探す手がかり」の両方につながる軽い印だということです。レビューのように理由を書く場所はありません。理由を書かなくても押せるので、基準は自分で持っておかないと曖昧なままになります。
プレイ回数は作品を起動した実測回数で、人数ではありません。同じ端末・作品の30分以内の再起動は重複として除かれます。回数が多い作品が「多くの人に好かれた作品」とは限らず、いいね数とも別の数字です。自分の基準は、この数字とは独立して持つのが安全です。
なお、いいねを後から取り消せるかどうかなど細かい操作は、この記事では扱いません。現在の案内で確認してください。
基準を言葉にする:一行で書ける問いに直す
「面白かった」は基準になりません。結果をまとめた感想だからです。基準は「何を見て面白いと判断したか」を指す、遊ぶ前から使える問いの形が向いています。候補を挙げます。
- 再起動したくなるか、自分への問い:明日また開く理由があるか、向く作品の傾向:記憶・パズル・音楽など繰り返し型
- 一言で説明できるか、自分への問い:友達に15文字程度で紹介できるか、向く作品の傾向:狙いが一点に絞られた小品
- 迷わず始められるか、自分への問い:説明を読まずに最初の操作ができたか、向く作品の傾向:初見の人に勧めたい作品
- やり直しが苦にならないか、自分への問い:失敗した後に戻る手段があるか、向く作品の傾向:難度のあるパズル・アクション
- 遊び方を選べるか、自分への問い:自分に合う難度や条件で遊べたか、向く作品の傾向:幅広い人が遊ぶ作品
表の「向く作品の傾向」は目安であり、決まりではありません。同じ基準を全ジャンルに当てはめると、ジャンルの違いを不利さとして数えてしまいます。たとえば繰り返し型を前提にした「再起動したくなるか」を、一度で完結する短い物語に当てはめれば、必ず低く出ます。
基準は3つまでに絞ります。5つを超えると、遊びながら全部を気にすることになり、遊ぶこと自体が落ち着かなくなります。3つ選ぶ目安は、直近で「押した作品」と「押さなかった作品」を思い出し、分かれ目になりそうな問いを探すことです。思い出せなければ、表から最も引っかかる3つを選んでかまいません。
基準を持つと、同じ作品の見え方がどう変わるか
基準が作品の見え方を変える仕組みを、公式作品の確認済みの仕様で考えてみます。以下は設計から読み取れることとして書きます。
「やり直しが苦にならないか」を基準にした場面を考えてみます。月夜の配達には「一歩戻る」と、次の一歩を照らすヒントがあります。かたちのあいだにも「一手戻す」があり、ヒントは最短とは限らないと案内されています。この基準を持って遊ぶと、「戻せるか」だけでなく、「戻したあとに何が残るか」まで気になります。かたちのあいだでは、一手戻しても手数は減らない仕様です。この点が自分の基準に合うかどうかは、作品を開いて確かめる部分です。
「遊び方を選べるか」を基準にした場面なら、こだまの森が音なしでも遊べること、小さな軌道が軌道予測を消して挑めることが目に入ります。基準がなければ「機能が付いている」で終わる部分が、「自分はどの条件で遊びたいか」という判断材料に変わります。
「再起動したくなるか」を基準にするなら、記録の扱いにも注意が向きます。確認済みでは、保存があるのは余白の庭・WAVE / WAVE・かたちのあいだの3作品で、他の10作品の記録や録音は画面を開いている間だけです。記録が残らないこと自体は欠点ではありません。ただ「再起動したくなるか」の理由が、記録の積み上げなのか、毎回の遊びの新鮮さなのかを意識するきっかけになります。
ここで大切なのは、基準は作品を採点するための物差しである前に、注意を向ける先を決める道具だということです。基準を持つと、同じ画面でも見る場所が変わります。
自分で行える実験:5本で基準の穴を見つける
基準が役に立つかどうかは、記録を取れば自分で確かめられます。結果はこの記事には書きません。以下の手順で、ご自身のデータを作ってください。
準備するもの
- 遊んだことのない作品5本(ジャンルは混ぜてかまいません)
- メモ(紙でも、スマホのメモでも)
- 3つに絞った基準
手順
- 遊ぶ前に、基準3つを一行ずつメモの上部に書きます。
- 1本につき最低1回は最後まで、またはやめたいと思う場所まで遊びます。
- 遊び終えた直後(3分以内)に、基準ごとに○・△・×のどれかと、一行の理由を書きます。この時点では、いいねを押すかどうかは決めません。
- 5本分を書き終えたら、翌日に再びメモを見ずに「押したい作品」を選びます。
- 翌日の選択と、メモの○△×を並べて見比べます。
記録の単位は「作品ごとに1行、基準ごとに1記号」です。理由は一行以内にします。長く書くと、後付けの説明になりやすいためです。
結果の読み方
- 全部が○なのに押したくない作品があれば、まだ言葉になっていない基準があります。その作品の何が引っかかったかを、一行で書き出します。
- ×があるのに押したい作品があれば、その基準の重みが自分にとって軽い可能性があります。基準を外すか、順位を下げます。
- 5本中4本以上で同じ記号が並ぶ基準は、作品を見分ける力が弱い基準です。差が出る基準に差し替えます。
- 直後の印象と翌日の選択が食い違う作品は、余韻や記憶に残る部分が基準に含まれていない手がかりです。
1週間後にもう一度同じ作業を5本分で行い、基準を見直します。一度で決めず、2〜3回の見直しで安定してくるかどうかを見るのが目的です。
起こりやすい誤り
- 直後に気分で押してから記号を付けること。順序を守らないと、基準が後付けの言い訳になります。
- 基準を増やすこと。3つを超えると、記入が負担になり続きません。
- ジャンルの違いを無視すること。繰り返し型向けの基準を、短い物語に当てはめて低く出さないようにします。
基準は、レビューにもつながる
いいねは理由を書かずに押せます。一方、レビューは1〜2,000文字で書けます。ただしレビューにはメールアドレスの確認が必要で、自作への評価はできません。
基準が言葉になっていれば、レビューは書きやすくなります。たとえば「迷わず始められたが、再起動したくなる理由は見つからなかった」のように、基準ごとに一言ずつ書けば、作者にとって具体的な手がかりになります。点数だけの評価より、次の改善点が伝わります。
また、評価順の並びはレビューが3件以上ある作品から表示されます。基準に沿って書かれたレビューが増えれば、読む側にとっても「どの観点で評価されたか」が見えるようになります。いいねを押す側の基準は、レビューを読むときの基準にもなります。他の人のレビューを読むときは、書き手の基準が自分と同じかどうかを一度確認してみてください。
次の行動
次に遊ぶ作品から、基準を3つ書いたメモを手元に置いてください。5本分の記録がたまったら、翌日に食い違いを確認し、基準を1つだけ入れ替えます。入れ替えた基準で、また5本を遊んでみてください。

