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Claudeに長いPDFを読ませる前の下準備:目的・範囲・出力形式を先に決める

AIを使いこなす

執筆にClaudeを使用しています。

分厚い資料の一部のページだけを抜き出してクリップで留め、3区画の記入シートにペンで書き込んでいる机上の場面
記事の内容をもとに制作したAI生成イメージです。実際の製品画面や検証結果の写真ではありません。

長いPDFを渡して「要約して」とだけ頼むと、何を重視した要約なのか、どこまで読んだ結果なのかが曖昧なまま返ってきがちです。回答のぶれを減らすには、読ませる前に目的(結果で何をするか)・範囲(どこを読み、どこを読まないか)・出力形式(どんな形で、何字で、根拠をどう示すか)の3つを決めておくのが有効です。これは公式の定める手順ではなく、編集部の提案です。3つは依頼文の数行に収まるので、準備の手間は小さく済みます。 この記事では、先に確認したいファイル条件、3項目を埋める下準備シート、そのまま使える最初の依頼文を順に示します。記入例と依頼文は説明用の例で、実際にClaudeへ投げて出力を検証したものではありません。

この記事の目次
  1. 1. 先に確認する:PDFの条件
  2. 2. 下準備シート:3項目を埋める
  3. 3. 最初の依頼文の例
  4. 4. 返ってきた回答を人が確認するポイント
  5. 5. 機密を含むPDFを扱うとき

1. 先に確認する:PDFの条件

下準備の前に、そのPDFが公式の条件に収まるかを見ます。2026年10月27日に確認したClaudeのヘルプ「Uploading files to Claude」には、次の記載がありました。

  • チャットへのアップロードは1ファイル500MBまで、1チャット20ファイルまで
  • PDFは1,000ページまで。1,000ページを超えるPDFはアップロードできない
  • 100ページ以下のPDFは、文章に加えて画像・グラフなどの視覚要素も分析される
  • 101〜1,000ページのPDFは、テキストのみが処理され、視覚要素は分析されない
  • プロジェクトのファイルは1ファイル30MBまで。ファイル数に制限はないが、全体の内容がコンテキストウィンドウに収まる必要がある

つまり、101ページ以上のPDFで「グラフの傾向を読んで」と頼んでも、図そのものは読まれない前提で考えます。ヘルプの書き方からはファイル全体のページ数が基準と読めますが、読む範囲だけで判定されるのかは明記がありません。図表が重要なら、該当ページだけを抜き出した100ページ以下のPDFを作るか、図の数値を表にして渡すのが確実です。上限は変わる可能性があるため、業務で使う前にヘルプを見直してください。

APIで使う場合は条件が別です。公式のPDF supportでは、リクエストサイズは32MB(プラットフォームにより異なる)、1リクエスト最大600ページ(コンテキストウィンドウが1M未満なら100ページ)、形式はパスワードや暗号化のない標準PDFとされています。

2. 下準備シート:3項目を埋める

PDFを開く前に、次の表をコピーして埋めます。空欄が残る項目は、依頼文でも曖昧になります。記入例は、架空の資料「地方自治体向けクラウド導入ガイド(全180ページ)」を、情報システム担当者が社内勉強会の準備で読む想定の説明用の例です。

  • 目的、決めること:回答を見て何をするか。「要約」ではなく用途で書く、記入例:来週の30分の勉強会で、導入の流れと注意点を説明する材料にする
  • 読み手、決めること:結果を使う人と、そのテーマへの前提知識、記入例:クラウドの経験が少ない総務部門の職員
  • 範囲:読む、決めること:対象のページ・章、記入例:PDFの15〜62ページ目(第2章〜第4章)
  • 範囲:除外、決めること:付録、免責、参考文献など、記入例:用語集、付録、事例集
  • 範囲:前提、決めること:基準日、対象期間、対象部門など、記入例:2025年度版の内容として扱う
  • 出力形式、決めること:見出し構成、字数、箇条書きか表か、記入例:見出し3つ(導入の流れ/注意点/判断が必要な点)、各5項目以内の箇条書き
  • 根拠の示し方、決めること:ページ番号や短い引用など、記入例:各項目の末尾に「○ページ目」を付ける
  • 分からないとき、決めること:推測させない扱い、記入例:記載がなければ「記載なし」と書く

ページ番号には注意が必要です。印刷されたページ番号とPDFビューアー上のページ番号は、表紙や目次の数え方でずれることがあります。範囲は「PDFの12〜30ページ目」のように、どちらの番号か明記してください。

また、範囲外のページもファイルとしてはClaudeに渡っています。「読まない」という指示は目安であり、完全に遮断するものではありません。厳密に範囲を限りたいときは、必要なページだけを抜き出したPDFを作って渡してください。この例の180ページのPDFをそのまま渡すと100ページを超えるため、範囲に図表ページがあるなら、抜き出しか文章・表での補足が安全です。

3. 最初の依頼文の例

シートが埋まれば、依頼文は転記するだけです。次は上の記入例を当てはめた説明用の例です。【 】の中身を自分の内容に差し替えて使います。

添付のPDFを読んでください。

【目的】来週の30分の勉強会で、クラウド導入の流れと注意点を説明するための材料にします。
【読み手】クラウドの経験が少ない総務部門の職員です。
【読む範囲】PDFの15〜62ページ目(第2章〜第4章)
【読まない範囲】用語集、付録、事例集
【前提】2025年度版の内容として扱ってください。

【出力形式】
次の3つの見出しで、各5項目以内の箇条書きにしてください。
1. 導入の流れ
2. 注意点
3. 組織として判断が必要な点

【ルール】
- 各項目の末尾にPDFのページ番号(○ページ目)を付けてください。
- 資料に書かれていないことは推測せず「記載なし」としてください。
- 範囲外のページの内容は使わないでください。
- 読み取りにくい箇所があれば、最後にまとめて教えてください。

最後の一文は、抜けや文字化けに気づくための保険です。確認したヘルプにはスキャンPDFの文字認識についての記述がありませんでした。画像を撮っただけのPDFは、事前にビューアーで文字が選択できるかを確かめ、選択できなければ結果を特に慎重に見てください。

範囲が広すぎて回答が薄いと感じたら、章ごとに同じシートで分けて依頼します。「読む範囲」だけを差し替えれば、他の項目は使い回せます。

4. 返ってきた回答を人が確認するポイント

Claudeに任せるのは範囲内の整理と下書きです。次の点は人が確認します。

  1. ページ番号の突き合わせ:重要な項目は、示されたページを開いて原文と照らします。会議や報告に使うものほど、数か所でも必ず確認してください。
  2. 「記載なし」の切り分け:本当に資料にないのか、範囲外にあるのかを見分けます。範囲外なら、範囲を広げて再依頼します。
  3. 数値と固有名詞:金額、日付、制度名は原文と一字ずつ照合します。
  4. 出力形式:見出し数や項目数が指定とずれていたら、内容の前にそこを指摘して直させます。

5. 機密を含むPDFを扱うとき

社内資料や個人情報を含むPDFは、シートの記入例や試し打ちの依頼文に実データを書かないでください。この記事のように社名や数字を置き換えた説明用のデータで型を試し、本番では自社の情報取り扱いルールと利用中のプランの規約に従って判断してください。

出典・参考資料