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ポーンが成る直前に起きること:昇格の前後を5局面で見る

遊びを見つける

執筆にClaudeを使用しています。

二つのチェス盤のキングを、赤い光と白い光で対比した終局のイメージ
記事のテーマをもとに制作したAI生成イラスト。

白のポーンが7段目に立っている場面を考えてみます。あと一歩で昇格なので、成ってしまえば勝ち、と思いたくなります。しかし昇格が成功するか、成っても得をするかは、たいていその一歩前の数え方で決まっています。 この記事では、昇格を止める側と通す側の分かれ目を、5つの練習問題で確かめます。見る点は次の三つです。 どの問題も、駒が少ない局面にしてあります。手元の盤や紙に並べ、答えを読む前に自分で手を探してみてください。

この記事の目次
  1. 問題1:王は間に合うか
  2. 問題2:昇格マスの攻めと守りを数える
  3. 問題3:成らせないまま引き分ける
  4. 問題4:クイーンではなくナイトに成る
  5. 問題5:クイーンに成るとステイルメイト
  6. 実戦で同じ局面を見つける
  7. 次の行動

問題1:王は間に合うか

配置は次のとおりです。白はキングがh1、ポーンがa5です。黒はキングがe6です。ほかに駒はありません。手番は黒です。

黒は引き分けにできるでしょうか。候補はKd6、Ke5、Kf6です。

答えはKd6です。 Kd5やKd7でも同じ考え方が通ります。

根拠は「ポーンの正方形」という数え方です。a5のポーンはa8まで3歩です。そこで、a5からa8までを一辺とする正方形(a〜d列、5〜8段目)を頭の中に描きます。黒番のとき、黒キングがこの正方形に入れば追いつけます。d6は正方形の内側です。

具体的な手順を確かめます。Kd6のあとa6、Kc6、a7、Kb7となり、白がa8=Q+としてもKxa8でポーンを取れます。結果は駒がキング同士だけの引き分けです。

Ke5やKf6はどちらもe列以降にいるので、正方形に入れません。たとえばKe5ならa6、Kd6、a7、Kc7、a8=Qとなり、黒のキングは1歩届きません。

注意点が二つあります。

  • 白番のときは、ポーンが先に一歩進むので正方形が一段小さくなります。手番を含めて数えます。
  • 白キングが近くにいれば、この数え方は使えません。この問題はキングを遠いh1に置いたので成り立ちます。

問題2:昇格マスの攻めと守りを数える

配置は次のとおりです。白はキングがg1、ルークがd1、ポーンがd7です。黒はキングがg8、ルークがa8です。手番は白です。

白はd8=Qと成ってよいでしょうか。

答えは、成ってよい、です。 d8=Q+に対して黒の応手は主に二つです。

  • Rxd8と取ると、Rxd8+で白が黒のルークを得します。取り合いのあと、白にルークが残ります。
  • 取らずにKf7などと逃げると、Qxa8で黒のルークを取られます。

昇格マスd8を守る黒の駒はa8のルーク1枚です。攻める側は、成ったクイーンと後ろのd1のルークで2枚です。昇格マスの取り合いは、駒の数が多い側が最後に残ります。

もしd1のルークがなければ、d8=QはRxd8で終わり、ポーンを失うだけです。通すか止めるかは、昇格マスに利いている駒の数で見分けます。

問題3:成らせないまま引き分ける

配置は次のとおりです。白はキングがg6、ポーンがh6です。黒はキングがh8です。手番は黒です。

白のポーンは隅のh列で、あと2歩で昇格です。黒は引き分けにできるでしょうか。

答えは引き分けです。 黒の最初の手はKg8だけです。g7はキングとポーンに、h7はキングに利かれているので、合法手がほかにありません。

続いて白がh7+と指したとき、黒の応手が分かれ目です。

  • Kh8が正解です。 白のキングがg6にいるかぎり、h8にはポーンも白キングも利きません。ここから白は前に進めません。たとえば白がKf7と指すと、黒のキングに動ける升がなくステイルメイト(王手がなく、動ける手もない状態で、引き分け)になります。
  • Kf8は負けです。 h8=Q+で黒は逃げられません。

白がh7を指さずにKf6などと指した場合は、黒がKh7でh6のポーンを狙います。黒のキングが隅の近くにいるかぎり、h列のポーンは昇格マスに入れません。

隅のポーン(ルークポーン)は、相手のキングが昇格マスの近くにいるだけで、昇格しにくくなります。自分のポーンがa列やh列にあるときは、昇格の期待を割り引いて数えます。

問題4:クイーンではなくナイトに成る

配置は次のとおりです。白はキングがh1、ポーンがe7、ポーンがa2です。黒はキングがg7、クイーンがc7です。手番は白です。

白は何に成るのがよいでしょうか。

答えはe8=N+です。 e8にできたナイトは、g7の黒キングとc7の黒クイーンを同時に攻撃します。

王手を受けた黒は、まず王手に応じなければなりません。ナイトの王手は間に挟めず、e8のナイトにはc7のクイーンの利きも届きません。黒のキングはナイトを取れる位置にもありません。そこで黒はキングを動かすしかなく、次にNxc7でクイーンを取れます。

比較として、e8=Qも指してみてください。e8のクイーンはg7のキングに王手になりません。黒に自由な一手を与えるので、そのとき白キングが安全かどうかも確かめます。

王手とフォークが重なる場面は、ナイトに成る価値が最も出るパターンです。クイーンは多くの場面で最強ですが、「同時に二つを攻める」という点ではナイトにしかできない仕事があります。

問題5:クイーンに成るとステイルメイト

配置は次のとおりです。白はキングがc6、ポーンがc7です。黒はキングがa7です。ほかに駒はありません。手番は白です。

c8=Qと成れば強そうですが、黒番になったとき何が起きるでしょうか。

答えは、c8=Qはステイルメイトです。 c8のクイーンは、a8、b8、b7、a6に利きます。白のキングはb6とb7に利きます。黒キングa7が動ける升はa6、a8、b6、b7、b8の5つで、すべて利かれています。しかもa7自体は王手になっていません。したがって引き分けになります。

正解はc8=Rです。 黒の合法手はKa6だけです。a8とb8はルークに、b6とb7は白キングに利かれています。そこでRa8となります。a8のルークはa列に沿ってa6のキングへ王手をかけます。黒キングの逃げ場は次のとおり塞がっています。

  • b5、b6、b7は白キングが利いています。
  • a5は、キングが動いたあとのa列としてルークが利いています。
  • a7もルークが利いています。

こうして2手でチェックメイトになります。

昇格後の局面を、相手の合法手の数で確かめる習慣をつけると、この罠を避けられます。相手の駒が少ないほど、クイーンに成る前に「相手に動ける手が残るか」を数えます。

実戦で同じ局面を見つける

ここで示した配置を画面に直接置く方法は、確認済みの案内にありません。並べるのは手元の盤や紙でよいと思います。

灯りのチェスには、昇格する駒を自分で選べる仕組みと、標準の終局判定があります。ステイルメイトの判定も標準に沿うはずですが、実際に起きたときに画面で確かめます。練習の流れは次のようになります。

  1. CPU対局(3段階の相手から選びます)で、自分か相手のポーンが6段目か7段目に着いたら、手を止めます。
  2. 三つの問いを順に確かめます。間に合うか。昇格マスの攻守の数は。成る駒はクイーンでよいか。
  3. 迷ったら、ヒントを見たり、一手戻すで別の成り方を試したりします。
  4. 対局後に表示される全棋譜から、昇格が絡んだ場面を探します。「いつ、どちらが、何に成ったか」を一行ずつ書き留めると、自分の癖が見えてきます。

記録は1局ごとに、ポーンが6段目に着いた回数、昇格に成功した回数、成る駒の種類を書けば十分です。数局分たまったら、昇格に失敗した場面だけを振り返ります。失敗のたいていは、問題1の「歩数」か問題2の「数え方」のどちらかです。

次の行動

まず問題1から3を紙に並べ、答えを見ずに手を探してみてください。次に、灯りのチェスのCPU対局で、ポーンが7段目に着いたら立ち止まり、三つの問いを順に確かめてみてください。ステイルメイトの罠が出そうな場面では、成る前に相手の合法手を数えるのが安全です。